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52 VS土のスターシャ
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ターニャはもう覚悟を決めた。
私はターニャの参戦にOKした。2人で土魔法の使い手スターシャを倒す。
それも屈辱的に。
「ターニャだめよ。スターシャは強いわ。私でも厳しいくらい戦いのセンスがあるわ・・」
「シクル、黙って見てなさい」
「え、ユリナ」
「・・シクルさん、ここまで守ってくれてありがとう。力は足りないけど、戦います。あの人だけは許せない」
「ターニャ・・ああ・・」
シクルは、覚悟を決めたターニャの横顔を潤んだ目で見ている。
強い気持ちを持ったターニャに、ナリスの面影を重ねている。
嫌だけど、共感できる。
「ターニャ、これを使って。風の付与が付いている」
「ユリナさん、武器と力、両方借ります」
「作戦は一つだけ。無茶苦茶で、死ぬほど痛い。乗る気はある?」
「もちろん」
「スターシャを正面から潰してやる・・」
「分かりました」
ダルクダンジョン8階で風のカルナから奪った曲刀。あれをターニャに渡した。
そして私は土属性ドラゴンパピーの革ひもを出して、私の右手とターニャの左手をつないだ。
「女2人で手をつないで、なにしたいの? ふざけるな。ストーンニードル!」
ドシュッ。「ぐげ・・」
猛スピードのニードルが、ターニャの胸に突き刺さった。
「ターニャ!」
「ほら、妹もナリスお姉ちゃんと同じように胸を貫いてあげたわ!」
シクルとスターシャが叫ぶ。
ターニャは死なない。
革ひもで私とターニャの手を絡めているのも、その為だ。
『超回復』パキイィィ!
瞬時にターニャの傷は治った。
彼女の胸に刺さっていたニードルは「排除」され、四散した。
私にも刺さったよ・・
この戦い方は「暁の光」と一緒にいたときに考えた。
ギリギリの状況に追い詰められた場合。最悪を想定した。
テーマは「一緒に生き残る」。
やり方は簡単だ。残酷なほどに簡単だ。
常に私が、パートナーの体に触れた状態。
そしてパートナーに、私の肉壁になってもらう。
私が無事でパートナーに密着し、常に『超回復』を唱えていればいい。
そうすれば、頭を潰されるような攻撃でも、絶命する前に攻撃を弾ける。
怪我を治し続けられる。
『超回復』はパッシブだけではない。間を置かないアクティブ使用も可能。
そんな危ない理論。もちろん試したことはない。
ぶっつけ本番である。
「これは、ユリナさん・・」
「人でなし肉壁アタック」
ターニャがジト目で見ている。
利点はもちろん死なないこと。
欠点は肉壁役が、文字通り、死ぬほど痛いこと。
ドスッ。『超回復』ドゴッ。『超回復』。ベキッ。『超回復』
ぱきいいん、と全部の魔法が砕ける。
私とターニャは一歩ずつ、スターシャに近づいている。
「何なのよ。なんでユリナは倒れないのよ。なんでナリスの妹まで不死身なのよ」
ストーンショットを食らった。『超回復』『超回復』
スターシャの土魔法も氷魔法と同じく足止めはできる。
だが、やり方は相手を刺して、縫い付ける形式。
シクルの氷と違い、「破壊的絶対領域」で粉砕できる。
「くそ、魔力が・・。地獄を見せてやる。土の精霊よ、わが敵を地獄の底に縫い付けよ」
スターシャの最大技、「千本地獄」
ビシ、ビシビシビシと甲高い音。柔らかな地面が硬化する。
足の裏に異変を感じる。直後、次々と土の大槍が地面から生えてきた。
ザグ・・。大槍は私達2人の足、腹を容赦なく突き上げた。
「くぼっ!」
「余裕よ、ターニャ」
指をパチンと鳴らしてみた。
『超回復』&「破壊的絶対領域」パキーーーーン。
弾け飛ぶ大槍。
無傷のターニャと私。
ラビット、オーク肉、ボア肉、ランドドラゴン肉を収納指輪から出して栄養補給をしまくっている。
ターニャからも栄養を奪っているが、すかさず『超回復』。
行ったり来たりを繰り返した。
「ええ?」
スターシャには、私達が平然と槍の間を抜けてきたように見える。
「はあっ、はあっ。ユリナさんのスキル、本当にすごい。けど痛いし怖かった」
「頑張ったね。そろそろ終わりだよ」
「くっ。大技を繰り出したのに・・・」
スターシャは逃げ腰になってきた。
恐らくスターシャの魔力量では、このあたりが限界。
簡単に言ってるけど、普通ならターニャと私で合わせて50回は死んでいる。
本来なら、一方的にやられてる。
革ひもを素早く解いてターニャと離れた。私は、スターシャに向かって走った。
「くそっ、なんでそんなに元気なのよ」
ストーンジャベリン。ざくっと、右の腹を裂かれた。
『超回復』
私は、態勢を立て直して、スターシャに向かって行った。
「さすがに魔力が尽きかけているようねスターシャ。うりゃっ」
「そんなパンチを食らうか!」
ゴンッ!
槍で横凪にされたが、私は槍に抱きついた。
初めから、目的は槍封じ。
真打ちは、次だ。
「お姉ちゃんの仇!」
自身の風魔法、曲刀の力を使い、ターニャが私の斜め後ろからジャンプしていた。
長槍を両手でスイングし、反応が遅れたスターシャ。
槍から手を離したけど、ターニャの方が速い。
「捉えた!」
「くそう!」
ドンッ。
ターニャの曲刀が、スターシャの胸を刺した。
偶然なのか・・
ナリスが、スターシャのストーンニードルを食らったときと同じ。
胸の真ん中だ。
私はターニャの参戦にOKした。2人で土魔法の使い手スターシャを倒す。
それも屈辱的に。
「ターニャだめよ。スターシャは強いわ。私でも厳しいくらい戦いのセンスがあるわ・・」
「シクル、黙って見てなさい」
「え、ユリナ」
「・・シクルさん、ここまで守ってくれてありがとう。力は足りないけど、戦います。あの人だけは許せない」
「ターニャ・・ああ・・」
シクルは、覚悟を決めたターニャの横顔を潤んだ目で見ている。
強い気持ちを持ったターニャに、ナリスの面影を重ねている。
嫌だけど、共感できる。
「ターニャ、これを使って。風の付与が付いている」
「ユリナさん、武器と力、両方借ります」
「作戦は一つだけ。無茶苦茶で、死ぬほど痛い。乗る気はある?」
「もちろん」
「スターシャを正面から潰してやる・・」
「分かりました」
ダルクダンジョン8階で風のカルナから奪った曲刀。あれをターニャに渡した。
そして私は土属性ドラゴンパピーの革ひもを出して、私の右手とターニャの左手をつないだ。
「女2人で手をつないで、なにしたいの? ふざけるな。ストーンニードル!」
ドシュッ。「ぐげ・・」
猛スピードのニードルが、ターニャの胸に突き刺さった。
「ターニャ!」
「ほら、妹もナリスお姉ちゃんと同じように胸を貫いてあげたわ!」
シクルとスターシャが叫ぶ。
ターニャは死なない。
革ひもで私とターニャの手を絡めているのも、その為だ。
『超回復』パキイィィ!
瞬時にターニャの傷は治った。
彼女の胸に刺さっていたニードルは「排除」され、四散した。
私にも刺さったよ・・
この戦い方は「暁の光」と一緒にいたときに考えた。
ギリギリの状況に追い詰められた場合。最悪を想定した。
テーマは「一緒に生き残る」。
やり方は簡単だ。残酷なほどに簡単だ。
常に私が、パートナーの体に触れた状態。
そしてパートナーに、私の肉壁になってもらう。
私が無事でパートナーに密着し、常に『超回復』を唱えていればいい。
そうすれば、頭を潰されるような攻撃でも、絶命する前に攻撃を弾ける。
怪我を治し続けられる。
『超回復』はパッシブだけではない。間を置かないアクティブ使用も可能。
そんな危ない理論。もちろん試したことはない。
ぶっつけ本番である。
「これは、ユリナさん・・」
「人でなし肉壁アタック」
ターニャがジト目で見ている。
利点はもちろん死なないこと。
欠点は肉壁役が、文字通り、死ぬほど痛いこと。
ドスッ。『超回復』ドゴッ。『超回復』。ベキッ。『超回復』
ぱきいいん、と全部の魔法が砕ける。
私とターニャは一歩ずつ、スターシャに近づいている。
「何なのよ。なんでユリナは倒れないのよ。なんでナリスの妹まで不死身なのよ」
ストーンショットを食らった。『超回復』『超回復』
スターシャの土魔法も氷魔法と同じく足止めはできる。
だが、やり方は相手を刺して、縫い付ける形式。
シクルの氷と違い、「破壊的絶対領域」で粉砕できる。
「くそ、魔力が・・。地獄を見せてやる。土の精霊よ、わが敵を地獄の底に縫い付けよ」
スターシャの最大技、「千本地獄」
ビシ、ビシビシビシと甲高い音。柔らかな地面が硬化する。
足の裏に異変を感じる。直後、次々と土の大槍が地面から生えてきた。
ザグ・・。大槍は私達2人の足、腹を容赦なく突き上げた。
「くぼっ!」
「余裕よ、ターニャ」
指をパチンと鳴らしてみた。
『超回復』&「破壊的絶対領域」パキーーーーン。
弾け飛ぶ大槍。
無傷のターニャと私。
ラビット、オーク肉、ボア肉、ランドドラゴン肉を収納指輪から出して栄養補給をしまくっている。
ターニャからも栄養を奪っているが、すかさず『超回復』。
行ったり来たりを繰り返した。
「ええ?」
スターシャには、私達が平然と槍の間を抜けてきたように見える。
「はあっ、はあっ。ユリナさんのスキル、本当にすごい。けど痛いし怖かった」
「頑張ったね。そろそろ終わりだよ」
「くっ。大技を繰り出したのに・・・」
スターシャは逃げ腰になってきた。
恐らくスターシャの魔力量では、このあたりが限界。
簡単に言ってるけど、普通ならターニャと私で合わせて50回は死んでいる。
本来なら、一方的にやられてる。
革ひもを素早く解いてターニャと離れた。私は、スターシャに向かって走った。
「くそっ、なんでそんなに元気なのよ」
ストーンジャベリン。ざくっと、右の腹を裂かれた。
『超回復』
私は、態勢を立て直して、スターシャに向かって行った。
「さすがに魔力が尽きかけているようねスターシャ。うりゃっ」
「そんなパンチを食らうか!」
ゴンッ!
槍で横凪にされたが、私は槍に抱きついた。
初めから、目的は槍封じ。
真打ちは、次だ。
「お姉ちゃんの仇!」
自身の風魔法、曲刀の力を使い、ターニャが私の斜め後ろからジャンプしていた。
長槍を両手でスイングし、反応が遅れたスターシャ。
槍から手を離したけど、ターニャの方が速い。
「捉えた!」
「くそう!」
ドンッ。
ターニャの曲刀が、スターシャの胸を刺した。
偶然なのか・・
ナリスが、スターシャのストーンニードルを食らったときと同じ。
胸の真ん中だ。
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