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66 上級ダンジョンへ
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クールな魔法使い。に見えた、オルガさんが泣き出した。
それも満員の食堂で・・
注目を浴びてる。
「おいオルガ、どうしたんだよ」
「ユリン、マリイの指が、私のせいで失くした指が生えてきた・・」
「お願いオルガさん、騒がないで。私、今度こそ、冒険者を続けたいの」
「・・ごめんなさい」
泣きながらも、言いたいことは理解してくれたようだ。
ぼそっ。
「あたいからも謝るよ、ユリナ。こんなすげえスキルが存在したんだな。人には言いふらさない。分かってるよな、マリイ、オルガ」
「もちろん」
「ちょっと驚きすぎて。お礼しなくちゃ」
私は左の手のひらを出した。
「神様との、絶対的な取り決めがあるの。初回限定サービス1000ゴールド」
「少なすぎる・・」
呟くオルガさんから1000ゴールド、小銀貨1枚をひったくった。
ぴりっ。爪先がオルガさんの手のひらに触れたとき、オルガさんの情報が流れてきた。
「なんだ、オルガさんも肘を打ってるのね。あ、ヤバ」
「分かるの?」
「えへへ、内緒ね。追加で1000ゴールド」
「あ、はい。お願いします。ユリナ様」
「また、様つけ、かよ・・」
怪我を治したあと、オルガさんに懐かれた。
何度もオルシマにいつ帰る予定かと聞かれた。
男爵家の次女との一連のトラブルの話をした。
ここのダンジョンで1ヶ月ほど過ごしてから、行き先を決めるとだけ言っておいた。
場合によっては、再び旅に出る。
◆◆◆
ホテル暮らしの3泊は、Cランク以上の冒険者から学ぶものが多かった。
治癒師について聞けたが、オルシマの街の治療院で治せるのは骨折まで。
値段の例。骨折を2日で治して40万ゴールド。
裂けた傷が塞げるレベルのポーションもあるが、価格帯は15万~50万ゴールド。
高いレベルの聖魔法の使い手は、貴族、豪商が抱え込む。
オルガさん達とは2泊重なったが、気を遣ってくれた。
ダンジョンアタック前の私のストレスにならない程度、いい酒飲み仲間になってくれた。
「普通の気功師と私、えらく違うな・・」
気功の使い方も教えてくれた。これは意外にありがたかった。
リフレッシュして、とうとうダンジョンアタックだ。
Eランク、ソロ、軽装備。突っ込みどころが満載である。
いや、突っ込むところしかない。
ギルド出張所の受付さんには止められた。中級ダンジョン踏破証明を示し、渋々通してもらった。
Dランクに上がれる素材は持っている。Cランクを見越して、12階以降の高レベル豚を捕まえたい。
例によって16時間をノンストップで走り、10階到達。10階ボスに時間を掛けず、「等価交換」でサクッとクリアした。
11階の安全地帯で6時間休んで12階。
Dランクに上がれるまでに残り25日。
この先も戦いを避ける。丸1日で20階まで降りるつもり。
狩りは22階から。
レベル45~50オークに挑む。歯ごたえ次第では、さらに10階降りる。
そこで、レベルアップを目指し、レベル50~55オークと豚を「等価交換」なしで倒す。
幸い、オークと豚よりも私の全開走法の方が速い。戦闘ゼロで23時間、20階にきた。
ボスはレベル42オークと豚。護衛が各4匹の10匹と数で押し寄せて来る。
後ろに並ぶボス待ち冒険者が4組いた。迷惑がかかるし、時間はかけられない。
「超回復、等価交換」コンボ全開。30分でクリアした。
スキルが、すごく強い。だけど、レベルを上げる必要はある。
目標のBランクは最低でもレベル60ないと、審査自体が受けられない。
「私には、そっちが面倒なんだよな・・」
21階で半日休憩。
オルガさんに作ってもらったダンジョン情報を開いた。
30階までにセーフティーゾーンは23、26、28階で3ヵ所。
鳥ダンジョンでは適当な場所で寝てた。
だけど、ここにはスケベ魔物のオークがいる。
原っぱで寝ている間に、女として取り返しがつかない状況になるのは、嫌だ。
ところで、オークが敵の半分を占めるせいか、冒険者の8割が男性。
この21階転移装置前も、20階の戦闘を終えた人は男子16人。対して女子は、私も入れて2人だ。
今、3人目の女子が降りてきた。
大変だ。ボス戦前に挨拶した女子が、頭から血を流している。
額がぱっくり割れてる。
「なにはともあれ助けよう」
近付いた。
「エイミー、しっかりしろ。転移装置で地上に帰ったら治療するからな」
「・・ごめん、足手まといになった」
「いいから、静かにしてろ」
「あの~。治療術使えます。応急処置しますね」
「え、ああソロのユリナさんだっけ・・。少しだけでも回復できるなら頼む」
「霊薬」をデカイ木の容器に準備。
手を握って患部を感じると、頭の中が血まみれ。
ヤバいやつだ!
慌てすぎて、手を滑らせた。
木の容器ごと、霊薬を怪我人女性の頭に落とした。
『超回復』ぱちっ。
ごんっ。ばしゃっ。「ぐえっ、痛たい、冷たい!」
「エイミー!」
「うん、治った。軽症だったね」
「軽症?頭蓋骨が・・」
「け、い、しょう~~~。治療費は1000ゴールド」
結局、その光景を見ていた冒険者からリクエスト。
残りの人も集めて『超回復祭り』になった。
その後、スペースの端に寄り鉄製鳥籠で万が一に備え、8時間寝た。
起きるのを待っていたと人がいた。冒険者が8人。
初回限定1000ゴールドを強調して、全員を回復した。
6人目の男性は右肩を治療した。
なぜか、自分の左手を見ながら「聖女様・・」と呟いた。
この光景、幻影だと思う。
◆
22階でオーク2匹に遭遇した。
オークの棍棒が当たるのも構わず、ロングソードのカウンターで顔狙い。
15分で2匹を倒したが、攻撃を食らい過ぎた。
初戦なのに、木刀サイズの材木を12本も使った。
この燃費だと、地上オーク60匹、短時間で「等価交換」に使い切ってしまう。
恐らく、30階はいけても、40階は無理。
要するに、素の私って、本当に弱い。
それも満員の食堂で・・
注目を浴びてる。
「おいオルガ、どうしたんだよ」
「ユリン、マリイの指が、私のせいで失くした指が生えてきた・・」
「お願いオルガさん、騒がないで。私、今度こそ、冒険者を続けたいの」
「・・ごめんなさい」
泣きながらも、言いたいことは理解してくれたようだ。
ぼそっ。
「あたいからも謝るよ、ユリナ。こんなすげえスキルが存在したんだな。人には言いふらさない。分かってるよな、マリイ、オルガ」
「もちろん」
「ちょっと驚きすぎて。お礼しなくちゃ」
私は左の手のひらを出した。
「神様との、絶対的な取り決めがあるの。初回限定サービス1000ゴールド」
「少なすぎる・・」
呟くオルガさんから1000ゴールド、小銀貨1枚をひったくった。
ぴりっ。爪先がオルガさんの手のひらに触れたとき、オルガさんの情報が流れてきた。
「なんだ、オルガさんも肘を打ってるのね。あ、ヤバ」
「分かるの?」
「えへへ、内緒ね。追加で1000ゴールド」
「あ、はい。お願いします。ユリナ様」
「また、様つけ、かよ・・」
怪我を治したあと、オルガさんに懐かれた。
何度もオルシマにいつ帰る予定かと聞かれた。
男爵家の次女との一連のトラブルの話をした。
ここのダンジョンで1ヶ月ほど過ごしてから、行き先を決めるとだけ言っておいた。
場合によっては、再び旅に出る。
◆◆◆
ホテル暮らしの3泊は、Cランク以上の冒険者から学ぶものが多かった。
治癒師について聞けたが、オルシマの街の治療院で治せるのは骨折まで。
値段の例。骨折を2日で治して40万ゴールド。
裂けた傷が塞げるレベルのポーションもあるが、価格帯は15万~50万ゴールド。
高いレベルの聖魔法の使い手は、貴族、豪商が抱え込む。
オルガさん達とは2泊重なったが、気を遣ってくれた。
ダンジョンアタック前の私のストレスにならない程度、いい酒飲み仲間になってくれた。
「普通の気功師と私、えらく違うな・・」
気功の使い方も教えてくれた。これは意外にありがたかった。
リフレッシュして、とうとうダンジョンアタックだ。
Eランク、ソロ、軽装備。突っ込みどころが満載である。
いや、突っ込むところしかない。
ギルド出張所の受付さんには止められた。中級ダンジョン踏破証明を示し、渋々通してもらった。
Dランクに上がれる素材は持っている。Cランクを見越して、12階以降の高レベル豚を捕まえたい。
例によって16時間をノンストップで走り、10階到達。10階ボスに時間を掛けず、「等価交換」でサクッとクリアした。
11階の安全地帯で6時間休んで12階。
Dランクに上がれるまでに残り25日。
この先も戦いを避ける。丸1日で20階まで降りるつもり。
狩りは22階から。
レベル45~50オークに挑む。歯ごたえ次第では、さらに10階降りる。
そこで、レベルアップを目指し、レベル50~55オークと豚を「等価交換」なしで倒す。
幸い、オークと豚よりも私の全開走法の方が速い。戦闘ゼロで23時間、20階にきた。
ボスはレベル42オークと豚。護衛が各4匹の10匹と数で押し寄せて来る。
後ろに並ぶボス待ち冒険者が4組いた。迷惑がかかるし、時間はかけられない。
「超回復、等価交換」コンボ全開。30分でクリアした。
スキルが、すごく強い。だけど、レベルを上げる必要はある。
目標のBランクは最低でもレベル60ないと、審査自体が受けられない。
「私には、そっちが面倒なんだよな・・」
21階で半日休憩。
オルガさんに作ってもらったダンジョン情報を開いた。
30階までにセーフティーゾーンは23、26、28階で3ヵ所。
鳥ダンジョンでは適当な場所で寝てた。
だけど、ここにはスケベ魔物のオークがいる。
原っぱで寝ている間に、女として取り返しがつかない状況になるのは、嫌だ。
ところで、オークが敵の半分を占めるせいか、冒険者の8割が男性。
この21階転移装置前も、20階の戦闘を終えた人は男子16人。対して女子は、私も入れて2人だ。
今、3人目の女子が降りてきた。
大変だ。ボス戦前に挨拶した女子が、頭から血を流している。
額がぱっくり割れてる。
「なにはともあれ助けよう」
近付いた。
「エイミー、しっかりしろ。転移装置で地上に帰ったら治療するからな」
「・・ごめん、足手まといになった」
「いいから、静かにしてろ」
「あの~。治療術使えます。応急処置しますね」
「え、ああソロのユリナさんだっけ・・。少しだけでも回復できるなら頼む」
「霊薬」をデカイ木の容器に準備。
手を握って患部を感じると、頭の中が血まみれ。
ヤバいやつだ!
慌てすぎて、手を滑らせた。
木の容器ごと、霊薬を怪我人女性の頭に落とした。
『超回復』ぱちっ。
ごんっ。ばしゃっ。「ぐえっ、痛たい、冷たい!」
「エイミー!」
「うん、治った。軽症だったね」
「軽症?頭蓋骨が・・」
「け、い、しょう~~~。治療費は1000ゴールド」
結局、その光景を見ていた冒険者からリクエスト。
残りの人も集めて『超回復祭り』になった。
その後、スペースの端に寄り鉄製鳥籠で万が一に備え、8時間寝た。
起きるのを待っていたと人がいた。冒険者が8人。
初回限定1000ゴールドを強調して、全員を回復した。
6人目の男性は右肩を治療した。
なぜか、自分の左手を見ながら「聖女様・・」と呟いた。
この光景、幻影だと思う。
◆
22階でオーク2匹に遭遇した。
オークの棍棒が当たるのも構わず、ロングソードのカウンターで顔狙い。
15分で2匹を倒したが、攻撃を食らい過ぎた。
初戦なのに、木刀サイズの材木を12本も使った。
この燃費だと、地上オーク60匹、短時間で「等価交換」に使い切ってしまう。
恐らく、30階はいけても、40階は無理。
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