ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる

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69 盗賊退治でお勉強

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マーロン君とドラゴニュートのラルーフさんの恋の橋渡し。中途半端にやった。

結果は彼ら次第。


今度こそ受け付けカウンターに行き、帰還報告をした。

カウンターでは、伝言あり。

オルシマの副ギルマスジェフリーさんからだった。

「安心してオルシマの街を訪れて下さい。どういうことだろ」

オルシマのルシア男爵家次女アイリーン。
あの女の障害は、すでにない。そんな内容だった。

考えられることだ。

アイリーン自身、色んなとこで恨まれてる、と思う。

最初の暴走馬車も主人はアイリーンだった。

私が会ってから1か月以上は経っている。

別の問題で逮捕、または復讐されてる可能性も高い。

わざわざ副ギルマスが、何の後ろ盾もないEランク冒険者に伝言をくれた。

一度だけど、話した印象は良かった。

回復スキル目当ての罠って線も薄そうだ。

ダンジョン前からオルシマまでは25キロ。街道があるので、全力走法なら一時間で行ける。

だけど、そういう無茶を20日も続け、気持ちがおかしくなりかけた。

必要がないときは、普通に歩く。

恐らくオルシマの街の門が閉まったあとの到着。

「いい川があったし、その近くで眠ればいいや」

魔物が出たときのために、ミスリル製のワンピース1枚とサンダル。4時間ほど歩いて木陰で休憩した。

ウサギが1回顔を出しただけで、何もなかった。

東側に海があるオルシマは、豊富なダンジョン素材を生かした交易も盛ん。
街の人の生活にも余裕がある。

南に100キロ行けば国境。

北の王都からオルシマまで1100キロ。

さらに南100キロの国境地帯、新興貴族や商人がうまく立ち回り、多くの交易都市が作られている。

それらの勢力が、両国の王家が軽視できない力を持っている。

いざというとき、私が逃げ込める場所も多い。だから、ここを選んだのもある。

今、商人さんの馬車が私と同じスペースで休憩している。

食材を扱っているグルールさん。護衛がCランク3人。

オルシマに帰るところだそうだ。

最近はエールばかり飲んでいる私は、酒の産地について教えてもらった。

お礼に火水風土のドラゴンパピー干し肉を4枚出したら、驚かれた。

出所を聞かれ、素直に素手で捕まえたと言った。ジト目で見られた。

本当のことを言った方が、信じてもらえないのが、今の私である。

オルシマのグルールさんの店に行って、ドラゴンパピーを卸す約束をした。

肉、牙、爪、肝を売って、皮と鱗は私がもらう。これで契約成立。


話をしていると、護衛の斥候役の人が何かに気付いた。

この街道、平和ではあるが100パーセントではなかったようだ。

西、つまり山側の草むらから盗賊が8人出てきた。うち弓持ちが2人。

護衛の人を見ると、商人さんを守るように剣を構えている。

プロだ。

「緊急事態だけど、斥候の人から見て追加部隊はいそうかな?」

「いや。少なくとも100メートルの範囲内には誰もいない」

「私がまず、弓持ちを潰して来るから、頑張ってねー」
「危ないぞ。おい!」

「何ヵ月がしたらCランク試験受けたいの。余裕があれば、私の採点もお願い」

「うわ、呑気だな」

3人は護衛任務が多いと言っていたが、なるほど隙がない。

私は片方の弓持ちに向かって直進した。

その前に立ちはだかる盗賊2人に剣で腹を斬られたが、気にしない。

『超回復』前転して、立ち上がった。

弓持ちに急接近すると、思い切り矢が飛んできて左胸に刺さった。

「ぐえ。試験でこうなったら不合格なのかな」

『超回復』

「仕留めたと思って気を緩めたね」

魔鉄棒を出して、思い切り弓持ちのこめかみを殴った。

「ぎゃあっ!」

「なんだ、あの女」
「こっちの方がやべえ」

商人さんの護衛に向かったのは2人だけ。
残り5人は、異様な私の方に、視線が向いていた。

2人目の弓持ちの攻撃が首筋に当たった。
のけぞったとき、剣士のロングソードの一撃が腰に入った。

「『超回復』そして流星錘」

弓持ちの首に流星錘を投げて巻き付けた。
矢とロングソードの損傷分は、きっちりいただく。

「等価交換」ばちっ。どさっと弓持ちが倒れた。

「致命傷だぞ。なんで女は死なねえんだ」

盗賊4人、私1人での対決。

馬車の護衛手練れ3人に、盗賊わずか2人。

私は4人の男に20回ほど、めった斬りされた。

どさっ、どさっ。だけど倒れたのは盗賊の中の2人。

そのときには、商人さんの護衛3人が来てくれた。

残った盗賊の片方が逃げ出したが、疲れ切っている。

息が上がりながら必死に走る大男。私が追った。

大声を出しながら、鉄の棒を振り回し、大男を追う痩身女性。

絵面は私の方が盗賊かも。

200メートル先で盗賊をタコ殴り。みんなのとこに引きずっていった。


「どう、私、Cランク試験に受かるかな」

聞いてみたが、判定はグレーだった。

「ユリナちゃん、結果的には尋常じゃないほど強いけど・・」
「攻撃食らいすぎ」

「俺が試験官なら、最初の一撃で不合格かな・・」

「魔物討伐で点数を稼いでるなら、捜索系の試験を無難にこなすのが一番かもな」


ソフトな言葉ながら、間違いなく不合格だった。

「回避」。試験に受かるには、忘れていた、回避という技を覚えねばならない。

商人さん達とは、そこで別れた。


私はオルシマの街に入る前に、もうしばらく休むことにした。

盗賊は商人さんの護衛の稼ぎになるし、そのまま連れていってもらった。


盗賊戦で貴重な体験ができて、それで満足だ。

「ぷは~。いい汗かいたあ」

戦闘のあとのエールもおいしかった。

   
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