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4 かつて『友達』と呼んでくれた男の子
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私のユニークスキル「壁削り」が進化して「壁粉砕」になった。
壊れないダンジョンの壁を壊せるだけでなく、行ったことがあるダンジョンの同じ階層に移動できる。
最初に使ったときは、命がかかってて考える余裕がなかった。だけど今、とんでもないことに気づいた。
ゴブダンジョンから200キロ離れたサクラダンジョンに移動できる。
「というか、最大300キロを転移ができる。普通のと違うけど私だけの「壁転移」だ」
レアスキルに「転移魔法」があるが、MP1で距離1キロ。運べる物質の量はMP1追加で約50キロの物を距離1キロが一般的。私とは逆で、何かに干渉されるダンジョン内では使えない。
迷うことはなかった。サクラの街に移動することにした。
私のスキルはダンジョンでしか役立たない。だけど拠点にしているシルビアの街は、ゴブダンジョンなら10キロ、一番近いダンジョンでも数キロ離れている。
街の端にサクラダンジョンが発生したサクラの街の方が、私の安全性が高まるのだ。
危険を避けたい。
実家の継母に、私のスキルが進化して金を生むと知られたら、捕縛される。
不貞の子として心底嫌われている。
それに、遠くに旅して「モルト」という男の子を探しにいきたい。
たった3ヶ月しか会ってなかった人だ。
だけど、私の中で大きな存在。たったひとりだけ、私を友達と言ってくれた人だ。
◇◇私はラフレシという街に拠点を置く、プラナリア商会の商会長サンヨーが生物学上の父。ただし母は愛人だった。
それなりのステータスを得た人が多く住む街。私達母子は浮いていた。
遊び相手もいなかった。
そんな私が9歳のとき、モルトと出会った。
彼は防具職人の両親とともに、長い旅をしていた。両親はラフレシの街にある鍛冶屋で期間を決めて修行をしていた。
ここの修行が終われば、北に1500キロの王都に寄る。最終的には、そこから北西に2000キロ、文化の最先端をいくパーロッバ地方まで行くそうだった。
モルトは忙しい両親に気を使わせないように、町中をぶらぶらしていた。そして、ボッチだった私と出会った。
私は町外れの木陰で木の枝を持って、地面に絵を描いていた。
「楽しい?」
「・・」
「俺モルトだべ」
「楽しくはない」
「そう、俺も描く」
噛み合わない会話から始まった。
彼は絵がうまかった。犬、猫、オーガ、ドラゴン。
どこの子だろう。だけど9歳だったけど、期待はしてなかった。
彼が私と遊んだことを親に言えば怒られる。そして明日から来ない。
何度も裏切られ、子供ながらに予防線を張っていた。
だけど次の日もモルトは来た。珍しいケースだった。
「おめえ名前はなんだ?」
「え?」
初めてきちんと聞かれた。
「フ、フ、フラ・・」
「ん? フー君でええか。俺は・・」
「モ、モルトだったよね」
私は短髪で南方の色黒。彼は北の方の色白エルフ顔。男の子と思われたようだ。
それから毎日遊ぶようになった。
木登り、川遊び、いつも2人だったけど楽しかった。彼は錬成に適正があり、親と同じような装備職人になりたいと言ってた。
私はまだ「壁削り」が発現していなかった。すると彼はスキルがなくても、自由な冒険者になれると教えてくれた。
「俺も冒険者ギルドと鍛冶ギルドの両方に登録すると思う。だから、フー君も一緒に冒険するべ」
「うん。約束だね」
冒険者になるため、2人で棒を振って剣術の訓練のようなものもした。「前傾な独特の構え」と言ってくれたけど、今考えると変な癖があったんだろう。
そうして3ヶ月が過ぎた。彼は優しくて、彼の両親もガッシリとして優しかった。
「愛人の子」である私に偏見の目を向けてこなかった。
別れの日、私は彼に会いに行くと言った。
彼の両親は、恐らく数年後には装備技術が発達している北か北西の国に落ち着いていると思うと言った。
「フー君、おめぇ本当は・・。まあいいや、またな」
「うん、モルト。必ず一緒に冒険しようね」
別れのときも、モルトと私は男同士として別れた。なんとなく、女ではという疑問もわいていたと思う。それより大事なことがある。
何度も友達だと言ってくれた。
またボッチに戻ったけど、涙はこらえた。
以前と違って希望ができた。
12歳で母が死に引き取られた商会で継母にいじめられた。元来が気弱な私は、何度も心が折れそうになった。
だけどモルトとの約束を胸に、11歳で発現した「壁削り」を使い続けた。希望を持ち続ける動力となってくれた彼とダンジョンに感謝している。
「友情」だけが心にある。色恋沙汰の話は、ピンとこない。顔見知りの女性冒険者から聞いて知識としては知っている。
いまだ女子力ゼロだ。
◆
もうシルビアの街には未練はない。
このまんま移りたいが、懸念材料がある。セバスティアン達「オーガキラー」のことだ。
彼ら5人が昨日から行方不明になっていることは、いずれ明るみに出る。私を遊びで殺そうとしたことを知る人間がいなければ問題ない。知ってる人間がいるときは、心構えが必要となる。
だから、1度はシルビアに立ち寄る。
その前に休憩。
数時間でレベルが10から54に跳ね上がった。総MPも540だけど、壁粉砕の使用MPは30。
モンスターハウスの攻防で壁の向こうの確認も入れて、スキルを使いまくった。穴の大きさに関係なく消費MPは30だった。レベルアップしたのに115しかMPが残っていない。
いつものように、ゴブのセーフティーゾーンで寝ることにした。
MPは24時間で満タンになる。総MPが540まて上がった私は1時間で22回復する。
6時間寝て、次の行動に移ることにした。
壊れないダンジョンの壁を壊せるだけでなく、行ったことがあるダンジョンの同じ階層に移動できる。
最初に使ったときは、命がかかってて考える余裕がなかった。だけど今、とんでもないことに気づいた。
ゴブダンジョンから200キロ離れたサクラダンジョンに移動できる。
「というか、最大300キロを転移ができる。普通のと違うけど私だけの「壁転移」だ」
レアスキルに「転移魔法」があるが、MP1で距離1キロ。運べる物質の量はMP1追加で約50キロの物を距離1キロが一般的。私とは逆で、何かに干渉されるダンジョン内では使えない。
迷うことはなかった。サクラの街に移動することにした。
私のスキルはダンジョンでしか役立たない。だけど拠点にしているシルビアの街は、ゴブダンジョンなら10キロ、一番近いダンジョンでも数キロ離れている。
街の端にサクラダンジョンが発生したサクラの街の方が、私の安全性が高まるのだ。
危険を避けたい。
実家の継母に、私のスキルが進化して金を生むと知られたら、捕縛される。
不貞の子として心底嫌われている。
それに、遠くに旅して「モルト」という男の子を探しにいきたい。
たった3ヶ月しか会ってなかった人だ。
だけど、私の中で大きな存在。たったひとりだけ、私を友達と言ってくれた人だ。
◇◇私はラフレシという街に拠点を置く、プラナリア商会の商会長サンヨーが生物学上の父。ただし母は愛人だった。
それなりのステータスを得た人が多く住む街。私達母子は浮いていた。
遊び相手もいなかった。
そんな私が9歳のとき、モルトと出会った。
彼は防具職人の両親とともに、長い旅をしていた。両親はラフレシの街にある鍛冶屋で期間を決めて修行をしていた。
ここの修行が終われば、北に1500キロの王都に寄る。最終的には、そこから北西に2000キロ、文化の最先端をいくパーロッバ地方まで行くそうだった。
モルトは忙しい両親に気を使わせないように、町中をぶらぶらしていた。そして、ボッチだった私と出会った。
私は町外れの木陰で木の枝を持って、地面に絵を描いていた。
「楽しい?」
「・・」
「俺モルトだべ」
「楽しくはない」
「そう、俺も描く」
噛み合わない会話から始まった。
彼は絵がうまかった。犬、猫、オーガ、ドラゴン。
どこの子だろう。だけど9歳だったけど、期待はしてなかった。
彼が私と遊んだことを親に言えば怒られる。そして明日から来ない。
何度も裏切られ、子供ながらに予防線を張っていた。
だけど次の日もモルトは来た。珍しいケースだった。
「おめえ名前はなんだ?」
「え?」
初めてきちんと聞かれた。
「フ、フ、フラ・・」
「ん? フー君でええか。俺は・・」
「モ、モルトだったよね」
私は短髪で南方の色黒。彼は北の方の色白エルフ顔。男の子と思われたようだ。
それから毎日遊ぶようになった。
木登り、川遊び、いつも2人だったけど楽しかった。彼は錬成に適正があり、親と同じような装備職人になりたいと言ってた。
私はまだ「壁削り」が発現していなかった。すると彼はスキルがなくても、自由な冒険者になれると教えてくれた。
「俺も冒険者ギルドと鍛冶ギルドの両方に登録すると思う。だから、フー君も一緒に冒険するべ」
「うん。約束だね」
冒険者になるため、2人で棒を振って剣術の訓練のようなものもした。「前傾な独特の構え」と言ってくれたけど、今考えると変な癖があったんだろう。
そうして3ヶ月が過ぎた。彼は優しくて、彼の両親もガッシリとして優しかった。
「愛人の子」である私に偏見の目を向けてこなかった。
別れの日、私は彼に会いに行くと言った。
彼の両親は、恐らく数年後には装備技術が発達している北か北西の国に落ち着いていると思うと言った。
「フー君、おめぇ本当は・・。まあいいや、またな」
「うん、モルト。必ず一緒に冒険しようね」
別れのときも、モルトと私は男同士として別れた。なんとなく、女ではという疑問もわいていたと思う。それより大事なことがある。
何度も友達だと言ってくれた。
またボッチに戻ったけど、涙はこらえた。
以前と違って希望ができた。
12歳で母が死に引き取られた商会で継母にいじめられた。元来が気弱な私は、何度も心が折れそうになった。
だけどモルトとの約束を胸に、11歳で発現した「壁削り」を使い続けた。希望を持ち続ける動力となってくれた彼とダンジョンに感謝している。
「友情」だけが心にある。色恋沙汰の話は、ピンとこない。顔見知りの女性冒険者から聞いて知識としては知っている。
いまだ女子力ゼロだ。
◆
もうシルビアの街には未練はない。
このまんま移りたいが、懸念材料がある。セバスティアン達「オーガキラー」のことだ。
彼ら5人が昨日から行方不明になっていることは、いずれ明るみに出る。私を遊びで殺そうとしたことを知る人間がいなければ問題ない。知ってる人間がいるときは、心構えが必要となる。
だから、1度はシルビアに立ち寄る。
その前に休憩。
数時間でレベルが10から54に跳ね上がった。総MPも540だけど、壁粉砕の使用MPは30。
モンスターハウスの攻防で壁の向こうの確認も入れて、スキルを使いまくった。穴の大きさに関係なく消費MPは30だった。レベルアップしたのに115しかMPが残っていない。
いつものように、ゴブのセーフティーゾーンで寝ることにした。
MPは24時間で満タンになる。総MPが540まて上がった私は1時間で22回復する。
6時間寝て、次の行動に移ることにした。
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