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番外編
バレンタイン シャルロット編
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今日はバレンタイン。
私はカイト様に渡すチョコを持って登園していた。
彼には放課後渡す予定だ。
学園の玄関にさしかかると、人だかりが出来ている事に気付く。
そこにはマグリット様とアルルーノ様がいるようだった。
女子達がチョコを渡そうと必死の様子、アルルーノ様の髪が揉みくちゃにされているのが分かる。
マグリット様は無駄に色気を振りまいて、女子達を戦闘不能にしているようだ。
さすがだ。
彼はティーナ以外の女子にはすこぶる優しいくて甘い。
アルルーノ様が切れて暴れ出したところで、マグリット様がアルルーノ様を回収して逃げ出したようだ。
そして玄関に入ると今度は女子達が綺麗に整列し何かに並んでいる姿が見えた。
30人ぐらい並んでいるだろうか?先頭にはヘンリー様がいた。
何人かの護衛がヘンリー様に触ろうとする女子達をひっぺがしていた。
ヘンリー様は苦笑いしながらも優しく受け取っていた。
殿下も大変だなと思いながら、横を素通りする。
この分だとイサキオス様も揉みくちゃかなと思いながら進んだが、彼の姿は見えなかった。
教室に入るとティーナとイザベルが先に来ているようだった。
揉みくちゃにされ機嫌の悪いアルルーノ様が、ティーナに薬を飲ませようとしている。
彼はティーナを虐めるのが大好きなのだ。
私は皆に挨拶をした後、カイト様の横の席に座る。
クルンっとウエーブのかかった美しい金髪、大きな眼鏡の中で煌めく美しい緑がかったブルーの瞳、彼のそばかすも私には彼を彩る星々の様に見える。
「カイト様おはようございます。」
私は無駄に彼に近付き挨拶をした。
「お、おはよう。シャルロット嬢。」
彼は真っ赤になる。私は彼の手を取り、
「シャルロットとお呼び下さいと言いましたわ。」
そう懇願した。
カイトはさらに真っ赤になり、コクコクと頷いた。
私は満足して、自分の席に戻る。
さて、彼にチョコを渡すタイミングはどうしようかしら?
私は心の中で色々なパターンを想像し、ニヤニヤする。
あぁ、彼は一体どんな顔をするかしら。
放課後になり、皆帰って行く。
私もカイト様にさよならの挨拶をして先に出た。
カイト様は何か言いたげな顔をしたが、私は見て見ぬ振りをし、教室から出る。
廊下の角で彼が出て来るのを待つつもりだ。
しかし、廊下に出てすぐに問題が起きた。
私は今、前に同じクラスだった男子に壁ドンされている。
名前は確かハミルトン伯爵?多分。
同じ学年の彼なのだが、発育が良く170㎝は軽く超えていて、見下ろされている。
身体も鍛えているのか、ガッチリを通り越してムキムキだ。
私は全く好みではない彼に近付かれて吐き気を催しそうになっていた。
「何ですか?」
私は睨む。
「シャルロット嬢、今日が何の日か知っていますか?」
「、、、。」
私は答えなかった。
すると彼が勝手にベラベラと話し始める。
「今日は女から男に告白が出来る日だぞ?俺は沢山チョコを渡されたが全部断った。なぜか分かるか?俺はお前のチョコ以外いらないからだ。」
彼は鼻息荒く私の顔を見つめてくる。
私はさらに吐き気がした。
コイツの大事な所を膝蹴りして逃げ出そうか、、しかし蹴りたくも無い。
どうしようか悩んでいると、横から声がした。
「おい、何してるんだ?」
声の方に目をやると、いつもの優しいオーラではなく、真っ黒いオーラが漏れ出したカイト様が立っていた。
最近少し大きくなった彼は155㎝になった。私としては小さい彼も可愛くて好きなので、どっちでも良いのだが。
「カイト様。」
私は嬉しそうに彼を見た。
ハミルトン伯爵は、カイト様を威嚇する様に睨みつけると、胸ぐらを掴んだ。
「お前何なんだ?俺の邪魔をするのか?」
このクソ男、私が膝蹴りをしようとすると、それより前にカイト様が彼に何か囁く。
ハミルトン伯爵は赤くなった後青くなって、どこかへ行ってしまった。
「カイト様一体何と?」
カイト様は私に近付くと、私の手を握った。
「シャルロット、一緒に帰るよ。」
私はドキドキと胸が高鳴った。
「カイト様、私、カイト様の事が大好きです。」
私は唐突に告白し、カイト様に抱き付いた。いつもなら真っ赤になる彼が今日は何かのスイッチが入っているのか、私を抱きしめ返し、
「僕の事もカイトと呼んで。」
そう言った。
あぁ、ダメ。弱い彼も大好きだけど、強い彼も好き。
今までは感じた事のない責められたいという願望、、彼になら良いかもしれない。
シャルロットは自分の新しい性癖を知った。
男らしい彼に頬を染めた彼女は、女の子らしく恥ずかしそうにチョコを渡したのだった。
私はカイト様に渡すチョコを持って登園していた。
彼には放課後渡す予定だ。
学園の玄関にさしかかると、人だかりが出来ている事に気付く。
そこにはマグリット様とアルルーノ様がいるようだった。
女子達がチョコを渡そうと必死の様子、アルルーノ様の髪が揉みくちゃにされているのが分かる。
マグリット様は無駄に色気を振りまいて、女子達を戦闘不能にしているようだ。
さすがだ。
彼はティーナ以外の女子にはすこぶる優しいくて甘い。
アルルーノ様が切れて暴れ出したところで、マグリット様がアルルーノ様を回収して逃げ出したようだ。
そして玄関に入ると今度は女子達が綺麗に整列し何かに並んでいる姿が見えた。
30人ぐらい並んでいるだろうか?先頭にはヘンリー様がいた。
何人かの護衛がヘンリー様に触ろうとする女子達をひっぺがしていた。
ヘンリー様は苦笑いしながらも優しく受け取っていた。
殿下も大変だなと思いながら、横を素通りする。
この分だとイサキオス様も揉みくちゃかなと思いながら進んだが、彼の姿は見えなかった。
教室に入るとティーナとイザベルが先に来ているようだった。
揉みくちゃにされ機嫌の悪いアルルーノ様が、ティーナに薬を飲ませようとしている。
彼はティーナを虐めるのが大好きなのだ。
私は皆に挨拶をした後、カイト様の横の席に座る。
クルンっとウエーブのかかった美しい金髪、大きな眼鏡の中で煌めく美しい緑がかったブルーの瞳、彼のそばかすも私には彼を彩る星々の様に見える。
「カイト様おはようございます。」
私は無駄に彼に近付き挨拶をした。
「お、おはよう。シャルロット嬢。」
彼は真っ赤になる。私は彼の手を取り、
「シャルロットとお呼び下さいと言いましたわ。」
そう懇願した。
カイトはさらに真っ赤になり、コクコクと頷いた。
私は満足して、自分の席に戻る。
さて、彼にチョコを渡すタイミングはどうしようかしら?
私は心の中で色々なパターンを想像し、ニヤニヤする。
あぁ、彼は一体どんな顔をするかしら。
放課後になり、皆帰って行く。
私もカイト様にさよならの挨拶をして先に出た。
カイト様は何か言いたげな顔をしたが、私は見て見ぬ振りをし、教室から出る。
廊下の角で彼が出て来るのを待つつもりだ。
しかし、廊下に出てすぐに問題が起きた。
私は今、前に同じクラスだった男子に壁ドンされている。
名前は確かハミルトン伯爵?多分。
同じ学年の彼なのだが、発育が良く170㎝は軽く超えていて、見下ろされている。
身体も鍛えているのか、ガッチリを通り越してムキムキだ。
私は全く好みではない彼に近付かれて吐き気を催しそうになっていた。
「何ですか?」
私は睨む。
「シャルロット嬢、今日が何の日か知っていますか?」
「、、、。」
私は答えなかった。
すると彼が勝手にベラベラと話し始める。
「今日は女から男に告白が出来る日だぞ?俺は沢山チョコを渡されたが全部断った。なぜか分かるか?俺はお前のチョコ以外いらないからだ。」
彼は鼻息荒く私の顔を見つめてくる。
私はさらに吐き気がした。
コイツの大事な所を膝蹴りして逃げ出そうか、、しかし蹴りたくも無い。
どうしようか悩んでいると、横から声がした。
「おい、何してるんだ?」
声の方に目をやると、いつもの優しいオーラではなく、真っ黒いオーラが漏れ出したカイト様が立っていた。
最近少し大きくなった彼は155㎝になった。私としては小さい彼も可愛くて好きなので、どっちでも良いのだが。
「カイト様。」
私は嬉しそうに彼を見た。
ハミルトン伯爵は、カイト様を威嚇する様に睨みつけると、胸ぐらを掴んだ。
「お前何なんだ?俺の邪魔をするのか?」
このクソ男、私が膝蹴りをしようとすると、それより前にカイト様が彼に何か囁く。
ハミルトン伯爵は赤くなった後青くなって、どこかへ行ってしまった。
「カイト様一体何と?」
カイト様は私に近付くと、私の手を握った。
「シャルロット、一緒に帰るよ。」
私はドキドキと胸が高鳴った。
「カイト様、私、カイト様の事が大好きです。」
私は唐突に告白し、カイト様に抱き付いた。いつもなら真っ赤になる彼が今日は何かのスイッチが入っているのか、私を抱きしめ返し、
「僕の事もカイトと呼んで。」
そう言った。
あぁ、ダメ。弱い彼も大好きだけど、強い彼も好き。
今までは感じた事のない責められたいという願望、、彼になら良いかもしれない。
シャルロットは自分の新しい性癖を知った。
男らしい彼に頬を染めた彼女は、女の子らしく恥ずかしそうにチョコを渡したのだった。
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