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本当の始まり
脳筋の癒し
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明日に全校集会を向かえ、ストレスMAXだった私は放課後イサキオスと一緒に騎士団の訓練へ来ていた。
訓練へ参加する事がストレス発散になるのかは謎なのだが、皆が私に会いたがっていたと聞いたので、私も会いたくなったといったところだ。
騎士団の団長さんには私が女だという事を知られていたが、他の人には知らせていなかった。
クラスメイトに土下座した数日後に、騎士団でも同じように土下座した。
皆笑って許してくれた。
やっぱりこんな可愛い男がいるもんかと皆で揉みくちゃになるほど撫でられた。さすがにこの時はイサキオスも止めたりせず笑って見守っていた。
それからイサキオスが戦ってくれなくなったので、実戦の訓練にはならなくなったが、たまに来ては走り込みや、筋トレなど一緒にしていた。
いつも訓練場へ行くと皆が笑顔で迎えてくれるのだが、今日はどことなく皆疲れた顔でヨレヨレと寄ってくる。
2m近しある筋肉隆々の男達が寄って来ては私を抱きしめて、しばらくすると去って行くという謎の儀式が始まった。
イサキオスはこの理由を知っているらしく、苦笑いしながら私の横でその儀式を見守っている。
「ウェスタンさん!これは一体!?」
団長さんが現れたところで、私は巨体から顔だけ出して助けを求めた。
皆疲れ切った顔をしているので、押しのける訳にもいかず、かといっていつ終わるか分からない謎の儀式を受け続けると、私は新しい世界を知ってしまいそうで自分が怖い。
ウェスタンさんは苦笑いしながら寄って来た。
今引っ付いている人をベリッと剥がし、私の横に来て謝った。
「すまんな、クリスティーナ。ここ数日で皆精神が参ってしまっていて。お前が来てくれて良かったよ。ほら生き生きし出しただろ?」
儀式を終えた者達は目に正気を取り戻し、生き生きと訓練を始めたようだ。
私から一体何が滲み出ているのだろう?
「一体何があったんですか?」
私が聞くと、ウェスタンさんはイサキオスの方を見て、何も話してないんだなと苦笑いした。
「クリスティーナは学園で一緒だから、光の魔法が使える少女の事知ってるんだろ?」
「マリアの事ですか?」
「そうだ。彼女がここ数日この訓練場に通ってたんだよ。」
私は目を丸くした。彼女はやはり努力家なのか、、。
「殿下と結婚したいと言ったらしいが、聖剣を出さない事には話しにならない。そこで陛下が第1騎士団の訓練に参加してみよと言ったらしくてな。」
話しを聞いている間も、人が来ては私に引っ付いては去って行く。
何か匂われた、、恥ずかしい。
話しが頭に入って来ない、、。
「しかし、その娘は今まで身体など鍛えてきていないのだ。こんな所へ来ても出来ることなど無い、、陛下は一体何を考えているやら。」
マリアはここで散々好き勝手に過ごしたらしい。
走って足が痛くなっては、足を揉めと騎士団の人を使い、喉が渇いた、暑い、肩が凝った、、それこそどこぞのお姫様かと思うほどのワガママ放題だったとか。ヘンリーの話しでは人の心を掴むのにたけていると言っていたのに、騎士団の人達はもう彼女の顔も見たくないと嘆いていた。
「聖剣を出してしまえば、彼女は将来王妃になるかもしれないから皆逆らえないんだ。私達への扱いは酷いものだが、様子を見に来た陛下の部下達への対応は恐ろしいほど完璧でな。この様な事を言えば不敬罪で捕まるかもしれないが、、あの娘は恐ろしい。今まで平民でいたというのは嘘ではないかと思うほどに。」
いつもは爽やかで清々しいイメージのウェスタンさんなのだが、疲れの為か覇気が無い。
マリアが乙女ゲームの事を知っている、、確信した気がした。
きっと乙女ゲームで重要な役割を果たしている者にだけ媚びを売り、自分の地盤を固めていっているのだ。
ヘンリーが彼女になびいていない事が救いだが、それも完全では無い。
ストレス解消に来たはずだったのだが、心に重いものを抱えた気がした。
「ティーナ。」
イサキオスが私を呼んだ。
彼を見ると、とても心配そうな瞳で私を見つめている。
「イザベル嬢の事は心配だが、マリア嬢にはあまり近付かないでくれ。」
彼は私の指先をそっと握る。
「イサキオスはマリアの事どう思ったの?」
彼は感じた事を思い出すようにポツリポツリと話す。
「上手く言えないのだが、、同じ13歳のはずなのに、、話しているともっとずっと年上の様に感じた。大人びてるとかそんな問題ではなく、、自分の親よりももっと年上の、、。」
感じただけだからやはり上手く言えないと言って彼は謝った。
「それは良い意味?悪い意味?」
私の中の良い意味とは深い知識を持った賢者の様なイメージを意味する。
悪い意味とは、、
「悪い方だ。汚い事を潜り抜けてきて面の皮が厚くなった、、そんな感覚を持った。あの目は、、人を殺した事がある、、俺はそう感じた。」
私はバレンティア家の人間だ。こんな事で絶句してはいけない。
でも私は人を殺したことが無い。
そして何より乙女ゲームのヒロインが人を殺した事があるという事実に衝撃を受けた。
乙女ゲームとは名ばかりの、これは命をかけた戦いなのだと私はその日ようやく気付いた。
訓練へ参加する事がストレス発散になるのかは謎なのだが、皆が私に会いたがっていたと聞いたので、私も会いたくなったといったところだ。
騎士団の団長さんには私が女だという事を知られていたが、他の人には知らせていなかった。
クラスメイトに土下座した数日後に、騎士団でも同じように土下座した。
皆笑って許してくれた。
やっぱりこんな可愛い男がいるもんかと皆で揉みくちゃになるほど撫でられた。さすがにこの時はイサキオスも止めたりせず笑って見守っていた。
それからイサキオスが戦ってくれなくなったので、実戦の訓練にはならなくなったが、たまに来ては走り込みや、筋トレなど一緒にしていた。
いつも訓練場へ行くと皆が笑顔で迎えてくれるのだが、今日はどことなく皆疲れた顔でヨレヨレと寄ってくる。
2m近しある筋肉隆々の男達が寄って来ては私を抱きしめて、しばらくすると去って行くという謎の儀式が始まった。
イサキオスはこの理由を知っているらしく、苦笑いしながら私の横でその儀式を見守っている。
「ウェスタンさん!これは一体!?」
団長さんが現れたところで、私は巨体から顔だけ出して助けを求めた。
皆疲れ切った顔をしているので、押しのける訳にもいかず、かといっていつ終わるか分からない謎の儀式を受け続けると、私は新しい世界を知ってしまいそうで自分が怖い。
ウェスタンさんは苦笑いしながら寄って来た。
今引っ付いている人をベリッと剥がし、私の横に来て謝った。
「すまんな、クリスティーナ。ここ数日で皆精神が参ってしまっていて。お前が来てくれて良かったよ。ほら生き生きし出しただろ?」
儀式を終えた者達は目に正気を取り戻し、生き生きと訓練を始めたようだ。
私から一体何が滲み出ているのだろう?
「一体何があったんですか?」
私が聞くと、ウェスタンさんはイサキオスの方を見て、何も話してないんだなと苦笑いした。
「クリスティーナは学園で一緒だから、光の魔法が使える少女の事知ってるんだろ?」
「マリアの事ですか?」
「そうだ。彼女がここ数日この訓練場に通ってたんだよ。」
私は目を丸くした。彼女はやはり努力家なのか、、。
「殿下と結婚したいと言ったらしいが、聖剣を出さない事には話しにならない。そこで陛下が第1騎士団の訓練に参加してみよと言ったらしくてな。」
話しを聞いている間も、人が来ては私に引っ付いては去って行く。
何か匂われた、、恥ずかしい。
話しが頭に入って来ない、、。
「しかし、その娘は今まで身体など鍛えてきていないのだ。こんな所へ来ても出来ることなど無い、、陛下は一体何を考えているやら。」
マリアはここで散々好き勝手に過ごしたらしい。
走って足が痛くなっては、足を揉めと騎士団の人を使い、喉が渇いた、暑い、肩が凝った、、それこそどこぞのお姫様かと思うほどのワガママ放題だったとか。ヘンリーの話しでは人の心を掴むのにたけていると言っていたのに、騎士団の人達はもう彼女の顔も見たくないと嘆いていた。
「聖剣を出してしまえば、彼女は将来王妃になるかもしれないから皆逆らえないんだ。私達への扱いは酷いものだが、様子を見に来た陛下の部下達への対応は恐ろしいほど完璧でな。この様な事を言えば不敬罪で捕まるかもしれないが、、あの娘は恐ろしい。今まで平民でいたというのは嘘ではないかと思うほどに。」
いつもは爽やかで清々しいイメージのウェスタンさんなのだが、疲れの為か覇気が無い。
マリアが乙女ゲームの事を知っている、、確信した気がした。
きっと乙女ゲームで重要な役割を果たしている者にだけ媚びを売り、自分の地盤を固めていっているのだ。
ヘンリーが彼女になびいていない事が救いだが、それも完全では無い。
ストレス解消に来たはずだったのだが、心に重いものを抱えた気がした。
「ティーナ。」
イサキオスが私を呼んだ。
彼を見ると、とても心配そうな瞳で私を見つめている。
「イザベル嬢の事は心配だが、マリア嬢にはあまり近付かないでくれ。」
彼は私の指先をそっと握る。
「イサキオスはマリアの事どう思ったの?」
彼は感じた事を思い出すようにポツリポツリと話す。
「上手く言えないのだが、、同じ13歳のはずなのに、、話しているともっとずっと年上の様に感じた。大人びてるとかそんな問題ではなく、、自分の親よりももっと年上の、、。」
感じただけだからやはり上手く言えないと言って彼は謝った。
「それは良い意味?悪い意味?」
私の中の良い意味とは深い知識を持った賢者の様なイメージを意味する。
悪い意味とは、、
「悪い方だ。汚い事を潜り抜けてきて面の皮が厚くなった、、そんな感覚を持った。あの目は、、人を殺した事がある、、俺はそう感じた。」
私はバレンティア家の人間だ。こんな事で絶句してはいけない。
でも私は人を殺したことが無い。
そして何より乙女ゲームのヒロインが人を殺した事があるという事実に衝撃を受けた。
乙女ゲームとは名ばかりの、これは命をかけた戦いなのだと私はその日ようやく気付いた。
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