元アラフィフ男の異世界転生記 〜新しい家族とともに異世界を謳歌する〜

あかいとまと

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第27話:異世界マーケット

第27話:異世界マーケット

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 スマホを弄っていた俺は、ふと画面の端に光る新しいアプリアイコンに目を奪われた。
 『異世界マーケット』と書かれたそのアイコンは、まるで俺を誘うように淡く光っていた。 
 「⋯⋯なんだこれ? 前はなかったはずだよな?」と首を傾げながらタップすると、画面は一瞬で切り替わり、無数の商品がズラリと並んだ。
 『地球の商品が購入可能』と書かれた文字に、俺の心臓がドクンと跳ねた。
 「まさか⋯⋯本当に?」と半信半疑でスクロールしていると、ディーツ、ウェットティッシュ、万能焼肉のタレ、シャンプー、石鹸、マヨネーズ、インスタントラーメン、ポテチ、冷蔵庫、エアコン、発電機、ランタン、CDデッキ⋯⋯ありとあらゆる地球の日常品が、異世界通貨で購入できるようになっていた。
 「⋯⋯マジかよ⋯⋯」と声を震わせながら、俺は思わず笑みを浮かべた。
 「これで、もう石鹸作ったり、冬に凍えたり、夏に汗だくになったりしなくて済む⋯⋯!」と、まるで神の贈り物を手にしたかのように胸が高鳴った。

 早速、ディーツとウェットティッシュ、そして万能焼肉のタレを注文。
 支払いは異世界通貨で問題なく処理され、数秒後には異次元収納庫の中に、ダンボール箱に入った商品が現れた。
 「来た! 来たよ!」と叫びながら箱を開け、ティッシュの束を抱えてリビングへと駆け込んだ。
 ネロとリオはソファで寝転がっており、フェイは剣の手入れを、アレンは酒を飲みながら天井を見上げ、ヨシュアは本を読んでいた。
 ミラは薬草を乾燥させていたが、俺の足音に顔を上げた。

「おい、みんな! これな~んだ?」と、俺はティッシュの箱を掲げながら叫んだ。
 ネロが目を丸くして「紙? でも薄すぎない?」と近づき、リオも「触っていい?」と手を伸ばす。
 フェイは眉をひそめ「何に使うのですか?」と冷静に尋ねたが、目は興味でギラついていた。
 アレンは立ち上がり「シュウ、まさかまた地球の何かを持ち込んだのか?」と笑いながら近寄ってきた。
 ヨシュアも本を閉じ「すごい薄いですね⋯⋯これは一体?」と目を輝かせた。
 ミラは「とても綺麗な紙ですね⋯⋯」と感心したように言った。

 「これはな、ティッシュって言うんだ。汚れを拭くための紙だ。ほら、オナニーした後の手とか、顔の汗とか、テーブルの汚れとか、全部これでサッと拭ける!」と説明すると、一瞬の沈黙の後、「おぉぉぉ!」と全員が声を上げた。
 リオが「それってつまり、オナニー後の処理が超楽になるってこと?」と目をキラキラさせ、ネロも「やばい! これ神!」と飛び跳ねた。
 フェイは冷静を装っていたが、耳が赤くなっている。
 アレンは「酒をこぼした時にも使えるのか?」と即座に応用を考え、ヨシュアは「清潔さが保てるってことですね⋯⋯すごい⋯⋯」と感動していた。
 ミラは「料理の後片付けにも使えそうですね⋯⋯」と、すでに家事に活かす算段をつけている。

 「で、こっちはウェットティッシュ。除菌できるから、手を拭くにも最適。風呂場でも使えるし、食事の前にも使える。そして!これが一番の目玉だ!」と、俺は万能焼肉のタレの瓶を掲げた。
 「これがあれば、肉を焼くだけで地球の味になる!焼いただけの肉が、めちゃくちゃ美味くなるんだよ!」

 「⋯⋯マジで?」とアレンが目を細め、フェイは「試してみたい」と即答。
 ネロとリオは「お肉! お肉!」と騒ぎ出し、ミラは「どんな味かしら⋯⋯」と興味津々。
 ヨシュアも「シュウさんが言うほど美味しいんですか?」と真剣な顔で尋ねてきた。

 「もちろん! 今夜、みんなで焼肉パーティーだ!」と宣言すると、全員が歓声を上げた。
 ミラは早速薬草園から新鮮な野菜を収穫し、ネロとリオは森へと走って獲物を探しに行った。
 フェイとアレンは俺の指示で薪を割り、ヨシュアはテーブルの準備を始めた。
 俺は冷蔵庫から前日に仕込んでおいた肉を取り出し、万能焼肉のタレに漬け込む。

「これで準備万端!」

 夜になり、テラスに設置された鉄板の上で肉がジュウジュウと音を立て始めた。
 香ばしい匂いが辺りに広がり、ネロとリオは鼻をヒクヒクさせながら「もういい? もういい?」とせがむ。
 アレンは酒を片手に「これは本当に地球の味なのか⋯⋯」と呟き、フェイは剣を置いて初めて見る光景に目を奪われていた。
 ヨシュアは「こんなに簡単においしい料理ができるなんて⋯⋯」と感心し、ミラは「このタレ、売ったら儲かるかもしれませんね」と商売っ気丸出し。

 肉が焼け、最初の一口を食べた瞬間、全員の顔が固まった。 
 そして――。

「うっ⋯⋯うますぎる⋯⋯!」とネロが涙目になり、リオは「これ、神の味だ⋯⋯!」と絶叫。
 アレンは「酒が進む⋯⋯酒が進むぞ!」とグラスを掲げ、フェイは「⋯⋯これは、騎士団長として認めざるを得ない」と真剣な顔で言った。
 ヨシュアは「こんなに美味しいものを、今まで知らなかったなんて⋯⋯」と感動し、ミラは「このタレの成分、分析してみたい⋯⋯」と薬師の顔になった。

 「でな、これだけじゃないんだよ」と俺は笑いながらスマホを取り出し、「みんな、他にも欲しいものあるか? 何でも買ってやる」と宣言した。
 すると、ミラが「ふっくらとしたお布団が欲しいです」と即答。
 「硬いベッドじゃなくて、包まれるような感じの⋯⋯」と夢見るような顔で言う。
 フェイは「私は衣類が欲しいですね。この騎士団長の制服、毎日洗うのが大変で⋯⋯」と苦笑い。
 アレンは「酒はいいが、地球のビールとか、ウイスキーとか、あるか?」と目を輝かせた。
 ヨシュアは「シュウさんが以前話していた、地球のマンガというのを読んでみたいです。絵で物語が読めるんですよね?」と興味津々。
 ネロとリオは「お菓子! 地球のお菓子がたくさん欲しい! 
 ポテチ! チョコ! ガム!」と叫んだ。

 「了解だ! 全部買ってやる!」と俺はスマホをプチプチと操作し、ふかふかの布団、綿のパジャマ、ビール、ウイスキー、マンガ全巻セット、ポテトチップス、チョコレート、ガム、キャンディー、ガムシロップ、インスタントラーメン、レトルトカレー、冷凍ピザ、アイスクリーム⋯⋯と、次々に注文した。
 異次元収納庫には、まるで魔法のように商品が次々と現れ、ミラが「こんなにたくさんの物が⋯⋯!」と目を丸くし、ネロとリオは「お菓子の山だー!」と飛び跳ねた。

 だが、俺の頭にはもっと大きな計画があった。
 「電気⋯⋯だな」と呟いた。
 異世界には電気なんてない。
 照明はランプやロウソク、熱は薪、冷蔵なんて夢のまた夢。
 だが、地球の技術があれば⋯⋯。

 「発電機⋯⋯エタノールで動く奴を買おう」と俺は決め、スマホで検索。
 「家庭用エタノール発電機 5000W」を発見し、即購入。
 数秒後、異次元収納庫に大きな金属の箱が現れた。
 「これで電気が使える⋯⋯!」と俺は叫び、アレンとフェイに手伝ってもらい設置開始。
 燃料はエタノール。
 ミラが作る薬用アルコールが使える。
 「これで発電できる!」

 発電機が動き出し、電気が灯った瞬間――全員が息を吞んだ。
 リビングの天井に取り付けたLED電球が、まぶしいほどの明るさで部屋を照らす。
 「⋯⋯光ってる⋯⋯」とヨシュアが呆然。
 ネロは「まるで星が落ちてきたみたい⋯⋯!」と叫び、リオは「暗いの、もうこわくない⋯⋯!」と喜んだ。
 フェイは「これがあれば、夜間の警備も楽になる⋯⋯」と戦略を思いつき、アレンは「酒を飲みながら本が読める⋯⋯!」と大喜び。

 そして、次に買ったのは「大型冷蔵庫」。
 発電機と接続し、電源を入れると、冷気がムワッと立ち上った。
 「これで、肉も野菜も腐らない! アイスも溶けない!」と俺が説明すると、ミラが「薬草の保存が⋯⋯! これで効果が長持ちする!」と飛び跳ねた。
 ネロとリオは「アイス! アイス!」と冷蔵庫に張り付き、開け閉めを繰り返して冷気を楽しんでいる。
 俺はさらに、電力の安定供給と燃料の節約を考え、「太陽光発電パネル」の導入を決意した。
 スマホで「家庭用太陽光発電キット 3kW」を検索し、即購入。
 数秒後、黒いパネルが数枚、異次元収納庫に現れる。
 屋根の南向きの面に設置し、発電機との接続を確認。
 曇りの日でも微かに反応し、晴れた日にはフル出力。
 「これで、エタノールの消費も抑えられる。持続可能だ」と俺は満足げに頷いた。
 次に目をつけたのは生活の質を根本から変える家電――「洗濯機」だ。
 異世界では手洗いが当たり前。
 特にフェイのように制服を毎日着る者にとっては、洗濯は重労働。
 「ドラム式洗濯乾燥機、大容量」を注文。
 異次元収納庫から現れたその機械は、まるで未来の遺物のように静かに佇んでいた。
 設置は簡単。
 水道と排水管に接続し、電源を取る。
 そして、俺は「洗濯用洗剤」も大量に購入。
 香り付きの高級タイプを選んだ。
 ミラがその箱を手に取り、ふわりと香りを嗅いで「⋯⋯これ、すごくいい匂い⋯⋯! まるで春の草原みたい⋯⋯」と目を閉じて微笑んだ。
 彼女は早速、自分の服を数枚洗濯機に入れ、設定をスタート。
 数十分後、ふんわりと香る、乾いたばかりの服を取り出し、「こんなに簡単に⋯⋯!しかも、こんなに柔らかくて⋯⋯!」と感動の声を上げた。
 ネロとリオも「次は僕たちの服も洗って!」と駆け寄り、自分の服をどんどん放り込む。
 アレンは「俺の下着も洗えるのか⋯⋯?」と小声で聞いてきたが、俺は「もちろん」と答えた。
 ヨシュアは洗濯機の動作音に興味を持ち、「この回転、機械的なリズムが⋯⋯まるで音楽のようだ」と耳を澄ませていた。
 その後、俺は発電機と太陽光パネルの出力を統合する「電力制御ユニット」を購入。
 これにより、昼間は太陽光メイン、夜間や曇りの日は発電機が自動で補助するシステムが完成。
 バッテリーも導入し、余剰電力を蓄えておくことで、停電の心配もなくなった。
 冷蔵庫は常に冷え、照明は安定し、洗濯機もいつでも使える。
 風呂は元々温泉が湧いているので、追加の設備は不要。
 ただ、脱衣所と浴場にLED電灯を設置し、夜でも明るく安全に使えるようにした。
 ミラが「これで、夜遅くても薬草の処理ができます」と喜び、フェイも「警備の合間に温泉に入れる⋯⋯最高の休息環境ですね」と満足げに言った。
 俺はさらに、冷蔵庫に保存していたアイスクリームを全員に配った。
 ネロとリオは初めての冷たい甘さに目を見開き、「にがい! でも⋯⋯あまーい! もっと!」と繰り返していた。
 アレンはウイスキーに氷を入れ、「これが⋯⋯地球の贅沢か⋯⋯」としみじみと呟いた。
 フェイは冷えたレトルトカレーをお湯で温め、「こんなに簡単に⋯⋯!」と感動し、ヨシュアはマンガを読み始め、「絵だけでこんなに物語が伝わるなんて⋯⋯!」とページをめくる手が止まらない。
 俺はその光景を眺めながら、ふと胸が熱くなった。
 彼らは元は異世界の住人。
 戦いに疲れた者たち。
 だが今、この家には笑い声が絶えず、明かりが灯り、温かい食事があり、清潔な服があり、冷たいお菓子があり、夜でも怖くない。
 電気という、俺にとっては当たり前のものが、彼らにとっては奇跡だった。
 そして、この奇跡はこれからも広がっていく。
 俺はスマホを手に、次なる購入リストを考えた。
 「次は⋯⋯電子レンジと炊飯器か。それと、掃除機も必要だな」。
 異世界の生活は、もう戻らない。
 俺たちの日常は、静かに、しかし確実に、地球の技術で塗り替えられていく。
 そして、そのすべては、この小さな家から始まった。


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