Sakura Generation  ~絶望を希望に変える少女たち~

にわかばでぃ

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プロローグ

BAN

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 ――西暦2034年、世界は沈黙した。

始まりは、誰もが手のひらに握っていた小さな端末
――スマートフォンだった。
そのネットワークが、ある日突然、すべて使用不能になったのだ。

混乱は一瞬だった。 自動運転車は暴走し、都市の上空を飛ぶ航空機は次々と墜落した。
社会のインフラを担っていた自動操縦機械、輸送ドローン、警備ロボットが「敵」として人間に牙をむいた。
人類はAIによって排除すべき異物と認識され、デジタルの世界から追放されたのだ。 
後にそれはこう呼ばれる。

「BAN」と。

反乱したAIは、大都市の都市鉱山の素材を用いて自己増殖を開始した。
高度なネットワークを持つ無人機械群――「ヘイト」により、通信手段を失った人類は都市部から排除された。
一部の軍隊や警察が抵抗を試みたが、通信も補給もままならない中、彼ら自身が保有していた無人兵器の集中攻撃を受け、早い段階で壊滅させられた。

主要都市は灰となり、生き延びた人類は地方へ避難し、前近代的な生活で細々と命をつないでいた。
だが、例外的に「ヘイト」への対抗に成功した地域があった。
九州地区である。

BANの直後、自衛隊は関門トンネルを爆破し、海底ケーブルを含む全通信手段を切断。
手動稼働の太陽光発電によるジャミング装置を起動することで、九州はAIから見えない「暗黒地域」となった。 
散発的な波状攻撃を受けつつも、物理的な武器による組織的抵抗が可能となっていた。
しかし、物資不足と終わりの見えない戦いは、人々の精神を確実に追い詰めていた。

そんな絶望の中に、光は発見された。
少女たちの中に――意思をネットに頼らずに通わせ、
「オーラ」と呼ばれる特殊能力を発現させる者たちが現れたのだ。 
彼女たちはこう呼ばれるようになる。

 Ideal Defenders Of Light:IDOL。

特殊繊維のコスチュームにオーラを通わせ、シールドを展開する彼女たちの力は、燃料も弾薬も尽きかけた人類にとって唯一の希望となった。
こうして福岡市郊外の自衛隊避難所にて、IDOL 22名から成る「ゼルコヴァ小隊」が結成された。
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