Sakura Generation  ~絶望を希望に変える少女たち~

にわかばでぃ

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プロローグ

初陣

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――かおる――

嫌な音を立てながら、黒い装甲の「ヘイト」が迫る。
鉄を引きずるような足音が、訓練場の地面を震わせた。 

怖い。

でも、逃げるためじゃない。認めてほしいから。
震える肺に空気を詰め込み、私は叫ぶ。

「――《承認欲求エレメンタル・アプルーバル!!》」

パァンッ!! 

白い閃光が弾け、光の卵から、のんびりとした声が生まれた。
「あるふぃーだよ~、がんばる~」 
「あるふぃー! 行くよ!」

私は短剣を抜く。
刃が煌めくのを合図に――踊るように踏み切った。
タン、タン、旋回! 跳躍と同時に短剣が弧を描き、装甲に傷を刻む。
「薫、ナイスある~!」

だが次の瞬間、ヘイトの腕が私へ伸びる――。
「下がって」

冷たい、けれど優しさを含んだ声。 
エリサが風を切る。
長剣が一閃、ヘイトの腕をそぎ落とす。
その姿は、舞台の主役を観客席から射抜くスポットライトのように眩しかった。

(すごい……追いつきたい……!)
胸に再び熱が灯る。
だが、限界が来たのか、あるふぃーが光の粒になって消えた。

「まだ…!」
続けざま、火花が弾けた。
「おっしゃぁぁああ!! 燃えてきたもんげぇぇ!!」
火のワニ精霊「もんげー」が光の卵から大口を開けて出現。
その勢いのまま、ヘイトと激突する。

「ちょ、もんげー!? 待って!」 
「考えるな! 感じろもんげ!」
爆ぜる炎がヘイトの視界を奪う。
私はその隙に回転し、短剣を突き込む! 
装甲が裂け、青い火花が走った。
歓喜と同時に――もんげーも消えてしまった。

 息が上がる。足が震える。
(もう少しだけ……!)

次に生じた光は跳ね回る稲妻。
「きらっきらの登場っぴ~~!!」
ネズミ精霊の「ぴっかーん」が地面を疾走する。

「ぴっかーん、サポートお願い!」
「まっかせるぴっ☆」
ぴっかーんの走りに合わせて、私は跳躍、回転、踏み込み。
まるで空中を舞うダンスのようだ。

「――はぁッ!!」
短剣の一撃が、ヘイトの中枢を突き破る。
巨体が崩れ落ちる。
勝利の瞬間――ぴっかーんも光になり、そっと消えていった。


静寂が戻る。 

エリサが私を見据え、わずかに口元を緩めた。
「……悪くなかった」
その一言が、胸の奥で弾けて広がった。 
もっと褒めてほしい。
もっと見ていてほしい。 
それは承認欲求。

でも今の私はそれを――胸を張って力に変えている。
「ありがとうございます……! まだまだ、これからです!」
強く言い切った。

灰色の空の下、私は、舞台に一歩踏み出した。




■□■□■□特殊能力解説■□■□■□

薫(かおる)

特殊能力:承認欲求(エレメンタル・アプルーバル)

薫の能力「承認欲求」は、彼女の内面と極めて強く結びついた召喚系能力である。
薫は精霊を召喚でき、
・水属性のカッパ型「あるふぃー」
・火属性のワニ型「もんげー」
・電気属性のネズミ型「ぴっかーん」など
それぞれ異なる性質と役割を持つ存在を戦場に顕現させる。
精霊たちは単なる使い魔ではなく、薫の感情に呼応して力を増減させる。
精神が安定しているときは連携が美しく、複数精霊を段階的に使い分ける高度な戦術が可能だが、心が揺らぐと精霊の挙動も不安定になる。
小柄な体格とクールな態度とは裏腹に、能力の本質は極めて人間的で脆い。
だからこそ薫は戦場で必死にパフォーマンスを貫き、自分の存在価値を証明し続ける。

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