Sakura Generation  ~絶望を希望に変える少女たち~

にわかばでぃ

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第二章 二度とBANされるものか

二度とBANされるものか!

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――かおる――

天守閣の影が、戦場に不吉な輪郭を落としていた。
表門と裏門、二方向から突入した櫻小隊は、ついに天守閣直下へと到達する。

その瞬間――

耳鳴りすら感じさせない、異様な圧が空間を満たした。
(……音が、消えた)

敵のボス、大型ヘイトが放つ超音波。
会話も、IDOLの意思疎通すら妨害する完全封鎖。

次の刹那、見えない衝撃が叩きつけられた。
「――っ!」

美和子が前線で踏ん張る間もなく吹き飛ばされ、石畳に叩きつけられる。

凛は大剣を構える前に衝撃を受け、空中で身体を翻され、そのまま動かなくなった。

茉莉奈は蝶の軌跡を描こうとした瞬間、オーラを乱され、壁に激突する。

志野もまた、仲間を庇う形で衝撃波を受け、膝から崩れ落ちた。

(……一撃で、四人も)
視界の端で、倒れ伏す仲間たち。

公子が駆け寄りみんなを庇う。
呼びかけても声は届かない。

敵は間髪容れず追撃を放つ。
螺旋状に広がる衝撃が、周囲を薙ぎ払う。

このままでは――全滅する。

そのときだった。

一面に、桜が舞った。
華の《桜雲季節:桜霞》。
吹雪のような桜が視界を覆い、敵の照準を狂わせる。

同時に、円陣が組まれる。
紫鈴が前に出て、仲間のオーラを引き寄せる。
防御と牽制、ぎりぎりの支援。

(……華と、紫鈴が血路を開いた……!)
それでも、前に進めるのは一人だけだった。

薫。

超音波が、再び空間を歪める。
その振動が、記憶を抉った。

――BAN。

すべての通信手段を奪われ、機械に人類の存在を否定され、家族を奪われた、あの日。
胸の奥が冷たくなる。

(……また、黙れって?)

否。

拳を強く握りしめる。

(二度と、BANされてたまるものか!!)
音にならない叫びと共に、承認欲求が爆発した。

もんげーが顕現し、灼熱の炎を纏う。
超音波と炎が衝突し、空気が歪む。

薫は駆けた。
華の桜吹雪の中を、紫鈴の支援を背に受け、一直線に。

衝撃波が身体を削る。
膝が笑う。
それでも止まらない。

(私は……ここにいる!)
距離、ゼロ。
もんげーの火炎が、解き放たれた。

轟音。
天守閣が揺れ、石壁が砕け散る。

大型ヘイトの核が焼き切られ、その巨体が崩れ落ちた。

――沈黙。

そして、音が戻る。

「薫ちゃん……!」
「やった……のか……?」

仲間たちの声が、世界に満ちる。
瓦礫の中、薫は立っていた。

広島エリア、解放。

燃え残る炎の向こうで、雲の切れ間から光が差し込む。
倒れた仲間たちを見渡し、薫は静かに息を吐いた。

――守れた。

今度は、奪われなかった。
沈黙を焼き裂いた火焔だけが、その証のように揺れていた。
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