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闘いの始まり
エリートクラス
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ついに、教師の合図で、試験がはじまった。どうやら俺は、最後らしい。どうせ待っている間暇なわけだし、他のクラスメイトの戦いっぷりを見てみようかな。早速俺は、試験会場つまり体育館らしきものの中に入ってみた。
そこには、俺の見たことのない世界が広がっていた。
あの厳つい教師が俊敏な動きで生徒の攻撃を捌ききっている。それだけでも、驚くべきことだが、対峙している生徒もすごい。袈裟斬りからの突き、バックステップで距離をとり、また攻め続ける。どう考えても初心者の動きではない。
どうしよう。剣術なんて一回もやったことねーし。テストしてもボコボコにされるだけなような気がする。しかも、エリートクラスなんて夢のまた夢に思えてくる。
と、そんなことを考えている内に自分の番がせまってきた。何か勝てる策はないか、と考えてポンっとあることを思い出す。
「次ーはー、ミナト早く来い。」
「はいっ。」
少しだけ声が緊張して上擦ってしまった。回りから笑い声が聞こえる。恥ずかしくなってきた。早く終わらして笑ったやつを見返してやる!
審判らしい教師が開始を宣言する。
「始めっ!」
まず俺は教師の力量がどれほどのものかはかってみることにした。無茶苦茶に剣を振ってみる。全部捌かれた。まあ、当たり前だな。相手もちょっとした攻撃をしてきた。
いや、少し違う。相手はそのつもりだろうが、俺は必死である。躱すのに精一杯で反撃なんてする余裕は全然ない。
やばい。正直本気でやばい。これでは、エリートクラスには合格できないのは明らかだ。しょうがない。やっぱり使うしかないか。
「『エリート武芸者』解放!!」
次の瞬間、体に力が漲る感覚に呑まれた。
すると、突然教師の動きがすべて見えるようになる。鋭い突きは左へのサイドステップで躱し、すぐに相手への攻撃体勢へ移行する。
自分が何をしているか、よくわからなくなってきた。あまりの自分の剣の速度に自分自身がついていけてないらしい。だが、あのスキルの力は絶大だった。あっという間に、教師を斬り伏せ、テストを終わらせた。
審判の教師もあんぐりと口を開けている。まあ、教師に勝ったのだから当然か。他の生徒も目を丸くしている。
どーだ、ざまあみろ。俺はここまで強いんだぜ、と心の中でつぶやきながら、優越感に浸っていた。
すると、厳つい教師が口を開く。
「お前、これほどの力をどこで身につけたのだ?俺をここまでやったやつは、そう多くないからな。」
「えっ、あっはい。独学です!」
教師は目を見開く。しかし、すぐに立ち上がり、俺の頭に手を置いた。
「お前は将来この国で、とても役に立つ人間になるだろう。人以外の種であろうと敵ではないかもしれん。」
なんか滅茶苦茶ほめられたんだけど。でも、ほめられるってのは、やっぱり悪くないな。スキルのおかげだとはとてもいえないな。
テストが終わり、結果を待つだけとなった俺だが、また教室の自分の席に座っていた。すると、ミナミが俺の席にやってきた。
「ミナト君、選抜試験どうだった?
私はまあまあいい線いったと思うんだー」
「そうなのか。俺はまあまあだな。」
「ふーん。そっかー。私ね、この学校のエリートクラスに入るのが小さな目標だったんだよね。立派に強くなって、国の役に立ちたいって思ったの。」
「へぇー、この学校って目標にされるほどすごかったんだな。」
「ここ結構有名な学校なんだよ。知らないで受けてたの?!まあ、そんなことより、結果が大事だからね。お互いいい結果が出ますように!」
そして、翌日テストの結果発表が行われることとなった。
そこには、俺の見たことのない世界が広がっていた。
あの厳つい教師が俊敏な動きで生徒の攻撃を捌ききっている。それだけでも、驚くべきことだが、対峙している生徒もすごい。袈裟斬りからの突き、バックステップで距離をとり、また攻め続ける。どう考えても初心者の動きではない。
どうしよう。剣術なんて一回もやったことねーし。テストしてもボコボコにされるだけなような気がする。しかも、エリートクラスなんて夢のまた夢に思えてくる。
と、そんなことを考えている内に自分の番がせまってきた。何か勝てる策はないか、と考えてポンっとあることを思い出す。
「次ーはー、ミナト早く来い。」
「はいっ。」
少しだけ声が緊張して上擦ってしまった。回りから笑い声が聞こえる。恥ずかしくなってきた。早く終わらして笑ったやつを見返してやる!
審判らしい教師が開始を宣言する。
「始めっ!」
まず俺は教師の力量がどれほどのものかはかってみることにした。無茶苦茶に剣を振ってみる。全部捌かれた。まあ、当たり前だな。相手もちょっとした攻撃をしてきた。
いや、少し違う。相手はそのつもりだろうが、俺は必死である。躱すのに精一杯で反撃なんてする余裕は全然ない。
やばい。正直本気でやばい。これでは、エリートクラスには合格できないのは明らかだ。しょうがない。やっぱり使うしかないか。
「『エリート武芸者』解放!!」
次の瞬間、体に力が漲る感覚に呑まれた。
すると、突然教師の動きがすべて見えるようになる。鋭い突きは左へのサイドステップで躱し、すぐに相手への攻撃体勢へ移行する。
自分が何をしているか、よくわからなくなってきた。あまりの自分の剣の速度に自分自身がついていけてないらしい。だが、あのスキルの力は絶大だった。あっという間に、教師を斬り伏せ、テストを終わらせた。
審判の教師もあんぐりと口を開けている。まあ、教師に勝ったのだから当然か。他の生徒も目を丸くしている。
どーだ、ざまあみろ。俺はここまで強いんだぜ、と心の中でつぶやきながら、優越感に浸っていた。
すると、厳つい教師が口を開く。
「お前、これほどの力をどこで身につけたのだ?俺をここまでやったやつは、そう多くないからな。」
「えっ、あっはい。独学です!」
教師は目を見開く。しかし、すぐに立ち上がり、俺の頭に手を置いた。
「お前は将来この国で、とても役に立つ人間になるだろう。人以外の種であろうと敵ではないかもしれん。」
なんか滅茶苦茶ほめられたんだけど。でも、ほめられるってのは、やっぱり悪くないな。スキルのおかげだとはとてもいえないな。
テストが終わり、結果を待つだけとなった俺だが、また教室の自分の席に座っていた。すると、ミナミが俺の席にやってきた。
「ミナト君、選抜試験どうだった?
私はまあまあいい線いったと思うんだー」
「そうなのか。俺はまあまあだな。」
「ふーん。そっかー。私ね、この学校のエリートクラスに入るのが小さな目標だったんだよね。立派に強くなって、国の役に立ちたいって思ったの。」
「へぇー、この学校って目標にされるほどすごかったんだな。」
「ここ結構有名な学校なんだよ。知らないで受けてたの?!まあ、そんなことより、結果が大事だからね。お互いいい結果が出ますように!」
そして、翌日テストの結果発表が行われることとなった。
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