ある老人の残した日記帳

大神達磨

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一冊目××年~○○年まで約4年間20歳~24歳

××年10月21日 霧と二人の人物

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 今日は霧が濃かった。
 久しぶりに見た霧は、とても禍々しく見えた。
 それと、いつもより早く起きていた祖父は喪服のような黒い着物を身に付けており、祖母はまるで陰陽師のような三角の帽子と着物を着ていた。
 私はただならぬ予感がして、祖父母に何があるのかと尋ねた。
 祖母は(客人が来るのでこの部屋に居なさい)と言った。
 私は無表情で人形のように淡々と語る祖母の顔に違和感を覚えたが、その客人を待つことにした。
 数分後【午前6時13分】、客間から見える玄関に人影が見えた。
 まるで霧から現れたかのようにゆっくりと玄関に近づいてきてチャイムを鳴らした。
 祖父が玄関に行き挨拶をする。
 私はその時はまだ声だけしか聞こえていなかった。
 その後すぐその人物は部屋に入ってきた。
 部屋に入ってきた人物は、祖母と同じ様な格好をした45歳ほどのやつれた男性だった。
 その人物は私の前にゆっくり座った。
 私は(御早う御座います)と言った。
 男性は(嗚呼)と小さな声で答えた。
 祖母は(もう一人来るのでお茶を出して差し上げて)と言ったので、台所に行き湯飲みを五ツ出してお湯を沸かして急須に入れた。
 お茶を持っていくともう一人坊主頭の男性がいらしていた、後から来られた人も一人目の男性と同じ位痩せ細っていた。 
 お茶を机に出すと、祖母が(今日は遠い所お集まり頂き有り難う御座います。)と男性にも負けない図太い声で言った。【初めて聞いた祖母のその声に驚いた。】
 此処からは、話が長いので割愛するがこの二人の男性は神道、仏教それぞれの位の高い方らしい。
 また、陰陽師のような格好の方は名前を〈十津川  忠道〉【トツガワ タダミチ】、坊主頭の方は〈根折  中京〉【ネオリ ナカキ】と言うらしい。
 なんでもこの二人は私が仏教か神道どちら側の人間か見極めるために来たらしい、私は突拍子も無い話しに驚いた。
 一通り説明が終わるとそれぞれ持ってきたものを懐から出す。
 十津川さんは白い紙人形を机の上に出した。
 根折さんは字の掠れた位牌を机の上に置いた。
 祖母は、私に(触れて下さい)と言ったのでそれぞれに触れた。
 十津川さんの紙人形は風に煽られたのか少しパタパタと揺れたがあまり気にしなかった。
 位牌の方は特に何も無かった。
 数分後、手を離すと部屋から退出するように言われた。なのでしばらく外に居ることにした。
 大体一時間後に祖父が部屋に入るように言いに来たので部屋に入った。
 すると十津川さんと根折さんは険しい顔で私を待っていた。
 私が座ると突然一言いった(私共の手には負えませぬ)と声を揃えて言った。
 また話が長く成るので割愛するが私は二十年に一人ほどの珍しい人らしい、何でも仏教にも神道にも行ける、またはどちらにも成らずに今見えているものを見えぬように出来るらしい。
 【補足しておくが、通常見える人は死ぬまで見えるらしい、祖母も私と同じ体質だった様だが見えぬ道を選んだらしい。】
 1週間後にまた来るのでそれまでにどうするか決めて居て下さいと言われた。
 そして霧が晴れる頃二人は帰った。
 祖父母は緊張の糸が切れたようにぐったりしていた。
 その後はいつものよに昼飯を食べて、家事を手伝い晩飯を食べた。
 今日は頭がこんがらがっているので此処で筆を置こうと思う。【明日くらいに母に相談しよう】


 
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