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主菜 ただいま営業中!
第22話 聖騎士といっても人ですから
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シャルナはああ脅したけど、司祭さまがよさそうなかたで安心したわ。ここでの身の振り方もきちんと教えていただけそうだし、私としてはもうこの町に対する心配はほぼなくなったといっていい。
ただ、教会のあの状態だけはなんとかしないと……!
お父さまに手紙を出して支援していただこうかしら……
でも私の任地なのだからやっぱり自分の手でやったほうがいいわよね。
それにしても、荒れた場所だと人々が救済を求めて教会の力は大きくなるものだと思っていたけど、建物はあの状態だしさっきも信徒は誰もいなかったし、この町では宗教が人々の救いにはならなかったのね……
となれば、ここでの私の役割はなんとしても教会をあるべき姿に戻すことと、ゼレス教の教えを広めることにあるわ。
聖騎士本来の役目からは外れるかもしれないけど、聖騎士も聖職者の端くれ、一信徒としてもこの新しい任地でやれるだけのことをやりましょう!
「大丈夫だとは思うけど、さすがにちょっと緊張しちゃうなあ」
と、シャルナが漏らした。
教会を出て、お店に行く前に噂の血塗れ乙女亭への挨拶に向かうことにしたからだ。
「あなたでも緊張する相手なんているのね」
「道端に死体が転がってるような暗黒街を手中に収めるどころか、ラジェルやホフトーズを潰しちゃうほどの実力者なんて、さすがに初めて会うからね~。どんなバケモノが出てくるやら……」
それはそうだけど、あなたはまずもっと身近な人に畏まるべきよ。団長とか首座司教猊下とか。
「例のイケメンに会えるといいんだけど。ね?」
「同意を求められても……」
「年頃の乙女なら気になるでしょ~やっぱり~」
「気になりません。ほら、着いたわよ」
私たちは中央広場に到着し、その一角を占領する赤い屋根の大きな店を見上げた。
「うっひゃ~! こりゃ悪いことやってるね!」
すごく誤解を招く表現だけど、シャルナのこれはよくも悪くも相手に対する賛辞だ。私にはちょっと納得がいかないけど、
「権力や財産を一代で築いた人がうしろ指差されるようなことをなにひとつやってないなんて、絶対ない。でもそういう手段だってひとつの力だから、成功者ってのはそれだけでひとつの正義なんだよ」
とのことらしい。
なにひとつうしろめたいことをせずに成功を収めた人だっているはず、と反論すると、「エストはオトメだねェ~」とからかわれたから、もういわない!
私たちは併設されている馬小屋に馬を繋いで、賑やかな店の中へと足を踏み入れた。
店内はかなり広い。
四人掛けの丸テーブルがいくつもあり、十五人は座れそうなバーカウンターに吹き抜けとなっている高い天井、これで絵画やシャンデリアがあれば王都の一流ホテルにも引けを取らないような立派なお店だ。
昼食をとるには遅い時間だからお客はまばらだけど、どうにも奇妙に見えてならないのはこんな立派なお店なのに主婦と思しきお客が目立つことだ。
この町には貴族がいないとのことだしこのお店も庶民向けのものなのだろうから当然の光景なのかもしれないけど、すごく違和感……
「いらっしゃいませ! お食事ですか? お泊りですか?」
給仕の少年が元気よく声をかけてきた。
「私たちはゼレス教の聖騎士です。こちらの店長さんにお目通りしたいのだけど」
少年は一瞬驚いた顔をして、すぐに店長を呼びに行ってくれた。
「エスト……このお店、やるよ」
シャルナが真剣な顔でいった。かなり珍しいことだ。
「給仕がみんな可愛い!」
いったい、なにを見てるのかしら……
「きっとこの時間は暇を持て余すマダムたちが主な客層だから、若くて顔のいい男の子が多いんだね……ということは、夜は仕事終わりの男たちを癒すために女の子……そうすれば危ない時間に女の子を店の中に閉じ込めておけるから店としても町の治安としても安心……やるね」
接客業ってそこまで計算してやるものなの? 男の子が多いのはわかるけど、女の子は普通、夜に家を出て働くことはないと思うのだけど……まさか住み込み?
とおされた席でしばらくそんなことを考えながら待っていると、お目当ての人物がやってきた。
「待たせたな。店長のルシエド・ウルフィスだ」
銀髪に青い瞳がよく映える若い男性だった。
一応見た目の特徴もこの町でやったことも聞いてはいたけど、本当にこんな若い人が国際的に重大な事件をいくつも裏で操っていたとはにわかには信じがたい。
だけど、この人自身が相当な腕をもつ戦士であることは、一目で理解できた。
顔つき、体つき、そしてなにより体にまとう魔力の質が如実に物語っている。
キナフィー司祭もそうだったけど、この人も相当な修羅場を潜り抜けてきた本物の戦士だ。
長く外国との戦をせずに済んでいるアンセラではなかなかお目にかかれない。特に、宗教問題もなく訓練としてモンスター狩りをやるくらいしか実戦を経験できないわれわれ聖騎士の中には、もしかしたらいないかもしれない。
「初めまして。このたびこの町の教会に所属することになりました、聖騎士のエスト・ベルランジュと申します」
「同じくシャルナ・ゾフォールです」
「ゾフォールだって?」
「はい、その節はどうも。うちのベランがお世話になったようで。私はゾフォール商会二代目当主ダリオの娘です」
シャルナはすっかり商売人の顔になってる……
やっぱり聖騎士としての役目よりそっちを優先しちゃうのね……
「まさか当主の娘を送り込んでくるとは。本気だな」
「ああ、いえいえ、それは本当にただの偶然なんですよ! 聞いてくれます、私たちがここに飛ばされた理由!」
「飛ばされた?」
こうなったらもう、私の出る幕はない。
シャルナはここに至るまでの経緯をたっぷり尾ひれ背びれをつけて大袈裟に膨らませ、すっかり私たちを悲劇のヒロインに仕立て上げてしまった。それでも聞く人を笑わせられるような、決して同情をひくような語り口でないところがいかにも彼女らしい。
「そいつは災難だったな」
聞き終えたルシエド卿は最初に感じたかすかな威圧感を引っ込め、歳相応な落ち着いた笑みをこぼした。
そんな姿を見るとこっちも警戒心を解いてしまいそうになるけど、人柄はどうあれ彼のしたことは純然たる事実だから、気を緩めるわけにはいかないわね。
「しかしこちらにとっては好都合なことだ。ゾフォール商会には遠慮なく商売してもらいたい。それにうちのやつが教会のことを気にしていたからな、これであの頑固な司祭も少しは柔らかくなってくれるといいんだが」
「え、頑固なんですか、あの人?」
「寄付すらまともに受け取ろうとしないそうだからな、必要以上の金は人を堕落させるとかいって」
「うっわ、ストイックぅ~……」
「シャルナ、それこそがゼレス教の本分でしょうっ」
清廉、正心、誠実。
この三本柱こそがゼレス教の根幹なのだから!
「ああ、ちょうどいい。リエル」
ルシエド卿はそばをとおりかかった一人の男性を呼びとめた。
「はい、なんでしょうか」
その人物は、輝く美しい金髪と、宝石のように煌めく爽やかな青い瞳をもった、その、なんというか……
「うっわ、イケメンっ!」
いわゆる、それであって……
「こいつが信徒でもないのにちょくちょく教会に顔を出してるおれの身内でな、リエルという」
「初めまして」
あ、え、どうしよう。
こういうときはどう返すのが正しいのかしら……?
騎士風?
貴族風?
それとも聖職者風?
ああでも信徒のかたではないのだから聖職者風はおかしいわよね。
どうしよう、こんな綺麗な人見たことない……!
たとえるなら、そう、ロマンス小説に出てくる白馬の王子さま……?
ああっ、そんなこといったらまたシャルナに乙女って馬鹿にされる……!
「リエル、このお嬢さんたちになにかスイーツを用意してやってくれ。アンセラの王都からはるばるやってきた聖騎士だそうだ」
「おお、ついにここにも聖騎士が派遣されましたか。司祭は助かるでしょうね」
けっきょく挨拶もできないままリエルさんは行ってしまわれた……
私としたことが……
失礼な女だと思われなかったかしら……?
いいえ、きっと思われたでしょうね。のちほど改めて名乗らなければ!
「店長さん、なかなかやりますねえ~」
「うん? なにがだ?」
「給仕も可愛い子揃いなのに、うちのエストの頬を染めさせるほどのイケメンまで置いてるなんて~」
「ちょっ、ちょっとシャルナ! なにをいってるの!」
「いや~この子ったら見た目はお固い感じなのに実はけっこうロマンチックな乙女でしてね~」
「ちょっと! そんなことないからっ!」
「あいつは競争激しいぞお?」
「店長さんまで、やめてくださいっ!」
「まあ、わざわざここにこなくてもあいつのほうから教会に行くからな、接する機会は他の客よりは多いかもな」
「だってよ、エスト!」
「そんな話をしにきたんじゃないでしょうっ!」
「ふひひ」
「そうそう、うちの料理長はヴルング族でな、アンセラの本格的な料理も出せるから故郷が恋しくなったら食べにくるといい」
「ヴルング族の料理人!? これまたレアな人材を……! やりますな!」
ああ、なんだか話がどんどん逸れていく……
ただの形式的な挨拶をするだけだったはずなのに……
結局、日が暮れて私たちを探しにきた商会の人に発見されるまで、シャルナはたっぷり店長と話し込んでしまった。
お陰でいろいろと町のことを知れたし改めてリエルさんに挨拶できたからいいけど、たぶんもう、いえ間違いなく、シャルナはここでの商売に本腰を入れる気でいる。商売のことなんて私にはわからないけど、本当に楽しそうに目を輝かせていたから、おじさまの見立ては正しかったのだろう。
孤軍奮闘?
上等よ!
ただ、教会のあの状態だけはなんとかしないと……!
お父さまに手紙を出して支援していただこうかしら……
でも私の任地なのだからやっぱり自分の手でやったほうがいいわよね。
それにしても、荒れた場所だと人々が救済を求めて教会の力は大きくなるものだと思っていたけど、建物はあの状態だしさっきも信徒は誰もいなかったし、この町では宗教が人々の救いにはならなかったのね……
となれば、ここでの私の役割はなんとしても教会をあるべき姿に戻すことと、ゼレス教の教えを広めることにあるわ。
聖騎士本来の役目からは外れるかもしれないけど、聖騎士も聖職者の端くれ、一信徒としてもこの新しい任地でやれるだけのことをやりましょう!
「大丈夫だとは思うけど、さすがにちょっと緊張しちゃうなあ」
と、シャルナが漏らした。
教会を出て、お店に行く前に噂の血塗れ乙女亭への挨拶に向かうことにしたからだ。
「あなたでも緊張する相手なんているのね」
「道端に死体が転がってるような暗黒街を手中に収めるどころか、ラジェルやホフトーズを潰しちゃうほどの実力者なんて、さすがに初めて会うからね~。どんなバケモノが出てくるやら……」
それはそうだけど、あなたはまずもっと身近な人に畏まるべきよ。団長とか首座司教猊下とか。
「例のイケメンに会えるといいんだけど。ね?」
「同意を求められても……」
「年頃の乙女なら気になるでしょ~やっぱり~」
「気になりません。ほら、着いたわよ」
私たちは中央広場に到着し、その一角を占領する赤い屋根の大きな店を見上げた。
「うっひゃ~! こりゃ悪いことやってるね!」
すごく誤解を招く表現だけど、シャルナのこれはよくも悪くも相手に対する賛辞だ。私にはちょっと納得がいかないけど、
「権力や財産を一代で築いた人がうしろ指差されるようなことをなにひとつやってないなんて、絶対ない。でもそういう手段だってひとつの力だから、成功者ってのはそれだけでひとつの正義なんだよ」
とのことらしい。
なにひとつうしろめたいことをせずに成功を収めた人だっているはず、と反論すると、「エストはオトメだねェ~」とからかわれたから、もういわない!
私たちは併設されている馬小屋に馬を繋いで、賑やかな店の中へと足を踏み入れた。
店内はかなり広い。
四人掛けの丸テーブルがいくつもあり、十五人は座れそうなバーカウンターに吹き抜けとなっている高い天井、これで絵画やシャンデリアがあれば王都の一流ホテルにも引けを取らないような立派なお店だ。
昼食をとるには遅い時間だからお客はまばらだけど、どうにも奇妙に見えてならないのはこんな立派なお店なのに主婦と思しきお客が目立つことだ。
この町には貴族がいないとのことだしこのお店も庶民向けのものなのだろうから当然の光景なのかもしれないけど、すごく違和感……
「いらっしゃいませ! お食事ですか? お泊りですか?」
給仕の少年が元気よく声をかけてきた。
「私たちはゼレス教の聖騎士です。こちらの店長さんにお目通りしたいのだけど」
少年は一瞬驚いた顔をして、すぐに店長を呼びに行ってくれた。
「エスト……このお店、やるよ」
シャルナが真剣な顔でいった。かなり珍しいことだ。
「給仕がみんな可愛い!」
いったい、なにを見てるのかしら……
「きっとこの時間は暇を持て余すマダムたちが主な客層だから、若くて顔のいい男の子が多いんだね……ということは、夜は仕事終わりの男たちを癒すために女の子……そうすれば危ない時間に女の子を店の中に閉じ込めておけるから店としても町の治安としても安心……やるね」
接客業ってそこまで計算してやるものなの? 男の子が多いのはわかるけど、女の子は普通、夜に家を出て働くことはないと思うのだけど……まさか住み込み?
とおされた席でしばらくそんなことを考えながら待っていると、お目当ての人物がやってきた。
「待たせたな。店長のルシエド・ウルフィスだ」
銀髪に青い瞳がよく映える若い男性だった。
一応見た目の特徴もこの町でやったことも聞いてはいたけど、本当にこんな若い人が国際的に重大な事件をいくつも裏で操っていたとはにわかには信じがたい。
だけど、この人自身が相当な腕をもつ戦士であることは、一目で理解できた。
顔つき、体つき、そしてなにより体にまとう魔力の質が如実に物語っている。
キナフィー司祭もそうだったけど、この人も相当な修羅場を潜り抜けてきた本物の戦士だ。
長く外国との戦をせずに済んでいるアンセラではなかなかお目にかかれない。特に、宗教問題もなく訓練としてモンスター狩りをやるくらいしか実戦を経験できないわれわれ聖騎士の中には、もしかしたらいないかもしれない。
「初めまして。このたびこの町の教会に所属することになりました、聖騎士のエスト・ベルランジュと申します」
「同じくシャルナ・ゾフォールです」
「ゾフォールだって?」
「はい、その節はどうも。うちのベランがお世話になったようで。私はゾフォール商会二代目当主ダリオの娘です」
シャルナはすっかり商売人の顔になってる……
やっぱり聖騎士としての役目よりそっちを優先しちゃうのね……
「まさか当主の娘を送り込んでくるとは。本気だな」
「ああ、いえいえ、それは本当にただの偶然なんですよ! 聞いてくれます、私たちがここに飛ばされた理由!」
「飛ばされた?」
こうなったらもう、私の出る幕はない。
シャルナはここに至るまでの経緯をたっぷり尾ひれ背びれをつけて大袈裟に膨らませ、すっかり私たちを悲劇のヒロインに仕立て上げてしまった。それでも聞く人を笑わせられるような、決して同情をひくような語り口でないところがいかにも彼女らしい。
「そいつは災難だったな」
聞き終えたルシエド卿は最初に感じたかすかな威圧感を引っ込め、歳相応な落ち着いた笑みをこぼした。
そんな姿を見るとこっちも警戒心を解いてしまいそうになるけど、人柄はどうあれ彼のしたことは純然たる事実だから、気を緩めるわけにはいかないわね。
「しかしこちらにとっては好都合なことだ。ゾフォール商会には遠慮なく商売してもらいたい。それにうちのやつが教会のことを気にしていたからな、これであの頑固な司祭も少しは柔らかくなってくれるといいんだが」
「え、頑固なんですか、あの人?」
「寄付すらまともに受け取ろうとしないそうだからな、必要以上の金は人を堕落させるとかいって」
「うっわ、ストイックぅ~……」
「シャルナ、それこそがゼレス教の本分でしょうっ」
清廉、正心、誠実。
この三本柱こそがゼレス教の根幹なのだから!
「ああ、ちょうどいい。リエル」
ルシエド卿はそばをとおりかかった一人の男性を呼びとめた。
「はい、なんでしょうか」
その人物は、輝く美しい金髪と、宝石のように煌めく爽やかな青い瞳をもった、その、なんというか……
「うっわ、イケメンっ!」
いわゆる、それであって……
「こいつが信徒でもないのにちょくちょく教会に顔を出してるおれの身内でな、リエルという」
「初めまして」
あ、え、どうしよう。
こういうときはどう返すのが正しいのかしら……?
騎士風?
貴族風?
それとも聖職者風?
ああでも信徒のかたではないのだから聖職者風はおかしいわよね。
どうしよう、こんな綺麗な人見たことない……!
たとえるなら、そう、ロマンス小説に出てくる白馬の王子さま……?
ああっ、そんなこといったらまたシャルナに乙女って馬鹿にされる……!
「リエル、このお嬢さんたちになにかスイーツを用意してやってくれ。アンセラの王都からはるばるやってきた聖騎士だそうだ」
「おお、ついにここにも聖騎士が派遣されましたか。司祭は助かるでしょうね」
けっきょく挨拶もできないままリエルさんは行ってしまわれた……
私としたことが……
失礼な女だと思われなかったかしら……?
いいえ、きっと思われたでしょうね。のちほど改めて名乗らなければ!
「店長さん、なかなかやりますねえ~」
「うん? なにがだ?」
「給仕も可愛い子揃いなのに、うちのエストの頬を染めさせるほどのイケメンまで置いてるなんて~」
「ちょっ、ちょっとシャルナ! なにをいってるの!」
「いや~この子ったら見た目はお固い感じなのに実はけっこうロマンチックな乙女でしてね~」
「ちょっと! そんなことないからっ!」
「あいつは競争激しいぞお?」
「店長さんまで、やめてくださいっ!」
「まあ、わざわざここにこなくてもあいつのほうから教会に行くからな、接する機会は他の客よりは多いかもな」
「だってよ、エスト!」
「そんな話をしにきたんじゃないでしょうっ!」
「ふひひ」
「そうそう、うちの料理長はヴルング族でな、アンセラの本格的な料理も出せるから故郷が恋しくなったら食べにくるといい」
「ヴルング族の料理人!? これまたレアな人材を……! やりますな!」
ああ、なんだか話がどんどん逸れていく……
ただの形式的な挨拶をするだけだったはずなのに……
結局、日が暮れて私たちを探しにきた商会の人に発見されるまで、シャルナはたっぷり店長と話し込んでしまった。
お陰でいろいろと町のことを知れたし改めてリエルさんに挨拶できたからいいけど、たぶんもう、いえ間違いなく、シャルナはここでの商売に本腰を入れる気でいる。商売のことなんて私にはわからないけど、本当に楽しそうに目を輝かせていたから、おじさまの見立ては正しかったのだろう。
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