学年で1番のイケメンに彼女を寝取られた。そしたら、イケメンの美少女友達が縁を切った

白金豪

文字の大きさ
1 / 37

第1話 NTR

しおりを挟む
 

 天音颯(あまね そう)は聖堂高校の2年生だ。

 見た目はパッとせず、低身長だ。おまけに普通の体格だ。

 そんな颯にも彼女がいる。

 彼女の名前は伊藤聖羅(いとう せいら)。クラスでも人気のある美人だ。

 黒髪にパッチリとした紺色の瞳。
 
 女子にしては高身長の背丈に、程よいバストを持つ。

 そんなある日、日曜日の夕方に颯は地元の書店で小説を購入した。颯は読書が趣味であり、ビジネス書やライトノベルを好んで読む。

 書店からの帰り道、振り向くほどのイケメンを発見した。

 学年1のイケメンの石井和久(いしい かずひさ)だ。

 金髪の長髪に二重の茶色の瞳。身長180を超える高身長であり、すらっとした体格を所持する。

 だが、それ以上に颯の目を引いた物があった。

 彼女の聖羅が石井と仲良く歩いていた。2人は身体を密着させ、ラブラブな空気を醸し出す。聖羅は石井の腕に身を委ね、これでもかと抱きつく。

「うそだろ……」

 開いた口が塞がらなかった。目の前の光景が現実だとは思えなかった。だが、認識した人物は石井と聖羅だった。間違いなかった。何度も学校で目にした顔だった。

「そんな。バカな…」

 ショックは大きい。それは間違いない。

 だが、自然と身体は動いた。幽霊のように、颯は石井と聖羅を追跡する。

 石井と聖羅は会話に夢中になっていた。そのため、特に物陰に隠れなくても、気づかれることはなかった。

 ストーカーすること5分。

 地元で有名なホテル街に出た。石井と聖羅はホテル街に足を踏み入れる。

(お、おい。まじかよ)

 動揺を隠せない颯。自然と足が止まる。石井と聖羅との距離はぐんぐん拡がる。

 颯の胸中など露知らず、石井と聖羅は1つのラブホ入口へ吸い込まれる。どんどん入口との距離は縮まる。

(頼む…。頼む! それはやめてくれ~~。俺は聖羅とキスすらしたことないんだぞ~)

 心の中で嘆く。必死に抵抗するように、前方に手を伸ばす。まるで、聖羅を止めようとするように。

 だが、不幸にも聖羅には届かない。

 躊躇いもせず、石井と聖羅はラブホテルに消えた。

「あ…あ…」

 颯は呆然として動けなかった。

 男女2人でラブホテル。プレイする内容など決まってる。交尾に決まってる。石井と聖羅はベッドの上で裸体で身体を接触させる。そして、合体する。容易に想像できる。

 これから颯は彼女をNTRされるのだ。遠くない近い未来に。

 10分も経過しないうちに、石井と聖羅はプレイを始めるだろう。

 石井と聖羅がプレイするシーンを脳内で想像してしまった。石井にイカされる聖羅が何度も脳内に出現する。

 聖羅は颯に見せたことがないメスの顔をしていた。喘ぎ声も収まらない。ビクンッビクンッ身体も反応していた。完全に石井に好き放題やられていた。

「う。うわぁ~~。こんなの嫌だ~~」

 耐えられずに、颯はその場から逃げ出した。ホテル街から退出する。

 息を激しく荒らしながらも、自宅を目的地にダッシュする。

 普段なら息切れは必至だろう。しかし、今日は違った。ダッシュしてもダッシュしても足は止まるどころか、グングン加速する。

 3分ほどで自宅に到着する。玄関で靴を脱ぎ捨て、手洗いうがいもせずに、自室に飛び込む。

 一目散にベッドにダイブし、うつ伏せの状態で寝込んだ。

「く、くそ~。なんでだよ~~。なんでだ聖羅…」

 ベッドで涙は流れず、憂鬱な自殺したい気分を味わう。人生最悪の気分だった。彼女という大切な物を失った。心が破裂するほど痛い。大切な物を失うのはここまで心を痛めるんだ。

 今後、完全に癒えることのない深い傷を負ってしまった。

 心の傷が起因し、その日は夕食を取れなかった。その上、時間が進んでも進んでも眠れなかった。思い通りに瞼は閉じてくれなかった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

目の前で始まった断罪イベントが理不尽すぎたので口出ししたら巻き込まれた結果、何故か王子から求婚されました

歌龍吟伶
恋愛
私、ティーリャ。王都学校の二年生。 卒業生を送る会が終わった瞬間に先輩が婚約破棄の断罪イベントを始めた。 理不尽すぎてイライラしたから口を挟んだら、お前も同罪だ!って謎のトバッチリ…マジないわー。 …と思ったら何故か王子様に気に入られちゃってプロポーズされたお話。 全二話で完結します、予約投稿済み

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり

鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。 でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。

処理中です...