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33.レンガの先の自然
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幸隆の足を大柄なゴブリンが塞ぐこと数分。
三体いたホブゴブリンはそれぞれ頭、胴、喉を潰されて塵へと還った。
初めて戦うゴブリンの上位種ではあったが、思いのほか楽に倒すことが出来た。
幸隆は握ったり、開いたりしながら自分の手を見つめる。
探索者になってからというもの、自分の体が信じられない程の活力に満ちているのを感じていたが、豚鬼を倒してからはそれが顕著に感じられている。
探索者という得体の知れない力の正体に以前は気味の悪さを抱いていた。
それは正直今もそう変わらない感情ではあるが、このみなぎる力を持てば、探索者になった者達が奢り高ぶる気持ちが幸隆にも理解ができる。
幸隆はまるで水を得た魚のような気分になり、気持ちがハイになりそうになるのを抑えて進路を塞ぐ魔物を片っ端から倒して行っていた。
この階層に来てかなりの時間進むが、探している暫定パーティーメンバーの瀬分杏の足取りは掴めていなかった。
彼女は豚鬼達から大舌達を逃がすために囮を務めたようだが、その豚鬼達も姿が見えない。
代わりにこの階層に住むホブゴブリンが幸隆を出迎えるばかりだ。
豚鬼が姿を現さない分、敵との遭遇頻度は低い。
そのため幸隆の進行速度は最初想定していたものよりも随分と早く奥まで来ていた。
しかし彼女は見つからす、痕跡も見られない。
無暗矢鱈に歩き回ってもこの広い階層で女性一人を見つけるのは至難の業と言えるだろう。
「どうしたもんかな」
幸隆は無い頭を絞って考えを巡らせるも、やはりいい案などは出てこない。
「とりあえず階段近くまでいくか。そこでまた考えよう」
幸隆は長く考えることを得意としない。
考えよりも先に行動するタイプだ。
普段なら立ち止まりもしない幸隆だが、彼は彼なりに杏の身の安全をそれなりに心配しているのかもしれない。
「あいつ、見た目は美人でも平たいからな。桃李の時みたいにイレギュラーからも襲われるかも知れないと考えると……二倍危険だ」
なにが二倍なのか。
桃李の性別を勘違いしたままの幸隆は、大変失礼な心配事を呟いて奥へと進もうと脚を上げた。
「ん?…………風?」
微かに肌を空気が撫でるような違和感に彼は右手の方向に顔を向けた。
「戦ったりしてんのか?」
戦闘の音は幸隆の耳には届いてこない。
真っすぐ続く通路の突き当りまで敵の姿は見えてこない。
幸隆の人外染みた感覚器の内、二つは危険を知らせてくることはない。
しかし、幸隆の触感は確かに、ほんの僅かな空気の揺らぎをその肌に違和感を知らせてきていた。
「……本当にただの風?」
口に出して、なお違和感が強くなる。
その謎につられるように幸隆の足が本来の目的とは違う方向へと踏み出された。
肌を撫でる空気の流れは次第に強くなってくる。
空気を大きく揺らすような激しい戦闘音は依然として皆無。
この方向はしばらく敵の気配を感じられない。
幸隆は調子の良い自分の感覚器を信頼して、警戒しながらの重い足を少しづつ軽くしていく。
それはすぐに走るほどの速度になって風が吹く方へと突き進んでいく。
分かれ道があっても間違えることなく風の方へと、物凄い勢いでマップを塗り潰しながら。
「なんじゃこら」
ついに幸隆の足は止まった。
驚きで思わずブレーキを掛ける幸隆。
そこにはダンジョンを食いつぶすように大きな森が広がっていた。
眼前に広がる光景が信じられず目を擦る。
「疲れ目かな」
さんざんおっさん扱いされてきたことで幸隆自身も年齢を意識し始めたのか、自身の不調を疑った。
しかし再び開いた視界の先は相変わらず、緑に溢れていた。
「疲れ目にはちょうど良いか?……いやいや違うな」
あまりに信じられない景色に幸隆の頭が追いつかず、思わずとんちんかんなことを呟いてしまう。
「これは……どうなってんだ?」
ここはオーソドックスなレンガ造りのダンジョンだったはずだ。
通常の煉瓦よりかは頑丈で、それでも強い衝撃には崩れてしまう程度の壁で構成された迷宮。
それが崩れたらその先は大自然でした。
そんな馬鹿な話はあり得ない。
そもそも地下であるはずのダンジョンにこれだけの太陽光が差し込むはずがない。
「本物だよな」
見上げれば、そこのは燦燦と輝く太陽が木々を照り付けている。
目の上に手のひらで影を作りながら、目を細めて見上げる幸隆はそれが地上の物と変わらないことを体感しながら呟いた。
「人の手が入ってるのか?」
視線を頭上から地面に戻すと、一本の道が広がっている。
最初は視界に入っていながら上手く認識出来ていなかったが、草木のない綺麗な道はまるで人の手が入ったような不自然さがあった。
「考えても無駄か」
ここはそもそもダンジョンだ。
現代科学のメスを一切受け付けず、解明を許さない超常の代物。
その中での出来事などいくら考えたところで徒労にすぎない。
幸隆は考えることを放棄してとりあえずこの森を進むことにした。
道を進む中、ここが豚鬼たちのテリトリーであることに気付く。
地面に広がるいくつもの足跡が今まで見た豚鬼の物であると分かるからだ。
そしてその中に混ざる三つの小さな足跡。
二つは幸隆のものよりも小さく女性の足跡だと分かる。
そのうちの一つは状況的に恐らく杏のものだと推測した。
残りの一つは幸隆のものよりも大きく、人のものに近いが、幸隆の直感がそれを否定する。
怪しい足跡だったが、それがなんなのかは幸隆に分かるはずもなかった。
「手がかりが見つかって良かったというべきか、面倒なところにきたというべきか」
この足跡が杏のものであるならこの先に杏がいる可能性は高い。
そうでなかったならまた一からだ。
しかし例え正解だったとしてもこんな面倒そうなところに入り込んで厄介なことにならなければいいがと幸隆は小さく嘆息した。
最近好調な五感を働かせ、警戒しながら進んでいると、幸隆の鼻がつんとした臭いを嗅ぎ取った。
その臭いの方へと向かうため、道を外れて草木を掻き分け森へと入る。
少し進むと、草木の少ない拓いた場所へと出る。
地面は抉れ、周りの樹々にも傷が見える。
地面に残された矢じりの先端が潰れた矢が一本。
血痕は残されていない。
代わりにこの場に微かに残る雌雄の臭い。
オスの種の臭いと女の甘い臭いがここで何があったのかを物語っていた。
豚鬼の見せる異常性。
桃李に見せたあの蛮行の続き。
ドクン。
その浮上した光景に幸隆の心臓が一つ跳ねた。
顔から表情の抜けた男が、臭いをより一層強く放っている場所へと向かう。
太い樹の幹の裏。
草を少し掻き分けると女の足が覗いて見えた。
三体いたホブゴブリンはそれぞれ頭、胴、喉を潰されて塵へと還った。
初めて戦うゴブリンの上位種ではあったが、思いのほか楽に倒すことが出来た。
幸隆は握ったり、開いたりしながら自分の手を見つめる。
探索者になってからというもの、自分の体が信じられない程の活力に満ちているのを感じていたが、豚鬼を倒してからはそれが顕著に感じられている。
探索者という得体の知れない力の正体に以前は気味の悪さを抱いていた。
それは正直今もそう変わらない感情ではあるが、このみなぎる力を持てば、探索者になった者達が奢り高ぶる気持ちが幸隆にも理解ができる。
幸隆はまるで水を得た魚のような気分になり、気持ちがハイになりそうになるのを抑えて進路を塞ぐ魔物を片っ端から倒して行っていた。
この階層に来てかなりの時間進むが、探している暫定パーティーメンバーの瀬分杏の足取りは掴めていなかった。
彼女は豚鬼達から大舌達を逃がすために囮を務めたようだが、その豚鬼達も姿が見えない。
代わりにこの階層に住むホブゴブリンが幸隆を出迎えるばかりだ。
豚鬼が姿を現さない分、敵との遭遇頻度は低い。
そのため幸隆の進行速度は最初想定していたものよりも随分と早く奥まで来ていた。
しかし彼女は見つからす、痕跡も見られない。
無暗矢鱈に歩き回ってもこの広い階層で女性一人を見つけるのは至難の業と言えるだろう。
「どうしたもんかな」
幸隆は無い頭を絞って考えを巡らせるも、やはりいい案などは出てこない。
「とりあえず階段近くまでいくか。そこでまた考えよう」
幸隆は長く考えることを得意としない。
考えよりも先に行動するタイプだ。
普段なら立ち止まりもしない幸隆だが、彼は彼なりに杏の身の安全をそれなりに心配しているのかもしれない。
「あいつ、見た目は美人でも平たいからな。桃李の時みたいにイレギュラーからも襲われるかも知れないと考えると……二倍危険だ」
なにが二倍なのか。
桃李の性別を勘違いしたままの幸隆は、大変失礼な心配事を呟いて奥へと進もうと脚を上げた。
「ん?…………風?」
微かに肌を空気が撫でるような違和感に彼は右手の方向に顔を向けた。
「戦ったりしてんのか?」
戦闘の音は幸隆の耳には届いてこない。
真っすぐ続く通路の突き当りまで敵の姿は見えてこない。
幸隆の人外染みた感覚器の内、二つは危険を知らせてくることはない。
しかし、幸隆の触感は確かに、ほんの僅かな空気の揺らぎをその肌に違和感を知らせてきていた。
「……本当にただの風?」
口に出して、なお違和感が強くなる。
その謎につられるように幸隆の足が本来の目的とは違う方向へと踏み出された。
肌を撫でる空気の流れは次第に強くなってくる。
空気を大きく揺らすような激しい戦闘音は依然として皆無。
この方向はしばらく敵の気配を感じられない。
幸隆は調子の良い自分の感覚器を信頼して、警戒しながらの重い足を少しづつ軽くしていく。
それはすぐに走るほどの速度になって風が吹く方へと突き進んでいく。
分かれ道があっても間違えることなく風の方へと、物凄い勢いでマップを塗り潰しながら。
「なんじゃこら」
ついに幸隆の足は止まった。
驚きで思わずブレーキを掛ける幸隆。
そこにはダンジョンを食いつぶすように大きな森が広がっていた。
眼前に広がる光景が信じられず目を擦る。
「疲れ目かな」
さんざんおっさん扱いされてきたことで幸隆自身も年齢を意識し始めたのか、自身の不調を疑った。
しかし再び開いた視界の先は相変わらず、緑に溢れていた。
「疲れ目にはちょうど良いか?……いやいや違うな」
あまりに信じられない景色に幸隆の頭が追いつかず、思わずとんちんかんなことを呟いてしまう。
「これは……どうなってんだ?」
ここはオーソドックスなレンガ造りのダンジョンだったはずだ。
通常の煉瓦よりかは頑丈で、それでも強い衝撃には崩れてしまう程度の壁で構成された迷宮。
それが崩れたらその先は大自然でした。
そんな馬鹿な話はあり得ない。
そもそも地下であるはずのダンジョンにこれだけの太陽光が差し込むはずがない。
「本物だよな」
見上げれば、そこのは燦燦と輝く太陽が木々を照り付けている。
目の上に手のひらで影を作りながら、目を細めて見上げる幸隆はそれが地上の物と変わらないことを体感しながら呟いた。
「人の手が入ってるのか?」
視線を頭上から地面に戻すと、一本の道が広がっている。
最初は視界に入っていながら上手く認識出来ていなかったが、草木のない綺麗な道はまるで人の手が入ったような不自然さがあった。
「考えても無駄か」
ここはそもそもダンジョンだ。
現代科学のメスを一切受け付けず、解明を許さない超常の代物。
その中での出来事などいくら考えたところで徒労にすぎない。
幸隆は考えることを放棄してとりあえずこの森を進むことにした。
道を進む中、ここが豚鬼たちのテリトリーであることに気付く。
地面に広がるいくつもの足跡が今まで見た豚鬼の物であると分かるからだ。
そしてその中に混ざる三つの小さな足跡。
二つは幸隆のものよりも小さく女性の足跡だと分かる。
そのうちの一つは状況的に恐らく杏のものだと推測した。
残りの一つは幸隆のものよりも大きく、人のものに近いが、幸隆の直感がそれを否定する。
怪しい足跡だったが、それがなんなのかは幸隆に分かるはずもなかった。
「手がかりが見つかって良かったというべきか、面倒なところにきたというべきか」
この足跡が杏のものであるならこの先に杏がいる可能性は高い。
そうでなかったならまた一からだ。
しかし例え正解だったとしてもこんな面倒そうなところに入り込んで厄介なことにならなければいいがと幸隆は小さく嘆息した。
最近好調な五感を働かせ、警戒しながら進んでいると、幸隆の鼻がつんとした臭いを嗅ぎ取った。
その臭いの方へと向かうため、道を外れて草木を掻き分け森へと入る。
少し進むと、草木の少ない拓いた場所へと出る。
地面は抉れ、周りの樹々にも傷が見える。
地面に残された矢じりの先端が潰れた矢が一本。
血痕は残されていない。
代わりにこの場に微かに残る雌雄の臭い。
オスの種の臭いと女の甘い臭いがここで何があったのかを物語っていた。
豚鬼の見せる異常性。
桃李に見せたあの蛮行の続き。
ドクン。
その浮上した光景に幸隆の心臓が一つ跳ねた。
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