淫魔は夢にて

田中 乃那加

文字の大きさ
5 / 7

入須君の錯乱

『あっ♡ あっ♡ あっ♡』
『んひぃぃっ♡♡ しょこっ、もっとぉ♡ おくまでっ♡♡ ほしいのぉぉ♡♡♡』
『んぅっ♡ おいし♡♡ かたくて、おっきなおちんぽ様ぁ♡♡♡』

「な、なんだこれ」

 目の前で見せられた光景に、オレはへたり込む。

 ――引きずってこられた家の中は、案外普通だった。
 いや、外観的にもすこし斬新? なだけだったけどさ。内装はそれ以上に普通というか。何の変哲もない感じでむしろビックリしたな。
 
 でもそこじゃなかった。

「よく撮れてるでしょう。?」
「っ……!」

 後ろからかけられた声に、振り向くことすらできない。
 
「かわいく俺を挑発して。散々、搾り取ってくれたんですよね」

 普段しない呼び方。そして言葉の内容に、意味がわからなくなる。だってオレはここに来たことすらないし、だいたい嫌いな男にこんなことを許す人間じゃないはずだ。
 でも目の前で見せられている映像には、オレが映っている。
 上半身には露出狂でコスプレみたいな服を着て、コイツの上で腰をふっている姿が。
 その顔はアホみたいに惚けていて、口からは自分のとは思えない媚びた喘ぎ声と言葉を垂れ流している。

『んほぉぉ♡♡ しゅ、しゅごいぃぃぃっ♡♡♡ おくにっ、おくっ、ごりごりってぇぇ♡♡ イくぅぅぅぅっ♡♡♡』

 ……つーか、うるせぇ。なにこれ、こんなのAVでもなかなかないんじゃないのか。
 オマケに服として意味をなさない変態服から乳首をつねられて、口をとがらせたマヌケ顔してイったと思われる映像の中のオレ。

「もっとみます? 」

 ニヤニヤ顔が癪に障る仁露が、オレの肩を抱く。

「や、やめろ」

 もう見たくないし、触るなと言う意味を込めてにらみつける。しかし。

「ふふ、自分の痴態を見て興奮してるなんて」
「!」

 言われて気がつく。自分の股間が窮屈なのを。
 慌てて隠すも、遅かった。

「恥ずかしい人だ。これはなんですよ?」
「しょ、証拠……?」
「そう。洋真がオレのモノだっていう証拠」

 どういうことだ。オレは本当に記憶にない。あったら、絶対に生きていられないだろう。
 どんなヤバイ薬を盛られたのか。いや、前後不覚になってもここまでおかしくなるだろうか。
 そしてその記憶すらない。
 戸惑うオレに、アイツは小さく笑った。

「じゃあ思い出してもらおうかな」

 そうしてまた外国語のような。でもさっきとはなんか少し違うそれを、囁いてきた。
 その途端。

「ゔっ」

 まただ。頭がぼーっとして、発熱したみたいな感じ。でもちがう。
 
「か、身体あつ、い」

 熱い。服なんて着てられないくらいに。でもそれが身体の内側。奥からって言った方がいいかかもしれない。
 自分の心臓の音が聞こえてきて、同時に変な震えがくる。

「うぁ……っ」
「先輩」

 やめろ、先輩なんて呼ぶな。いつもは洋真って呼び捨てするだろう。そんな冷静な目で、オレを見下ろさないで。
 そんな目で、そんな、目、そんな――。

「んぇ♡♡」

 ゾクゾクッと、背中をかけあがってくる感覚。
 直接、股間に響くそれに震えちまう。

「相変わらずのドMですね、先輩」
「んぁ……っ、そ、それやめ……っ♡」

 コイツにそう呼ばれると、なんだかめちゃくちゃ興奮する♡
 恥ずかしい変態を見る目で蔑まれて、先輩呼びされて。先輩なのにっ♡ 後輩にそんな態度とられて、無様に感じてるオレってぇ♡♡♡

「はぁっ……あっ♡ あっ♡」
「指一本触れてないのに、こんなことになって」
「んおっ!? 」

 手を股ぐらに突っ込まれて股間をギュッと握られて悲鳴をあげた。

「ほら、抵抗しないとダメになりますよ」
「んぎっ……つ、つぶれ、ちゃ……っ」

 男の大事なとこを握り潰される恐怖と痛み。それに認めたくないけど。

「痛いのも好きですもんね。先輩」
「んひぃぃっ♡♡ しゅき、じゃ、ないぃぃっ♡♡♡」
 
 嘘だ。心臓がうるさいくらいドキドキして、痛くて恥ずかしくて嫌なハズなのに。なんかすごく気持ちよくって。もっとしてほし――。

「口ごたえしてるんじゃない、メスブタが」
「ひぎゅぅっ♡♡♡ 」

 服の上から、乳首をつねりあげやがった!
 手加減なしのそれに痛みと、それ以上の衝撃で何かが弾ける。

「んへぇ……♡」
「これだけでイってしまうんですよね」

 い、イった、のか? オレは。
 腰が抜けたみたいにガクガクする。ハッハッハッと犬みたいな息を吐きながら、だらしなく開けてた口にアイツが顔を近づけのを見た。

「んぅっ!?」

 キス、されてた。一気に頭の中にかかってたモヤみたいなのが晴れて、正気にかえったというか。
 でも、もう遅い。

「うぅ……っ、んーっ! ……ふぁ……ぁ」

 キスって、こんなに気持ちいいのか。
 口ん中に舌入れられて舐められてるだけなのに頭フワフワして、もどかしくって。オレもって、夢中で舌を絡めた。

「っ、寝室、いきましょうか。洋真」

 シンシツ? 寝室、か。寝るのか? 眠たくないのに。
 なんか頭が回らなくて、不思議そうなオレの頭をアイツは少し乱暴に撫でた。

「その顔は反則」
「?」

 そしてみたことないくらい優しい表情で、また顔がこっちに寄ってくる。

「ん……ぅ♡」

 ついに頭おかしくなっちまったのかな。コイツにキスされても、全然イヤじゃない。
 それどろか。

「俺に、抱かれてくれますか?」

 やってる事はめちゃくちゃなのに。やけに丁寧にや優しげに問いかけてくる仁露の言葉に、オレは小さくうなづいた。
 
 
感想 0

あなたにおすすめの小説

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

「お前を愛する事はない」を信じたので

あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」 お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。