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領主、悲劇は続く
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喪失――それが最初に浮かんだ言葉であった。
処女喪失とはまさにこの事。しかし対象者は三十路も超えた男であるし、相手はこともあろうに息子だったが。
「あのぅ、ごめんなさい」
眉を下げて謝ってくるヨハン。謝るなら最初からするなとゲンコツでもしたらなかったことになるだろうか、と微かな希望を抱きつつ気だるげな視線を向けると。
「あまりにも貴方が可愛くてすぐ出ちゃって」
ごめんなんて微塵も思ってない表情で自分を見下ろしている男に、再び涙が溢れてくる。
「ひ……っ、うぅ……なんで……こんなことに……」
「嫌だなぁ。泣かないでくださいよ、お父様」
「っ、やめろ!」
――こんな時に『お父様』だなんて。
無理やり挿入された時、そして無茶苦茶に揺さぶられた時も決してそう呼ばなかった。
『クラウス、クラウス』
『ああ可愛い人』
『愛してる僕の運命』
なんて甘く囁いて。やめてくれ許してと叫んでもお構い無しだ。
挙句に胎内に精を吐き出され、そのまま抜くことなく三度も犯された。
「俺は……なにが悪かったんだろうな」
「そうですねぇ」
痛む腰やら尻をかかえながら俯きがちにつぶやくと、ヨハンが手錠で傷ついたクラウスの手首を撫でて微笑む。
「お父様が僕のお父様として産まれたこと、じゃないですかね」
「は……」
全否定された、と思った。
だからこそもう耐えられなかった。
「……出ていってくれ」
「お父様」
「出ていってくれっ、部屋から!」
悲鳴のような怒鳴り声。クラウスは頭を抱える。
「このことはもう忘れよう。俺も、お前も。だから――」
「なかったことにする、って?」
「!」
ぎしりとベッドが軋む。気づけば息子にまた押し倒されていた。
「そう都合よくいかないよ、クラウス」
「っ、やめろ……もう、できない……!」
ろくに力も入らない身体で必死に抵抗する。
逃げようと腰をひねれば鈍い痛みと共に、腿に流れる白い痕跡と身体中に散る花弁のような鬱血痕。
ヨハンの喉がゴクリと鳴った音を聞いた。
「まだ朝には早いですね」
「ひ……っ、やだ、したく、ない!」
掠れた声で叫んでも無駄なのに。次第に四つん這いで逃げようとして、いっそうヨハンに自らの痴態を見せつけ煽るような格好になって事にさえ気付かない。
そうして気付けばまた捕らえられていた。
「やだ、やだ……やめろよぉ……」
「イヤイヤ期みたいですね、お父様」
僕にはなかったでしょうけど、なんてすまし顔で言った少年はすでに何度もキスされ赤く色付いてしまった唇に再び口付けた。
「ん、ぅ……っ」
――ああもうだめ。
こんなひどいことをされているのに、キスだけは縋り付きたくなるほど優しかった。
ぽろぽろと涙が溢れて止まらないままにクラウスは五度目の行為に堕ちていく。
処女喪失とはまさにこの事。しかし対象者は三十路も超えた男であるし、相手はこともあろうに息子だったが。
「あのぅ、ごめんなさい」
眉を下げて謝ってくるヨハン。謝るなら最初からするなとゲンコツでもしたらなかったことになるだろうか、と微かな希望を抱きつつ気だるげな視線を向けると。
「あまりにも貴方が可愛くてすぐ出ちゃって」
ごめんなんて微塵も思ってない表情で自分を見下ろしている男に、再び涙が溢れてくる。
「ひ……っ、うぅ……なんで……こんなことに……」
「嫌だなぁ。泣かないでくださいよ、お父様」
「っ、やめろ!」
――こんな時に『お父様』だなんて。
無理やり挿入された時、そして無茶苦茶に揺さぶられた時も決してそう呼ばなかった。
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『ああ可愛い人』
『愛してる僕の運命』
なんて甘く囁いて。やめてくれ許してと叫んでもお構い無しだ。
挙句に胎内に精を吐き出され、そのまま抜くことなく三度も犯された。
「俺は……なにが悪かったんだろうな」
「そうですねぇ」
痛む腰やら尻をかかえながら俯きがちにつぶやくと、ヨハンが手錠で傷ついたクラウスの手首を撫でて微笑む。
「お父様が僕のお父様として産まれたこと、じゃないですかね」
「は……」
全否定された、と思った。
だからこそもう耐えられなかった。
「……出ていってくれ」
「お父様」
「出ていってくれっ、部屋から!」
悲鳴のような怒鳴り声。クラウスは頭を抱える。
「このことはもう忘れよう。俺も、お前も。だから――」
「なかったことにする、って?」
「!」
ぎしりとベッドが軋む。気づけば息子にまた押し倒されていた。
「そう都合よくいかないよ、クラウス」
「っ、やめろ……もう、できない……!」
ろくに力も入らない身体で必死に抵抗する。
逃げようと腰をひねれば鈍い痛みと共に、腿に流れる白い痕跡と身体中に散る花弁のような鬱血痕。
ヨハンの喉がゴクリと鳴った音を聞いた。
「まだ朝には早いですね」
「ひ……っ、やだ、したく、ない!」
掠れた声で叫んでも無駄なのに。次第に四つん這いで逃げようとして、いっそうヨハンに自らの痴態を見せつけ煽るような格好になって事にさえ気付かない。
そうして気付けばまた捕らえられていた。
「やだ、やだ……やめろよぉ……」
「イヤイヤ期みたいですね、お父様」
僕にはなかったでしょうけど、なんてすまし顔で言った少年はすでに何度もキスされ赤く色付いてしまった唇に再び口付けた。
「ん、ぅ……っ」
――ああもうだめ。
こんなひどいことをされているのに、キスだけは縋り付きたくなるほど優しかった。
ぽろぽろと涙が溢れて止まらないままにクラウスは五度目の行為に堕ちていく。
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