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失恋タイムマイム
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朝が弱いらしい高校生をなんとか送り出したり、同じく会社行きたくないとため息をつく夏菜子をなだめすかしたりして時間は過ぎる。
そしてそれらが終わった後のことだ。
「奏汰君、そこに座ろっか」
「…………ハイ」
午前八時、外は清々しいほどの晴天で。テレビは今朝も能天気な情報番組をやっている。
そんな中、奏汰は言われるがままリビングの椅子に座った。そしてまず向かい側に明良が腰掛ける。
「あのね」
小学校教師が児童をさとすような声色に、少しうなだれて先程淹れてもらった茶を見つめる。
「相手は高校生だよ?」
「い、いきなり核心に踏み込んでくるな……」
ズバリ言われたのがやはりこの事。
たしかに同じベッドの中で抱き合う格好を見られたら、普通にそういう関係で『昨晩はお楽しみでしたね』なんて状況なのかもしれない。
しかしこれはとんだ誤解だ、と奏汰は頭を抱えたくなった。
「別に変なことしてないから」
「セックスを変なこと、なんて言わないから安心して」
「いや、そうじゃなくて」
もう不良少年に対して優しく、でも根気強く指導する教師みたいな顔になっている。
「ちゃんと避妊具はつけた?」
「だからなにもしてないってば」
やはり誤解されている。意を決して顔をあげて事情を説明しようと口を開きかけた、が。
「……」
寝ぼけた相手に抱きしめられ、あまつさえキスされたなんてどんな言い訳が通るだろうか。
しかも普段ならそこらの男を蹴散らすほどの自分が。
そんなことを考えはじめてしまうと、どんどん何も言えなくなっていく。
「奏汰君」
再びうつむいた奏汰に彼は柔らかく笑いかけた。
「別に非難しようってことじゃないからね。ただ、ぼくみたいな事にはならないで欲しいなって余計なお節介だよ」
言いたいことは理解出来る。特に龍也はαだ。
やはりいくら良くしてやっている相手でも、やはり思うところはあるのだろう。
「前に言ってくれたよね。ぼくのこと家族だって」
「あ、うん」
本人の口から言われると妙に気まずくて、奏汰はやはり顔を上げられないでいる。
本心なのだ。本当に家族だと思っているし、だからこそ何度も結婚を申し出ようとしたのだが。
「ぼくもだよ」
「え?」
「君や夏菜子さんには感謝してるし家族同然だと思ってる」
「うん」
「それもあってちょっとお説教したくなっちゃったんだよね」
「えっ……」
笑みを含んだ声にほんの少し視線を上にあげてみた。
「やっとこっち向いてくれた」
「明良さん」
「大丈夫、怒らないから。でもちゃんと考えなきゃダメだよ」
「考えるって言ったって、あいつとは別に……」
「本当に?」
「本当だってば。あのバカの寝相が悪かっただけ」
たしかにあの寝相は最悪だった。男二人では広々とまではいかないだろうが、それでもあんなにくっつく必要はない。
「し、しかも――」
「しかも?」
「なんでもない!」
言えない、言えるわけがない。
よりにもよってファーストキスをあんな形で奪われるなんて。
「うぅ」
奏汰は大きくため息をついて頭を抱えた。
「あんなクソガキ、床で寝かせりゃよかった」
「なんだかんだで甘いよね、奏汰君は」
「えっ!? 僕が、あいつに?」
むしろかなりキツいことばかり言っている自覚はあるのだが。しかし明良は軽く首を横に振って言う。
「でも一緒に寝たんだよね」
「ね、寝たというか。ベッド少し貸してあげただけっていうか」
「あーあ。奏汰君もお嫁に行っちゃう日が近いかなぁ」
「明良さん違うってば! 僕は明良さんに――」
「奏汰君」
静かだけど有無を言わさぬ強さをもった声色に遮られる。
「ぼくにとって君は恩人だし家族同然だし、あと可愛い弟みたいな存在なんだよ」
「っ……」
これほど見事なフラれ文句は無いかもしれない。
胸が痛くなって鼻の奥がツンと痛くなる。
「泣かないで、奏汰君」
「泣いてなんてない」
慌ててそっぽ向くも視界が揺らぐ。
「ごめんね」
気づくと彼が隣に座っていて頭を撫でていた。
「分かってた、奏汰君の気持ち」
「……」
「でもそれは恋じゃないよね」
「それは……」
「いや、責めてるんじゃないよ。どんな形であれ、君はぼくを拾ってくれて大事にしてくれた。なにより一人ぼっちだったぼくに家族ができた」
「明良さん」
「だから幸せになって欲しいんだよ」
まるで他に幸せがあるみたいに言うじゃないか。今が一番心地よいしお互いにこれ以上のことがあるものか、と言いたいのをグッとこらえる。
「明良さんはまだあの男が好きなのか」
あの男とは腹の子の父親のことだ。まだ未練があるから自分とは結婚出来ないのかと問いたかったのだ。
彼は少し考えてから。
「そうだよ」
と悲しげに笑った。
「なんでだよ。明良さんを捨てた、子供も堕ろせって言うようなヤツなんだろ」
思わず奏汰は声を荒らげる。それくらい理解できなかったのだ。
しかし対する明良は静かに。
「自分でもよく分からない」
と呟く。
「憎みたかったし嫌いになりたかったんだ。でも両方できそうになくて。せめてこの子を育て上げて見返してやろうって。お前が殺そうとした命は、ぼくが大切にここまで大きくしたんだぞ。ってね」
それに、と少し言い淀んでからゆっくり口を開いた。
「どうあっても愛する我が子の父親だもの」
その表情はすごく穏やかで強かった。
「そっか」
ここまで言われたらもう引き下がるしかない。うつむく奏汰の肩を、彼は優しく叩いた。
「それに奏汰君はぼくに恋してないでしょ」
「え?」
「恋だよ、恋。もしかして恋愛未経験だったりするのかな」
「そ、そんなこと」
あるのだ。片想いですらピンとこないという。
元々、そういったことには鈍感だと言われてきた。その上、思春期に入る前にこの変異体質が判明したものだから。
「別に恋愛なんてしなくても生きていける」
強がってみたが無駄だ。心のどこかでいつも引っかかっていた。
当然のように周りに恋人が出来て幸せそうな話を見聞きする度に、自分とは縁のない世界で眩しくも少し寂しかった。
『奏汰ってモテるよね』
よく言われる。しかしそれだって好きでもない相手から一方的に想いを寄せられて距離を詰められるのは、正直あまり気分の良いものではない。
挙句。断ればやれお高くとまっているだの、男を誑かしているだの妙な言いがかりをつけられる。
「僕だって……」
一度だけ恋をしたことがあった。気づく前に摘み取られた儚いものだが、今思えばたしかにそれは初恋だったのだ。
高校生に入ってすぐ、一人の女子生徒と仲良くなった。
お世辞にも明るいタイプとはいえず、むしろ陰キャやオタクと位置づけされる娘だったのだが。
『――奏汰くんは綺麗でいいなあ』
独特な褒め方をするな、とは思った。でも悪い気はしなかった。
最初は席が隣同士になって一言二言くらいのやり取りで、そこから当時同じマンガやゲームにハマっていることが分かってからさらに仲良くなった。
男女とかバース性なんて超えた付き合いだとは理解していたが。それでも奏汰は彼女のふとした時の笑顔や声に胸をときめかせていたし、初めのぎこちない態度から変わってスキンシップの多さにドキドキしていた。
しかし。
『――もう話しかけないで』
突然のことだった。
やり場のない怒りといった様子で睨まれてショックより先に思わず謝っていた。
『――なんで謝るの。やっぱり奏汰のせいじゃん』
その時はまったく検討がつかなかったが、どうやら彼女は彼女で恋をしていたらしい。
当時も奏汰はなにかと男に絡まれることが多かった。
一応同じ男ということで女子より気安く身体も触られたし言葉もかけられた。当然、拒否はしたがそうそうクラスメイトや先輩に強く出られる訳もなく慣れる方が早かったのかもしれない。
そこで女子生徒の片想い相手が出てくる。
彼女が意を決して告白した時、断り文句のなかに奏汰の名前が出たのだ。
『――あたしの事を笑ってたんでしょ。バカみたいって』
誓っていうが、まったくそんなことは無い。
むしろ彼女が恋をしていたこと自体知らなかったのだ。
相談すらされなかったこともまたショックであった。
『――最低よ、あんた』
弁明する暇もなく生まれたての初恋は散萎れて死んだ。それを呆然と感じながら、奏汰は心の中で泣く。
「よく分からないや」
恋愛は苦手だ。
向けられる好意も怖い。
「じゃあ龍也君のことは?」
「あいつはムカつく。バカだしガキだし、アホだし。あと少し……」
「少し?」
「羨ましい、かもしれない」
真っ直ぐ想いを伝えてくる眼差し。男女もバース性も関係ないと言い切るところも。
自分がもしもっと早く勇気を出していれば変わっていたかもしれない。
いや結末はきっと変わらないのだろう。だとしてもIfにすがってしまうのは愚かなことだろうか。
「龍也君、それ聞いたら死ぬほど喜ぶかもね」
明良がクスクスと笑いながら言う。
「でも未成年ということをお忘れなく」
「だからヤってないってば」
「そういうことにしておいてあげる」
「明良さん!」
「はは、今の奏汰君はたしかに可愛いね」
「えっ」
「龍也君がいつも言うんだよ。心配だって。可愛すぎて誰かに攫われちゃうじゃないかって。心配過ぎて三食しか食事が喉を通らないって」
「いや充分食ってる……」
「あははっ、たしかに!」
楽しそうに笑いころげる明良に毒気を抜かれる形で、奏汰もまたつられて笑えてきた。
そしてそれらが終わった後のことだ。
「奏汰君、そこに座ろっか」
「…………ハイ」
午前八時、外は清々しいほどの晴天で。テレビは今朝も能天気な情報番組をやっている。
そんな中、奏汰は言われるがままリビングの椅子に座った。そしてまず向かい側に明良が腰掛ける。
「あのね」
小学校教師が児童をさとすような声色に、少しうなだれて先程淹れてもらった茶を見つめる。
「相手は高校生だよ?」
「い、いきなり核心に踏み込んでくるな……」
ズバリ言われたのがやはりこの事。
たしかに同じベッドの中で抱き合う格好を見られたら、普通にそういう関係で『昨晩はお楽しみでしたね』なんて状況なのかもしれない。
しかしこれはとんだ誤解だ、と奏汰は頭を抱えたくなった。
「別に変なことしてないから」
「セックスを変なこと、なんて言わないから安心して」
「いや、そうじゃなくて」
もう不良少年に対して優しく、でも根気強く指導する教師みたいな顔になっている。
「ちゃんと避妊具はつけた?」
「だからなにもしてないってば」
やはり誤解されている。意を決して顔をあげて事情を説明しようと口を開きかけた、が。
「……」
寝ぼけた相手に抱きしめられ、あまつさえキスされたなんてどんな言い訳が通るだろうか。
しかも普段ならそこらの男を蹴散らすほどの自分が。
そんなことを考えはじめてしまうと、どんどん何も言えなくなっていく。
「奏汰君」
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「別に非難しようってことじゃないからね。ただ、ぼくみたいな事にはならないで欲しいなって余計なお節介だよ」
言いたいことは理解出来る。特に龍也はαだ。
やはりいくら良くしてやっている相手でも、やはり思うところはあるのだろう。
「前に言ってくれたよね。ぼくのこと家族だって」
「あ、うん」
本人の口から言われると妙に気まずくて、奏汰はやはり顔を上げられないでいる。
本心なのだ。本当に家族だと思っているし、だからこそ何度も結婚を申し出ようとしたのだが。
「ぼくもだよ」
「え?」
「君や夏菜子さんには感謝してるし家族同然だと思ってる」
「うん」
「それもあってちょっとお説教したくなっちゃったんだよね」
「えっ……」
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「大丈夫、怒らないから。でもちゃんと考えなきゃダメだよ」
「考えるって言ったって、あいつとは別に……」
「本当に?」
「本当だってば。あのバカの寝相が悪かっただけ」
たしかにあの寝相は最悪だった。男二人では広々とまではいかないだろうが、それでもあんなにくっつく必要はない。
「し、しかも――」
「しかも?」
「なんでもない!」
言えない、言えるわけがない。
よりにもよってファーストキスをあんな形で奪われるなんて。
「うぅ」
奏汰は大きくため息をついて頭を抱えた。
「あんなクソガキ、床で寝かせりゃよかった」
「なんだかんだで甘いよね、奏汰君は」
「えっ!? 僕が、あいつに?」
むしろかなりキツいことばかり言っている自覚はあるのだが。しかし明良は軽く首を横に振って言う。
「でも一緒に寝たんだよね」
「ね、寝たというか。ベッド少し貸してあげただけっていうか」
「あーあ。奏汰君もお嫁に行っちゃう日が近いかなぁ」
「明良さん違うってば! 僕は明良さんに――」
「奏汰君」
静かだけど有無を言わさぬ強さをもった声色に遮られる。
「ぼくにとって君は恩人だし家族同然だし、あと可愛い弟みたいな存在なんだよ」
「っ……」
これほど見事なフラれ文句は無いかもしれない。
胸が痛くなって鼻の奥がツンと痛くなる。
「泣かないで、奏汰君」
「泣いてなんてない」
慌ててそっぽ向くも視界が揺らぐ。
「ごめんね」
気づくと彼が隣に座っていて頭を撫でていた。
「分かってた、奏汰君の気持ち」
「……」
「でもそれは恋じゃないよね」
「それは……」
「いや、責めてるんじゃないよ。どんな形であれ、君はぼくを拾ってくれて大事にしてくれた。なにより一人ぼっちだったぼくに家族ができた」
「明良さん」
「だから幸せになって欲しいんだよ」
まるで他に幸せがあるみたいに言うじゃないか。今が一番心地よいしお互いにこれ以上のことがあるものか、と言いたいのをグッとこらえる。
「明良さんはまだあの男が好きなのか」
あの男とは腹の子の父親のことだ。まだ未練があるから自分とは結婚出来ないのかと問いたかったのだ。
彼は少し考えてから。
「そうだよ」
と悲しげに笑った。
「なんでだよ。明良さんを捨てた、子供も堕ろせって言うようなヤツなんだろ」
思わず奏汰は声を荒らげる。それくらい理解できなかったのだ。
しかし対する明良は静かに。
「自分でもよく分からない」
と呟く。
「憎みたかったし嫌いになりたかったんだ。でも両方できそうになくて。せめてこの子を育て上げて見返してやろうって。お前が殺そうとした命は、ぼくが大切にここまで大きくしたんだぞ。ってね」
それに、と少し言い淀んでからゆっくり口を開いた。
「どうあっても愛する我が子の父親だもの」
その表情はすごく穏やかで強かった。
「そっか」
ここまで言われたらもう引き下がるしかない。うつむく奏汰の肩を、彼は優しく叩いた。
「それに奏汰君はぼくに恋してないでしょ」
「え?」
「恋だよ、恋。もしかして恋愛未経験だったりするのかな」
「そ、そんなこと」
あるのだ。片想いですらピンとこないという。
元々、そういったことには鈍感だと言われてきた。その上、思春期に入る前にこの変異体質が判明したものだから。
「別に恋愛なんてしなくても生きていける」
強がってみたが無駄だ。心のどこかでいつも引っかかっていた。
当然のように周りに恋人が出来て幸せそうな話を見聞きする度に、自分とは縁のない世界で眩しくも少し寂しかった。
『奏汰ってモテるよね』
よく言われる。しかしそれだって好きでもない相手から一方的に想いを寄せられて距離を詰められるのは、正直あまり気分の良いものではない。
挙句。断ればやれお高くとまっているだの、男を誑かしているだの妙な言いがかりをつけられる。
「僕だって……」
一度だけ恋をしたことがあった。気づく前に摘み取られた儚いものだが、今思えばたしかにそれは初恋だったのだ。
高校生に入ってすぐ、一人の女子生徒と仲良くなった。
お世辞にも明るいタイプとはいえず、むしろ陰キャやオタクと位置づけされる娘だったのだが。
『――奏汰くんは綺麗でいいなあ』
独特な褒め方をするな、とは思った。でも悪い気はしなかった。
最初は席が隣同士になって一言二言くらいのやり取りで、そこから当時同じマンガやゲームにハマっていることが分かってからさらに仲良くなった。
男女とかバース性なんて超えた付き合いだとは理解していたが。それでも奏汰は彼女のふとした時の笑顔や声に胸をときめかせていたし、初めのぎこちない態度から変わってスキンシップの多さにドキドキしていた。
しかし。
『――もう話しかけないで』
突然のことだった。
やり場のない怒りといった様子で睨まれてショックより先に思わず謝っていた。
『――なんで謝るの。やっぱり奏汰のせいじゃん』
その時はまったく検討がつかなかったが、どうやら彼女は彼女で恋をしていたらしい。
当時も奏汰はなにかと男に絡まれることが多かった。
一応同じ男ということで女子より気安く身体も触られたし言葉もかけられた。当然、拒否はしたがそうそうクラスメイトや先輩に強く出られる訳もなく慣れる方が早かったのかもしれない。
そこで女子生徒の片想い相手が出てくる。
彼女が意を決して告白した時、断り文句のなかに奏汰の名前が出たのだ。
『――あたしの事を笑ってたんでしょ。バカみたいって』
誓っていうが、まったくそんなことは無い。
むしろ彼女が恋をしていたこと自体知らなかったのだ。
相談すらされなかったこともまたショックであった。
『――最低よ、あんた』
弁明する暇もなく生まれたての初恋は散萎れて死んだ。それを呆然と感じながら、奏汰は心の中で泣く。
「よく分からないや」
恋愛は苦手だ。
向けられる好意も怖い。
「じゃあ龍也君のことは?」
「あいつはムカつく。バカだしガキだし、アホだし。あと少し……」
「少し?」
「羨ましい、かもしれない」
真っ直ぐ想いを伝えてくる眼差し。男女もバース性も関係ないと言い切るところも。
自分がもしもっと早く勇気を出していれば変わっていたかもしれない。
いや結末はきっと変わらないのだろう。だとしてもIfにすがってしまうのは愚かなことだろうか。
「龍也君、それ聞いたら死ぬほど喜ぶかもね」
明良がクスクスと笑いながら言う。
「でも未成年ということをお忘れなく」
「だからヤってないってば」
「そういうことにしておいてあげる」
「明良さん!」
「はは、今の奏汰君はたしかに可愛いね」
「えっ」
「龍也君がいつも言うんだよ。心配だって。可愛すぎて誰かに攫われちゃうじゃないかって。心配過ぎて三食しか食事が喉を通らないって」
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