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新米Ωと嘘つきα
泣き出しそうな顔で現れた彼に、一瞬だけ見惚れた。
「よかった!」
抱きすくめられ絞り出された言葉に胸が詰まる。
だから少し迷ってから。
「ごめん」
と小声で謝っておいた。
「俺、心配してたんだからな」
「……」
「あんたがまたどっかで酷い目に合ってないかって」
「僕をなんだと思ってんだ。そこらの男より強いんだから――」
そこまで言ってしまってから自らの発言の矛盾に口をつぐむがすでに遅し。
「あ?」
「それはないよ奏汰」
案の定、龍也と響子から呆れたような声が飛ぶ。
それも仕方ない、まんまとヤられかけた人間の言い草ではないのだ。
「いい加減、ちゃんと自覚しろって」
抱きつかれた腕に力がこもる。
「俺はあんたが好きだし、あんただけだよ」
「でも」
やはりあの場面が脳裏にチラついてしまう。
赤ちゃんと三人の微笑ましい光景。それを外から物欲しそうに眺めている自分の惨めさときたら。
考えるだけで、じわりと涙がにじむ。
「わっ、なんで泣いてんの!?」
「泣いてないし」
そう強がるが鼻の奥はツンとくるし、流れた涙は止まらない。
これほど冷静になれないなんてと自己嫌悪で死にそうになる。
そんなことでは彼に嫌われてしまう。疎まれたり捨てられたりしたらもう、生きていける気がしないのに。
「っ、ぅ……うぅ、っぐず……泣い゙てな゙ぃ」
「いやだから泣いて――痛ぇっ!」
彼を抱きしめていた龍也の後頭部を、響子が軽く叩く。
「黙らっしゃい、こういう時の慰め方っていうのを見せてあげる。奏汰、ほらおいで」
彼女は奏汰を引き離すと同じように抱きしめた。
「よしよし。泣いてない、泣いてないね。大丈夫だから」
「ぐす……っ、ん……ぅ、ごめん……涙、とまんねぇ……」
「いいのよ。無理しなくていいから。ゆっくり呼吸しましょうね」
「うん……」
まるで泣きじゃくる幼子をあやす母親のように、ゆっくり背中をさすってやる。
すると少しずつ落ち着いてきたらしい。
それを見る龍也の目は、やや剣呑であった。
「奏汰、俺の方に戻って来てよ」
「……」
「俺だってその涙、拭いてやれるし。なんなら舐めさせてほし――」
「よし通報するよ」
「だから痛ぇってば!」
すかさず足をだして彼に蹴りを入れる響子。
「笑えないジョークはもはやジョークじゃないよね」
「ジョークでも冗談でねぇよ。俺は本気で奏汰の涙なら喜んで舐めるし、他にもなんだって出来るっつーか」
「……」
「いやそんな冷たい目するなよ。あ、奏汰も怯えないで。わかった、今のは俺が悪かったよ、うん」
シュンとする龍也はいつもの彼だ。
その事に少しホッとしながら奏汰はゆっくりと彼女から離れる。
そして。
「これ」
「あ……」
手にはハンカチ。何故か少し気まずそうな彼に差し出した。
「気色悪かったよな、すまない」
完全にバレているのがわかっているので観念して頭を下げる。しかし予想していた冷ややかな視線も言葉もなく、それどころか。
「俺こそごめん!」
土下座せん勢いで逆に謝られた。
「俺のフェロモン、そのハンカチに付着させたんだ」
「へ?」
「あんたに俺で興奮して欲しくて」
「は?」
「俺だけに夢中になって欲しいし、そのためなら先にそこ噛んだらいいやって」
驚くとともに内心ホッとしたのは確かで。
「お前ってさ、僕のことすごく好きなんだな……」
「ちょっと今さら過ぎない!? だから最初から言ってんじゃん!」
そういえばそうだ。でもずっと感じていたはずの嫌悪感はない。むしろ嬉しいすらあるのが居心地悪い。
「そ、そうか」
奏汰とて憎からず想っているからこそ、嫉妬して感情的になってしまったのだ。
恋愛感情はなくとも結婚して家族になろうと思った明良に嫉妬する日がくるなんて。つくづく自分はΩになってしまったのだと一瞬だけよぎったが、向けられる愛情の前ではどうでもいいようにも思えた。
「えっと、僕も……好き、かも……?」
「マジで!?」
パァァっと彼の表情が明るくなる。
「好きって言った!? 言ったよな! 俺のことっ、好きになってくれたんだよな!?」
「え、あ、あぁ。多分?」
「多分じゃなくて! そこは断言しろよ」
「じゃ、じゃあ……」
その勢いに押されて。
「す、好きだ」
「誰が誰のことを?」
「僕が。龍也の、ことを」
好き、だと消え入るようにつぶやいた。すると達也の目が少し見開かれてから、ギュッと痛みを耐えるようにしかめられる。
「俺はめちゃくちゃ愛してる。Ωでもなくβでもなく、奏汰のことをずっとずっと」
「……」
「結婚してよ。番にもなりたい、他の奴らにもう触らせたくないから」
「龍也」
「お願い」
震えた手が目に入り、奏汰は思わず掴んだ。
そして驚いた彼が口を開く前に。
「その言葉、忘れんなよ」
と強く引き寄せてその指に口付けた。
「あとで話が違うとか言われても知らないからな」
メンヘラで重すぎるかもしれないとは我ながら思う。だが拒絶しつづけたのに、ここまで踏み込んできたのは彼の方だ。
今さら逃げるのは許さない。
そんな暗い気持ちを抱える彼を、龍也は幸せそうに見下ろしていた。
それはもう蕩けるような笑顔で。
「……やっと手にいれた」
「ん?」
「いやなんでもない。あんたこそ覚悟して」
覚悟、と言われてもピンとこない。αでまだ高校生の彼にとっては逆じゃないかと思うのだが。
しかし相手が嬉しそうなのは喜ばしいのだろうと何となくうなずく。
その瞬間。あーあ、と小さなため息が響子の方から聞こえたがそっちを振り向くより先に彼に強く抱かれた。
「絶対に離さないから」
「あ、ああ」
「今はまだ学生だけど、将来有望だからな。あんたと一緒に幸せになるために頑張る」
「将来か……」
先のことなんて誰にも分からない。特に、この嘘つき少年のいうことだ。
それでも自分に向けられた執着が心地いいくらいには、いよいよ絆されて堕とされてしまっているらしい。
「ま、期待せず待っててやるよ」
そう言って笑うと、再び抱きしめられる。
「俺、もう嘘はつかないから」
そういえば人の気を引く為の嘘は山ほどつかれたが、気持ちを偽られたことは無かった。
「それも期待しないでおいてやる」
嘘つきでいけ好かない年下αだが、その重すぎる愛だけは真実なのだろう。
時折、首の後ろを掠める指にソワソワしながらゆっくりと彼の胸に身体をあずけた。
「よかった!」
抱きすくめられ絞り出された言葉に胸が詰まる。
だから少し迷ってから。
「ごめん」
と小声で謝っておいた。
「俺、心配してたんだからな」
「……」
「あんたがまたどっかで酷い目に合ってないかって」
「僕をなんだと思ってんだ。そこらの男より強いんだから――」
そこまで言ってしまってから自らの発言の矛盾に口をつぐむがすでに遅し。
「あ?」
「それはないよ奏汰」
案の定、龍也と響子から呆れたような声が飛ぶ。
それも仕方ない、まんまとヤられかけた人間の言い草ではないのだ。
「いい加減、ちゃんと自覚しろって」
抱きつかれた腕に力がこもる。
「俺はあんたが好きだし、あんただけだよ」
「でも」
やはりあの場面が脳裏にチラついてしまう。
赤ちゃんと三人の微笑ましい光景。それを外から物欲しそうに眺めている自分の惨めさときたら。
考えるだけで、じわりと涙がにじむ。
「わっ、なんで泣いてんの!?」
「泣いてないし」
そう強がるが鼻の奥はツンとくるし、流れた涙は止まらない。
これほど冷静になれないなんてと自己嫌悪で死にそうになる。
そんなことでは彼に嫌われてしまう。疎まれたり捨てられたりしたらもう、生きていける気がしないのに。
「っ、ぅ……うぅ、っぐず……泣い゙てな゙ぃ」
「いやだから泣いて――痛ぇっ!」
彼を抱きしめていた龍也の後頭部を、響子が軽く叩く。
「黙らっしゃい、こういう時の慰め方っていうのを見せてあげる。奏汰、ほらおいで」
彼女は奏汰を引き離すと同じように抱きしめた。
「よしよし。泣いてない、泣いてないね。大丈夫だから」
「ぐす……っ、ん……ぅ、ごめん……涙、とまんねぇ……」
「いいのよ。無理しなくていいから。ゆっくり呼吸しましょうね」
「うん……」
まるで泣きじゃくる幼子をあやす母親のように、ゆっくり背中をさすってやる。
すると少しずつ落ち着いてきたらしい。
それを見る龍也の目は、やや剣呑であった。
「奏汰、俺の方に戻って来てよ」
「……」
「俺だってその涙、拭いてやれるし。なんなら舐めさせてほし――」
「よし通報するよ」
「だから痛ぇってば!」
すかさず足をだして彼に蹴りを入れる響子。
「笑えないジョークはもはやジョークじゃないよね」
「ジョークでも冗談でねぇよ。俺は本気で奏汰の涙なら喜んで舐めるし、他にもなんだって出来るっつーか」
「……」
「いやそんな冷たい目するなよ。あ、奏汰も怯えないで。わかった、今のは俺が悪かったよ、うん」
シュンとする龍也はいつもの彼だ。
その事に少しホッとしながら奏汰はゆっくりと彼女から離れる。
そして。
「これ」
「あ……」
手にはハンカチ。何故か少し気まずそうな彼に差し出した。
「気色悪かったよな、すまない」
完全にバレているのがわかっているので観念して頭を下げる。しかし予想していた冷ややかな視線も言葉もなく、それどころか。
「俺こそごめん!」
土下座せん勢いで逆に謝られた。
「俺のフェロモン、そのハンカチに付着させたんだ」
「へ?」
「あんたに俺で興奮して欲しくて」
「は?」
「俺だけに夢中になって欲しいし、そのためなら先にそこ噛んだらいいやって」
驚くとともに内心ホッとしたのは確かで。
「お前ってさ、僕のことすごく好きなんだな……」
「ちょっと今さら過ぎない!? だから最初から言ってんじゃん!」
そういえばそうだ。でもずっと感じていたはずの嫌悪感はない。むしろ嬉しいすらあるのが居心地悪い。
「そ、そうか」
奏汰とて憎からず想っているからこそ、嫉妬して感情的になってしまったのだ。
恋愛感情はなくとも結婚して家族になろうと思った明良に嫉妬する日がくるなんて。つくづく自分はΩになってしまったのだと一瞬だけよぎったが、向けられる愛情の前ではどうでもいいようにも思えた。
「えっと、僕も……好き、かも……?」
「マジで!?」
パァァっと彼の表情が明るくなる。
「好きって言った!? 言ったよな! 俺のことっ、好きになってくれたんだよな!?」
「え、あ、あぁ。多分?」
「多分じゃなくて! そこは断言しろよ」
「じゃ、じゃあ……」
その勢いに押されて。
「す、好きだ」
「誰が誰のことを?」
「僕が。龍也の、ことを」
好き、だと消え入るようにつぶやいた。すると達也の目が少し見開かれてから、ギュッと痛みを耐えるようにしかめられる。
「俺はめちゃくちゃ愛してる。Ωでもなくβでもなく、奏汰のことをずっとずっと」
「……」
「結婚してよ。番にもなりたい、他の奴らにもう触らせたくないから」
「龍也」
「お願い」
震えた手が目に入り、奏汰は思わず掴んだ。
そして驚いた彼が口を開く前に。
「その言葉、忘れんなよ」
と強く引き寄せてその指に口付けた。
「あとで話が違うとか言われても知らないからな」
メンヘラで重すぎるかもしれないとは我ながら思う。だが拒絶しつづけたのに、ここまで踏み込んできたのは彼の方だ。
今さら逃げるのは許さない。
そんな暗い気持ちを抱える彼を、龍也は幸せそうに見下ろしていた。
それはもう蕩けるような笑顔で。
「……やっと手にいれた」
「ん?」
「いやなんでもない。あんたこそ覚悟して」
覚悟、と言われてもピンとこない。αでまだ高校生の彼にとっては逆じゃないかと思うのだが。
しかし相手が嬉しそうなのは喜ばしいのだろうと何となくうなずく。
その瞬間。あーあ、と小さなため息が響子の方から聞こえたがそっちを振り向くより先に彼に強く抱かれた。
「絶対に離さないから」
「あ、ああ」
「今はまだ学生だけど、将来有望だからな。あんたと一緒に幸せになるために頑張る」
「将来か……」
先のことなんて誰にも分からない。特に、この嘘つき少年のいうことだ。
それでも自分に向けられた執着が心地いいくらいには、いよいよ絆されて堕とされてしまっているらしい。
「ま、期待せず待っててやるよ」
そう言って笑うと、再び抱きしめられる。
「俺、もう嘘はつかないから」
そういえば人の気を引く為の嘘は山ほどつかれたが、気持ちを偽られたことは無かった。
「それも期待しないでおいてやる」
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時折、首の後ろを掠める指にソワソワしながらゆっくりと彼の胸に身体をあずけた。
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