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28.結末は駆け足? 知ったことか!
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―――爆発は、そんなに小さなものじゃなかったらしい。
砂利となった壁の一部が、踏み躙られる音で視線を向ける。
「はーい、アタシ一番のりィ! 王子様達参上ってね」
「ン」
「いやいやいや。この場合王子様は俺! ルパに至っては、性別違うだろ!」
「女の子でも王子様アリでしょーが。てか、久しぶりの登場だからって頑張って声張りすぎ、超ウケるんだけどォ」
「うるせーよ!? 別に浮かれてねーから!」
瓦礫となったのは、部屋の一部。壁を吹っ飛ばしたのは魔法かと思いきや、拳らしい。
そこには魔王の息子と娘。レガリアとルパ、エトの3人が背後に兵士たちの死屍累々を超えて立っていた。
「チッ、クソガキ共め」
「人のことガキ扱いすんなよな、オッサン……っておぉぉいッ、何やってんだ!」
「何って、ナニですが」
「テンプレかよぉぉぉぉ」
このどことなくテンション高い乱入者を前に
、赤眼赤髪の男は冷ややにため息をつく。
「やれやれ。これからいい所だって時に……馬鹿な上に、無神経なんですか? 神経焼き切れちゃってる系ですか。殺すぞ。腹にまた、鉄の塊ぶち込んでやりましょうか?」
最後の方なんて、完全キャラ崩壊でドス効かせている。
そんなやり取りを、薬の作用でボンヤリとする頭と目で懸命に彼らを見る。
……どうやら、エトを治してやる事が出来てたらしい。それにあの二人が助太刀してくれたのか。後ろの兵士たち(の残骸)も、3人で大暴れして倒して来たんだろう。
「ルベル! 助けに来たぜ」
「あ、ズルい。やっほー! アタシも来たよォ」
「ン……帰りたい」
あぁ3人とも……って待て。
レガリアさんだけ今『帰りたい』って言ってなかったか?
久しぶりに喋ったと思ったらそれか。なんか心無しか、ソワソワしている。
「騒々しい。魔王の子供達ですか。まぁ少し厄介だが……」
アルゲオは陰鬱に笑うと、ゆっくりと彼らに歩み寄っていく。
「私も、多少の腕に覚えはありますから」
その左手は、青白い光を帯びる。
よく見れば掌に魔法陣のような図形が浮かび、彼が魔法使いでもあることを示していた。
「こりゃ、デカそうな花火だなぁ」
「軽口だけは一丁前ですね、若造め」
吐き捨てられた言葉。エトが2人を振り返る。
「兄貴、ルパ。コイツは俺にやらせてくれよ」
「あー。好きな子の前だからって、カッコ付けちゃってェ。ま、アタシ達はコッチを片付けますか! ね、レガリア兄さん?」
「ン……帰る」
彼らの背後。
いつの間にか、さらに多くの兵士が押し掛けていた。まさに四面楚歌。敵陣ってわけだ。
今度は『ン』の後に『……帰る』が付いた美丈夫と、やっぱりウケるウケるとJKみたいな美人と。
そして何故か既にドヤ顔してるアホと。
……すごくカオス。でもなんかホッとしちまうのは、すっかり毒されたのかなぁ。それはそれで、悪くないかもしれない。
「授業参観気分ですか。死ね」
冷え冷えとした声。
爆ぜる音。上がる炎。兵士たちの怒号が飛び交う。
―――亡き王の部屋。亡き女王とその兄が横たわる。
そして今戦場であり、魔法と剣の交戦する場所。
■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪
―――気がつけば、全て終わっていた。
そりゃあ。助っ人達の華麗な魔法や剣さばき、押し寄せる兵士達への胸がスカッとするような無双。
そんなものもあったんだろう。
なんせ、魔王息子娘達の登場だったから。
……あ、別に思い出すのも面倒臭いとか、呆気なさ過ぎてつまらなかったとかそういうのが理由じゃないぞ。
単に僕は薬で息も絶え絶えだったし、ンな事どーでもいいから帰りたいって半泣き半ギレしてただけ。
「バカ、アホ、カス、変態、クソ童貞」
「はいはい」
現在の状況。
お姫様抱っこされた僕に、お姫様抱っこするエト。
こんなに罵倒してるのに、ニヤニヤしてムカつく。なに笑ってんだと顔を抓ってやろうと身をよじると、布擦れだけで気持ちよくなっちまう……これは媚薬のせいだ。
「遅くなってごめん」
「ゴメンで済んだら警察要らないんだぞ」
「ケーサツ?」
「なんでもない……」
異世界に警察はなかったか。
―――全部終わって、城に戻ってきた僕達。
何故か部屋に引きこもっている変態魔王夫婦(ナニやってのか大体想像がつく。歩くR18め)はさておき、怪我の手当と薬の作用を何とかしてやるって部屋に連行されている最中。
「ルベルのおかげでさ、俺死なずにすんだんだぜ? 怪我もすっかり治っててビックリした。やっぱりお前、半神なんだなぁ」
「君、さっきから喋りすぎだぞ。ハゲろ」
「ちょ、辛辣……いやハゲないからね!? 」
口では言い返して来るくせに、その表情も声も柔らかい。
そうこうするうちに、部屋に入ってベッドに下される。その手つきも紳士的で優しい……悔しくて、そして少し恥ずかしくて。
「……ルベル、そんな睨まんといて」
「死ね」
「死なねーし。てか、お前が助けてくれただろ」
「助けてない」
「えぇぇぇ」
助けてない。僕はただ、アイツに『死ぬな』って思っただけ。んで、ムカつくから……口でも塞いでやろうかなって。それだけ。
「ありがとう、愛してるよ」
覗き込んで、甘い言葉を囁く。このふざけた甘ちゃん野郎。
そんなコイツに現実叩きつけてやる。
「僕は……ゲイじゃない」
「うん」
「女の子が好きだし」
「うん」
「尻の穴を誰かにどーこーされるの、考えられない」
「ちょ、慎みもって……」
「でも」
「ん?」
少し怖気ついて、目を伏せた。
そしたら急かすことなく、エトが髪を撫でる。
……やめろよ、今は髪ひとつ触られるのも息が上がっちまうのに。
「君なら、別に、その……良いんじゃ、ないか」
「えっ!?」
「な、なんだよ」
ポカーンとした顔。まるで山の中で、半魚人見つけたみたいな顔しやがって。
「そ、それって……どういう事?」
「ハァァァ!?」
挙句これかよ。鈍感過ぎる。さすが童貞だな。
これで分かんなかったら、山にでも篭っちまえ!
……僕だってこれが限界だ。今だって、恥ずかしくて死にそう。っていうか、消えちまいたいとすら思っているのに。
「ルベル教えて。俺、勘違いしちまう」
「勘違い、ね」
僕を見下ろした彼は、まるで主人に捨てられまいと必死な犬だ。エメラルドグリーンの瞳が、何かを耐えるように細められる。
あぁ、なんだ。めちゃくちゃ胸にクる。やっぱり頭イカれてしまったんだろうか。
自分と変わらない年齢の男、筋肉バカでアホで童貞が……可愛いなんて。
「勘違い、しろよ。バーカ」
これがやっぱり精一杯。
睨み付けながらの、さぞかし可愛くない愛の告白だっただろう。
彼が、固まって数秒。
「うぉぉぉぉぉッ!!!」
「わぁっ!? と、飛びつくなぁぁッ!」
まさに大興奮の大型犬よろしく、勢いよく飛び掛かってきた男に叫ぶ。
「ルベルっ、好き! 俺ずっと好き!」
「君、そればっかだな」
「だってそれしかねぇもん。お前しか居ねえもん……俺のここ」
そう言うと、彼は僕の手を取って自身の心臓部分に当てがう。
分厚い胸板。雄っぱい……なんでもない。
そこは、この手を通しても分かる。ドキドキと早鐘のような鼓動。
「緊張してるのか、童貞君」
なんか真面目な顔してたら、こっちまで緊張してくるから。敢えて軽口で詰ってみた。
そしたコイツ、やたらめったら甘い表情しやがって。
「うん。だって好きな人が目の前に居てくれるから」
「……」
バカだろ。ほんとバカ。僕みたいな男を好きなんて。プロポーズまでする、こんな救いようのないアホでマヌケでド変態。
―――だから、首を無理やり引き寄せて。
「る、ルベル……っぅ!?」
口を塞いでやった。
うるさい、聞きたくない。これ以上聞いたら、もっとイカれちまう。
「これで、君は僕から逃げられないな」
触れるだけのキスをして、勝利宣言だ。
男と結婚決めちまうってのが、そもそも敗北かもしれんが。そんな事知った事か。
「……初めては俺からキスしたかったのにぃ」
「ふん、童貞は大人しくリードされろっつーの」
まぁキス以外、僕だって未知の世界だがな。
「いやいやセックスは頑張る! だって俺、男だし」
「バーカ。僕も男だ」
「あ、そうか。じゃ、互いに頑張ろっか」
「ちょっと待て。まさか今から……?」
告白してすぐに、おっぱじめる気か!?
こちとら心も身体の準備が……って、抱かれる気満々かよ。僕は!
「俺、今すぐお前と繋がりたい」
「いやいやいや。そんな甘い顔しても駄目」
「俺の×××を、お前の××××に××して……」
「言うなっ、生々しい!」
僕の膝に当たってる、大きいソレ。やけに存在感主張してるじゃないかよ。
思わず身動ぎすれば、体温がまた上がってそっと息を漏らす。
「すげぇ色っぽい。なに、これ誘ってんの? ねぇ、そうだよな」
「うるさいッ、誘ってないから! ……ちょ、重い重いっ、鼻息荒すぎィッ!?」
「嫁が、可愛すぎて辛い。めっちゃ辛い」
「おいおい。目ぇ、イっちゃってのか!」
「ハァハァ……もうダメかも……初夜しよ、うん……する」
「自己完結すんなッ! 待て、待って……待って下さいぃぃぃッ!!!」
―――やっぱり、神様なんてモノがいたらボコボコにぶん殴ってやりたい。
悲鳴と泣き声と喘ぎ声を交互に上げながら、僕はボンヤリ考えた。
砂利となった壁の一部が、踏み躙られる音で視線を向ける。
「はーい、アタシ一番のりィ! 王子様達参上ってね」
「ン」
「いやいやいや。この場合王子様は俺! ルパに至っては、性別違うだろ!」
「女の子でも王子様アリでしょーが。てか、久しぶりの登場だからって頑張って声張りすぎ、超ウケるんだけどォ」
「うるせーよ!? 別に浮かれてねーから!」
瓦礫となったのは、部屋の一部。壁を吹っ飛ばしたのは魔法かと思いきや、拳らしい。
そこには魔王の息子と娘。レガリアとルパ、エトの3人が背後に兵士たちの死屍累々を超えて立っていた。
「チッ、クソガキ共め」
「人のことガキ扱いすんなよな、オッサン……っておぉぉいッ、何やってんだ!」
「何って、ナニですが」
「テンプレかよぉぉぉぉ」
このどことなくテンション高い乱入者を前に
、赤眼赤髪の男は冷ややにため息をつく。
「やれやれ。これからいい所だって時に……馬鹿な上に、無神経なんですか? 神経焼き切れちゃってる系ですか。殺すぞ。腹にまた、鉄の塊ぶち込んでやりましょうか?」
最後の方なんて、完全キャラ崩壊でドス効かせている。
そんなやり取りを、薬の作用でボンヤリとする頭と目で懸命に彼らを見る。
……どうやら、エトを治してやる事が出来てたらしい。それにあの二人が助太刀してくれたのか。後ろの兵士たち(の残骸)も、3人で大暴れして倒して来たんだろう。
「ルベル! 助けに来たぜ」
「あ、ズルい。やっほー! アタシも来たよォ」
「ン……帰りたい」
あぁ3人とも……って待て。
レガリアさんだけ今『帰りたい』って言ってなかったか?
久しぶりに喋ったと思ったらそれか。なんか心無しか、ソワソワしている。
「騒々しい。魔王の子供達ですか。まぁ少し厄介だが……」
アルゲオは陰鬱に笑うと、ゆっくりと彼らに歩み寄っていく。
「私も、多少の腕に覚えはありますから」
その左手は、青白い光を帯びる。
よく見れば掌に魔法陣のような図形が浮かび、彼が魔法使いでもあることを示していた。
「こりゃ、デカそうな花火だなぁ」
「軽口だけは一丁前ですね、若造め」
吐き捨てられた言葉。エトが2人を振り返る。
「兄貴、ルパ。コイツは俺にやらせてくれよ」
「あー。好きな子の前だからって、カッコ付けちゃってェ。ま、アタシ達はコッチを片付けますか! ね、レガリア兄さん?」
「ン……帰る」
彼らの背後。
いつの間にか、さらに多くの兵士が押し掛けていた。まさに四面楚歌。敵陣ってわけだ。
今度は『ン』の後に『……帰る』が付いた美丈夫と、やっぱりウケるウケるとJKみたいな美人と。
そして何故か既にドヤ顔してるアホと。
……すごくカオス。でもなんかホッとしちまうのは、すっかり毒されたのかなぁ。それはそれで、悪くないかもしれない。
「授業参観気分ですか。死ね」
冷え冷えとした声。
爆ぜる音。上がる炎。兵士たちの怒号が飛び交う。
―――亡き王の部屋。亡き女王とその兄が横たわる。
そして今戦場であり、魔法と剣の交戦する場所。
■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪
―――気がつけば、全て終わっていた。
そりゃあ。助っ人達の華麗な魔法や剣さばき、押し寄せる兵士達への胸がスカッとするような無双。
そんなものもあったんだろう。
なんせ、魔王息子娘達の登場だったから。
……あ、別に思い出すのも面倒臭いとか、呆気なさ過ぎてつまらなかったとかそういうのが理由じゃないぞ。
単に僕は薬で息も絶え絶えだったし、ンな事どーでもいいから帰りたいって半泣き半ギレしてただけ。
「バカ、アホ、カス、変態、クソ童貞」
「はいはい」
現在の状況。
お姫様抱っこされた僕に、お姫様抱っこするエト。
こんなに罵倒してるのに、ニヤニヤしてムカつく。なに笑ってんだと顔を抓ってやろうと身をよじると、布擦れだけで気持ちよくなっちまう……これは媚薬のせいだ。
「遅くなってごめん」
「ゴメンで済んだら警察要らないんだぞ」
「ケーサツ?」
「なんでもない……」
異世界に警察はなかったか。
―――全部終わって、城に戻ってきた僕達。
何故か部屋に引きこもっている変態魔王夫婦(ナニやってのか大体想像がつく。歩くR18め)はさておき、怪我の手当と薬の作用を何とかしてやるって部屋に連行されている最中。
「ルベルのおかげでさ、俺死なずにすんだんだぜ? 怪我もすっかり治っててビックリした。やっぱりお前、半神なんだなぁ」
「君、さっきから喋りすぎだぞ。ハゲろ」
「ちょ、辛辣……いやハゲないからね!? 」
口では言い返して来るくせに、その表情も声も柔らかい。
そうこうするうちに、部屋に入ってベッドに下される。その手つきも紳士的で優しい……悔しくて、そして少し恥ずかしくて。
「……ルベル、そんな睨まんといて」
「死ね」
「死なねーし。てか、お前が助けてくれただろ」
「助けてない」
「えぇぇぇ」
助けてない。僕はただ、アイツに『死ぬな』って思っただけ。んで、ムカつくから……口でも塞いでやろうかなって。それだけ。
「ありがとう、愛してるよ」
覗き込んで、甘い言葉を囁く。このふざけた甘ちゃん野郎。
そんなコイツに現実叩きつけてやる。
「僕は……ゲイじゃない」
「うん」
「女の子が好きだし」
「うん」
「尻の穴を誰かにどーこーされるの、考えられない」
「ちょ、慎みもって……」
「でも」
「ん?」
少し怖気ついて、目を伏せた。
そしたら急かすことなく、エトが髪を撫でる。
……やめろよ、今は髪ひとつ触られるのも息が上がっちまうのに。
「君なら、別に、その……良いんじゃ、ないか」
「えっ!?」
「な、なんだよ」
ポカーンとした顔。まるで山の中で、半魚人見つけたみたいな顔しやがって。
「そ、それって……どういう事?」
「ハァァァ!?」
挙句これかよ。鈍感過ぎる。さすが童貞だな。
これで分かんなかったら、山にでも篭っちまえ!
……僕だってこれが限界だ。今だって、恥ずかしくて死にそう。っていうか、消えちまいたいとすら思っているのに。
「ルベル教えて。俺、勘違いしちまう」
「勘違い、ね」
僕を見下ろした彼は、まるで主人に捨てられまいと必死な犬だ。エメラルドグリーンの瞳が、何かを耐えるように細められる。
あぁ、なんだ。めちゃくちゃ胸にクる。やっぱり頭イカれてしまったんだろうか。
自分と変わらない年齢の男、筋肉バカでアホで童貞が……可愛いなんて。
「勘違い、しろよ。バーカ」
これがやっぱり精一杯。
睨み付けながらの、さぞかし可愛くない愛の告白だっただろう。
彼が、固まって数秒。
「うぉぉぉぉぉッ!!!」
「わぁっ!? と、飛びつくなぁぁッ!」
まさに大興奮の大型犬よろしく、勢いよく飛び掛かってきた男に叫ぶ。
「ルベルっ、好き! 俺ずっと好き!」
「君、そればっかだな」
「だってそれしかねぇもん。お前しか居ねえもん……俺のここ」
そう言うと、彼は僕の手を取って自身の心臓部分に当てがう。
分厚い胸板。雄っぱい……なんでもない。
そこは、この手を通しても分かる。ドキドキと早鐘のような鼓動。
「緊張してるのか、童貞君」
なんか真面目な顔してたら、こっちまで緊張してくるから。敢えて軽口で詰ってみた。
そしたコイツ、やたらめったら甘い表情しやがって。
「うん。だって好きな人が目の前に居てくれるから」
「……」
バカだろ。ほんとバカ。僕みたいな男を好きなんて。プロポーズまでする、こんな救いようのないアホでマヌケでド変態。
―――だから、首を無理やり引き寄せて。
「る、ルベル……っぅ!?」
口を塞いでやった。
うるさい、聞きたくない。これ以上聞いたら、もっとイカれちまう。
「これで、君は僕から逃げられないな」
触れるだけのキスをして、勝利宣言だ。
男と結婚決めちまうってのが、そもそも敗北かもしれんが。そんな事知った事か。
「……初めては俺からキスしたかったのにぃ」
「ふん、童貞は大人しくリードされろっつーの」
まぁキス以外、僕だって未知の世界だがな。
「いやいやセックスは頑張る! だって俺、男だし」
「バーカ。僕も男だ」
「あ、そうか。じゃ、互いに頑張ろっか」
「ちょっと待て。まさか今から……?」
告白してすぐに、おっぱじめる気か!?
こちとら心も身体の準備が……って、抱かれる気満々かよ。僕は!
「俺、今すぐお前と繋がりたい」
「いやいやいや。そんな甘い顔しても駄目」
「俺の×××を、お前の××××に××して……」
「言うなっ、生々しい!」
僕の膝に当たってる、大きいソレ。やけに存在感主張してるじゃないかよ。
思わず身動ぎすれば、体温がまた上がってそっと息を漏らす。
「すげぇ色っぽい。なに、これ誘ってんの? ねぇ、そうだよな」
「うるさいッ、誘ってないから! ……ちょ、重い重いっ、鼻息荒すぎィッ!?」
「嫁が、可愛すぎて辛い。めっちゃ辛い」
「おいおい。目ぇ、イっちゃってのか!」
「ハァハァ……もうダメかも……初夜しよ、うん……する」
「自己完結すんなッ! 待て、待って……待って下さいぃぃぃッ!!!」
―――やっぱり、神様なんてモノがいたらボコボコにぶん殴ってやりたい。
悲鳴と泣き声と喘ぎ声を交互に上げながら、僕はボンヤリ考えた。
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