子連れ冒険者の受難クエスト

田中 乃那加

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受難の臨時クエスト2 (※R18)

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 後悔先に立たず。
 それがまさに、今の状況だ。

「くっ……」

 力の入らぬ身体に鞭打って、必死に地面を這いつくばる。
 辺り一面、粘着質かつヌルヌルとした液体にまみれていた。モンスターの体液らしい。

 ――ランスが持ちかけてきた儲け話、とは。
 蓋を開ければ、単なるモンスター退治だ。
 討伐対象が、
 
「ひっ!?」

 そこらかしこから、肉色の触手が伸びてくる。それに左足を絡め取られながらも、死にものぐるいで逃げ出そうとした。
 しかしどこもかしこもモンスターの吐き出した体液でベトついて、まともに歩くことさえできない。

「くそっ。な、なんなんだっ、なんで……っ」

 指定された月夜に、森に行きモンスターを倒す。
 ただそれだけだったのに。

(まるでクラーケン巨大イカのような……いや、どちらかというとワーム巨大ミミズか? だけどこの粘液は――)

 気がつけば囲まれていた。まるで最初から、誘い込まれたかのように。
 森の奥にいくまでには、異変に気が付き戻ろうと駆け出したがもう遅い。
 背後から突如のびてきた触手を、気配で察知。ギリギリのところで避ける。
 しかしそれから次々と暗闇から迫ってくる無数の蠢きに、次第と翻弄され息があがっていく。
 そして、うっかり触手が放った体液が身体をかすった。

「っあ、っ……ふ……ぅ……っ」

(か、身体が熱い)

 皮膚からみるみるうちに吸収されてらしいそれは、身体の芯をまたたく間に火照らせる。
 熱病にでもかかったかのような状態ステータス異常。
 息が震え、その場に倒れ込んだ。

「!」
 
 両足にからみついた触手は、ズリズリと彼を引きずっていく。
 手で踏ん張ろうにも、ぬめりのある地面はまるで油かローションを大量にこぼしたようだ。
 ロクな抵抗も出来ぬまま、全身を汚して森の奥に引き込まれていく。

(なんとかしないと)

 このままモンスターに食われるのは御免だ。
 身体をひねりながら、ルイトは早口で呪文を唱えた。

「【疾風空襲エアレイア】!」

 刹那、大きなうなりをもって鋭い切っ先のような一閃。
 風系魔法のひとつで、彼が使うものである。
 繰り出された疾風が肉色触手を、切り付けていく。獲物の反撃に驚いたのか、うねうねとまとわりついていた触手達は一瞬動きを止めた。

(よしっ、今のうちに……っ)

 足首をつかんでいたそれらから解放され、立ち上がって逃げようともがく。
 しかし。

「あぁっ!? な、なんでっ……!」

 足の付け根にするりと巻きついたのは、一番細い触手。
 
『ゥ゙ギュ゙ァ゙ォ゙ァァァ゙ァッ゙!!!』

 その大きさに似合わず、ひときわ大きくあげた咆哮とともに大量の白い粘液を噴き出したのだ。

「うぁっ、あ、あ、ぁついぃ!?」

 人肌より少し高いそれは、またたく間に彼の身体を白く染め上げる。
 
(き、きもちわる)

 ヌメヌメして、鼻をつく独特の匂い。その瞬間、身体が大きく跳ねた。

「うっ……ぁ、あ、あ……」

(変だ。身体が、熱い)

 先ほどから自身をさいなむ熱は、急激にあがっていく。しかもそれは性的なものだと気が付いて愕然がくぜんとした。

「あっ! な、なにを」

 モンスターの体液はなんと、服を溶かし始めたらしい。
 まるで熱の加わったチーズのように。身につけた装備ごと、どろりと剥がれてしまう。
 慌ててかき集めようとすれば。その腕ごと、またのびてきた触手達によって絡め取られた。
 まさに両手両足を縛られ、服はほとんど溶け落ちる。
 これ以上ない危機にルイトは暴れ叫んだ。

「離せッ、このバケモノ!」

 しかし。いくらわめこうがもがこうが、触手は数を増すばかり。
 さらに次第にそのうごめきは、高ぶった身体をいじくり始めたのだ。

「ぅあっ……や、やめ、そ、んなとこ」

 落ちた衣服の下から露出したペニスを、無遠慮につかんでしごき立てる。
 そしてまるで吸盤のような先端持った触手が、胸のかざりにキュッと吸い付きはじめれば強烈な感覚に仰け反って悲鳴をあげた。

「あ゙ーっ、あっ、やめろっ、いたい゙っ、ひっぱる、なぁ……っ! の、のびちまう……」

 乳首を強く吸引したそれが、奇妙な振動をはじめると身体中に電気が走ったような衝撃。

「ひぎゃっ……あ゙ぁ……あっ……あーっ……あ゙ぁっ! それっ、やだぁぁ!!!」

 あっという間だった。
 久しく他人に触れられなかったその身の性感が暴かれ、狂おしいほどの快楽にのたうち回るのは。

(こんなモンスターに!)

 よがらせられて、無様に喘ぐなんて。冒険者としてのプライドはズタズタだ。
 あの大量に撒き散らしたのは、いわゆる獲物に強い媚薬効果をもたらす分泌液なのだろう。
 ――しかし奇妙なことである。
蠢く者達パヴローダ】と呼ばれる生き物は、この森の奥深くに生息する魔生物。
 黒ずんだ肉色が特徴で、本来ならば非常に大人しい性質で死んだ動物の体液をすすって生きる、ごく無害な存在なのだ。
 それなのに。

「はぁっ、んぅ、あ、も、もう」

 イかされる――、と込み上げる射精感に歯を食いしばった。

(やだやだやだやだやだやだ)

「うぁっ、ぁぁっ、くぅっ――! はぁ……はぁ……」

 あっけない吐精に懸命に声を殺したが、顔は上気して息は乱している。
 目にはわずか生理的な涙を浮かべ、呆然と空虚を見つめた。

(なんでこんなことに)

 ただ知り合いので仕事をしようと、この森に足を踏み入れただけ。特に禁忌区域でも、危険な場所でもなく。いつも狩りをしている場所のハズだ。
 見たこともないモンスターに襲われ、裸に剥かれ辱めを受けるなんて。
 
「く、くそっ。こんなの、叩き切ってやる……っ」

 ルイトが吐き出した精子の上を、触手が争うようにのたくっている。
 四肢の自由を奪っていたそれらはゆるみ、逃げ出すならきっと今だろう。脱力し震える足を叱咤しったしながら、前に這い出すが――。

「!!!」

 まだ離す気はないらしい。
 逃がしてたまるか、とばかりに再び絡みつく湿った肉の感触に息をのむ。
 
「やめろっ、この下等生物め! や、やめろって……ゔっ!?」

 触手のひとつがなんと、下腹部にのびた。尻の窄まりを無遠慮、かつ乱暴にまさぐってくる。
 体液のぬめりのせいか大した痛みはなくとも、異物感と圧迫感に息を詰めた。

「あ゙がっ、ぐ、や、やだ……」

(こんなのにケツ掘られるとか)

 真っ平御免だ。
 歯をガチガチさせて死にものぐるいの抵抗をするが、ビクともしない身体に絶望するしかない。
 その間にも細くツルリとした触手が胎内に入り込み、探るように腸壁をなぞっている。
 快楽なんてそこにはない。あるのは不快感だけ、だと唇を噛むが。

「ひぎぁ゙っ、がっ、や゙、やめろ゙ぉっ」

 ある一点を触手の先がかすった時。大きく身体がしなり、暴力的な排精感にあごをあげて喘ぐ。
 どうやらこの生き物、一定以上の知能があるらしい。獲物の反応から、が良いと判断して執拗に刺激始めたのだ。

「あ゙ーっ、あっ、や゙らっ、やっ、ああ、あああッ!!!」

(やばい、またっ!)

 イかされる。と怒りと屈辱にギュッと目をつぶった時だった。

「ふむ。珍しい生態だ。合成獣キメラか、それとも突然変異の亜種か――」

 聞き覚えのある男の声が、頭上から響いた。
 
「き、君はっ……ひぃ゙ぃっ、あぁぁぁっ、もう、ら、らめっ……み、みるなぁぁぁぁあ!!!」

 ようやく視線をあげたルイトの目の前。やはり見知った顔にホッとしたのもつかの間。
 よそ見をするなとばかりに、触手の動きが激しくなる。本数も増やされ、目の前がチカチカとまたたいた。
 
(だめっ、イかされる!?)

 寄りにもよって、知り合いの前で。でももう止められない。

「あっあっあぁぁっ、や、やだっ、みないでっ、みないでぇぇぇぇっ……!」

 悲鳴のような喘ぎ声をあげながら。ルイトはたたずむ男――リュウガの目の前で思い切りイってしまう。
 びしゃ、と力なく足元にかかる精液に眉ひとつ動かさず彼はルイトを見つめていた。
 美しい顔。
 エメラルドのような、翠色の瞳はなぜかひどく優しげだった。

(なん、で……)

 色んな疑問や感情が綯い交ぜになりながらも、ひときわ大きな絶頂に気が遠くなる。
 そしてついに見守られるまま、意識を手放した。


 
 
 
 
 
 
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