29 / 33
瘴気の森の小屋3
しおりを挟む
気がつけば、厚く空を覆っていた雲ははれていた。
森を覗くのは真っ青な空と、目に眩しい光と。それは見慣れた、人々が狩場としていた森だ。
「もう大丈夫だ」
聞けば、あの瘴気に満ちた空間は広大は森の一部に過ぎないのだと。
そして今やそこは、厳重な結界によって封じ込められているという。
「中はもう収集がつかねぇことになっていてな。俺たちでも調査しようがない」
今まで行方不明になって者たちはここへあやまって立ち入り、あの瘴気の餌食になったのだと彼は説明した。
「とはいえ、このままにしておくことは出来ねえ。近いうち、ここにはもっと大勢の調査兵が立が立ち入るか――」
そこで一旦、言葉を区切る。
「不可侵地域として、このまま結界を張って封じてしまうかのどちらかだな」
「結界って」
そんなことをすればこの中に取り込まれた者たちはどうなるのだろう。
瘴気の影響で、寿命が尽きて死ぬことも出来ず。ただ絶望と狂気の悪夢に浸りきって、永劫の苦しみに喘ぐだけ。
それは想像を絶する恐怖だろう。
表情を曇らせ目を伏せたルイトに、リュウガは静かに口をひらいた。
「残された奴らは哀れだ、とは思う」
そんな言葉で、到底表現できるものでは無いだろう。
そこでルイトは先程みた、恐ろしい悪夢を思い出す。
「リュウガ」
すがるような目をしていたのだろう。彼がわずかに驚き、たじろいだ気がする。
「あの子は。ルシアは無事なんだろうな。そして君は」
手を伸ばし、頬に触れた。
覗き込んだ瞳の色は、見事な翠色。その色が、どれだけの安堵感を与えることか。
「ああ。これが夢じゃないことを願うよ」
「やれやれ。寝ぼけるのも大概にしな、ルイト」
その言葉とは裏腹に、男の優しげな眼差しが降り注がれた。
「もっと触れてみるんだな。そうすれば、分かるだろう」
差し伸べた指の先に口付けられる。まるで淑女にするようなそれに、不思議と不快感はなかった。むしろ、ずっと待ちわびていたかのような。
それでいてむずがゆいような気恥しさも湧き上がって、視線をさ迷わせる。
「僕の頭。まだ瘴気にやられているようだ」
「まぁ、今はそう思っておけよ」
かろうじて吐き捨てた強がりにも、そう柔らかに返されて少し鼻白んだ。
その時、ひときわ強い風が吹いた。
草木が揺れて、ざわめく。
「やれやれ。あいつら急かしやがるな」
小さなため息と共にリュウガはつぶやき、ようやくルイトの手を離した。
「行くか」
「ああ」
大切な者を取り戻すために。
背の高い木々に切り取られたような空は、ぬけるような青であった。
※※※
ほどなくして、彼らがたどり着いたのは丸太小屋。
簡易的にも見えるそのたたずまいに、ルイトは思わず足をとめた。
「どうした」
「い、いや……」
あの悪夢でみたお菓子の家を思い出したのだ。
似ても似つかない外観。しかし、ちょうど大きさ的には同じではなかったか。
色とりどりのキャンディやアイシングクッキーで飾り立てられた、愛らしい悪夢の家。
それはニヤニヤとあざ笑うように、こちらを見てはいなかったか。
「ルイト」
「……」
彼に名を呼ばれても、その場を動くことが出来なかった。
少しずつ大きくなる震えを止めることが出来ず、ただ自らの身体を抱きしめる。外は燦々と太陽の光が降り注ぐのに、まるでここだけ極寒の地のような寒気を感じるのはなぜだろう。
実際、それはルイト自身の内側からくるものであり。その棒立ちになった影の足元から、明らかに奇妙な影が二人分。這い上がり――。
「おい、ルイト!」
「っ……ぅ……ぁ」
(寒い。さむくて、死にそうだ)
ガタガタと震えて、いよいよ立ってすらいられない。
どんどん目の前がぼやけてくる。顔は真っ青を超えて土気色。どんどん狭くなる視界の真ん中には、慌てたような表情のリュウガが。
「大丈夫か!? しっかりしろっ!」
「り……ゅ……う……が……」
(いやだ。もう、いやだ、もう)
悪夢をみたくない。瘴気と絶望に満ちた世界へは戻りたくない。
狂おしいほどの願いも虚しく、辺りはまたあの薄暗く不気味な森に。そして背景には、お菓子の家。
「あ゙ァァァ゙ッ!? ぁァァッ!!! 」
(いやだいやだいやだいやだ、もう、もう)
「ごろ゙じでぇぇぇッ!! い゙や゙ぁァァァっ!!!」
突然、半狂乱になってわめいた。いや、実際正気なんて保てなかったのだ。
やっと抜け出せたと思っていた悪夢に再び引きずりこまれ、広がる光景は地獄。
いっそうのこと、この眼球をえぐり出してでも逃げ出してしまいたかった。国で名高い冒険者といえど、言わばこの精神攻撃には参りきっていたのだ。
『るい……と……ル……イト』
「く、くるな、僕のそばに、こないでくれ!」
あの男の声。忌まわしいバケモノ。
どうしてこんなに執着されなければならないのだろう。一方的に寄せられる想いに苛まれるなんて、嫌悪しかない。
『ォ……レ……と……イッ……ショ、に……』
「やめろ、やめてくれ、もう」
絞り出すように言葉をつむぐ、ルイトの手には。
(殺してやる)
自らの剣を構える。
目の前には、赤髪の男。顔なんてもう見えない。いつのまに視力をやられてしまったのか、それはおぼろげな影であった。
「この…………バケモノめ」
魔物退治が彼の仕事だ。それならば、倒してしまえばいい。
その喉元を斬りつけて、首ごと落としてしまえばいい。
血を浴びてこそ、実感するのだろうか。この悪夢の終焉を。
大きく剣を振り上げた、その時。
『【最浄化】』
闇の中から、甲高く短い呪文が響く。すると、その場を切り裂くような鋭い風が駆け抜けた。
「!」
分厚い霧に覆われた目の前が、サッと開けたような感覚。
ものすごい勢いで七色の光が走り――弾けた。
「危なかったネ。デモ、もう大丈夫ヨ」
異国訛りのハスキーな声。それは、とても聞き覚えのある、そしてひどく懐かしい。
「ろ、ロロ?」
褐色の肌に黒髪。でっぷりとした、恰幅のよい身体にはゆったりとした服を身につけている。
住処としている安宿の女主人であり、この街に来た時からの数少ない信用のおける女。
「久しぶりネ。心配シテたヨ」
カラン、と音を立てて剣が地面に転がった。
いや違う。それは彼の愛用の武器ではない。何故か手にしていた剣は、かつてランス・ロンドが愛用していたものであったことをルイトは知らない。
「なぜ君が、ここに……」
「大丈夫。ルシアが、待ってるヨ」
質問に答えず、彼女は優しく言った。
辺りを見渡せばまた先程の、静かで美しい森の中だ。向こうにはお菓子の家ではなく、簡素な丸太小屋。
(もどってきたのか)
真剣な顔で見守っている男は、間違いなくリュウガ・ロウだ。
そこでようやく胸を撫で下ろした。
「僕は魔法攻撃を受けていたのか?」
そう問いかけると、ロロは悲しげな目をする。
「それもすべテ教えるヨ」
だから中に、と小屋へ誘う彼女にルイトはようやくうなずいた。
森を覗くのは真っ青な空と、目に眩しい光と。それは見慣れた、人々が狩場としていた森だ。
「もう大丈夫だ」
聞けば、あの瘴気に満ちた空間は広大は森の一部に過ぎないのだと。
そして今やそこは、厳重な結界によって封じ込められているという。
「中はもう収集がつかねぇことになっていてな。俺たちでも調査しようがない」
今まで行方不明になって者たちはここへあやまって立ち入り、あの瘴気の餌食になったのだと彼は説明した。
「とはいえ、このままにしておくことは出来ねえ。近いうち、ここにはもっと大勢の調査兵が立が立ち入るか――」
そこで一旦、言葉を区切る。
「不可侵地域として、このまま結界を張って封じてしまうかのどちらかだな」
「結界って」
そんなことをすればこの中に取り込まれた者たちはどうなるのだろう。
瘴気の影響で、寿命が尽きて死ぬことも出来ず。ただ絶望と狂気の悪夢に浸りきって、永劫の苦しみに喘ぐだけ。
それは想像を絶する恐怖だろう。
表情を曇らせ目を伏せたルイトに、リュウガは静かに口をひらいた。
「残された奴らは哀れだ、とは思う」
そんな言葉で、到底表現できるものでは無いだろう。
そこでルイトは先程みた、恐ろしい悪夢を思い出す。
「リュウガ」
すがるような目をしていたのだろう。彼がわずかに驚き、たじろいだ気がする。
「あの子は。ルシアは無事なんだろうな。そして君は」
手を伸ばし、頬に触れた。
覗き込んだ瞳の色は、見事な翠色。その色が、どれだけの安堵感を与えることか。
「ああ。これが夢じゃないことを願うよ」
「やれやれ。寝ぼけるのも大概にしな、ルイト」
その言葉とは裏腹に、男の優しげな眼差しが降り注がれた。
「もっと触れてみるんだな。そうすれば、分かるだろう」
差し伸べた指の先に口付けられる。まるで淑女にするようなそれに、不思議と不快感はなかった。むしろ、ずっと待ちわびていたかのような。
それでいてむずがゆいような気恥しさも湧き上がって、視線をさ迷わせる。
「僕の頭。まだ瘴気にやられているようだ」
「まぁ、今はそう思っておけよ」
かろうじて吐き捨てた強がりにも、そう柔らかに返されて少し鼻白んだ。
その時、ひときわ強い風が吹いた。
草木が揺れて、ざわめく。
「やれやれ。あいつら急かしやがるな」
小さなため息と共にリュウガはつぶやき、ようやくルイトの手を離した。
「行くか」
「ああ」
大切な者を取り戻すために。
背の高い木々に切り取られたような空は、ぬけるような青であった。
※※※
ほどなくして、彼らがたどり着いたのは丸太小屋。
簡易的にも見えるそのたたずまいに、ルイトは思わず足をとめた。
「どうした」
「い、いや……」
あの悪夢でみたお菓子の家を思い出したのだ。
似ても似つかない外観。しかし、ちょうど大きさ的には同じではなかったか。
色とりどりのキャンディやアイシングクッキーで飾り立てられた、愛らしい悪夢の家。
それはニヤニヤとあざ笑うように、こちらを見てはいなかったか。
「ルイト」
「……」
彼に名を呼ばれても、その場を動くことが出来なかった。
少しずつ大きくなる震えを止めることが出来ず、ただ自らの身体を抱きしめる。外は燦々と太陽の光が降り注ぐのに、まるでここだけ極寒の地のような寒気を感じるのはなぜだろう。
実際、それはルイト自身の内側からくるものであり。その棒立ちになった影の足元から、明らかに奇妙な影が二人分。這い上がり――。
「おい、ルイト!」
「っ……ぅ……ぁ」
(寒い。さむくて、死にそうだ)
ガタガタと震えて、いよいよ立ってすらいられない。
どんどん目の前がぼやけてくる。顔は真っ青を超えて土気色。どんどん狭くなる視界の真ん中には、慌てたような表情のリュウガが。
「大丈夫か!? しっかりしろっ!」
「り……ゅ……う……が……」
(いやだ。もう、いやだ、もう)
悪夢をみたくない。瘴気と絶望に満ちた世界へは戻りたくない。
狂おしいほどの願いも虚しく、辺りはまたあの薄暗く不気味な森に。そして背景には、お菓子の家。
「あ゙ァァァ゙ッ!? ぁァァッ!!! 」
(いやだいやだいやだいやだ、もう、もう)
「ごろ゙じでぇぇぇッ!! い゙や゙ぁァァァっ!!!」
突然、半狂乱になってわめいた。いや、実際正気なんて保てなかったのだ。
やっと抜け出せたと思っていた悪夢に再び引きずりこまれ、広がる光景は地獄。
いっそうのこと、この眼球をえぐり出してでも逃げ出してしまいたかった。国で名高い冒険者といえど、言わばこの精神攻撃には参りきっていたのだ。
『るい……と……ル……イト』
「く、くるな、僕のそばに、こないでくれ!」
あの男の声。忌まわしいバケモノ。
どうしてこんなに執着されなければならないのだろう。一方的に寄せられる想いに苛まれるなんて、嫌悪しかない。
『ォ……レ……と……イッ……ショ、に……』
「やめろ、やめてくれ、もう」
絞り出すように言葉をつむぐ、ルイトの手には。
(殺してやる)
自らの剣を構える。
目の前には、赤髪の男。顔なんてもう見えない。いつのまに視力をやられてしまったのか、それはおぼろげな影であった。
「この…………バケモノめ」
魔物退治が彼の仕事だ。それならば、倒してしまえばいい。
その喉元を斬りつけて、首ごと落としてしまえばいい。
血を浴びてこそ、実感するのだろうか。この悪夢の終焉を。
大きく剣を振り上げた、その時。
『【最浄化】』
闇の中から、甲高く短い呪文が響く。すると、その場を切り裂くような鋭い風が駆け抜けた。
「!」
分厚い霧に覆われた目の前が、サッと開けたような感覚。
ものすごい勢いで七色の光が走り――弾けた。
「危なかったネ。デモ、もう大丈夫ヨ」
異国訛りのハスキーな声。それは、とても聞き覚えのある、そしてひどく懐かしい。
「ろ、ロロ?」
褐色の肌に黒髪。でっぷりとした、恰幅のよい身体にはゆったりとした服を身につけている。
住処としている安宿の女主人であり、この街に来た時からの数少ない信用のおける女。
「久しぶりネ。心配シテたヨ」
カラン、と音を立てて剣が地面に転がった。
いや違う。それは彼の愛用の武器ではない。何故か手にしていた剣は、かつてランス・ロンドが愛用していたものであったことをルイトは知らない。
「なぜ君が、ここに……」
「大丈夫。ルシアが、待ってるヨ」
質問に答えず、彼女は優しく言った。
辺りを見渡せばまた先程の、静かで美しい森の中だ。向こうにはお菓子の家ではなく、簡素な丸太小屋。
(もどってきたのか)
真剣な顔で見守っている男は、間違いなくリュウガ・ロウだ。
そこでようやく胸を撫で下ろした。
「僕は魔法攻撃を受けていたのか?」
そう問いかけると、ロロは悲しげな目をする。
「それもすべテ教えるヨ」
だから中に、と小屋へ誘う彼女にルイトはようやくうなずいた。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
俺の居場所を探して
夜野
BL
小林響也は炎天下の中辿り着き、自宅のドアを開けた瞬間眩しい光に包まれお約束的に異世界にたどり着いてしまう。
そこには怪しい人達と自分と犬猿の仲の弟の姿があった。
そこで弟は聖女、自分は弟の付き人と決められ、、、
このお話しは響也と弟が対立し、こじれて決別してそれぞれお互い的に幸せを探す話しです。
シリアスで暗めなので読み手を選ぶかもしれません。
遅筆なので不定期に投稿します。
初投稿です。
【完結】この契約に愛なんてないはずだった
なの
BL
劣勢オメガの翔太は、入院中の母を支えるため、昼夜問わず働き詰めの生活を送っていた。
そんなある日、母親の入院費用が払えず、困っていた翔太を救ったのは、冷静沈着で感情を見せない、大企業副社長・鷹城怜司……優勢アルファだった。
数日後、怜司は翔太に「1年間、仮の番になってほしい」と持ちかける。
身体の関係はなし、報酬あり。感情も、未来もいらない。ただの契約。
生活のために翔太はその条件を受け入れるが、理性的で無表情なはずの怜司が、ふとした瞬間に見せる優しさに、次第に心が揺らいでいく。
これはただの契約のはずだった。
愛なんて、最初からあるわけがなかった。
けれど……二人の距離が近づくたびに、仮であるはずの関係は、静かに熱を帯びていく。
ツンデレなオメガと、理性を装うアルファ。
これは、仮のはずだった番契約から始まる、運命以上の恋の物語。
出戻り王子が幸せになるまで
あきたいぬ大好き(深凪雪花)
BL
初恋の相手と政略結婚した主人公セフィラだが、相手には愛人ながら本命がいたことを知る。追及した結果、離縁されることになり、母国に出戻ることに。けれど、バツイチになったせいか父王に厄介払いされ、後宮から追い出されてしまう。王都の下町で暮らし始めるが、ふと訪れた先の母校で幼馴染であるフレンシスと再会。事情を話すと、突然求婚される。
一途な幼馴染×強がり出戻り王子のお話です。
※他サイトにも掲載しております。
過労死転生した公務員、魔力がないだけで辺境に追放されたので、忠犬騎士と知識チートでざまぁしながら領地経営はじめます
水凪しおん
BL
過労死した元公務員の俺が転生したのは、魔法と剣が存在する異世界の、どうしようもない貧乏貴族の三男だった。
家族からは能無しと蔑まれ、与えられたのは「ゴミ捨て場」と揶揄される荒れ果てた辺境の領地。これは、事実上の追放だ。
絶望的な状況の中、俺に付き従ったのは、無口で無骨だが、その瞳に確かな忠誠を宿す一人の護衛騎士だけだった。
「大丈夫だ。俺がいる」
彼の言葉を胸に、俺は決意する。公務員として培った知識と経験、そして持ち前のしぶとさで、この最悪な領地を最高の楽園に変えてみせると。
これは、不遇な貴族と忠実な騎士が織りなす、絶望の淵から始まる領地改革ファンタジー。そして、固い絆で結ばれた二人が、やがて王国を揺るがす運命に立ち向かう物語。
無能と罵った家族に、見て見ぬふりをした者たちに、最高の「ざまぁ」をお見舞いしてやろうじゃないか!
虐げられた令息の第二の人生はスローライフ
りまり
BL
僕の生まれたこの世界は魔法があり魔物が出没する。
僕は由緒正しい公爵家に生まれながらも魔法の才能はなく剣術も全くダメで頭も下から数えたほうがいい方だと思う。
だから僕は家族にも公爵家の使用人にも馬鹿にされ食事もまともにもらえない。
救いだったのは僕を不憫に思った王妃様が僕を殿下の従者に指名してくれたことで、少しはまともな食事ができるようになった事だ。
お家に帰る事なくお城にいていいと言うので僕は頑張ってみたいです。
優秀な婚約者が去った後の世界
月樹《つき》
BL
公爵令嬢パトリシアは婚約者である王太子ラファエル様に会った瞬間、前世の記憶を思い出した。そして、ここが前世の自分が読んでいた小説『光溢れる国であなたと…』の世界で、自分は光の聖女と王太子ラファエルの恋を邪魔する悪役令嬢パトリシアだと…。
パトリシアは前世の知識もフル活用し、幼い頃からいつでも逃げ出せるよう腕を磨き、そして準備が整ったところでこちらから婚約破棄を告げ、母国を捨てた…。
このお話は捨てられた後の王太子ラファエルのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる