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鍵をかけて 第三話
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モナは息を殺しながら胸の前で手を組んだ。
出かける前の母親の言葉通り、モナはちゃんと玄関の鍵をかけた。
それなのに、人間ではないこの化け物は入ってきた。
モナを探す「それ」は、クチャリ、クチャリ、と咀嚼音を出しながら動き回っている。
やがて、箱の中で震えるモナの耳に、
人とも獣ともつかない唸り声が繰り返し、聞こえてきた。
「子供、子供、子供・・・。」
「・・・!」
モナは怖くてたまらず、涙がこぼれた。嗚咽が漏れそうになるのを必死でこらえた刹那、モナの足元でゲーム機が音を立てた。
カチカチと歯を噛み合わせる音が、ピタリと止む。
ゲーム機を持ってきた覚えはない。
それなのに、ここにある。
モナは慌ててゲームを止めようとするが、止まることなくスタート画面が写し出される。
タイトルは『鍵をかけて』。
低い唸り声が、モナが隠れていた箱に近づいてくる。
次の瞬間、モナの頭の上で、箱が裂ける音が響いた。
暗い箱の中に、外の光が差し込んでくる。
モナは思わず箱の中で頭を低くした。
そのまま箱の裂け目は、容赦なく広がっていった。
箱が切り裂かれ、モナの姿が露わになる。
モナは、怯えながら思わずあたりを見回したが、「それ」の姿は見えない。
「・・・?」
が、次の瞬間、モナの身体は持ち上げられ、宙に浮いた。
その勢いでゲーム機を取り通し、ゲーム機は床に落ちて跳ねながら、敵に捕まってピンチに落ちた時の、緊迫感のある挿入曲を鳴らしている。
遮二無二に身体を捻り、なんとかふりほどいて、ベランダの床に着地する。
殺されたおじさんの死体が視界に入り、一瞬ひるみかけたが、目を逸らしながら急いで部屋にとびこんだ。
とりあえず押し入れに逃げ込むが、押し入れの襖ごと切り裂かれる。
モナは泣きながら飛び出すと、両親の部屋に逃げ込んで、扉を閉めた。そのまま窓を開けてベランダに抜けようとしたが、思い直してクローゼットに潜り込み、息を潜める。
次の瞬間、部屋のドアノブが動き、
何かが入ってくる。
モナを探すように、そこかしこに爪で
引っ掻いたような痕をつけ、クローゼットを乱暴に開け放ち、部屋の方々に置いてある箱をひっくり返すが、モナの姿が見えない。
しばらくすると、床を軋ませながら他の部屋へ移動していった。
モナはかくれんぼで遊ぶ時、この部屋で隠れるのが得意だった。体が小さいおかげで、衣装ケースの影に隠れることができるため、クローゼットを開けられても見つからないのだ。
ほっとしたが、いつまでもここにはいられない。
いつまた戻ってくるかもしれないのだ。
モナは涙を浮かべて膝を抱えて俯く。
ふと、さっきまでやっていたゲームのことを思い出した。
ホラーゲームをしていたが、その内容と今の状況が似ているのだ。
出かける前の母親の言葉通り、モナはちゃんと玄関の鍵をかけた。
それなのに、人間ではないこの化け物は入ってきた。
モナを探す「それ」は、クチャリ、クチャリ、と咀嚼音を出しながら動き回っている。
やがて、箱の中で震えるモナの耳に、
人とも獣ともつかない唸り声が繰り返し、聞こえてきた。
「子供、子供、子供・・・。」
「・・・!」
モナは怖くてたまらず、涙がこぼれた。嗚咽が漏れそうになるのを必死でこらえた刹那、モナの足元でゲーム機が音を立てた。
カチカチと歯を噛み合わせる音が、ピタリと止む。
ゲーム機を持ってきた覚えはない。
それなのに、ここにある。
モナは慌ててゲームを止めようとするが、止まることなくスタート画面が写し出される。
タイトルは『鍵をかけて』。
低い唸り声が、モナが隠れていた箱に近づいてくる。
次の瞬間、モナの頭の上で、箱が裂ける音が響いた。
暗い箱の中に、外の光が差し込んでくる。
モナは思わず箱の中で頭を低くした。
そのまま箱の裂け目は、容赦なく広がっていった。
箱が切り裂かれ、モナの姿が露わになる。
モナは、怯えながら思わずあたりを見回したが、「それ」の姿は見えない。
「・・・?」
が、次の瞬間、モナの身体は持ち上げられ、宙に浮いた。
その勢いでゲーム機を取り通し、ゲーム機は床に落ちて跳ねながら、敵に捕まってピンチに落ちた時の、緊迫感のある挿入曲を鳴らしている。
遮二無二に身体を捻り、なんとかふりほどいて、ベランダの床に着地する。
殺されたおじさんの死体が視界に入り、一瞬ひるみかけたが、目を逸らしながら急いで部屋にとびこんだ。
とりあえず押し入れに逃げ込むが、押し入れの襖ごと切り裂かれる。
モナは泣きながら飛び出すと、両親の部屋に逃げ込んで、扉を閉めた。そのまま窓を開けてベランダに抜けようとしたが、思い直してクローゼットに潜り込み、息を潜める。
次の瞬間、部屋のドアノブが動き、
何かが入ってくる。
モナを探すように、そこかしこに爪で
引っ掻いたような痕をつけ、クローゼットを乱暴に開け放ち、部屋の方々に置いてある箱をひっくり返すが、モナの姿が見えない。
しばらくすると、床を軋ませながら他の部屋へ移動していった。
モナはかくれんぼで遊ぶ時、この部屋で隠れるのが得意だった。体が小さいおかげで、衣装ケースの影に隠れることができるため、クローゼットを開けられても見つからないのだ。
ほっとしたが、いつまでもここにはいられない。
いつまた戻ってくるかもしれないのだ。
モナは涙を浮かべて膝を抱えて俯く。
ふと、さっきまでやっていたゲームのことを思い出した。
ホラーゲームをしていたが、その内容と今の状況が似ているのだ。
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