鍵をかけて 

たからかた

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鍵をかけて 第四話

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 ゲームの内容は、化け物が荒らし回る家の中を逃げ回り、安全な部屋に逃げ込んで鍵をかけられればクリア、というものだった。
正しい部屋は一か所のみで、鍵をかけられるチャンスも3回だけ。
3回間違えると、化け物に食べられてしまう。

 モナは、今この状況は、このゲームの世界のようになってしまっている為だと思った。
何故かはわからないが、もう、あのゲームのルールに従い、正しい場所に逃げ込んで、鍵をかけるしかないのだろう。

モナが決心した時、再びこの部屋の床が軋む音が聞こえてきた。
クローゼットの外に唸り声が響く。
モナは必死に体を縮めて、目を閉じた。床は、ミシリ、ミシリと音を立て、クローゼットの前を通ると、一瞬止まった。
永遠とも思える沈黙が、続く。
すると、ベランダから先程落としたゲーム機がまた音を鳴らし始めた。
床を軋ませる音は、ベランダへと向かい、部屋からベランダへ抜ける窓を開け、遠ざかっていった。

部屋に逃げ込んだとき、窓のロックを開けておいてよかった。
運良くゲーム機の音が鳴ってくれた。

この間にモナは、必死に鍵をかけられる部屋を思い浮かべた。

あった。
どこの家庭でも、必ず鍵をかける部屋。

モナは急いでトイレに逃げ込んだ。
そのまますぐに鍵をかけようとして、
モナは、首からさげている鍵に気づいた。
出かける前に母親から渡された鍵。

今の今まで、玄関の鍵だと思って
いたが、よく見ると知らない鍵だった。

母親は、『鍵はかけるのよ』と言った・・・。
「・・・!」

モナがやっていたゲームの終盤も同じトラップがあった。
内鍵と外鍵は、どちらも鍵をかけるとしか言わない。
ゲームのルールに鍵をかけて封印するとしか決まっていないため、このひっかけに気づけず、内鍵だけで3回かけてしまうと、ゲームオーバー。
キーアイテムの鍵を使うことに気付けるか気づけないかで、決まるのだ。

ゲームのルールと同じなら施錠は、3回まで。
最初に玄関で1回目の内鍵をかけ、部屋に逃げ込んだ時に2回目の内鍵をかけた。あと、1回しか許されない。
ここでないなら施錠は命取りになる。

 迷っていると、モナを嘲笑うようにドアがノックされる。ドアノブがゆっくり動き、ドアが開き始める。

 モナは首から下げた鍵を握りしめて考えた。
鍵は鍵穴に挿すもの。
鍵穴は、部屋の内側にはない。
外側から、鍵をかけるもの。
外側から鍵をかけるには、外側からかける場所は、、、。
玄関、玄関!!
モナはトイレの窓を見た。小さい窓だが鉄格子はない。
小柄なモナなら、ギリギリ通ることができる。

モナはトイレによじ登ると、窓を開き必死にくぐり抜ける。
モナを弄ぼうとゆっくり構えていた化け物も、モナの動きに気づいて慌ててトイレに入ってきたが、モナは窓の外に滑り出たあとだった。
「!!」
と、モナを追う化け物は、言葉にならぬ声で周囲が揺れんばかりの大声で叫ぶが、窓が狭くてモナを追うことができない。
モナのアパートの部屋は角部屋で、トイレの隣は玄関になっていた。

 
 
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