金塊を探せ!

たからかた

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愛犬ゴールド誘拐事件

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私の名はコパン。

名の知れた金塊ハンターだ。

私の相棒はこのツルハシと、犬の『ゴールド』。

今日も金塊を求めて、この『イカンキ』国へやってきたのだ。

ある日、ゴールドが誘拐されてしまった。

金塊の匂いを嗅ぎつける犬だと言われて、狙われたようだ。

・・・、あいつの鼻はきくようであてにならない。

あいつの出すわずかなサインを、受け取れるかどうかで決まるのに。

ピンポイントでここほれなんとやらは、しない犬だ。

言うなれば・・・、ここじゃない?
と、見上げてくるだけ。

そこから先は、金塊ハンターの勘が、ものをいうのだ。

それを知らずにゴールドの能力は使いこなせない。

急がねば!
ゴールド!
今行くぞ!

やってきたのは、山賊のアジト。

え、マジで?
あんな怖そうなお兄さんたちを相手にしないといけないの?

ツルハシは武器ではない。

となると、この腕のパンチ力か・・・。

うん、無理。

と、言うわけでゴールドの方からこっちへくるように仕向ける。

あいつの食い意地は天下一品。

いつも食べさせている、このジャーキーで誘き寄せよう。

・・・。

こない。

ケチって一本にしたからか。
ならばもう一本。

・・・。

おかしい。

アジトを覗くと、なんと、美味しくて高そうな肉をもらっている。

くぅ、ゴールド。
お前は長年の飼い主より、高い肉を食わせる山賊の方を選ぶのか?

嬉しそうに尻尾ふりやがって。
お前なんか知らん!

私は一人で金塊を見つけ出す!

あばよ、ゴールド。

・・・。

ちっ。

とにかく、近くの山におおよその予測を立てて、掘り進むことにする。

ツルハシがいつもより重く感じるな。

いつも、適当な反応しかしない奴だったが、どこに行くのにもついてくる、かわいい奴だった。

ゴールド。
肉の食い過ぎで太るなよ。

そんな時、ガキンと手応えがした。

なんと!
ついに見つけたのだ!

おおー!

次から次だ。

やった!
ついにやったぞ!

私が喜んで金塊をリュックにしまっていると、ゴールドが穴の向こうからやってきた。

あれ?
ゴールド・・・ちゃん?
あなたどうしてそこから?

おや?
山賊の皆さんが向かってきてる。

ま、まさか・・・。
ここは。

やらかしたー!

ここはアジトから地下道で繋がっている、奴らのお宝保管場所だったのだ!

つ、つまりリュックに入れたのは、山賊の皆さんの・・・。

私は金塊を捨てて、ゴールドをリュックにしまうと、一目散に逃げた。

山賊はそれ以上追って来なかった。

ふぅふぅ。
ゴールドは嬉しそうだ。

毛並みがツヤツヤとしている。
よほど食事が豪華だったのだろう。

いつものジャーキーを出しても食べない。

言っとくがほかにないからね!

まあ、いい。
ゴールドは戻ってきた。

いいんだ、いいんだよ。


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