心配症で不幸体質だと思い込む姫様は、宿敵の呪縛に立ち向かい、隣国の王子に溺愛されるルートへと進みます!

たからかた

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後編

皇太子妃修行を終えて

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お伽話は、困難を乗り越えたお姫様はみんな、愛する人とこれからも幸せに暮しました、と言って物語が終わるけど。

私はその困難がまだ、終わってなかったみたい。

ここは、火の国ファイアストム国。
私は、ファイ様と挙式を挙げて、晴れて夫婦になれたの。

氷の国ブリザードゥ国と火の国ファイアストム国は世界でも指折りの大国だから、世界中から注目されて、それはそれは豪華な式だった。

私もファイ様も、神獣と同じ瞳を持つ者同士の婚姻だから、国を繁栄させるという伝説も手伝ってさらに注目を集めたの。

私としては、この瞳を長く封印されてきたから、そこまでこだわりないのだけれど。

式はとどこおりなく進んだ。
幸運を呼び込むキャンディのおかげで、ドジを踏むことはなくてよかった。

式を終えて、披露宴が終わると、お父様とお母様と、弟の皇太子アイシスが帰国なさったわ。

ホームシックになるかもしれないなんて、その時は思ったもの。

それが、まさか。
そんな暇もなかったなんて。

披露宴が終わってすぐに、1ヶ月間みっちり皇太子妃修行。
その間ファイ様と会っちゃダメ・・・でした。

事前に渡されていた課題は、ちゃんとブリザードゥ国でクリアしてきたのに、手違いがあったとかで、一からやり直す羽目に。

手の甲に、『貞操ていそうの焼印』という名の魔法の印まで押されちゃった。

皇太子妃修行を終えたら、魔法が解けるそう。

お、おかしい。
幸運のキャンディの効果が、もう切れたの?

ファイ様も聞いてないと猛抗議してたけど、急に決まったことなんだって。

王の母親である王太后様の命令で、誰も逆らえなくて。

皇太子妃修行の課題は、出来なければ帰国だと言われた。
悩む私を助けてくれたのは、ファイ様の兄弟姉妹。

「アイスローズちゃん!!」

「大丈夫・・・ファイは・・・会いに来れないけど・・・私たちは・・・出入り自由だから。」

「なになに、歴史、地理、政治、官僚たちの名前と、全有力貴族たちの名前等の把握・・・。
これに、礼儀作法や儀式の習得か。
1ヶ月間じゃ足りない内容だな。」

「手伝うよ、みんなでなんとか終わらせよう。」

ファイ様の二人の兄、プロメテクスお義兄様にいさまと、アポロニお義兄様にいさま

私が幼い頃、喧嘩で負けたファイ様を助けようと、木の棒でポカリと殴ってしまったお二人。
今ではとても仲がいいらしいわ。

二人ともファイ様より頭一つ背が高い。

ファイ様の二人の姉、ファイリアお義姉様ねえさまとバーニスお義姉様ねえさま

幼い頃、喧嘩の時はお互い加減知らずに平手打ちをし合っていたというから、ご気性が激しいのかと思っていたら、とっても優しい。

中性的な魅力があるファイリアお義姉様ねえさまは、ファイ様とよく似ていて背も同じくらいの高さ。
物静かで、途切れ途切れに話す特徴がある。

ファイ様以外で私と歳が近いバーニスお義姉様ねえさまは、やっと妹ができたと、一番はしゃいでくれた。

彼女は、私の弟のアイシスと婚約する予定。
一つ下の弟は、来年成人するから。

「ふふ、結婚したらアイスローズちゃんは、義姉様ねえさまになるけど、私は今のままがいいなぁ。
わからないことがあったら、なんでも聞いて!」

と、嬉しそうに手を握ってくる。

みんなの助けがあって、私は何とか1ヶ月間で課題をクリアしたの。

今日は身内だけで、私の慰労会をしてくれるそう。
やっとファイ様に会える。
これからは、ずっと一緒にいられるよね?

私は侍女のミユキを伴って、広間へと向かったの。

「ミャオン」

私の肩に乗った雄猫ダイヤモンドダストが、嬉しそうに頬ずりしてくる。

ブリザードゥ国の神獣であるダイヤモンドダストなんだけど、私についてきてしまったの。

この子と番の雌猫、ツララは弟アイシスのそばにいてくれるから、安心してる。

慰労会いろうかいを行う広間の前に来ると、ドアの前の従者が私の来訪を大きな声で、

「アイスローズ皇太子妃殿下ひでんかのおなーりー。」

と、宣言した。
扉が開かれて、ファイ様が迎えに来てくれる。
嬉しくて胸がいっぱい。

左足を一歩引いてターンして、お辞儀。

これが、ファイアストム国内の正式な挨拶の仕方。

ファイ様もにっこり笑って、挨拶を返してくれる。それから、すぐに抱きしめてきた。

大好きな温もりに包まれて、今までの疲れが全部吹き飛んでしまいそう。

ファイ様の香水、ウォレンジレの香りがさらに私を安心させてくれる。

「アイスリー、やっと会えた。」

「ファイ皇太子殿下、私もお会いしたかったです。」

「敬語はいらない。
ふふ、兄様や姉様たちに色々習ったと聞いた。
・・・少しせたな。
無理難題をいてすまない。」

「いいえ。みんなのおかげで、楽しく勉強できたの。」

「今日からは私も氷の宮に住む。
毎日一緒に・・・。」

ファイ様がそう言った時、

「それらならぬ。」

と、冷たい声がした。



~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

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※この物語はフィクションです。表現や人物、団体、学説などは作者の創作によるものです。


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