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八甲田 (5)
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「藤永!」
ミロは、劉の押し殺した絶叫を聞いた気がした。劉少奇がここにいるはずがない。その一瞬の躊躇のために、チェルネンコの『レーニン』が逃げる隙を与えた。0コンマ数秒の後、ミロはボブリンスキー部隊から、嵐のような砲撃を受ける。舌打ちしながらそれを回避する。そのままミロはアクセルを踏み続け、急降下して敵 巡洋艦3隻に『緑眼』のミサイルを連射する。
『レーニン』がミロとシンクロして急降下しながら、『緑眼』に襲い掛かるが、ミロはそれをかわしながら左に展開するボブリンスキー部隊に照準を合わせ、確実に仕留めていく。
この日だけで、ボブリンスキー部隊はバリアントが搭乗するKIWA8機を失った。
「貴様ほどのパイロットが、なぜ八甲田などに乗っていた?」
ミロが、将校専用ラウンジで三杯目のテキーラにライムを絞っているとき、後ろから話しかけてきたのは劉少奇だった。北方人民解放軍からの緊急支援で、択捉戦線を乗り切った。ミロの八甲田は合計で巡洋艦クラス6隻を撃沈するという驚異的な記録を上げた。ミロの搭乗機には、左肩に数字の「8」を急ごしらえでプリントさせた。四特のパイロットに目視でミロの搭乗機を知らせる必要があったからだ。乱雑にプリントした「8」が「∞」に見えるせいで「インフィニティ」の異名を早くも獲得していた。
「劉少佐…!」
ミロは目を見開き、息を呑む。劉はミロの傍らから手を伸ばしてミロがライムを絞り入れたテキーラをそのまま飲みほし、ミロの黄色いマフラーをくるくると指に巻いた。
「あ、それ…わたしの…テキーラ…」
「このマフラーは貴様に似合うな」
劉少奇はにやりと笑ってミロの右手首をぐっとつかんだ。劉とミロの顔が口づけをせんばかりに近づく。近くにいる数名の将校が、ぎょっとした顔で二人の様子を見つめている。この二人の「不適切な関係」を理由として、ミロが処分を受け特殊KIWAへの搭乗を禁じられていることは、もう周知になっていた。
ちょうどその時、坂本忍もラウンジの入り口でそれを目にしていたが、表情を変えずに反対側のバーカウンターに向かった。
劉とミロはしばらく見つめ合ったが、やがて劉は静かにミロの手を離した。
「また長春に来い」
と劉はミロの耳元に低く呟いて首筋に口づけをし、ミロの傍を離れた。ミロは、もう一度テキーラとチェイサーのバドワイザーをバーテンに注文すると、ピスタチオの殻を剥き始めた。ミロがあっという間にテキーラとバドワイザーを飲み干し、次にトムコリンズをオーダーしたとき、ミロの首に誰かが腕をまわした。馴染み深い体臭がミロの鼻腔をくすぐる。
「飲みすぎるなよ」
という低い声は、忍の声だ。忍がぐっとミロの肩を抱きしめる。将校専用ラウンジとはいえ、忍がこういう半ば公の場でミロに対してこのように接することは、未だかつてなかった。ミロは戸惑いを隠せない。周囲の視線を集めていることがわかるから、なおさらだった。忍は、まるで劉を真似るかのように、トムコリンズの半分を一気に飲み干した。
「忍…、それ私のだよ…!」
ミロが思わずそう言った瞬間、ラウンジの照明が一気に落とされる。夜9時を過ぎてディナーミールの提供が終了し、カクテルラウンジになることを知らせる合図だ。バックグラウンドミュージックが大音量のムードジャズに変わる。この時間から、外部の訪問者の来訪が許可される。
視界が暗くなったことを受け、忍はミロの唇を自分の唇で塞ぎ、こじ開けるようにして舌を差し入れミロの舌に絡ませた。ミロは目を閉じなかったが、とろんとした視線が空を泳いでいるのがわかる。忍は、唇を離すとそのままミロの肩を抱いてラウンジを後にする。何人かの将校が、驚いた顔でミロと忍が出ていくのを見ていた。
忍に割り当てられた、上級将校専用の個室はキングサイズのベッドがついたスィートになっており、盗聴防止を目的として防音も万全だった。
「ここなら、大丈夫だ」
忍はそう言うと、ミロの上着をもどかし気に引きはがし、アンダーシャツとブラジャーを一気に首まで持ち上げると、ピンク色の乳首をそっと指でつまむ。酔っていたミロは、快楽のスイッチが入ったかのように目を見開いて忍を見た。
「あ……」
思わずミロが声を上げた瞬間、忍がミロの乳首を口で吸いながら、アンダーウェアに手を入れる。ミロの内部は、もう潤い始めていた。カチャカチャという音を立てて、ミロのベルトを外し、軍服のスラックスをあっという間に脱がせる。
「忍、靴…」
編み上げブーツになっている軍靴を脱ぐのが、実はいちばん時間がかかる。ミロは靴以外ほぼ全裸にされ、大きく脚を開かされた。たまらなく恥ずかしい。
「待って、忍、靴を脱ぐから…」
言いかけたミロの性器を忍がぺろりと舐めると、ミロの口から熱い吐息が漏れた。潤いが一気に高まり、忍は左手で自分の上着を脱ぎながら、右手でミロの萌芽を静かに愛撫し続ける。ミロはシーツをぎゅっと掴んで横を向き、目をきつく閉じて快楽に耐えている。この姿をあの男にも見せたのか、と思うと腹の底から焼けるような嫉妬が喉元まで駆け上がってきた。ミロの潤みの中に中指と薬指を挿し入れると、するりと入ってきゅっと締め付けてくる。
「ああ、ああ、あああぁぁぁ」
上半身を弓のように反らせ、ミロは喜びの声を抑えきれない。乳首が固くなり、まるで吸って欲しがっているかのように色の濃さをわずかに増していた。その乳首を吸ってやると、中がさらに収縮する。
「…もしかして、いった?」
と忍が尋ねると、ミロは恥ずかしそうに両腕を忍の首に回して口づけをせがんだ。忍は、ミロの唇にキスすると、再び口を乳首に移し、同時に指でミロの性器を巧みに愛してやる。性器の奥からは湿った音がした。忍自身も耐えられないほど大きく硬くなっていた。もう一度、指でミロをいかせてやると、ようやくミロに靴を脱ぐように言った。その間に忍は自分の服を脱いで、ミロに覆いかぶさった。ミロの右手に痛いほど勃起した自分の陰茎を握らせる。
「あ、忍……」
ミロは思わず何度かそれをこすり上げる。ミロの手は柔らかく気持ちがいい。先端からは既に汁が溢れ出している。忍は熱い吐息を漏らした。ミロは忍の大きさに驚き、同時にこれで満たされたいという本能的な欲望で、自分から脚をM字型に開いてしまう。もう挿入してほしくてたまらなかった。忍は、そのあられもないミロの姿を見て思わず笑みを浮かべる。ぺろりとミロのクリトリスを舐めてやると、ミロは驚きと快感にぶるっと身体を震わせた。しかし忍は
「口でして欲しい」
とミロの耳元でささやいた。その瞬間のミロの悲しそうな顔を見て、ミロの開いた性器に再び舌を這わせてやる。ミロが、喜びの声を上げる。大きさを増した芽を口で吸いあげると、ミロはあっという間に再び達した。
ようやくミロは、忍のものを口で愛撫し始める。たっぷり時間をかけて舌で何度も全体を舐った後、そっと先端を口に含んだ。そのまましばらく傘部分を口の中で転がし、長い指で本体を愛してやる。
「全部」
と忍がうめき声をあげると、ミロは忍のすべてを巧みに口の中に収めて舌を使い始めた。ミロはフェラチオが本当に上手になったな、と忍は思う。コントロールできないほどの快感が襲う。
「ミロ、そのまま続けられるとお前の口の中でいく」
忍の足の間からミロが顔を上げた。そのままミロを押し倒して、脚を開かせる。はちきれそうに硬く大きくなり汁をしたたらせた先端をミロの入り口に当てると、入れる前に何度かこすりつける。ぬめりの立てる音が二人の欲望をさらに刺激する。ミロは焦れた。忍の先端がミロの芽をこするたびに、快感がこみ上げるが、忍はミロの中に入りそうで入らない。
「忍……!」
泣きそうな顔で忍に乞う。それを見て、忍は満足そうに笑みを浮かべた。そのままゆっくりと体重をかけ、ようやくミロの中を埋めてやる。
ミロが何度目かの絶頂を迎えようとしていて、忍にもそろそろ我慢の限界が近づいていた。
「忍……、今日…、ああああ、いい……あ…あああっっ…。し、忍、今日は、な、中でいかないほうがいいかもしれない……」
ミロは、はあはあと快楽の息をはき、目じりに涙を浮かべて快感に顔をゆがめながらも、必死に忍にそう訴えた。ミロがそんなことを言うのは初めてだったので、忍は驚いて尋ねた。
「なぜ? どうした…?」
「…あ、あのね、この前の生理の後、大倉研究所に行けなかった…半年に一回の避妊プラントを入れてない…あああ、いい、いい忍…すごくいいけど、あ、あ、あ、」
忍は腰を使い続けていたので、ミロの中は、ミロの言葉以上に彼女の喜びを伝えてくる。
「……この前の生理はいつ?」
「に、二週間前…あああ、忍…っ!」
道理で、今日はミロがかつてないほど身体を開き喜びを伝えてくるわけだった。
「…外で射精しても避妊にならない…知ってた?」
ミロは最後の理性が吹き飛んだ顔をして、首を左右に振った。それは知らない、というよりもうどうでもいい、という意思を示していた。忍は、ミロの耳元に呟いた。
「かまわないさ。」
忍は、ミロの額にかかる髪の毛をかきあげた。これでミロが受胎するだろうという確かな予感が忍にはあったが、本気でそれでいいと思う。自分の子を産む女として、今後の人生を共にし続ける伴侶として、ミロ以外にはもはや考えられなかった。
だから忍は、ミロと一緒にかつて味わったことのない快楽に身を任せた。
ミロは、劉の押し殺した絶叫を聞いた気がした。劉少奇がここにいるはずがない。その一瞬の躊躇のために、チェルネンコの『レーニン』が逃げる隙を与えた。0コンマ数秒の後、ミロはボブリンスキー部隊から、嵐のような砲撃を受ける。舌打ちしながらそれを回避する。そのままミロはアクセルを踏み続け、急降下して敵 巡洋艦3隻に『緑眼』のミサイルを連射する。
『レーニン』がミロとシンクロして急降下しながら、『緑眼』に襲い掛かるが、ミロはそれをかわしながら左に展開するボブリンスキー部隊に照準を合わせ、確実に仕留めていく。
この日だけで、ボブリンスキー部隊はバリアントが搭乗するKIWA8機を失った。
「貴様ほどのパイロットが、なぜ八甲田などに乗っていた?」
ミロが、将校専用ラウンジで三杯目のテキーラにライムを絞っているとき、後ろから話しかけてきたのは劉少奇だった。北方人民解放軍からの緊急支援で、択捉戦線を乗り切った。ミロの八甲田は合計で巡洋艦クラス6隻を撃沈するという驚異的な記録を上げた。ミロの搭乗機には、左肩に数字の「8」を急ごしらえでプリントさせた。四特のパイロットに目視でミロの搭乗機を知らせる必要があったからだ。乱雑にプリントした「8」が「∞」に見えるせいで「インフィニティ」の異名を早くも獲得していた。
「劉少佐…!」
ミロは目を見開き、息を呑む。劉はミロの傍らから手を伸ばしてミロがライムを絞り入れたテキーラをそのまま飲みほし、ミロの黄色いマフラーをくるくると指に巻いた。
「あ、それ…わたしの…テキーラ…」
「このマフラーは貴様に似合うな」
劉少奇はにやりと笑ってミロの右手首をぐっとつかんだ。劉とミロの顔が口づけをせんばかりに近づく。近くにいる数名の将校が、ぎょっとした顔で二人の様子を見つめている。この二人の「不適切な関係」を理由として、ミロが処分を受け特殊KIWAへの搭乗を禁じられていることは、もう周知になっていた。
ちょうどその時、坂本忍もラウンジの入り口でそれを目にしていたが、表情を変えずに反対側のバーカウンターに向かった。
劉とミロはしばらく見つめ合ったが、やがて劉は静かにミロの手を離した。
「また長春に来い」
と劉はミロの耳元に低く呟いて首筋に口づけをし、ミロの傍を離れた。ミロは、もう一度テキーラとチェイサーのバドワイザーをバーテンに注文すると、ピスタチオの殻を剥き始めた。ミロがあっという間にテキーラとバドワイザーを飲み干し、次にトムコリンズをオーダーしたとき、ミロの首に誰かが腕をまわした。馴染み深い体臭がミロの鼻腔をくすぐる。
「飲みすぎるなよ」
という低い声は、忍の声だ。忍がぐっとミロの肩を抱きしめる。将校専用ラウンジとはいえ、忍がこういう半ば公の場でミロに対してこのように接することは、未だかつてなかった。ミロは戸惑いを隠せない。周囲の視線を集めていることがわかるから、なおさらだった。忍は、まるで劉を真似るかのように、トムコリンズの半分を一気に飲み干した。
「忍…、それ私のだよ…!」
ミロが思わずそう言った瞬間、ラウンジの照明が一気に落とされる。夜9時を過ぎてディナーミールの提供が終了し、カクテルラウンジになることを知らせる合図だ。バックグラウンドミュージックが大音量のムードジャズに変わる。この時間から、外部の訪問者の来訪が許可される。
視界が暗くなったことを受け、忍はミロの唇を自分の唇で塞ぎ、こじ開けるようにして舌を差し入れミロの舌に絡ませた。ミロは目を閉じなかったが、とろんとした視線が空を泳いでいるのがわかる。忍は、唇を離すとそのままミロの肩を抱いてラウンジを後にする。何人かの将校が、驚いた顔でミロと忍が出ていくのを見ていた。
忍に割り当てられた、上級将校専用の個室はキングサイズのベッドがついたスィートになっており、盗聴防止を目的として防音も万全だった。
「ここなら、大丈夫だ」
忍はそう言うと、ミロの上着をもどかし気に引きはがし、アンダーシャツとブラジャーを一気に首まで持ち上げると、ピンク色の乳首をそっと指でつまむ。酔っていたミロは、快楽のスイッチが入ったかのように目を見開いて忍を見た。
「あ……」
思わずミロが声を上げた瞬間、忍がミロの乳首を口で吸いながら、アンダーウェアに手を入れる。ミロの内部は、もう潤い始めていた。カチャカチャという音を立てて、ミロのベルトを外し、軍服のスラックスをあっという間に脱がせる。
「忍、靴…」
編み上げブーツになっている軍靴を脱ぐのが、実はいちばん時間がかかる。ミロは靴以外ほぼ全裸にされ、大きく脚を開かされた。たまらなく恥ずかしい。
「待って、忍、靴を脱ぐから…」
言いかけたミロの性器を忍がぺろりと舐めると、ミロの口から熱い吐息が漏れた。潤いが一気に高まり、忍は左手で自分の上着を脱ぎながら、右手でミロの萌芽を静かに愛撫し続ける。ミロはシーツをぎゅっと掴んで横を向き、目をきつく閉じて快楽に耐えている。この姿をあの男にも見せたのか、と思うと腹の底から焼けるような嫉妬が喉元まで駆け上がってきた。ミロの潤みの中に中指と薬指を挿し入れると、するりと入ってきゅっと締め付けてくる。
「ああ、ああ、あああぁぁぁ」
上半身を弓のように反らせ、ミロは喜びの声を抑えきれない。乳首が固くなり、まるで吸って欲しがっているかのように色の濃さをわずかに増していた。その乳首を吸ってやると、中がさらに収縮する。
「…もしかして、いった?」
と忍が尋ねると、ミロは恥ずかしそうに両腕を忍の首に回して口づけをせがんだ。忍は、ミロの唇にキスすると、再び口を乳首に移し、同時に指でミロの性器を巧みに愛してやる。性器の奥からは湿った音がした。忍自身も耐えられないほど大きく硬くなっていた。もう一度、指でミロをいかせてやると、ようやくミロに靴を脱ぐように言った。その間に忍は自分の服を脱いで、ミロに覆いかぶさった。ミロの右手に痛いほど勃起した自分の陰茎を握らせる。
「あ、忍……」
ミロは思わず何度かそれをこすり上げる。ミロの手は柔らかく気持ちがいい。先端からは既に汁が溢れ出している。忍は熱い吐息を漏らした。ミロは忍の大きさに驚き、同時にこれで満たされたいという本能的な欲望で、自分から脚をM字型に開いてしまう。もう挿入してほしくてたまらなかった。忍は、そのあられもないミロの姿を見て思わず笑みを浮かべる。ぺろりとミロのクリトリスを舐めてやると、ミロは驚きと快感にぶるっと身体を震わせた。しかし忍は
「口でして欲しい」
とミロの耳元でささやいた。その瞬間のミロの悲しそうな顔を見て、ミロの開いた性器に再び舌を這わせてやる。ミロが、喜びの声を上げる。大きさを増した芽を口で吸いあげると、ミロはあっという間に再び達した。
ようやくミロは、忍のものを口で愛撫し始める。たっぷり時間をかけて舌で何度も全体を舐った後、そっと先端を口に含んだ。そのまましばらく傘部分を口の中で転がし、長い指で本体を愛してやる。
「全部」
と忍がうめき声をあげると、ミロは忍のすべてを巧みに口の中に収めて舌を使い始めた。ミロはフェラチオが本当に上手になったな、と忍は思う。コントロールできないほどの快感が襲う。
「ミロ、そのまま続けられるとお前の口の中でいく」
忍の足の間からミロが顔を上げた。そのままミロを押し倒して、脚を開かせる。はちきれそうに硬く大きくなり汁をしたたらせた先端をミロの入り口に当てると、入れる前に何度かこすりつける。ぬめりの立てる音が二人の欲望をさらに刺激する。ミロは焦れた。忍の先端がミロの芽をこするたびに、快感がこみ上げるが、忍はミロの中に入りそうで入らない。
「忍……!」
泣きそうな顔で忍に乞う。それを見て、忍は満足そうに笑みを浮かべた。そのままゆっくりと体重をかけ、ようやくミロの中を埋めてやる。
ミロが何度目かの絶頂を迎えようとしていて、忍にもそろそろ我慢の限界が近づいていた。
「忍……、今日…、ああああ、いい……あ…あああっっ…。し、忍、今日は、な、中でいかないほうがいいかもしれない……」
ミロは、はあはあと快楽の息をはき、目じりに涙を浮かべて快感に顔をゆがめながらも、必死に忍にそう訴えた。ミロがそんなことを言うのは初めてだったので、忍は驚いて尋ねた。
「なぜ? どうした…?」
「…あ、あのね、この前の生理の後、大倉研究所に行けなかった…半年に一回の避妊プラントを入れてない…あああ、いい、いい忍…すごくいいけど、あ、あ、あ、」
忍は腰を使い続けていたので、ミロの中は、ミロの言葉以上に彼女の喜びを伝えてくる。
「……この前の生理はいつ?」
「に、二週間前…あああ、忍…っ!」
道理で、今日はミロがかつてないほど身体を開き喜びを伝えてくるわけだった。
「…外で射精しても避妊にならない…知ってた?」
ミロは最後の理性が吹き飛んだ顔をして、首を左右に振った。それは知らない、というよりもうどうでもいい、という意思を示していた。忍は、ミロの耳元に呟いた。
「かまわないさ。」
忍は、ミロの額にかかる髪の毛をかきあげた。これでミロが受胎するだろうという確かな予感が忍にはあったが、本気でそれでいいと思う。自分の子を産む女として、今後の人生を共にし続ける伴侶として、ミロ以外にはもはや考えられなかった。
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