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話が違います!
話が違います!①
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日曜日の午前10時、汐宮先生が家まで迎えに来てくれた。
双子は一緒に行くと言って、しばらく汐宮先生から離れようとしなかった。
いつもは人見知りする生馬までが、汐宮先生の腕を引っ張り「えいしん先生」と言っている。
小学五年生にしては舌足らずな双子は「しおみや先生」が言えず、何度言っても「しょーみや先生」になってしまったらしい。
それなら「えいしん」でいいと本人が言ったそうだ。
いつの間にこんなに懐いてしまったんだろう。
二人の好きなチョコレートケーキとを買ってくると約束し、ニヤニヤする両親に見送られながら家を出た。
母にはちゃんと、迷惑をかけたお詫びにスイーツをご馳走する、と話してあるのに、何か勘違いしているらしい。
陽介と別れたことも話しているから、期待させてしまったのかしら。
私は家を出発する頃には疲れて果ててしまっていた。
「なんか、すみません。うち、騒がしくて」
「いや、あいつら可愛いよな」
「そう言っていただけるとありがたいです」
「それで、今日なんだが……」
突然言いにくそうにトーンを落とした汐宮先生。
「……? なんでしょう?」
「母親に会ってくれ」
「はい?」
「今日、見合いだったんだ」
「お見合い!?」
「叶恋が母親に言ったんだろう? 今日はフリーだって」
今日はフリー? それってひょっとして……。
「あ、あの時の医局にかかってきた電話ですか!?」
「ああ。あれで、俺に日曜当直が入ってないとわかって見合いをセッティングされた」
「……!」
言われてやっと思い出した。
日曜日に何かあると思っていたのはこれだった。
私の予定じゃない。汐宮先生のお母様が言われた言葉だったんだ。
「俺が実家にはなるべく近寄らず、母親を避け続けていたにもかかわらずだ」
「す、すみません……。
いや、でも、お見合いっていうのも出会いの一つじゃないですか。良いご縁があるかも……」
「断った」
「え」
「付き合っている相手がいると言ってな」
付き合っている相手がいる?
わぁ……なんだか嫌な予感がしてきた。
双子は一緒に行くと言って、しばらく汐宮先生から離れようとしなかった。
いつもは人見知りする生馬までが、汐宮先生の腕を引っ張り「えいしん先生」と言っている。
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それなら「えいしん」でいいと本人が言ったそうだ。
いつの間にこんなに懐いてしまったんだろう。
二人の好きなチョコレートケーキとを買ってくると約束し、ニヤニヤする両親に見送られながら家を出た。
母にはちゃんと、迷惑をかけたお詫びにスイーツをご馳走する、と話してあるのに、何か勘違いしているらしい。
陽介と別れたことも話しているから、期待させてしまったのかしら。
私は家を出発する頃には疲れて果ててしまっていた。
「なんか、すみません。うち、騒がしくて」
「いや、あいつら可愛いよな」
「そう言っていただけるとありがたいです」
「それで、今日なんだが……」
突然言いにくそうにトーンを落とした汐宮先生。
「……? なんでしょう?」
「母親に会ってくれ」
「はい?」
「今日、見合いだったんだ」
「お見合い!?」
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今日はフリー? それってひょっとして……。
「あ、あの時の医局にかかってきた電話ですか!?」
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「……!」
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「す、すみません……。
いや、でも、お見合いっていうのも出会いの一つじゃないですか。良いご縁があるかも……」
「断った」
「え」
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わぁ……なんだか嫌な予感がしてきた。
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