39 / 48
第39話 気持ちを伝えて
しおりを挟む
全速力で王都を走り抜ける。
目指す場所は――――王都の玄関口だ。
王都の街並みが流れ、多くの人々を避けながら走っていく。
手紙の中に書かれている事に心臓が痛くなる程に跳ね上がる。
どうして俺は気づかなかったのだろうか。
いや、気づかないわけじゃなくて、ただ目を背けていただけだ。
だから俺は必死に走り続けた。
玄関口に辿り着いて、少しあがった息を整えながら周りを見回す。
「ん? アルマくんじゃないか」
最近仲良くなった衛兵さんが挨拶してくれる。
冒険者として外に出ているが、俺の事は上から聞いていたようで、いつも挨拶をしてくれる気さくな衛兵さんだ。
「衛兵さん! え、えっと、赤い髪の女の人見ていませんか!?」
「ん? 赤い髪の女の人? そりゃ――――沢山見てるし、君の隣にもいるだろう?」
衛兵さんが指差した所には赤い髪を持つ女の人が沢山見える。
そうだった……異世界だからなのか、カラフルな髪色の人が多いから赤い髪は珍しくもなんともない。
「えっと、燃えるような赤い髪で……えっと…………」
「ふ~ん。もしかしてシャリーちゃんかい?」
「そうです! シャリーを知っているんですか?」
やれやれと呆れた顔をする衛兵さん。
「そもそも最初にアルマくんを通した時に一緒にいたのがシャリーちゃんだろう? 彼女は元々有名な冒険者だし、可愛いし愛想も良いから好感が高いんだよ。名前くらい知っている衛兵も多いぞ? それはそうと、シャリーちゃんなら今日は見かけていないから、外には出てないぞ?」
え!? 王都を出たんじゃないのか!?
「ん? シャリーちゃんですか?」
今度は後ろからもう一人の衛兵さんが反応する。
「そうそう。アルマくんがシャリーちゃんを探しているみたいでさ」
「あ~シャリーちゃんでしたら、さっき向こうの公園に座ってましたよ。顔は見てないですけど、あの出で立ちは間違いなくシャリーちゃんですね! 僕の美人レーダーがびんびん反応してましたから」
「お前な……はぁ…………そんなんだから嫁さんができないんだよ」
「仕方ないじゃないっすか。僕のレーダーに美人さんが引っかかるからっすよ」
「あ、あの! すいません! ちょっと先を急いでいるので! ありがとうございます!」
衛兵さん達が話しているのを待てずに走り出した。
後ろから衛兵さんが「頑張れよ~」と言ってくれる声が聞こえる。
また走り抜けて、若い衛兵さんが指差した場所に向かって走る。
真っすぐ道を走り抜けると、大きな公園が現れる。
ここはたしか…………恋人たちがやってくる公園だと、以前シャリーが言っていたっけ。
俺には関係のない場所だなと忘れているくらいだ。
中に入っていくと、どこか懐かしい気配を感じられる。まだ三日しか離れていないのに、懐かしいと思うくらいには、彼女との時間は短くても深いモノであったのは間違いない。
「シャリー」
声を掛ける。彼女は驚いた表情でこちらを見つめた。その瞳にはうっすらと涙が浮かんでいて、目の下は真っ赤に晴れている。
「アルマ……くん……? ど、どうして…………?」
「ずっと探してたよ。最後の挨拶に行ったら、エマちゃんから手紙を渡されたからね」
「あ…………そ、そっか………………」
「隣、座っていい?」
「う、うん……」
少し不安がる彼女の隣に座り込む。
手を伸ばせば届く距離。彼女の息の音が聞こえる距離。三日ぶりに感じるシャリーの音や匂いに安心して胸をなでおろす。
「ねえ。シャリー」
「う、うん?」
「どうして王都を出ようとしてたんだ?」
エマちゃんから渡された手紙の中身を彼女に聞く。理由も書かれていたのに、ずるい質問だと思う。でも、本人から直接ちゃんと聞きたい。
「それは……………………辛いの。王都で生きるのが……あの部屋にいるのが辛いの」
「辛い? どうして?」
「…………」
彼女が左手を伸ばして俺の肩の裾を握りしめる。
見つめ合った彼女は今にも大泣きしそうな表情で俺を見つめていた。
「自分でも驚くくらい……アルマくんがいない部屋は寂しくて…………一人になった部屋にいるだけで怖くて……アルマくんが私の中でどんどん大きくなって…………」
「シャリー……」
「でも、私ではアルマくんには釣り合わないのも分かるし……わがままを言えば優しい君は必ず聞いてくれると思って…………だから、君から離れないと辛くて、どうしていいか分からなくて…………」
俺は一つ勘違いをしていた。
前世で俺は何度も恋愛を経験している。いや、恋愛と呼べるものではない。けれど、何度もそういうシチュエーションに陥って、でも家や会社の事で全て自分から拒否して、恋愛から目を向けていた。
『好き』というピュアな気持ちを抱いたのはいつだろう。
中学生の頃、一度も話したこともない隣クラスの美少女に恋したことがある。目が合うだけで胸が張り裂けそうになって、美少女と付き合う自分を想像してニヤけた時もあった。
でも数年後彼女が他の男とキスをする場面を見て、それは幻想でこれが現実なんだなと引き戻された。
あれから僕は恋や恋愛、好きという気持ちから目を背けていた。
シャリーは、一族の村を出て王都で神獣朱雀と会うその日まで冒険者として活動していたが、まだ若い女の子だ。
俺は前世の分があるが、彼女にはそういう経験はない。まだ十五歳の可愛らしい女の子だ。
いくら異世界の精神的な成熟が早いと言っても、彼女は男性と一緒に過ごした時間は殆どないはずだ。
何人もの人が恋という気持ちで傷ついてきたのを見て来た。
俺は異世界に転生して母さんに出会って愛を知った。
愛と恋は違う。でも、違うけど、似てる部分も多い。
だからこそ、今の彼女を見捨てる事がどうしてもできない。俺のわがままかも知れない。
でも、ずるい言い方かも知れないけど、彼女が俺の隣に居たいというなら、リアちゃんのように、俺の隣に居て欲しいと思う。
「シャリー。俺はこれから世界を歩いて回ろうと思う。これは母さんの願いでもあった。だから何よりもそれを優先したい。だから同じ場所に居座る事もしないし、毎日命がけの旅にもなるし、出会った人達とも別れていく。それでも――――」
「い”き”た”い”わ”た”し”も”い”っ”し”ょ”に”い”き”た”い”」
ボロボロになる程に泣きながら俺の言葉を最後まで聞く事なく彼女はそう答えた。
まだ俺の心は俺でもよくわからない。
シャリーの事が好きなのか? と聞かれれば、はい。と答えるだろう。でもそれが『恋』なのか、はたまた違う感情なのかは今の俺には分からない。
母さんが世界を回って、その目で見て、その足で歩いて欲しいと言った。
だから、これからシャリーと一緒に旅をしながら、その答えを見つけたいと思う。
「ほら、シャリー。せっかく可愛い顔がとんでもない顔になっているよ? ほら、ハンカチ」
「あ”る”ま”ぁ”く”ん”ん”ん”ん”」
せっかくの美少女が顔全体が崩れて涙と鼻水だらけの顔が凄い形相になっている。
でも、どうしてだろう。そんな彼女がとても愛おしく見えた。
目指す場所は――――王都の玄関口だ。
王都の街並みが流れ、多くの人々を避けながら走っていく。
手紙の中に書かれている事に心臓が痛くなる程に跳ね上がる。
どうして俺は気づかなかったのだろうか。
いや、気づかないわけじゃなくて、ただ目を背けていただけだ。
だから俺は必死に走り続けた。
玄関口に辿り着いて、少しあがった息を整えながら周りを見回す。
「ん? アルマくんじゃないか」
最近仲良くなった衛兵さんが挨拶してくれる。
冒険者として外に出ているが、俺の事は上から聞いていたようで、いつも挨拶をしてくれる気さくな衛兵さんだ。
「衛兵さん! え、えっと、赤い髪の女の人見ていませんか!?」
「ん? 赤い髪の女の人? そりゃ――――沢山見てるし、君の隣にもいるだろう?」
衛兵さんが指差した所には赤い髪を持つ女の人が沢山見える。
そうだった……異世界だからなのか、カラフルな髪色の人が多いから赤い髪は珍しくもなんともない。
「えっと、燃えるような赤い髪で……えっと…………」
「ふ~ん。もしかしてシャリーちゃんかい?」
「そうです! シャリーを知っているんですか?」
やれやれと呆れた顔をする衛兵さん。
「そもそも最初にアルマくんを通した時に一緒にいたのがシャリーちゃんだろう? 彼女は元々有名な冒険者だし、可愛いし愛想も良いから好感が高いんだよ。名前くらい知っている衛兵も多いぞ? それはそうと、シャリーちゃんなら今日は見かけていないから、外には出てないぞ?」
え!? 王都を出たんじゃないのか!?
「ん? シャリーちゃんですか?」
今度は後ろからもう一人の衛兵さんが反応する。
「そうそう。アルマくんがシャリーちゃんを探しているみたいでさ」
「あ~シャリーちゃんでしたら、さっき向こうの公園に座ってましたよ。顔は見てないですけど、あの出で立ちは間違いなくシャリーちゃんですね! 僕の美人レーダーがびんびん反応してましたから」
「お前な……はぁ…………そんなんだから嫁さんができないんだよ」
「仕方ないじゃないっすか。僕のレーダーに美人さんが引っかかるからっすよ」
「あ、あの! すいません! ちょっと先を急いでいるので! ありがとうございます!」
衛兵さん達が話しているのを待てずに走り出した。
後ろから衛兵さんが「頑張れよ~」と言ってくれる声が聞こえる。
また走り抜けて、若い衛兵さんが指差した場所に向かって走る。
真っすぐ道を走り抜けると、大きな公園が現れる。
ここはたしか…………恋人たちがやってくる公園だと、以前シャリーが言っていたっけ。
俺には関係のない場所だなと忘れているくらいだ。
中に入っていくと、どこか懐かしい気配を感じられる。まだ三日しか離れていないのに、懐かしいと思うくらいには、彼女との時間は短くても深いモノであったのは間違いない。
「シャリー」
声を掛ける。彼女は驚いた表情でこちらを見つめた。その瞳にはうっすらと涙が浮かんでいて、目の下は真っ赤に晴れている。
「アルマ……くん……? ど、どうして…………?」
「ずっと探してたよ。最後の挨拶に行ったら、エマちゃんから手紙を渡されたからね」
「あ…………そ、そっか………………」
「隣、座っていい?」
「う、うん……」
少し不安がる彼女の隣に座り込む。
手を伸ばせば届く距離。彼女の息の音が聞こえる距離。三日ぶりに感じるシャリーの音や匂いに安心して胸をなでおろす。
「ねえ。シャリー」
「う、うん?」
「どうして王都を出ようとしてたんだ?」
エマちゃんから渡された手紙の中身を彼女に聞く。理由も書かれていたのに、ずるい質問だと思う。でも、本人から直接ちゃんと聞きたい。
「それは……………………辛いの。王都で生きるのが……あの部屋にいるのが辛いの」
「辛い? どうして?」
「…………」
彼女が左手を伸ばして俺の肩の裾を握りしめる。
見つめ合った彼女は今にも大泣きしそうな表情で俺を見つめていた。
「自分でも驚くくらい……アルマくんがいない部屋は寂しくて…………一人になった部屋にいるだけで怖くて……アルマくんが私の中でどんどん大きくなって…………」
「シャリー……」
「でも、私ではアルマくんには釣り合わないのも分かるし……わがままを言えば優しい君は必ず聞いてくれると思って…………だから、君から離れないと辛くて、どうしていいか分からなくて…………」
俺は一つ勘違いをしていた。
前世で俺は何度も恋愛を経験している。いや、恋愛と呼べるものではない。けれど、何度もそういうシチュエーションに陥って、でも家や会社の事で全て自分から拒否して、恋愛から目を向けていた。
『好き』というピュアな気持ちを抱いたのはいつだろう。
中学生の頃、一度も話したこともない隣クラスの美少女に恋したことがある。目が合うだけで胸が張り裂けそうになって、美少女と付き合う自分を想像してニヤけた時もあった。
でも数年後彼女が他の男とキスをする場面を見て、それは幻想でこれが現実なんだなと引き戻された。
あれから僕は恋や恋愛、好きという気持ちから目を背けていた。
シャリーは、一族の村を出て王都で神獣朱雀と会うその日まで冒険者として活動していたが、まだ若い女の子だ。
俺は前世の分があるが、彼女にはそういう経験はない。まだ十五歳の可愛らしい女の子だ。
いくら異世界の精神的な成熟が早いと言っても、彼女は男性と一緒に過ごした時間は殆どないはずだ。
何人もの人が恋という気持ちで傷ついてきたのを見て来た。
俺は異世界に転生して母さんに出会って愛を知った。
愛と恋は違う。でも、違うけど、似てる部分も多い。
だからこそ、今の彼女を見捨てる事がどうしてもできない。俺のわがままかも知れない。
でも、ずるい言い方かも知れないけど、彼女が俺の隣に居たいというなら、リアちゃんのように、俺の隣に居て欲しいと思う。
「シャリー。俺はこれから世界を歩いて回ろうと思う。これは母さんの願いでもあった。だから何よりもそれを優先したい。だから同じ場所に居座る事もしないし、毎日命がけの旅にもなるし、出会った人達とも別れていく。それでも――――」
「い”き”た”い”わ”た”し”も”い”っ”し”ょ”に”い”き”た”い”」
ボロボロになる程に泣きながら俺の言葉を最後まで聞く事なく彼女はそう答えた。
まだ俺の心は俺でもよくわからない。
シャリーの事が好きなのか? と聞かれれば、はい。と答えるだろう。でもそれが『恋』なのか、はたまた違う感情なのかは今の俺には分からない。
母さんが世界を回って、その目で見て、その足で歩いて欲しいと言った。
だから、これからシャリーと一緒に旅をしながら、その答えを見つけたいと思う。
「ほら、シャリー。せっかく可愛い顔がとんでもない顔になっているよ? ほら、ハンカチ」
「あ”る”ま”ぁ”く”ん”ん”ん”ん”」
せっかくの美少女が顔全体が崩れて涙と鼻水だらけの顔が凄い形相になっている。
でも、どうしてだろう。そんな彼女がとても愛おしく見えた。
39
あなたにおすすめの小説
【一秒クッキング】追放された転生人は最強スキルより食にしか興味がないようです~元婚約者と子犬と獣人族母娘との旅~
御峰。
ファンタジー
転生を果たした主人公ノアは剣士家系の子爵家三男として生まれる。
十歳に開花するはずの才能だが、ノアは生まれてすぐに才能【アプリ】を開花していた。
剣士家系の家に嫌気がさしていた主人公は、剣士系のアプリではなく【一秒クッキング】をインストールし、好きな食べ物を食べ歩くと決意する。
十歳に才能なしと判断され婚約破棄されたが、元婚約者セレナも才能【暴食】を開花させて、実家から煙たがれるようになった。
紆余曲折から二人は再び出会い、休息日を一緒に過ごすようになる。
十二歳になり成人となったノアは晴れて(?)実家から追放され家を出ることになった。
自由の身となったノアと家出元婚約者セレナと可愛らしい子犬は世界を歩き回りながら、美味しいご飯を食べまくる旅を始める。
その旅はやがて色んな国の色んな事件に巻き込まれるのだが、この物語はまだ始まったばかりだ。
※ファンタジーカップ用に書き下ろし作品となります。アルファポリス優先投稿となっております。
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
【完結】スキルを作って習得!僕の趣味になりました
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》 どんなスキル持ちかによって、人生が決まる。生まれ持ったスキルは、12歳過ぎから鑑定で見えるようになる。ロマドは、4度目の15歳の歳の鑑定で、『スキル錬金』という優秀なスキルだと鑑定され……たと思ったが、錬金とつくが熟練度が上がらない!結局、使えないスキルとして一般スキル扱いとなってしまった。
どうやったら熟練度が上がるんだと思っていたところで、熟練度の上げ方を発見!
スキルの扱いを錬金にしてもらおうとするも却下された為、仕方なくあきらめた。だが、ふと「作成条件」という文字が目の前に見えて、その条件を達してみると、新しいスキルをゲットした!
天然ロマドと、タメで先輩のユイジュの突っ込みと、チェトの可愛さ(ロマドの主観)で織りなす、スキルと笑いのアドベンチャー。
A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる
国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。
持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。
これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。
七億円当たったので異世界買ってみた!
コンビニ
ファンタジー
三十四歳、独身、家電量販店勤務の平凡な俺。
ある日、スポーツくじで7億円を当てた──と思ったら、突如現れた“自称・神様”に言われた。
「異世界を買ってみないか?」
そんなわけで購入した異世界は、荒れ果てて疫病まみれ、赤字経営まっしぐら。
でも天使の助けを借りて、街づくり・人材スカウト・ダンジョン建設に挑む日々が始まった。
一方、現実世界でもスローライフと東北の田舎に引っ越してみたが、近所の小学生に絡まれたり、ドタバタに巻き込まれていく。
異世界と現実を往復しながら、癒やされて、ときどき婚活。
チートはないけど、地に足つけたスローライフ(たまに労働)を始めます。
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件
言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」
──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。
だが彼は思った。
「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」
そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら……
気づけば村が巨大都市になっていた。
農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。
「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」
一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前!
慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが……
「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」
もはや世界最強の領主となったレオンは、
「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、
今日ものんびり温泉につかるのだった。
ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!
ギルドの小さな看板娘さん~実はモンスターを完全回避できちゃいます。夢はたくさんのもふもふ幻獣と暮らすことです~
うみ
ファンタジー
「魔法のリンゴあります! いかがですか!」
探索者ギルドで満面の笑みを浮かべ、元気よく魔法のリンゴを売る幼い少女チハル。
探索者たちから可愛がられ、魔法のリンゴは毎日完売御礼!
単に彼女が愛らしいから売り切れているわけではなく、魔法のリンゴはなかなかのものなのだ。
そんな彼女には「夜」の仕事もあった。それは、迷宮で迷子になった探索者をこっそり助け出すこと。
小さな彼女には秘密があった。
彼女の奏でる「魔曲」を聞いたモンスターは借りてきた猫のように大人しくなる。
魔曲の力で彼女は安全に探索者を救い出すことができるのだ。
そんな彼女の夢は「魔晶石」を集め、幻獣を喚び一緒に暮らすこと。
たくさんのもふもふ幻獣と暮らすことを夢見て今日もチハルは「魔法のリンゴ」を売りに行く。
実は彼女は人間ではなく――その正体は。
チハルを中心としたほのぼの、柔らかなおはなしをどうぞお楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる