能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました

御峰。

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四章

第80話 勇者の完敗ですか?

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「ぐはっ……た、助かっ……た……ぐはっ……」

 勇者は今にも死にそうな表情で床に転がっていた。

 初めての人には特に効き目がある地獄風呂は、大抵の人ならほぼ無効化出来るからね。

 しかし、このままではまだ勇者に勝ったと言えない。

 何故ならこの地獄風呂は慣れるとそうでもないのだ。

 匂いを我慢出来るようになれば、大した技ではなくなるからである。

 まぁ、慣れる前に精神的に崩壊しそうだけどね。


「勇者さん、これから僕の言う通りにして貰いますよ?」

「あ、ああ! な、何でも言ってくれ!」

「何でも……と言いましたね! よし、ではそのを、向こうの野営地のゴミ捨て場・・・・・てて来てください」

「え? ゴミ捨て場……?」

「では、これから十数えますから、数えるまで捨てな――――あんなに走る元気あったんだね」

 顔色をますます悪くした勇者が全力疾走で野営地に向かって走り去った。


 アイリスと聖女の戦いは相変わらず頓着状態だった。

 殴る蹴るの聖女と、黒ドレスから色んな武器が生えているアイリスの攻防が続いている。

 聖女はともかく、アイリスはどこか楽しそう。

 あんなに同じくらいの実力の人と戦えるチャンスは中々ないからね。

 それにしても……アイリスがここまで強くなっているなんて、意外というか……。

 もう平和だというのに、ずっと戦いたがっていたものね。

 やっぱりアイリスは普段から色々溜まっているのかな?


 アイリス達の戦いを眺めていると、向こうから勇者が全力疾走で帰って来た。

「け、剣を捨て・・て来ました!」

 本当に捨てて来たのね……。

 まあ、そうしてくれないと地獄風呂を掛け続けなくちゃいけないから、僕としても心が痛……くはないか。

「スキル! ゴミ収集!!」

 僕の叫びに、戦っていたアイリス達も戦いを辞め、僕を見つめた。

「え? アレク? 何で、ここでゴミ超収集なの?」

 アイリスが不思議そうに見つめていた。

 それもそうよね。

 戦いの途中でゴミ超収集なんて叫んだら、あいつは一体なにしてるんだと思われるよね。

 後ろのソファーに優雅に座っているヘルドさんがクックックッって笑っている。


 ――――そして、

 僕のゴミ箱の中に、例のモノがしっかい収集された事を確認した。

 ちゃんと、『ゴミ』扱いになっていて良かったよ。



 - 能力『ゴミ箱』のレベルが上がりました。-

 - 能力『ゴミ箱』のレベル10により、秘儀『ゴミの祝福』を獲得しました。-

〈ステータス〉――――――――

 能力 - ゴミ箱lv10

 体力 - S
 魔力 - S
 力 - S
 素早さ - S
 精神力 - X
 運 - X

 [スキル]
 ゴミ収集(強化)
 ゴミ超収集
 クリーン
 ゴミ召喚(強化+特殊強化)
 ゴミ圧縮

 [奥義]
 ゴミのリサイクル

 [秘儀]
 ゴミの祝福

―――――――――――――――



 へ!?

 レベルが上がった!?

 確か、レベル九から十に上がるには、特定の条件を満たす必要があったはず。

 条件は人によって違うから、一生上がれない人が大半という事だったんだけど……。

 僕にとっての『壁』って何だったんだろう?

 取り敢えず、『聖剣』をゴミ収集した事で上がったのを見ると、そういう条件だったのかも知れないね。

 …………これ、勇者があんなゴミ野郎じゃなかったら、一生レベル十に到達出来なかったかも知れないのか。

 意外と勇者には感謝しなくちゃいけないかもね。
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