便利すぎるチュートリアルスキルで異世界ぽよんぽよん生活

御峰。

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 次の日。
 早朝、僕はセレナさんやエレナちゃん、エルミナさんと共にユートピア号に乗り込み、帝都を目指した。
 エルミナさんは甲板から地平線の向こうに小さく見えている巨大な樹木を眺めていた。
 僕はというと、セレナさんと今回の一件をどう説明するか作戦を練り続けた。
 やがて帝都が見え、いつもユートピア号が着地する場所――――いわゆる空港へと降りた。
 すでに多くの人が出迎えてくれて、その中には笑顔のセレティアさんの姿もあった。
 ただ、こちらとしてはある意味では交渉になるため、少し緊張している。
 ユートピア号から下ろされた歩き橋を渡って地上に降りる。
「おかえりなさい。ワタルくん」
 いつもと変わらない彼女の対応に少し安心感を覚える。
「今日は重大な相談があって来ました」
 いつもなら「ただいま」と答えるけど……今日はそうはいかないから。
 セレティアさんの表情が僕の後ろに立つエルミナさんに向き、真剣な表情に変わった。
「わかりました。ではすぐに会談の場を設けましょう」
「お願いします。それと会談の時間まで一度店に向かいたいのですが」
「はい。ではそちらは近衛騎士が護衛いたしましょう」
 一瞬で察してくれたみたいで、セレティアさんは急ぎ足で城へ向かい、僕は近衛騎士と共に一度【ぽよんぽよんリラックス】の帝都支店へ向かった。
 支店に着いてすぐに行ったのは、エラシア国から担当になった魔族の従業員とスライム達を一か所に集めた。
 近衛騎士は一切口を出すことなく、こちらの一部始終をただ見守り続けていた。
 集められた従業員とスライム達を一度【拠点帰還】を使って屋敷へと移動させて僕は再度帝都支店へ戻る。
 屋敷では彼らへの説明のために事前に人を待たせている。今頃、説明を聞いているはずだ。
 僕が向こうに戻っている間、セレナさんから帝都支店の従業員達に軽く説明があったみたい。
 皆さん、とても心配そうな表情だ。
 でも、やはり従業員とスライムの安全を考えればこれが一番優先すべき選択だと思う。
 近衛騎士に終わったむねを伝えると、その足で僕達は城へと向かった。
 もし城でも何か起きた場合、いつでも【拠点帰還】で逃げられるように僕達は近くを歩いているし、コテツは僕達を守れるように誰よりも先を歩いている。
 会談の会場に入ると、座っていたセレティアさんに帝国の宰相様までもが立ち上がった。
「お待ちしておりました。ワタル様」
 ここに来た時は雰囲気が変わり、セレティアさんの表情も引き締まっているし、言い方も為政者そのものへと変わっている。
「本日は時間を作って頂きありがとうございます。セレティア様。宰相様」
 挨拶が終わり、お互いに向き合う形で座った。
「先日、南部にあるボロモロシア大荒野への立ち入りの件、ありがとうございました。おかげで大荒野に住む多くの部族と話し合うことができました。その際にとある事情でドワーフ族を訪れたところ、帝国の貴族によって買いたたかれている現場を目撃しました」
 セレティアさんが宰相様に何か耳打ちをすると、宰相様は首を横に振った。
「失礼しました。続けてください」
「はい。そのまま買いたたかれている理由を調べるために潜入させていただきました。結果、その貴族は亜人族を拉致し、帝国の貴族へ売り払っているのを見つけました」
「っ……」
「ワタル殿。貴殿の発言がどれ程大きなものなのかは理解していると思うので、確認のために……その証拠を提示してもらえるかね?」
「ここにはありません。オルゲン子爵の屋敷にある塔の地下に捕まっていたのが、こちらのエルフ族のエルミナさんです」
 二人の視線がエルミナさんに向けられた。
「初めまして。エルミナと申します。ワタルくんが言っていることは全て事実です。捕まっていた多くの亜人族も今は【ぽよんぽよんリラックス】で匿ってもらってます。ドワーフ族が安い金額で買いたたかれていたのも、ドワーフ族の女性が拉致されていたと兵士が言っていたのを聞いています」
 セレティアさんがその場から立ち上がり、机に置いた拳を震わせた。
「高名なエルフ族が嘘を言っているとは思えません」
「姫。落ち着いてください。感情的になっては、事実を見極めるのは難しいです」
「……し、失礼しました」
「エルミナ殿。貴重な証言、痛み入ります。ですが……我らの情報ではエルミナ殿は……アルフヘイムから追放されていると聞いておりますが」
 あれ……? どうしてエルミナさんが追放されているのを宰相様が知っているんだろう?
「はい。その通りです。ですが、追放されたとしても私はエルフであることに誇りを持っております。一時期は自暴自棄にもなっておりましたが……ワタルくんやエレナちゃんの……誰かを守りたい想いを応援したくなりました。私は決して嘘偽りは申しません。エルフとして生まれ、大空の女神ディオネ様の信徒に懸けて」
「さようでございますか。ではこちらも今の話をまとめ、陛下に報告し、迅速に対応させていただきます。その間、ワタル殿。申し訳ありませんが、帝国に残って頂きたい。一度他の者を帰してからでも構いません」
「わかりました。僕もできるだけ協力致します。帝国の寛大な処置を期待しております」
 宰相様は大きく頷いた。
 会談は速やかに終わり、セレティアさんが僕に何かを伝えようとした際には宰相様に止められていた。
 きっと……私情が少しでも入ることは望ましくないのだろう。
 僕は一度エレナちゃんやエルミナさんをシェーン街に帰還させ、コテツとフウちゃんと三人で帝都に残った。
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みんなの感想(73件)

テオリア
2025.04.23 テオリア

読み始めて間もないですが、明らかに戦力外な幼女を連れて、大人が団体でも苦戦するはずのボア討伐とか、自然を舐めきってませんか?

解除
k
2024.07.20 k

戦場にいたのはステラさんじゃないですか?
セレナさんになってますよ。

エレナちゃんがガイア様に会わせて~、という場面では、会いたいのはセレナさんとなってるけど、本来はステラさんではないですか?

セレナさんはオーナー代理
ステラさんは聖女でしょ?

人物名の誤字はよろしくないと思います。

解除
k
2024.07.20 k

164話、玉座に座った魔王様、幹部への声掛けは威厳ある言葉使いだったけど、最初の『みんなの者。』とあったけど「皆の者。」の方がより威厳があると思います。

なんかいつも通り、ユルいのか引き締まってるのかわからないセリフでしたから変えた方がいいと思います。

解除

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