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「おかえり……って、ずいぶんと連れが多いのね?」
「うわああっ!? エヴァさん!?」
帰った目の前には、ムッとしたエヴァさんが腕を組んで目の前に立っていた。
「エヴァお姉ちゃん~! ただいま!」
「エレナちゃんもおかえり。さて、話をじっくり聞かせてもらえるかしら?」
「はい。でもその前にこちらの方々を安心できる場所に――――」
エヴァさんが手を上げる。
同時に外からスライム達が一気に雪崩れ込んだ。
「みんな!?」
スライム達が僕やエレナちゃん、エヴァさんだけでなく、女性達にも抱き着いた。
最初こそ驚いていた彼女達だけど、すぐにスライム達のぷにぷにさと優しさに緊張感が溶けたようだ。
「これで大丈夫でしょう?」
「エヴァさん……はい!」
事情を一目で判断したのはさすがエヴァさんだ。
それから僕はエヴァさんに全ての事情を余すことなく全て伝えた。
一緒に連れてきたバラントは捕虜として捕まえたけど、待遇は丁寧に扱うことが決まった。
報告が終わり、バラントが連れて行かれたタイミングでセレナさんがやってきた。
「オーナー。ご無事で何よりです」
「ただいま。セレナさん。早速お願いがあるんです」
「何でも仰ってください」
「こちらの皆さんを【ぽよんぽよんリラックス】で生活も含めてお守りして欲しいんです」
セレナさんはリビングでスライム達とくつろいでいる彼女達を眺めた。
「かしこまりました。ただ……大変申し訳ございませんが、こちらの方だけはオーナーが直接関われた方がいいと思います」
セレナさんが指すのは、他でもなくエルフの女性だ。
「どうしてですか?」
「エルフ族は大陸でも最も絆の深い種族であり、崇高な種族とされております。仮に【ぽよんぽよんリラックス】で保護した際、魔族の国と関りがある店ということもあり、かのアルフヘイムとエラシアの関係にヒビが入る可能性がございます」
「なるほど……だから僕個人で関わった方がいいんですね?」
「その通りです」
「わかりました。では彼女は僕が何とかします」
「何か必要なものがありましたら何でも仰ってください」
「はい。それと明日の早朝、帝都に向かいます」
「その手はずも整えておきます」
セレナさんはテキパキと女性達を連れて家を後にした。
エヴァさんも帰って、家には僕とエレナちゃん、エルフさんだけが残った。
「えっと、改めまして、僕はワタルと言います」
「私はエレナだよ~」
「こちらは僕の家族のコテツとフウちゃん、ムイちゃんです」
ムイちゃんも心配しているみたいで僕に体を摺り寄せている。
エルフさんは穏やかな笑みを浮かべた。
地下は暗くてロウソクの光しかなかったからはっきりと見えなかったけど、エルフさんは絵から出てきたような美しさだ。
ガイア様みたいな女神様らしさとはまた違う、独特な神々しさがある。
金色の長い髪からひょっこりと出た耳がエルフ族らしさだ。
「私はエルミナ。エルフ族の……」
彼女はとても悲しそうな表情を浮かべた。
「エルフ族の……追放者なの」
「追放者!?」
「ええ。アルフヘイムでいろいろあって、私はもうアルフヘイムに入ることは許されていないわ。エルフ族は掟に厳しい種族で、一度追放になった者は二度と……」
「掟……っ……」
まただ。
どうしてなんだろう。
掟やルールはとても大切だ。
でもそれはみんなを守るためのものじゃないのか?
こうして……酷く悲しそうな彼女を守ってあげるような……そんな掟が必要なんじゃないのか?
「アルフヘイムのことを知りたいと言っていたけど、私はあまり力になれそうにないわ。ごめんなさい」
「いえ。アルフヘイムのことはすでに協力してくださる方々がいますから。それよりも、エルフ族について教えていただけませんか?」
「えっと……いいわよ」
と、そのとき、後ろからぐ~と腹の音が聞こえてきた。
「ワタル~お腹空いたよ~」
「あっ。もうそんな時間だった。先に食事にしようか」
「うん! エルミナお姉ちゃんも一緒に行こう~」
「わ、私も?」
「うん! お母さん、すごく料理が上手なんだ!」
「そう……ええ。わかったわ。お邪魔するわ」
「わ~い!」
天真爛漫なエレナちゃんに、エルミナさんもどこか安心したようだ。
それからエリアナさんのところにお邪魔して、ご馳走になりながらエヴァさんに伝えたことを同じく伝えた。
その日の夜。
リビングでくつろいでいると、奥からムイちゃんを抱っこしたエルミナさんがやってきた。
「お風呂、とても気持ち良かったわ」
スライム達の間を慎重に進んできたエルミナさんは、何の躊躇もなく僕の隣に座った。
ムイちゃんがフウちゃんに体を寄せて、二人で気持ちよさそうにコロコロと転がる。
他のスライム達にぶつかる度に、ぽよ~んと気持ちいい音を響かせた。
「ふふっ。みんなとても仲がいいのね」
最初こそどこか戸惑っていて心からの笑顔は見せていなかったけど、ようやくエルミナさんの顔にも心からの笑顔が見れた気がした。
「それにしても、ワタルくんがあんなにすごい人だなんて思わなかったよ」
「あはは……僕はそれほどじゃないですよ? 全部スライム達が頑張ってくれたおかげなんです」
エリアナさんのところでご馳走になった後、【ぽよんぽよんリラックス】に皆さんの様子を見に行った時のことを指しているみたいだ。
「エヴァ様といえば、魔族の国の魔王様。あんなすごい方と普通に話せるし」
「とても優しい方なんですよ?」
「そうだったわね。てっきり悪逆非道な魔王かと思ったけど……やっぱり、ちゃんと自分の目で見て耳で聞かないとわからないことが多いわ」
「そうですね。明日、帝国にエルミナさん達のことを伝えようと思ってます」
「そう……」
「帝国の貴族全員が悪い人じゃないと思います。中でも帝王様はとても規律を重んじていて、他種族に対しても優しくあろうとしてる方なんです。きっと良い方にいくと思います」
「……ふふっ。ワタルくんがそう言うと本当にそうなりそう。ええ。私に何か力になることがあれば、何でも言ってね」
「はい! とても心強いです」
「私が……?」
「はい。エルミナさんは自分よりもみんなのために誰よりも勇気を振り絞ってました。そんなエルミナさんが協力してくださるなら、百人力です」
「ふふっ。そう言ってもらえると嬉しいわ」
「今日は疲れているでしょうし、もう休みましょう。エルミナさんの寝床はあの部屋を使ってください。それとスライム達が邪魔でしたら」
「邪魔じゃないわ」
エルミナさんの言葉に、誰よりもフウちゃんと一緒に転がっていたムイちゃんが喜んだ。
彼女にダイブしたムイちゃんはとても幸せそうだ。
他のスライム達もムイちゃんと一緒にエルミナさんと部屋へと入っていく。
僕もフウちゃんとスライム達と共に寝室に入り、眠りについた。
「うわああっ!? エヴァさん!?」
帰った目の前には、ムッとしたエヴァさんが腕を組んで目の前に立っていた。
「エヴァお姉ちゃん~! ただいま!」
「エレナちゃんもおかえり。さて、話をじっくり聞かせてもらえるかしら?」
「はい。でもその前にこちらの方々を安心できる場所に――――」
エヴァさんが手を上げる。
同時に外からスライム達が一気に雪崩れ込んだ。
「みんな!?」
スライム達が僕やエレナちゃん、エヴァさんだけでなく、女性達にも抱き着いた。
最初こそ驚いていた彼女達だけど、すぐにスライム達のぷにぷにさと優しさに緊張感が溶けたようだ。
「これで大丈夫でしょう?」
「エヴァさん……はい!」
事情を一目で判断したのはさすがエヴァさんだ。
それから僕はエヴァさんに全ての事情を余すことなく全て伝えた。
一緒に連れてきたバラントは捕虜として捕まえたけど、待遇は丁寧に扱うことが決まった。
報告が終わり、バラントが連れて行かれたタイミングでセレナさんがやってきた。
「オーナー。ご無事で何よりです」
「ただいま。セレナさん。早速お願いがあるんです」
「何でも仰ってください」
「こちらの皆さんを【ぽよんぽよんリラックス】で生活も含めてお守りして欲しいんです」
セレナさんはリビングでスライム達とくつろいでいる彼女達を眺めた。
「かしこまりました。ただ……大変申し訳ございませんが、こちらの方だけはオーナーが直接関われた方がいいと思います」
セレナさんが指すのは、他でもなくエルフの女性だ。
「どうしてですか?」
「エルフ族は大陸でも最も絆の深い種族であり、崇高な種族とされております。仮に【ぽよんぽよんリラックス】で保護した際、魔族の国と関りがある店ということもあり、かのアルフヘイムとエラシアの関係にヒビが入る可能性がございます」
「なるほど……だから僕個人で関わった方がいいんですね?」
「その通りです」
「わかりました。では彼女は僕が何とかします」
「何か必要なものがありましたら何でも仰ってください」
「はい。それと明日の早朝、帝都に向かいます」
「その手はずも整えておきます」
セレナさんはテキパキと女性達を連れて家を後にした。
エヴァさんも帰って、家には僕とエレナちゃん、エルフさんだけが残った。
「えっと、改めまして、僕はワタルと言います」
「私はエレナだよ~」
「こちらは僕の家族のコテツとフウちゃん、ムイちゃんです」
ムイちゃんも心配しているみたいで僕に体を摺り寄せている。
エルフさんは穏やかな笑みを浮かべた。
地下は暗くてロウソクの光しかなかったからはっきりと見えなかったけど、エルフさんは絵から出てきたような美しさだ。
ガイア様みたいな女神様らしさとはまた違う、独特な神々しさがある。
金色の長い髪からひょっこりと出た耳がエルフ族らしさだ。
「私はエルミナ。エルフ族の……」
彼女はとても悲しそうな表情を浮かべた。
「エルフ族の……追放者なの」
「追放者!?」
「ええ。アルフヘイムでいろいろあって、私はもうアルフヘイムに入ることは許されていないわ。エルフ族は掟に厳しい種族で、一度追放になった者は二度と……」
「掟……っ……」
まただ。
どうしてなんだろう。
掟やルールはとても大切だ。
でもそれはみんなを守るためのものじゃないのか?
こうして……酷く悲しそうな彼女を守ってあげるような……そんな掟が必要なんじゃないのか?
「アルフヘイムのことを知りたいと言っていたけど、私はあまり力になれそうにないわ。ごめんなさい」
「いえ。アルフヘイムのことはすでに協力してくださる方々がいますから。それよりも、エルフ族について教えていただけませんか?」
「えっと……いいわよ」
と、そのとき、後ろからぐ~と腹の音が聞こえてきた。
「ワタル~お腹空いたよ~」
「あっ。もうそんな時間だった。先に食事にしようか」
「うん! エルミナお姉ちゃんも一緒に行こう~」
「わ、私も?」
「うん! お母さん、すごく料理が上手なんだ!」
「そう……ええ。わかったわ。お邪魔するわ」
「わ~い!」
天真爛漫なエレナちゃんに、エルミナさんもどこか安心したようだ。
それからエリアナさんのところにお邪魔して、ご馳走になりながらエヴァさんに伝えたことを同じく伝えた。
その日の夜。
リビングでくつろいでいると、奥からムイちゃんを抱っこしたエルミナさんがやってきた。
「お風呂、とても気持ち良かったわ」
スライム達の間を慎重に進んできたエルミナさんは、何の躊躇もなく僕の隣に座った。
ムイちゃんがフウちゃんに体を寄せて、二人で気持ちよさそうにコロコロと転がる。
他のスライム達にぶつかる度に、ぽよ~んと気持ちいい音を響かせた。
「ふふっ。みんなとても仲がいいのね」
最初こそどこか戸惑っていて心からの笑顔は見せていなかったけど、ようやくエルミナさんの顔にも心からの笑顔が見れた気がした。
「それにしても、ワタルくんがあんなにすごい人だなんて思わなかったよ」
「あはは……僕はそれほどじゃないですよ? 全部スライム達が頑張ってくれたおかげなんです」
エリアナさんのところでご馳走になった後、【ぽよんぽよんリラックス】に皆さんの様子を見に行った時のことを指しているみたいだ。
「エヴァ様といえば、魔族の国の魔王様。あんなすごい方と普通に話せるし」
「とても優しい方なんですよ?」
「そうだったわね。てっきり悪逆非道な魔王かと思ったけど……やっぱり、ちゃんと自分の目で見て耳で聞かないとわからないことが多いわ」
「そうですね。明日、帝国にエルミナさん達のことを伝えようと思ってます」
「そう……」
「帝国の貴族全員が悪い人じゃないと思います。中でも帝王様はとても規律を重んじていて、他種族に対しても優しくあろうとしてる方なんです。きっと良い方にいくと思います」
「……ふふっ。ワタルくんがそう言うと本当にそうなりそう。ええ。私に何か力になることがあれば、何でも言ってね」
「はい! とても心強いです」
「私が……?」
「はい。エルミナさんは自分よりもみんなのために誰よりも勇気を振り絞ってました。そんなエルミナさんが協力してくださるなら、百人力です」
「ふふっ。そう言ってもらえると嬉しいわ」
「今日は疲れているでしょうし、もう休みましょう。エルミナさんの寝床はあの部屋を使ってください。それとスライム達が邪魔でしたら」
「邪魔じゃないわ」
エルミナさんの言葉に、誰よりもフウちゃんと一緒に転がっていたムイちゃんが喜んだ。
彼女にダイブしたムイちゃんはとても幸せそうだ。
他のスライム達もムイちゃんと一緒にエルミナさんと部屋へと入っていく。
僕もフウちゃんとスライム達と共に寝室に入り、眠りについた。
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