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10話 宿屋ホワイトテール
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「ここが宿屋【ホワイトテール】みたいだね」
入口の脇の看板に宿屋を表すお家みたいな形の看板に、白い馬の尻尾が描かれている。
ここが衛兵さんが教えてくれたおすすめの宿屋だ。
中に入るとすぐに「いらっしゃいませ~!」と看板娘さんが元気よく出迎えてくれた。
「こんばんは」
すっかり日が沈んで夕方になってしまった。
「あら、カップルさんですね」
「違います!」
「えっ?」
「あら?」
思わず反論してしまったけど、僕はセレナとの婚約が破棄された身だ。変な誤解を受けてしまうと彼女が可哀想だからね。
「え、えっと、部屋はいかがなさいますか?」
営業スマイルの看板娘さん。
「個室を二つお願いします」
看板娘さんがちらっとセレナを覗いてから台帳を覗き始めた。
「…………」
「…………」
「あ~! ごめんなさい! 残念ながら個室は全部埋まってまして、二人部屋が一つしか空いてないですね~この部屋も人気なのですぐに埋まってしまう可能性がありますがいかがなさいますか?」
「っ…………」
これは参った……。誰かに変な誤解をさせてしまったらどうしよう……。
「の、ノア? もう夜も遅いし……野宿じゃなくて……できれば部屋で泊まりたい……かな……って……」
「そ、そうだな」
令嬢として暖かい部屋で生活してきたセレナにとって、森での三日間の生活はしんどいものだったに違いない。
なのに僕はそれにも気づかず、変なことで戸惑ってしまった。
「その部屋でお願いします。いくらですか?」
「料金は前払いで、一泊大銅貨五枚になります」
前世の感覚だと一泊五千円換算だ。食費から見ると宿泊費はリーズナブルだ。
「はい。三日分払います。その、個室が二つ空いたらそちらに移動したいのでお願いします」
「分かりました! ですが、うちって冒険者さんがよく泊まるので長期滞在が多いんです~もしかしたら空かないかも知れません~」
「そ、そうですか。分かりました」
「朝食も夕飯も一階の食堂で、宿泊のお客様には格安で提供しています。ぜひご利用ください。ではこちらの三〇三号室になります。ごゆっくり~」
鍵を受け取り、階段を上がり三〇三号室に入った。
中はゴミ一つ見当たらない清潔な部屋だった。衛兵さんにおすすめされただけあって、とても良い宿屋だと分かる。
僕達がちゃんと約束を守ったから、親切に教えてもらえたのだ。
「あ、あの! ノア!」
「うん?」
「しゃ、シャワー……浴びてくる……ね?」
「ああ。いってらっしゃい」
セレナはコーンラビットがたくさん入ったリュックを置いて、もう一つの旅用鞄を持ってシャワー室に入っていった。
この世界では魔法と魔道具が発達していて、意外にもシャワーを浴びれたりするし、お湯が使えるので意外にもいい生活を送れたりする。
少しすると水が流れる音が聞こえた。
その間に僕は準備を進める。
部屋の中で焼肉を作ってもいいのだろうか? 一秒クッキングは料理を一秒で終わらせるスキルなので、完成した料理はもちろん通常通り香りが立つ。
持ち込み禁止とは言われていないし問題ないか。
皿を取り出して、部屋に付いている洗面台のところで皿を洗う。
その後、テーブルに乗せてコーンラビットを取り出す。
全部で七匹。今日の夕飯で、僕が一匹、ポンちゃんが二匹、セレナが四匹ってところだ。
シャワー室から出て来たセレナは寝間着のまま、少し恥ずかしそうに出てきた。
「おかえり。食事にしようか」
「う、うん……」
やっぱり、元気がない。お腹が空いたら我慢せずに言うようにと伝えているのに、ずっと我慢していたみたいだ。
「セレナ? お腹空いたらちゃんと言ってね?」
「…………」
彼女は小さく頷いてテーブルに座った。
早速コーンラビットを【一秒クッキング】で焼肉に変換させると、焼肉の美味しそうな匂いが部屋中に充満した。
「いただきます」「いただきます……」
『食べるニャ~!』
僕達はシーラー街に着いて初めての食事を堪能した。
入口の脇の看板に宿屋を表すお家みたいな形の看板に、白い馬の尻尾が描かれている。
ここが衛兵さんが教えてくれたおすすめの宿屋だ。
中に入るとすぐに「いらっしゃいませ~!」と看板娘さんが元気よく出迎えてくれた。
「こんばんは」
すっかり日が沈んで夕方になってしまった。
「あら、カップルさんですね」
「違います!」
「えっ?」
「あら?」
思わず反論してしまったけど、僕はセレナとの婚約が破棄された身だ。変な誤解を受けてしまうと彼女が可哀想だからね。
「え、えっと、部屋はいかがなさいますか?」
営業スマイルの看板娘さん。
「個室を二つお願いします」
看板娘さんがちらっとセレナを覗いてから台帳を覗き始めた。
「…………」
「…………」
「あ~! ごめんなさい! 残念ながら個室は全部埋まってまして、二人部屋が一つしか空いてないですね~この部屋も人気なのですぐに埋まってしまう可能性がありますがいかがなさいますか?」
「っ…………」
これは参った……。誰かに変な誤解をさせてしまったらどうしよう……。
「の、ノア? もう夜も遅いし……野宿じゃなくて……できれば部屋で泊まりたい……かな……って……」
「そ、そうだな」
令嬢として暖かい部屋で生活してきたセレナにとって、森での三日間の生活はしんどいものだったに違いない。
なのに僕はそれにも気づかず、変なことで戸惑ってしまった。
「その部屋でお願いします。いくらですか?」
「料金は前払いで、一泊大銅貨五枚になります」
前世の感覚だと一泊五千円換算だ。食費から見ると宿泊費はリーズナブルだ。
「はい。三日分払います。その、個室が二つ空いたらそちらに移動したいのでお願いします」
「分かりました! ですが、うちって冒険者さんがよく泊まるので長期滞在が多いんです~もしかしたら空かないかも知れません~」
「そ、そうですか。分かりました」
「朝食も夕飯も一階の食堂で、宿泊のお客様には格安で提供しています。ぜひご利用ください。ではこちらの三〇三号室になります。ごゆっくり~」
鍵を受け取り、階段を上がり三〇三号室に入った。
中はゴミ一つ見当たらない清潔な部屋だった。衛兵さんにおすすめされただけあって、とても良い宿屋だと分かる。
僕達がちゃんと約束を守ったから、親切に教えてもらえたのだ。
「あ、あの! ノア!」
「うん?」
「しゃ、シャワー……浴びてくる……ね?」
「ああ。いってらっしゃい」
セレナはコーンラビットがたくさん入ったリュックを置いて、もう一つの旅用鞄を持ってシャワー室に入っていった。
この世界では魔法と魔道具が発達していて、意外にもシャワーを浴びれたりするし、お湯が使えるので意外にもいい生活を送れたりする。
少しすると水が流れる音が聞こえた。
その間に僕は準備を進める。
部屋の中で焼肉を作ってもいいのだろうか? 一秒クッキングは料理を一秒で終わらせるスキルなので、完成した料理はもちろん通常通り香りが立つ。
持ち込み禁止とは言われていないし問題ないか。
皿を取り出して、部屋に付いている洗面台のところで皿を洗う。
その後、テーブルに乗せてコーンラビットを取り出す。
全部で七匹。今日の夕飯で、僕が一匹、ポンちゃんが二匹、セレナが四匹ってところだ。
シャワー室から出て来たセレナは寝間着のまま、少し恥ずかしそうに出てきた。
「おかえり。食事にしようか」
「う、うん……」
やっぱり、元気がない。お腹が空いたら我慢せずに言うようにと伝えているのに、ずっと我慢していたみたいだ。
「セレナ? お腹空いたらちゃんと言ってね?」
「…………」
彼女は小さく頷いてテーブルに座った。
早速コーンラビットを【一秒クッキング】で焼肉に変換させると、焼肉の美味しそうな匂いが部屋中に充満した。
「いただきます」「いただきます……」
『食べるニャ~!』
僕達はシーラー街に着いて初めての食事を堪能した。
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