10 / 62
9話 シーラー街
しおりを挟む
「広い~!」
「ポンちゃん。街では他人の物に手を出すと怖い衛兵さんに連れて行かれるから、食べたいものがあっても勝手に食べないでね」
ポンちゃんはすぐに落ち込んだように尻尾が垂れ下がった。
「それと威嚇したり物を壊したりしないでよ。じゃないと僕達が捕まってしまって旅ができないから。でもちゃんと二人のご飯は準備するから」
『分かったニャ! やっぱりノアはいいやつだニャ!』
「さて、何よりも先に冒険者ギルドに向かおうか」
世界で最も人数が多い職業でもある冒険者は、どの街でも冒険者ギルドが賑わっていたりする。才能がなくても簡単な依頼は受けられるからね。そういうのもあってどこも大通りに面しているか、中心広場に面していることが多い。
大通りを歩きながら冒険者ギルドを探す。
左右には料理屋から雑貨屋、鍛冶屋、色んなお店がずらりと並んでいて、セレナはずっとソワソワしながら色んな店に目移りしていた。
通り過ぎる人も多いので、しっかり手も繋いで大通りを進む。
大通りから中央広場に到着すると、その一角にひと際大きな建物が見え、その看板にでかでかと書かれていた。
「あそこが冒険者ギルドだね。入ろうか」
セレナとポンちゃんと共に中に入る。
扉は昔の西部劇に出て来そうなスイングドア風扉だった。
外から中が覗ける仕様なので、ぶつからずに済みそうだ。
扉を奥に押し込んで中に入ると、人々のガヤガヤした雑音の音が響き渡る。
入ってすぐ左右にたくさんのテーブルが並んでいて、冒険者達がテーブルを囲っている。
奥にあるカウンターと冒険者ギルドといえばこれ! と言わんばかりの巨大な掲示板が三面も並んでいた。
早速カウンターに向かう。
「こんにちは!」
「いらっしゃいませ」
「倒した魔物を冒険者ギルドに行けば買ってくれると聞いたんですけど」
「買取ご希望の方ですね。冒険者には登録なさっていますか?」
「いいえ。冒険者ギルドは今日が初めてです」
「かしこまりました。買取は向こうのカウンターになります。冒険者さんは冒険者プレートを一緒に提示すると解体料金が無料になったり、色んな特典がありますが、一般の方ですとただの買取か、解体料金を払って解体してから売ることになります。もし冒険者に興味がある時はまたこちらにいらしてください」
「親切に教えてくださりありがとうございます!」
「ありがとうございます!」
セレナと一緒に挨拶をして、買取カウンターに向かった。
そこには僕達とそう歳の変わらなさそうな男性が店番をしていた。
「こんにちは。コーンラビットの買取をお願いします」
「こちらにどうぞ」
カウンターに捕まえたコーンラビットを置く。僕のリュックに目一杯入る量で十五匹を取り出した。
「コーンラビット十五体。丁寧な血抜きと外傷もないのでこちらは十割で買い取らせて頂きます」
「十割?」
初めて聞く言葉に首を傾げると、男性は無表情のまま説明をしてくれた。
どうやら外傷が酷いと売れる部分が減るから、本来の価格から何割か引いた額で買うという意味らしい。
十割は本来の価格。七割だと三割引きになるという感じだ。
ボーンラビットをカウンターから奥に置いて、棚から何かを取り出した男性が戻り、カウンターに大銅貨を三十枚置いてくれた。
「こちらになります。また狩猟しましたら、当ギルドに卸してください。冒険者になれば宿屋の割引などもあるので、ぜひ冒険者の説明も聞いて考えてみてください」
「! ありがとうございます」
とても親切にしてくれる男性もさっきの受付嬢も、とても良い印象を抱いた。
けれど、一つずつ確実にやりたい僕は、ひとまず街の玄関口に戻り通行料を払った。
この世界では三日働いて一日休息日の四日制を多く採用している。できればここも前世のように七日制だと良かったけどね。
前世のような曜日感覚はなくて、一日目を一日と呼んだり、休息日は休息日とそのまま呼んでいる。
「通行料で滞在できる期間は二週間だ。事前に延長してもいいし、その前に出ても通行料は返却されない。出る時はそのまま通行証を持ったまま出て構わない。でも無くしたら銀貨一枚だからな」
衛兵さんの丁寧な説明のおかげで通行証の件は分かった。
僕達は早速、宿屋を探すことにした。
「ポンちゃん。街では他人の物に手を出すと怖い衛兵さんに連れて行かれるから、食べたいものがあっても勝手に食べないでね」
ポンちゃんはすぐに落ち込んだように尻尾が垂れ下がった。
「それと威嚇したり物を壊したりしないでよ。じゃないと僕達が捕まってしまって旅ができないから。でもちゃんと二人のご飯は準備するから」
『分かったニャ! やっぱりノアはいいやつだニャ!』
「さて、何よりも先に冒険者ギルドに向かおうか」
世界で最も人数が多い職業でもある冒険者は、どの街でも冒険者ギルドが賑わっていたりする。才能がなくても簡単な依頼は受けられるからね。そういうのもあってどこも大通りに面しているか、中心広場に面していることが多い。
大通りを歩きながら冒険者ギルドを探す。
左右には料理屋から雑貨屋、鍛冶屋、色んなお店がずらりと並んでいて、セレナはずっとソワソワしながら色んな店に目移りしていた。
通り過ぎる人も多いので、しっかり手も繋いで大通りを進む。
大通りから中央広場に到着すると、その一角にひと際大きな建物が見え、その看板にでかでかと書かれていた。
「あそこが冒険者ギルドだね。入ろうか」
セレナとポンちゃんと共に中に入る。
扉は昔の西部劇に出て来そうなスイングドア風扉だった。
外から中が覗ける仕様なので、ぶつからずに済みそうだ。
扉を奥に押し込んで中に入ると、人々のガヤガヤした雑音の音が響き渡る。
入ってすぐ左右にたくさんのテーブルが並んでいて、冒険者達がテーブルを囲っている。
奥にあるカウンターと冒険者ギルドといえばこれ! と言わんばかりの巨大な掲示板が三面も並んでいた。
早速カウンターに向かう。
「こんにちは!」
「いらっしゃいませ」
「倒した魔物を冒険者ギルドに行けば買ってくれると聞いたんですけど」
「買取ご希望の方ですね。冒険者には登録なさっていますか?」
「いいえ。冒険者ギルドは今日が初めてです」
「かしこまりました。買取は向こうのカウンターになります。冒険者さんは冒険者プレートを一緒に提示すると解体料金が無料になったり、色んな特典がありますが、一般の方ですとただの買取か、解体料金を払って解体してから売ることになります。もし冒険者に興味がある時はまたこちらにいらしてください」
「親切に教えてくださりありがとうございます!」
「ありがとうございます!」
セレナと一緒に挨拶をして、買取カウンターに向かった。
そこには僕達とそう歳の変わらなさそうな男性が店番をしていた。
「こんにちは。コーンラビットの買取をお願いします」
「こちらにどうぞ」
カウンターに捕まえたコーンラビットを置く。僕のリュックに目一杯入る量で十五匹を取り出した。
「コーンラビット十五体。丁寧な血抜きと外傷もないのでこちらは十割で買い取らせて頂きます」
「十割?」
初めて聞く言葉に首を傾げると、男性は無表情のまま説明をしてくれた。
どうやら外傷が酷いと売れる部分が減るから、本来の価格から何割か引いた額で買うという意味らしい。
十割は本来の価格。七割だと三割引きになるという感じだ。
ボーンラビットをカウンターから奥に置いて、棚から何かを取り出した男性が戻り、カウンターに大銅貨を三十枚置いてくれた。
「こちらになります。また狩猟しましたら、当ギルドに卸してください。冒険者になれば宿屋の割引などもあるので、ぜひ冒険者の説明も聞いて考えてみてください」
「! ありがとうございます」
とても親切にしてくれる男性もさっきの受付嬢も、とても良い印象を抱いた。
けれど、一つずつ確実にやりたい僕は、ひとまず街の玄関口に戻り通行料を払った。
この世界では三日働いて一日休息日の四日制を多く採用している。できればここも前世のように七日制だと良かったけどね。
前世のような曜日感覚はなくて、一日目を一日と呼んだり、休息日は休息日とそのまま呼んでいる。
「通行料で滞在できる期間は二週間だ。事前に延長してもいいし、その前に出ても通行料は返却されない。出る時はそのまま通行証を持ったまま出て構わない。でも無くしたら銀貨一枚だからな」
衛兵さんの丁寧な説明のおかげで通行証の件は分かった。
僕達は早速、宿屋を探すことにした。
36
あなたにおすすめの小説
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
七億円当たったので異世界買ってみた!
コンビニ
ファンタジー
三十四歳、独身、家電量販店勤務の平凡な俺。
ある日、スポーツくじで7億円を当てた──と思ったら、突如現れた“自称・神様”に言われた。
「異世界を買ってみないか?」
そんなわけで購入した異世界は、荒れ果てて疫病まみれ、赤字経営まっしぐら。
でも天使の助けを借りて、街づくり・人材スカウト・ダンジョン建設に挑む日々が始まった。
一方、現実世界でもスローライフと東北の田舎に引っ越してみたが、近所の小学生に絡まれたり、ドタバタに巻き込まれていく。
異世界と現実を往復しながら、癒やされて、ときどき婚活。
チートはないけど、地に足つけたスローライフ(たまに労働)を始めます。
ギルドの小さな看板娘さん~実はモンスターを完全回避できちゃいます。夢はたくさんのもふもふ幻獣と暮らすことです~
うみ
ファンタジー
「魔法のリンゴあります! いかがですか!」
探索者ギルドで満面の笑みを浮かべ、元気よく魔法のリンゴを売る幼い少女チハル。
探索者たちから可愛がられ、魔法のリンゴは毎日完売御礼!
単に彼女が愛らしいから売り切れているわけではなく、魔法のリンゴはなかなかのものなのだ。
そんな彼女には「夜」の仕事もあった。それは、迷宮で迷子になった探索者をこっそり助け出すこと。
小さな彼女には秘密があった。
彼女の奏でる「魔曲」を聞いたモンスターは借りてきた猫のように大人しくなる。
魔曲の力で彼女は安全に探索者を救い出すことができるのだ。
そんな彼女の夢は「魔晶石」を集め、幻獣を喚び一緒に暮らすこと。
たくさんのもふもふ幻獣と暮らすことを夢見て今日もチハルは「魔法のリンゴ」を売りに行く。
実は彼女は人間ではなく――その正体は。
チハルを中心としたほのぼの、柔らかなおはなしをどうぞお楽しみください。
『ひまりのスローライフ便り 〜異世界でもふもふに囲まれて〜』
チャチャ
ファンタジー
孤児院育ちの23歳女子・葛西ひまりは、ある日、不思議な本に導かれて異世界へ。
そこでは、アレルギー体質がウソのように治り、もふもふたちとふれあえる夢の生活が待っていた!
畑と料理、ちょっと不思議な魔法とあったかい人々——のんびりスローな新しい毎日が、今始まる。
魔法物語 - 倒したモンスターの魔法を習得する加護がチートすぎる件について -
花京院 光
ファンタジー
全ての生命が生まれながらにして持つ魔力。
魔力によって作られる魔法は、日常生活を潤し、モンスターの魔の手から地域を守る。
十五歳の誕生日を迎え、魔術師になる夢を叶えるために、俺は魔法都市を目指して旅に出た。
俺は旅の途中で、「討伐したモンスターの魔法を習得する」という反則的な加護を手に入れた……。
モンスターが巣食う剣と魔法の世界で、チート級の能力に慢心しない主人公が、努力を重ねて魔術師を目指す物語です。
子育てスキルで異世界生活 ~かわいい子供たち(人外含む)と楽しく暮らしてます~
九頭七尾
ファンタジー
子供を庇って死んだアラサー女子の私、新川沙織。
女神様が異世界に転生させてくれるというので、ダメもとで願ってみた。
「働かないで毎日毎日ただただ可愛い子供と遊んでのんびり暮らしたい」
「その願い叶えて差し上げましょう!」
「えっ、いいの?」
転生特典として与えられたのは〈子育て〉スキル。それは子供がどんどん集まってきて、どんどん私に懐き、どんどん成長していくというもので――。
「いやいやさすがに育ち過ぎでしょ!?」
思ってたよりちょっと性能がぶっ壊れてるけど、お陰で楽しく暮らしてます。
『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。
国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。
でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。
これってもしかして【動物スキル?】
笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!
スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜
もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。
ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を!
目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。
スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。
何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。
やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。
「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ!
ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。
ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。
2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる