24 / 62
23話 初めての悪意
しおりを挟む
「おいおい~ここは獣臭いな~」
森に入ってすぐに大声で、わざとらしく僕達を威嚇する。冒険者ギルドから僕達を追いかけて来た四人組の冒険者集団だ。
リーダー格の一人が一番体が大きくて斧を持っている。他の三人は剣を持っていかにもどこにでもいそうな山賊みたいな感じだ。
「僕達に何か御用でしょうか?」
「おうよ。お前ら、毎日あれだけ綺麗なコーンラビットを売り込んでるよな?」
やはり、僕達の事を見ていた人達もちゃんといるんだな。
冒険者ギルドには大勢の人がいるので、誰がどういう人なのか判断するのは難しい。それに毎日ひっきりなしにやってきては依頼で出かける。この人達が冒険者ギルドにどれくらいいたのかは全く覚えていない。
「ええ。そうですが、何かしました?」
「何かしました? じゃねぇ! てめぇらのせいで俺達が捕まえたコーンラビットが全然売れなくなった! どうしてくれるんだ!」
「ん? それは冒険者ギルドに卸しているんじゃないですか? 買取不可とか聞いたことがないのですが……」
「はあ? 誰がギルドに真っすぐ卸す馬鹿がいるんだよ! お前らのせいで直接売れなくなっちまったんだ! コーンラビットの肉は直接レストランに高値で卸せるんだ! てめぇらのせいで、その値段が崩壊してるんだよ!」
なるほど……だから冒険者ギルドとしても大量に卸す僕達の存在が貴重だったのか。
それにしても、こういうのは冒険者ギルドを通して安定した相場で落ち着かせるのが街のためになると思うんだけど、どうしてギルドじゃなくて直接冒険者から買い取っているんだろう?
「だからてめぇらが稼いだお金は元々俺達が貰うべき金だ! 今まで稼いだ額、全部よこしな」
「目的はそれでしたか。はあ……セレナ~」
「は~い。死なない程度にボコボコにしておくね~」
「頼んだ」
誰よりもセレナの力を知っているから心配はしていない。でも、念のためにポンちゃんにも待機してもらう。
言わずともポンちゃんは睨んでいた。
セレナを見てニヤけた顔で見下ろす男達。
「ふう~ん。こんな女の子が俺達と戦うだと?」
「おじさん達。悪い人達みたいだから、ここで成敗してあげます!」
「がーはははっ! やれるもんならやってみ――――」
笑っていた冒険者の前からセレナの姿が一瞬で消えた。
満腹ではないけど、一度満腹になれば、半日は全力を出せるので十二分に実力を出せる。
「なっ! どこに消えた!」
冒険者達が慌てながら周りを見回すけど、セレナの姿は見えない。いや、目で追えないのだ。
普通の人では目で追えない速度で動いているセレナ。中級武術をインストールして、ようやく彼女の速度がギリギリ目で追えるようになったけど、【暴食】ってこんなにも強いんだなと感動すら覚える。
冒険者達の周囲を回っていたセレナが攻撃を仕掛ける。
全員の腹部を殴り付けると、空気を叩く爆音と共に、四人の冒険者がその場で白目を向いて倒れ込んだ。
「手加減はしたから大丈夫だと思う~」
「お疲れ。セレナ」
戻って来たセレナの頭を撫でてあげる。
冒険者達を重ねてセレナが片手で持ち上げると、そのままシーラー街に戻った。
「それはなんだ!?」
玄関口の衛兵さんが驚いた顔で僕達を迎え入れてくれる。
「衛兵さん! いつもお疲れ様です。実は~」
四人の冒険者がやってきた理由を伝えると、冒険者として違法行為であり、裏取引も違法行為だというのが発覚した。
すぐに冒険者ギルドに知らせるとのことで、僕達の仕事はここまでとなった。
森に入ってすぐに大声で、わざとらしく僕達を威嚇する。冒険者ギルドから僕達を追いかけて来た四人組の冒険者集団だ。
リーダー格の一人が一番体が大きくて斧を持っている。他の三人は剣を持っていかにもどこにでもいそうな山賊みたいな感じだ。
「僕達に何か御用でしょうか?」
「おうよ。お前ら、毎日あれだけ綺麗なコーンラビットを売り込んでるよな?」
やはり、僕達の事を見ていた人達もちゃんといるんだな。
冒険者ギルドには大勢の人がいるので、誰がどういう人なのか判断するのは難しい。それに毎日ひっきりなしにやってきては依頼で出かける。この人達が冒険者ギルドにどれくらいいたのかは全く覚えていない。
「ええ。そうですが、何かしました?」
「何かしました? じゃねぇ! てめぇらのせいで俺達が捕まえたコーンラビットが全然売れなくなった! どうしてくれるんだ!」
「ん? それは冒険者ギルドに卸しているんじゃないですか? 買取不可とか聞いたことがないのですが……」
「はあ? 誰がギルドに真っすぐ卸す馬鹿がいるんだよ! お前らのせいで直接売れなくなっちまったんだ! コーンラビットの肉は直接レストランに高値で卸せるんだ! てめぇらのせいで、その値段が崩壊してるんだよ!」
なるほど……だから冒険者ギルドとしても大量に卸す僕達の存在が貴重だったのか。
それにしても、こういうのは冒険者ギルドを通して安定した相場で落ち着かせるのが街のためになると思うんだけど、どうしてギルドじゃなくて直接冒険者から買い取っているんだろう?
「だからてめぇらが稼いだお金は元々俺達が貰うべき金だ! 今まで稼いだ額、全部よこしな」
「目的はそれでしたか。はあ……セレナ~」
「は~い。死なない程度にボコボコにしておくね~」
「頼んだ」
誰よりもセレナの力を知っているから心配はしていない。でも、念のためにポンちゃんにも待機してもらう。
言わずともポンちゃんは睨んでいた。
セレナを見てニヤけた顔で見下ろす男達。
「ふう~ん。こんな女の子が俺達と戦うだと?」
「おじさん達。悪い人達みたいだから、ここで成敗してあげます!」
「がーはははっ! やれるもんならやってみ――――」
笑っていた冒険者の前からセレナの姿が一瞬で消えた。
満腹ではないけど、一度満腹になれば、半日は全力を出せるので十二分に実力を出せる。
「なっ! どこに消えた!」
冒険者達が慌てながら周りを見回すけど、セレナの姿は見えない。いや、目で追えないのだ。
普通の人では目で追えない速度で動いているセレナ。中級武術をインストールして、ようやく彼女の速度がギリギリ目で追えるようになったけど、【暴食】ってこんなにも強いんだなと感動すら覚える。
冒険者達の周囲を回っていたセレナが攻撃を仕掛ける。
全員の腹部を殴り付けると、空気を叩く爆音と共に、四人の冒険者がその場で白目を向いて倒れ込んだ。
「手加減はしたから大丈夫だと思う~」
「お疲れ。セレナ」
戻って来たセレナの頭を撫でてあげる。
冒険者達を重ねてセレナが片手で持ち上げると、そのままシーラー街に戻った。
「それはなんだ!?」
玄関口の衛兵さんが驚いた顔で僕達を迎え入れてくれる。
「衛兵さん! いつもお疲れ様です。実は~」
四人の冒険者がやってきた理由を伝えると、冒険者として違法行為であり、裏取引も違法行為だというのが発覚した。
すぐに冒険者ギルドに知らせるとのことで、僕達の仕事はここまでとなった。
33
あなたにおすすめの小説
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
七億円当たったので異世界買ってみた!
コンビニ
ファンタジー
三十四歳、独身、家電量販店勤務の平凡な俺。
ある日、スポーツくじで7億円を当てた──と思ったら、突如現れた“自称・神様”に言われた。
「異世界を買ってみないか?」
そんなわけで購入した異世界は、荒れ果てて疫病まみれ、赤字経営まっしぐら。
でも天使の助けを借りて、街づくり・人材スカウト・ダンジョン建設に挑む日々が始まった。
一方、現実世界でもスローライフと東北の田舎に引っ越してみたが、近所の小学生に絡まれたり、ドタバタに巻き込まれていく。
異世界と現実を往復しながら、癒やされて、ときどき婚活。
チートはないけど、地に足つけたスローライフ(たまに労働)を始めます。
ギルドの小さな看板娘さん~実はモンスターを完全回避できちゃいます。夢はたくさんのもふもふ幻獣と暮らすことです~
うみ
ファンタジー
「魔法のリンゴあります! いかがですか!」
探索者ギルドで満面の笑みを浮かべ、元気よく魔法のリンゴを売る幼い少女チハル。
探索者たちから可愛がられ、魔法のリンゴは毎日完売御礼!
単に彼女が愛らしいから売り切れているわけではなく、魔法のリンゴはなかなかのものなのだ。
そんな彼女には「夜」の仕事もあった。それは、迷宮で迷子になった探索者をこっそり助け出すこと。
小さな彼女には秘密があった。
彼女の奏でる「魔曲」を聞いたモンスターは借りてきた猫のように大人しくなる。
魔曲の力で彼女は安全に探索者を救い出すことができるのだ。
そんな彼女の夢は「魔晶石」を集め、幻獣を喚び一緒に暮らすこと。
たくさんのもふもふ幻獣と暮らすことを夢見て今日もチハルは「魔法のリンゴ」を売りに行く。
実は彼女は人間ではなく――その正体は。
チハルを中心としたほのぼの、柔らかなおはなしをどうぞお楽しみください。
『ひまりのスローライフ便り 〜異世界でもふもふに囲まれて〜』
チャチャ
ファンタジー
孤児院育ちの23歳女子・葛西ひまりは、ある日、不思議な本に導かれて異世界へ。
そこでは、アレルギー体質がウソのように治り、もふもふたちとふれあえる夢の生活が待っていた!
畑と料理、ちょっと不思議な魔法とあったかい人々——のんびりスローな新しい毎日が、今始まる。
魔法物語 - 倒したモンスターの魔法を習得する加護がチートすぎる件について -
花京院 光
ファンタジー
全ての生命が生まれながらにして持つ魔力。
魔力によって作られる魔法は、日常生活を潤し、モンスターの魔の手から地域を守る。
十五歳の誕生日を迎え、魔術師になる夢を叶えるために、俺は魔法都市を目指して旅に出た。
俺は旅の途中で、「討伐したモンスターの魔法を習得する」という反則的な加護を手に入れた……。
モンスターが巣食う剣と魔法の世界で、チート級の能力に慢心しない主人公が、努力を重ねて魔術師を目指す物語です。
子育てスキルで異世界生活 ~かわいい子供たち(人外含む)と楽しく暮らしてます~
九頭七尾
ファンタジー
子供を庇って死んだアラサー女子の私、新川沙織。
女神様が異世界に転生させてくれるというので、ダメもとで願ってみた。
「働かないで毎日毎日ただただ可愛い子供と遊んでのんびり暮らしたい」
「その願い叶えて差し上げましょう!」
「えっ、いいの?」
転生特典として与えられたのは〈子育て〉スキル。それは子供がどんどん集まってきて、どんどん私に懐き、どんどん成長していくというもので――。
「いやいやさすがに育ち過ぎでしょ!?」
思ってたよりちょっと性能がぶっ壊れてるけど、お陰で楽しく暮らしてます。
『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。
国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。
でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。
これってもしかして【動物スキル?】
笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!
スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜
もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。
ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を!
目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。
スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。
何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。
やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。
「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ!
ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。
ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。
2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる