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護衛の冒険者に完全に意図を見抜かれてしまった商人。
ここに来るまでに同じ様に他の冒険者に販売しようと試みていたが、全て失敗していたのだ。
「……わ、わかった。白金貨1枚(10万円)でどうだ?」
商人は図星を突かれていたのだが、何とか捨てる前に少しでも利益を底上げしたいと思い、投げやりで値段を下げるが、男の態度は変わらない。
「テメーも相当しつこいな。そこだけは認めてやるが……良いか?こんな状態じゃ奴隷の契約も出来ねーだろうが。違うか?年がら年中見張る訳にもいかねーし、下手に死なれちゃ寝覚めもわりーんだよ。諦めろ!」
沈んだ顔をした商人は檻を運んできた従業員に顎で指示をすると、再び店の方に運び込まれる檻。
「くそ。まぁ、今回の王都での商売は黒字だ。あいつらは……捨てるか」
頭を振って気持ちを切り替えた商人のその呟きを聞いて、思わず声が出てしまった水野。
「私が買います。白金貨1枚(10万円)ですよね?」
その言葉に即反応した商人だが、護衛の冒険者が、商人が話す前にわざと少し大きな声で水野にこう告げる。
「奥さん。買うのは止めねーが、俺が言った通りに相当金がかかるぞ。それに、あの怪我じゃあ、色々と厳しいはずだ。主に歯向かう……程の力は残っていないだろうが、契約を受け入れる体力もねーぞ?」
「それでも……です」
既に水野の視線は、声が聞こえて運搬を止めている檻の中の二人の少女に向けられている。
「流石はお目が高い。見た所、冒険者ではないように見えますが、お買い上げありがとうございます」
すかさず纏めにかかっている商人に対し、男が少し待ったをかける。
「まてまて。おい、テメー俺の話を聞いていたか?廃棄するって言っていたよな?俺の耳は飾りじゃねーんだよ。だが、タダってわけにはいかねーのは分かる。ここは痛み分けって事で、金貨五枚(5万円)だ!」
確かに廃棄すると言ってしまっていた商人は、それでも売り上げになるので、厳しい目の前の冒険者の機嫌を悪くして更なる値引きが行われる前に、手を打つ。
「かないませんね。わかりました。ですが、指摘いただいた通りに奴隷契約は行えない状況です。そのうえで金貨五枚(5万円)。宜しいですね?」
「はい」
既に、檻の中の二人にしか視線が行っていない水野を見て、優しい微笑みを携える湯原と、その二人を見て微笑んでいる護衛の冒険者二人だ。
実際問題、護衛の冒険者の男が値切ってくれなければ一文無しになっていた湯原達。
購入した二人に食事を与える事も出来ずに応急処置もできなくなっていたのだが、水野は目の前の命を救いたい一心で、そこまで考える事が出来なかった。
「旦那。さっきも言ったが、あれは相当厳しいぜ?奥さんが優しいのは美談だが、きちんと世話をしてやっても、どれくらい持つか……」
客観的な現実をしっかりと教えてくれる冒険者。
「ありがとうございます。ですが、何とかして見せますよ」
「……まっ、俺達が同行している間だけになるが、出来る事はするぜ」
やはり優しい冒険者に巡り合えてよかったと思っている湯原は、檻から出されてフラフラしている二人の猫獣人の元に向かい、しゃがんで視線を合わせて微笑みながらこう告げる。
「こんにちは。君達…結構辛そうだから、背中に乗ってくれるかな?」
「旦那。その荷物、俺達が持つぜ?」
「丁度私も体が鈍っていた所だから、手伝うわよ?」
既に大量の荷物を持っている湯原は更に少女を背負おうとしたのだが、宣言通りに冒険者の二人が善意でサポートをしてくれる。
宿に着き、湯原と水野、そして背負っている二人の猫獣人と共に部屋に入る。
追加料金がない代わりに布団の追加もなく食事も二人前だが、先ずは傷口の化膿を少しでも遅らせるべく、この宿に来る間に冒険者の二人が情報を仕入れてくれていた。
「じゃあ、カーリ。ちょっと行ってくるよ」
湯原は宿を出ると、情報を基にとある店に向かう。
「ここに良い化膿止めがあると聞いたのだが」
薬を販売している店であり、誰に聞いても評判の良かった店だ。
「お、新顔だね。旅の途中で怪我でもしたかい?」
「そう言う訳ではないけど、かなり化膿が進んでいる状態だ。金貨五枚(5万円)で買える効果の一番高い薬が欲しい。できれば一月進行を抑えられるとありがたい」
具体的な話をする湯原だが、店主としては化膿の状態がどれ程進んでいるのか不明で判断し辛いのだが、一月症状を抑える事に限定すれば適切な薬があると思い出す。
「わかった。化膿の範囲は俺の腕のこの範囲程度と仮定して一月になるが、大丈夫か?」
対象が少女だけに、二人に使用しても十分だったので首肯する。
ここに来るまでに同じ様に他の冒険者に販売しようと試みていたが、全て失敗していたのだ。
「……わ、わかった。白金貨1枚(10万円)でどうだ?」
商人は図星を突かれていたのだが、何とか捨てる前に少しでも利益を底上げしたいと思い、投げやりで値段を下げるが、男の態度は変わらない。
「テメーも相当しつこいな。そこだけは認めてやるが……良いか?こんな状態じゃ奴隷の契約も出来ねーだろうが。違うか?年がら年中見張る訳にもいかねーし、下手に死なれちゃ寝覚めもわりーんだよ。諦めろ!」
沈んだ顔をした商人は檻を運んできた従業員に顎で指示をすると、再び店の方に運び込まれる檻。
「くそ。まぁ、今回の王都での商売は黒字だ。あいつらは……捨てるか」
頭を振って気持ちを切り替えた商人のその呟きを聞いて、思わず声が出てしまった水野。
「私が買います。白金貨1枚(10万円)ですよね?」
その言葉に即反応した商人だが、護衛の冒険者が、商人が話す前にわざと少し大きな声で水野にこう告げる。
「奥さん。買うのは止めねーが、俺が言った通りに相当金がかかるぞ。それに、あの怪我じゃあ、色々と厳しいはずだ。主に歯向かう……程の力は残っていないだろうが、契約を受け入れる体力もねーぞ?」
「それでも……です」
既に水野の視線は、声が聞こえて運搬を止めている檻の中の二人の少女に向けられている。
「流石はお目が高い。見た所、冒険者ではないように見えますが、お買い上げありがとうございます」
すかさず纏めにかかっている商人に対し、男が少し待ったをかける。
「まてまて。おい、テメー俺の話を聞いていたか?廃棄するって言っていたよな?俺の耳は飾りじゃねーんだよ。だが、タダってわけにはいかねーのは分かる。ここは痛み分けって事で、金貨五枚(5万円)だ!」
確かに廃棄すると言ってしまっていた商人は、それでも売り上げになるので、厳しい目の前の冒険者の機嫌を悪くして更なる値引きが行われる前に、手を打つ。
「かないませんね。わかりました。ですが、指摘いただいた通りに奴隷契約は行えない状況です。そのうえで金貨五枚(5万円)。宜しいですね?」
「はい」
既に、檻の中の二人にしか視線が行っていない水野を見て、優しい微笑みを携える湯原と、その二人を見て微笑んでいる護衛の冒険者二人だ。
実際問題、護衛の冒険者の男が値切ってくれなければ一文無しになっていた湯原達。
購入した二人に食事を与える事も出来ずに応急処置もできなくなっていたのだが、水野は目の前の命を救いたい一心で、そこまで考える事が出来なかった。
「旦那。さっきも言ったが、あれは相当厳しいぜ?奥さんが優しいのは美談だが、きちんと世話をしてやっても、どれくらい持つか……」
客観的な現実をしっかりと教えてくれる冒険者。
「ありがとうございます。ですが、何とかして見せますよ」
「……まっ、俺達が同行している間だけになるが、出来る事はするぜ」
やはり優しい冒険者に巡り合えてよかったと思っている湯原は、檻から出されてフラフラしている二人の猫獣人の元に向かい、しゃがんで視線を合わせて微笑みながらこう告げる。
「こんにちは。君達…結構辛そうだから、背中に乗ってくれるかな?」
「旦那。その荷物、俺達が持つぜ?」
「丁度私も体が鈍っていた所だから、手伝うわよ?」
既に大量の荷物を持っている湯原は更に少女を背負おうとしたのだが、宣言通りに冒険者の二人が善意でサポートをしてくれる。
宿に着き、湯原と水野、そして背負っている二人の猫獣人と共に部屋に入る。
追加料金がない代わりに布団の追加もなく食事も二人前だが、先ずは傷口の化膿を少しでも遅らせるべく、この宿に来る間に冒険者の二人が情報を仕入れてくれていた。
「じゃあ、カーリ。ちょっと行ってくるよ」
湯原は宿を出ると、情報を基にとある店に向かう。
「ここに良い化膿止めがあると聞いたのだが」
薬を販売している店であり、誰に聞いても評判の良かった店だ。
「お、新顔だね。旅の途中で怪我でもしたかい?」
「そう言う訳ではないけど、かなり化膿が進んでいる状態だ。金貨五枚(5万円)で買える効果の一番高い薬が欲しい。できれば一月進行を抑えられるとありがたい」
具体的な話をする湯原だが、店主としては化膿の状態がどれ程進んでいるのか不明で判断し辛いのだが、一月症状を抑える事に限定すれば適切な薬があると思い出す。
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