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「確かに、レベル1が二人……と、他は全く鑑定できないとは……俺はこれでもレベル21なんだがな」
受付から聞いて半信半疑だった帝都のギルドマスターは、相当強いと自負している自らが鑑定しても判定できない事で、嫌でもダンジョンマスターである事を信じざるを得なかった。
「そうなると、二人共に金目金髪と言う事は、レベル40以上のダンジョン。最近1階層に町を作って住民を無償で住まわせているダンジョンマスターと言う事で良いのかい?」
「そうですね。俺達二人で管理しています」
「そうか。未だにフワフワした気持ちだが、信じざるを得ないね。だけど、なんで突然身分を明かしたんだい?召喚冒険者はたまに現れてギルドで情報共有されるけど、ダンジョンマスターが身分を明かすなんて聞いた事がない。永遠のレベル1だから、狙われる可能性が高いだろう?」
「普通ならそうでしょうね。ですが、ご存じの通り俺達を守ってくれる仲間は最強ですからね」
「……確かに。その通りだね。正直俺は召喚冒険者を覗けば最強に近い存在だと言う自信があったんだが、そこのお嬢ちゃんと戦ったとしても、手も足も出ないだろうね。正直少し凹むよ」
レベル21が、レベル40の二人に敵うわけがないので、このギルドマスターは正しくその力を認識できている。
「それで、それ程強大な力を持つダンジョンマスター二人がどうしたんだい?まさか、地上を侵攻するなんて言わないよね?だとしたら、勝てないまでも戦わなくてはならないからね」
「アハハ、安心してください。そんなつもりは全くありませんし、これからも有り得ません。でも、今の言葉でギルドマスターの人柄が良くわかりましたよ」
「そ、そうかい?悪い方に思われていない事を祈るよ」
「もちろんですよ。実直で信頼できる方と判断させていただきました。そこで相談ですが……俺達の1階層の入り口に建屋があり、居住希望者の受付をしています。そこを増築して、冒険者ギルドの支部としたいと考えているんです。今、俺達のダンジョンでの成果は少し離れた町のギルドに収めているので、その手間を省くのと……少々ラスリ王国のギルドには思う所があるので、彼等には納品させたくないのですよ」
「そ、そうなのか。確かにあいつらの仕事はいい加減だし、お世辞にも態度も良いとは言えないからね」
異国のギルドにも悪評が流れている事に、あの姿勢であればそうなのだろうと納得する湯原達。
「話は分かった。そうなると、随分と距離の離れているこのコッタ帝国のギルドの益になるけど、それで良いんだね?」
「はい。それが希望です」
「そうか。逆にありがたいよ。御覧の通りここのギルドも少々厳しい状況でね、支部が稼いでくれれば問題ないのだが、その支部も芳しくないから困っていた所なんだ。で……最終的にはギルドマスターとして君達がダンジョンマスターである証明が欲しい。確かに鑑定の結果ではありえない力を持つ眷属に守られている形ではあるけれど、他の証明があると動き易いんだよ」
こう言われて少々悩む湯原を助けるハライチ。
「主様。であれば、あの村のギルドでも有名になっている回復薬をお渡しすれば良いのではないでしょうか?それと、魔法のスクロールもありですね。今の所はその程度が冒険者の間で有名になっておりますから、良い証明になるかと思います」
両方共に非常に希少で貴重な物なので、ハライチの言う通りにその品があれば証明になる可能性は高いが、確実性と言われると疑問符が付く。
大金を払えば手に入れられない事もないからだ。
その程度は理解している湯原は、ハライチの意見を採用して収納袋から二人の品を取り出す。
「これは、あまりにも性能が高いので差し上げることはできませんが、証明にはなると思います」
机の上に出されたのは、ビーが作った原液状態の回復薬と、本体が青く淵が虹色の魔法のスクロール。
回復薬は欠損すら瞬時に治す品質で、スクロールはイルーゾ特性レベル90の風魔法のスクロールだ。
イーシャとプリマの収納袋にも同じレベルの物が多数入っているが、最近はスクロールに頼ったり回復が必要な状態に陥ったりする事が一切なく、死蔵となっている。
「お、おいおい……申し訳ないが、とてつもない品だと言う事はわかるが、鑑定できないので性能自体がわからない。もう少し性能の低い……俺のレベル21で鑑定できる物にしてもらえないか?」
情けない事を言わざるを得ないギルドマスターは、少しだけ悲しそうな表情をしている。
「ご、ごめんなさい。ハライチ、相応しいものを出して!」
慌てた湯原の指示によって、ハライチが自ら持っている収納袋の中から淵が黄色で、本体の色が城、赤、青、茶のそれぞれの色のスクロールを多数出す。
「わ、わかった。信じる。認める。二人はダンジョンマスターだ!」
レベル20の魔法が行使できるスクロールと言うだけでも国宝と言えなくもない物だが、それを水、炎、風、土の基礎属性全ての種類を大量に出されては認める以外に方法がない。
「ふ~、人生でここまで驚いたのは初めてだよ。だけど、良い事だから助かったよ。じゃあ、早速人選と行こうか。じゃない!そうだ、最大の問題があるよ。やはり距離だね。納品してから輸送しては、劣化してしまうし輸送費が必要になるから冒険者への報酬は少なくなってしまうけど、そこは大丈夫なのかい?素材によっては買い取れない物も出てくるよ?」
受付から聞いて半信半疑だった帝都のギルドマスターは、相当強いと自負している自らが鑑定しても判定できない事で、嫌でもダンジョンマスターである事を信じざるを得なかった。
「そうなると、二人共に金目金髪と言う事は、レベル40以上のダンジョン。最近1階層に町を作って住民を無償で住まわせているダンジョンマスターと言う事で良いのかい?」
「そうですね。俺達二人で管理しています」
「そうか。未だにフワフワした気持ちだが、信じざるを得ないね。だけど、なんで突然身分を明かしたんだい?召喚冒険者はたまに現れてギルドで情報共有されるけど、ダンジョンマスターが身分を明かすなんて聞いた事がない。永遠のレベル1だから、狙われる可能性が高いだろう?」
「普通ならそうでしょうね。ですが、ご存じの通り俺達を守ってくれる仲間は最強ですからね」
「……確かに。その通りだね。正直俺は召喚冒険者を覗けば最強に近い存在だと言う自信があったんだが、そこのお嬢ちゃんと戦ったとしても、手も足も出ないだろうね。正直少し凹むよ」
レベル21が、レベル40の二人に敵うわけがないので、このギルドマスターは正しくその力を認識できている。
「それで、それ程強大な力を持つダンジョンマスター二人がどうしたんだい?まさか、地上を侵攻するなんて言わないよね?だとしたら、勝てないまでも戦わなくてはならないからね」
「アハハ、安心してください。そんなつもりは全くありませんし、これからも有り得ません。でも、今の言葉でギルドマスターの人柄が良くわかりましたよ」
「そ、そうかい?悪い方に思われていない事を祈るよ」
「もちろんですよ。実直で信頼できる方と判断させていただきました。そこで相談ですが……俺達の1階層の入り口に建屋があり、居住希望者の受付をしています。そこを増築して、冒険者ギルドの支部としたいと考えているんです。今、俺達のダンジョンでの成果は少し離れた町のギルドに収めているので、その手間を省くのと……少々ラスリ王国のギルドには思う所があるので、彼等には納品させたくないのですよ」
「そ、そうなのか。確かにあいつらの仕事はいい加減だし、お世辞にも態度も良いとは言えないからね」
異国のギルドにも悪評が流れている事に、あの姿勢であればそうなのだろうと納得する湯原達。
「話は分かった。そうなると、随分と距離の離れているこのコッタ帝国のギルドの益になるけど、それで良いんだね?」
「はい。それが希望です」
「そうか。逆にありがたいよ。御覧の通りここのギルドも少々厳しい状況でね、支部が稼いでくれれば問題ないのだが、その支部も芳しくないから困っていた所なんだ。で……最終的にはギルドマスターとして君達がダンジョンマスターである証明が欲しい。確かに鑑定の結果ではありえない力を持つ眷属に守られている形ではあるけれど、他の証明があると動き易いんだよ」
こう言われて少々悩む湯原を助けるハライチ。
「主様。であれば、あの村のギルドでも有名になっている回復薬をお渡しすれば良いのではないでしょうか?それと、魔法のスクロールもありですね。今の所はその程度が冒険者の間で有名になっておりますから、良い証明になるかと思います」
両方共に非常に希少で貴重な物なので、ハライチの言う通りにその品があれば証明になる可能性は高いが、確実性と言われると疑問符が付く。
大金を払えば手に入れられない事もないからだ。
その程度は理解している湯原は、ハライチの意見を採用して収納袋から二人の品を取り出す。
「これは、あまりにも性能が高いので差し上げることはできませんが、証明にはなると思います」
机の上に出されたのは、ビーが作った原液状態の回復薬と、本体が青く淵が虹色の魔法のスクロール。
回復薬は欠損すら瞬時に治す品質で、スクロールはイルーゾ特性レベル90の風魔法のスクロールだ。
イーシャとプリマの収納袋にも同じレベルの物が多数入っているが、最近はスクロールに頼ったり回復が必要な状態に陥ったりする事が一切なく、死蔵となっている。
「お、おいおい……申し訳ないが、とてつもない品だと言う事はわかるが、鑑定できないので性能自体がわからない。もう少し性能の低い……俺のレベル21で鑑定できる物にしてもらえないか?」
情けない事を言わざるを得ないギルドマスターは、少しだけ悲しそうな表情をしている。
「ご、ごめんなさい。ハライチ、相応しいものを出して!」
慌てた湯原の指示によって、ハライチが自ら持っている収納袋の中から淵が黄色で、本体の色が城、赤、青、茶のそれぞれの色のスクロールを多数出す。
「わ、わかった。信じる。認める。二人はダンジョンマスターだ!」
レベル20の魔法が行使できるスクロールと言うだけでも国宝と言えなくもない物だが、それを水、炎、風、土の基礎属性全ての種類を大量に出されては認める以外に方法がない。
「ふ~、人生でここまで驚いたのは初めてだよ。だけど、良い事だから助かったよ。じゃあ、早速人選と行こうか。じゃない!そうだ、最大の問題があるよ。やはり距離だね。納品してから輸送しては、劣化してしまうし輸送費が必要になるから冒険者への報酬は少なくなってしまうけど、そこは大丈夫なのかい?素材によっては買い取れない物も出てくるよ?」
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楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
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