前世も今世も裏切られるが、信頼できる仲間と共に理想の世界を作り上げる

焼納豆

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自身と自信

スキル取得へ向けて初討伐(2)

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 俺は早速、討伐対象である<ヒュージ・ゴブリン>のドノバに向かって全力で駆け出した。

 そう、駆け出したのだが、一瞬でドノバの紫色の体躯が目の前に大きく見えたかと思ったとたん、目の前が真っ暗になって、爆音が響いた。

 ゴゥ~ン・・・

 慌ててとまると、<ヒュージ・ゴブリン>の姿が見えない。
 反撃はされないはずだが、この状況にまだ慣れていないため、警戒して辺りを見回してしまい・・・絶句した。

 なんと、あのレベルを持つ<ヒュージ・ゴブリン>が、腹付近に大穴を開けて倒れ始めているところだったのだ・・

「さすがご主人様です。まるで相手になりませんでしたね。これならば、管理者権限の魔獣による攻撃禁止がなくても全く問題なく討伐できますね」

 ・・この状況を作ったのは俺であるのは理解できた。

 俺は、自分が思っていたよりもかなり強くなっていた。全力ダッシュで敵に突っ込んだだけで、相手の肉体をそのまま突き抜けてしまったのだ。

 今までさんざんゴミスキルだの何だの言われていた自分が確実に変わっているのを、とても、とても嬉しく思った。

 いやしかし、実はかなり危なかったのではないだろうか。

 今の俺は、スキル<物理耐性>は持っていない。以前モモに突っ込まれたときには神様の加護によりガードできたが、その加護も最早ない。

 そのため、今の俺は常に<身体強化:Lv10・・神級>を発動させている状態だ。

 うっかり<身体強化:Lv10・・神級>を発動していない状態であったなら、俺の体もとんでもないことになっていたかもしれない。

 因みに、常に発動しているのは<身体強化:Lv10・・神級>だけで、<テイマー:Lv10・・神級>は必要な時に発動している。

 そうでないと、常に魔獣の情報が視界に入ってうっとうしいし、常に使用し続けてもこれ以上Lvが上がるわけではないので、特にメリットもないしね。
 
「よし、早速何か良いスキルをゲットできたか確認してみよう。ステータス!」

 初の討伐が、あまりにもあっけなかったため、精神的なダメージも全くなかった。

---------------------
名前:ジン・アルダ(覚醒転生者) 
種族:人族1/4(一応)  ➡ 人族1/4(一応)
Lv:45・・(B:中級) ➡ 51・・(A:上級)
HP:1530/1530  ➡ 2000/2030
MP:1520/1520  ➡ 1720/1720
MT:1550/1550  ➡ 1750/1950
【スキル】
 <テイマー:Lv10・・神級>
 <身体強化:Lv10・・神級>
 <雷魔法 :Lv10・・神級>
 <氷魔法 :Lv10・・神級>
 <物理耐性:Lv 0・・無級>  NEW
【称 号】
 <神狼>管理者
【契約魔獣】
 神狼
---------------------

 残念。Lvも上がり、HP、MP、MTも上昇したが、希望のスキルを得ることはできなかった。

 HPが若干ダメージを受けているのは、きっと自分が弾丸になって敵にぶつかったからだろう。
 MTも、精神的ダメージは無いと思っていたが、若干ダメージがあったらしい。

 そもそもの数値が高いので、普通でいられたのか? とすると、グロ耐性はMTで対応できそうだな・・

 そうと分かれば、ちまちま討伐する必要はなくなったので、スキルの試し打ちも兼ねて一気に行くぞ!!

「モモ、これからモモが契約してくれた時に俺にも使えるようになった雷系と氷系の魔法を試して、一気に討伐しようと思う」

「わかりました。私は動かず、ここから応援させていただきますね!」

 可愛く拳を握り、頬笑みながら応援してくれた。いちいち可愛いな。

 よし、行くぞ。

 <雷魔法 :Lv10・・神級>のスキルを最大の力をもってぶっ放した。

「神雷」

 その瞬間閃光が走り目の前が真っ白になって、何も見えなくなってしまった。
 と感じた瞬間に、轟音が鳴り響き地面が大きく揺れた。

 ドシャーン・・・

 耳がキンキンして良く聞こえない上、目も見えない。少し不安になるが、反撃されないし今度は落ち着いて回復したら状況を確認しよう。しかし、風も強く、風に飛ばされた何かがバシバシ当たって、痛くはないが、見えていないだけに気分が悪い。
 
「ご・・様、 ・・ か?」

 モモが話しかけてくれているようだが、<神獣>状態の時と違い、声を使って話をしてきたため何を言っているか理解できない。たぶん俺の心配をしてくれているのだろう。
 人化状態でも、水晶さんの調整のおかげで<神狼>の中であれば<念話>のように話ができるのだが、正直今話ができる状態ではないので、軽く手を振って何となく?返事をしておく。

 その後、体感で10秒程度で目も耳も復活した。
 Lvがかなり上がっているのか、回復が早い。
 ステータスを開示し、モモと確認した。

---------------------
名前:ジン・アルダ(覚醒転生者) 
種族:人族1/4(一応)  ➡ 人族1/4(一応)
Lv:51・・(A:上級) ➡ 78・・(S:帝級)
HP:2000/2030  ➡ 3100/3100
MP:1720/1720  ➡ 2500/2700
MT:1750/1950  ➡ 2950/2950
【スキル】
 <テイマー:Lv10・・神級>
 <身体強化:Lv10・・神級>
 <雷魔法 :Lv10・・神級>
 <氷魔法 :Lv10・・神級>
 <物理耐性:Lv 8・・帝級> UP
 <精神耐性:Lv 7・・上級> NEW
 <炎魔法 :Lv 7・・上級> NEW
 <念 話 :Lv 6・・上級> NEW
 <鑑定眼 :Lv 6・・上級> NEW
 <水魔法 :Lv 5・・上級> NEW
 <付与術 :Lv 5・・上級> NEW 
 <土魔法 :Lv 5・・上級> NEW
 <影魔法 :Lv 4・・中級> NEW
 <気配察知:Lv 4・・中級> NEW
 <風魔法 :Lv 3・・中級> NEW
 <危機回避:Lv 3・・中級> NEW
 <自然回復:Lv 3・・中級> NEW
 <棒 術 :Lv 3・・中級> NEW
 <隠 蔽 :Lv 2・・初級> NEW
 <光魔法 :Lv 1・・初級> NEW
【称 号】
 <神狼>管理者
【契約魔獣】
 神狼
---------------------

 一気に討伐したため、希望のスキルどことか、予期せぬスキルまでも手に入れていた。

 流石、4大地下迷宮ダンジョンLv99(SSS:神級)の<神狼>だ。上からスキルを見ていくと、にやけてしまう。

 ぐぁ、さりげなく<棒術>が紛れ込んでるじゃね~か!!何に使うんだよ。使わなければ問題ないからいいんだけどね。

 Lv自体も、現在確認されている人類最強の(S:帝級)クラスにまで一気に上昇してしまった。

 
 しか~も!!この層って林っぽかったはずだ・・なんだか、見渡す限り土っぽく見えるんですけど。

 おまけに魔獣なんて一匹もいないし。できれば<氷魔法 :Lv10・・神級>も試したかったんだけど、贅沢な悩みか。

 でも、さすがに<神級>の魔法を使うと、これだけ上昇しているステータスでも、MPは少し減っている状態だ。
 
 あれ?ちょっとフラフラする・・・

「ご主人様、ステータスが急激に上がりすぎると、体がなじむのに時間がかかる時があるようです。少しお休みになられた方が良いですよ?」

「そうだったのか。俺はステータス自体が上がる喜びを暫く味わうことができなかったから、ちょっとフラフラするけど嬉しいんだ。でも、モモの言う通り少し休みたいので、いったん制御室に戻ろうか?」

「はい。お散歩ピクニックが短かったのは少しだけ残念ですが、希望のスキルも入手できましたし、Lvもたくさん上がってよかったです。制御室では、一緒にゆっくりしましょうね?」

 そうして、俺は初討伐を予定以上の成果を上げて終了した。
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