前世も今世も裏切られるが、信頼できる仲間と共に理想の世界を作り上げる

焼納豆

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自身と自信

スキル取得へ向けて初討伐(3)

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「「ただいま」」

 管理室に転移し、水晶さんに挨拶して俺のステータス上昇を報告した。

『希望のスキル以上に成果が出てよかったです。ただ、ジン様が84階層を大破壊したせいで修復が大変です。魔獣はそのうち自動再生され林も大まかには再生されますが、ここまで破壊されたら、細かい所は私が修復する必要があるんですよ!!』

「大変申し訳ありませんでした」

 ちょっと切れ気味の水晶さんに、深く、深~く謝罪した。

 だって、水晶さん、怖いんだもん。

 でも、安心した。管理者として修復しろと言われても困るからな。

 正直俺は、<神狼>の情報は全て水晶さんに聞くことにしている。ので、修復しろと言われても前の状態がわからないし、やり方もわからないからだ。

 本来はここまで層が破壊されることはなく、魔獣討伐後は、時々何かしらのドロップがある。

 魔獣自体も素材や食料になるのだが・・・

 俺は<神級>クラスの力がどの程度かわからずに、全力でぶっ放してしまったのだ。いやね、魔法なんて使ったことないし、使えるようになれるとも思っていなかったから、嬉しさで制御できなかったんだよ。

 で、その結果が、層自体の破壊と、魔獣ところか、ドロップアイテム自体までも消滅させてしまうといった結果になったのだ。

 スキルは消滅しないで良かった・・・が、少し疲れたから、横になろう。
 
『ご主人様、こちらでお休みください』

 モモが、<神狼フェンリル>の姿になり、俺を優しく包み込んでくれたためあっという間に深い眠りについてしまった。




「ファ~~~~」

『ご主人様、疲れは取れましたか?』
 
 モモが<神狼フェンリル>の姿で優しく見つめながら聞いてくれた。
 何度でも言うが、どの姿でも可愛すぎる~。

「おはようモモ。疲れはすっかりとれたよ。Lvが大幅に上がったし、<自然回復:Lv 3・・中級>の効果もあったのかもしれないな。ところで、俺はどのくらい寝てたのかな?」

『6時間程度ですね。夕飯になさいますか?』

「そんな時間だったのか。どうしようかな。正直こんなに簡単にLvが上がってスキルもゲットできるなら、スキルの種類は今のところ良いにしても、Lv自体は上げておきたいし、ウェインとの<念話>も試したい」

『ジン様、今ジン様がお持ちの<念話:Lv6・・上級>では、ウェインがどのあたりにいるかはわかりませんが、かなりの距離を進んでいるはずです。その場合、距離が離れすぎており、正確に発動することはできません。ジン様のご実家である<神猫>の位置でスキルを発動すると考えると、最低でも<念話:Lv8・・帝級>が必要です』

 スキルが多すぎて、権能が把握できなくなってきているので、水晶さんのアドバイスは助かる。

 しかし、Lv6でもダメなのか。じゃあ今後の方針は決まったな。
 やはりLv自体を上げて、そのままスキルLvも上がれば良しとしよう。

「水晶様、今度はなるべく気を付けますので、おすすめの階層を教えて頂けますでしょうか?」

 初討伐は、あろうことか、自分が管理者になっている地下迷宮ダンジョンを破壊するという失態を冒した挙句、水晶さんを怒らせるという不運?が重なった。

 これ以上水晶さんに、あるかどうかもわからないヘソを曲げられると困るので、とりあえずかなり下からお伺いさせて頂いた。

 でも、次はもう一つの<神級>魔法<氷魔法:Lv10・・神級>を試すつもりなので、上手く制御できるかわからない為、お約束ではなく「なるべく」とした・・いや、させて頂いた。

『わかりました。ジン様のLvも上がりましたので、今回と同じ中層ではLvの上昇は微々たるものになります。よって、深層である163階層をお勧めします。ただし、層の扱いにはくれぐれも気を付けて下さい。深層であるため、層自体の耐久性もかなり上がっていますが、その状態で、もしまた同じように大破壊となった場合には、どの様になるかわからないdeathデスよ」

 あれ、最後の方ちょっと寒気がしたけど、気のせいかな?身体強化のLv、高いはずなんだけどな・・
 今回の討伐で、寒さとかに強くなる<環境耐性>が取れるといいな・・

 あまりここにいると、余計寒くなりそうなので、早速2回目の討伐に行くことにした。

「モモ、一緒に行こうか?」

「もちろんです、ご主人様」

 すでにモモは人化し(俺の上着は着てるからね!)、準備万端だ。

 じゃあ、「「行ってきます!!」」

 深層に区分されている163階層に転移した。

 浅層すら攻略完了していない人類が、深層に来られるなんて考えられないな。
 そんなことを思いつつ、辺りを見る。

 <危機回避:Lv3・・中級>は特に発動しなかったが、水晶さんと長話は危険と考えた俺は、この層の情報を聞かずに転移してきたのだ。

 管理者権限で、攻撃はされない上に<神級>の魔法をぶっ放すのであれば、魔獣情報を含む層の情報は無くでも問題ないからな。無いよね?

 水晶さんも、そのあたりをわかって特に引き止めなかったんだろう。
 必要であれば、<神狼>の内部であれば会話できるしね。


 魔獣の位置を確認しようと辺りを見ると、この層は灼熱の溶岩が流れている層だった。
 これから氷系の魔法を使おうとしているんだけど、やっぱり水晶さん怒っているのかな?

 あんなにきれいな謝罪を見せたのに。きっと俺のスキルに<謝罪:Lv10・・神級>がついているに違いない。
 でも水晶さんは、俺の謝罪スキルをスルー出来る特殊なスキルを持っているのだ・・

 
 くだらないことを考えてしまったが、俺は、人生で2回目の魔法<氷魔法:Lv10・・神級>を、少し抑え目で発動することにした。

 通常、魔法の発動には詠唱が必要になる。スキルLvは、<無級<初級<中級<上級<帝級<聖級<神級>とあり、<帝級>以上となると無詠唱で発動することはできるが、魔法を使うことにあこがれていた俺は、やはり詠唱してしまう。

 無詠唱で魔法発動をした場合には、その者の持つ魔法スキルは<帝級>以上が確定する。

 その他のスキルLv、例えば<上級>であれば詠唱は必須だし、詠唱にはスキルLvの文字が必ず入るので、<上級>で氷系統の魔法の発動に必要な詠唱は「上氷」となる。

 なので、地上で活動する際には適当なスキルLvの詠唱を行い、Lvがばれないようにしなくてはならないな。

 よし、では気を取り直して、詠唱!!

「神氷」

 今回は抑え目の発動の上、層レベルが高いとのことで、爆音や振動等、層自体の破壊を思わせる挙動はなくホッとした。

 したのだが、冷や汗が止まらない。
 いや、実際気温も大きく下がっているので汗も冷えて、結果冷や汗になっているかもしれないが・・
 
 美しく流れていた赤や、少し黄色に見えた溶岩が、完全に、しかも一瞬で氷の中で固まっている。
 その中には、所々に爬虫類の顔をした魔獣が見える。
 この氷と中の魔獣、そして溶岩はこのままなのか?
 
 ま・・・まずい・・・これって層破壊になるのか?
 見渡す限り同じ状況だが・・ 逃げるか?? いやどこに??

 と動揺していると、

「さすがご主人様ですね、灼熱の層も一瞬で相反する環境に持っていけるのは普通では考えられません。魔獣の数は分かりませんが、今回も相当なLvアップとスキルを手に入れることができたのではないでしょうか?」

 モモが、こちらの動揺を気にした様子もなしに、ゆったりと話しかけてくれた。

 やはりモモだ。あっという間に落ち着くことができた。
 俺の<謝罪:Lv10・・神級>なんてくだらない物ではなく、きっとモモは<癒し:Lv10・・神級>を持っているんだ。

 若干現実逃避をしてしまったが、改めまして・・・・

「ステータス!!」

---------------------
名前:ジン・アルダ(覚醒転生者) 
種族:人族1/4(一応)  ➡ 人族1/4(一応)
Lv:78・・(S:帝級) ➡ 96・・(SS:聖級)
HP:3100/3100  ➡ 6100/6100
MP:2500/2700  ➡ 6250/6300
MT:2950/2950  ➡ 5950/5950
【スキル】
 <テイマー:Lv10・・神級>
 <身体強化:Lv10・・神級>
 <雷魔法 :Lv10・・神級>
 <氷魔法 :Lv10・・神級>
 <空間魔法:Lv10・・神級>
 <物理耐性:Lv 9・・聖級> UP
 <炎魔法 :Lv 9・・聖級> UP
 <精神耐性:Lv 8・・帝級> UP
 <念 話 :Lv 8・・帝級> UP
 <鑑定眼 :Lv 8・・帝級> UP
 <土魔法 :Lv 6・・上級> UP
 <気配察知:Lv 6・・上級> UP
 <隠 蔽 :Lv 6・・上級> UP
 <環境耐性:Lv 6・・上級> NEW
 <魔 眼 :Lv 5・・上級> NEW
 <危機回避:Lv 5・・上級> UP
 <自然回復:Lv 5・・上級> UP
 <水魔法 :Lv 5・・上級> NEW
 <付与術 :Lv 5・・上級> NEW 
 <影魔法 :Lv 4・・中級> NEW
 <魔法耐性:Lv 4・・中級> NEW
 <体 術 :Lv 3・・中級> NEW
 <槍 術 :Lv 3・・中級> NEW
 <風魔法 :Lv 3・・中級> NEW
 <棒 術 :Lv 3・・中級> NEW
 <光魔法 :Lv 1・・初級> NEW    
【称 号】
 <神狼>管理者
【契約魔獣】
 神狼フェンリル
---------------------

 溶岩の中にいる魔獣だったので、炎系の上がりがよかった上に、耐性も増えた。
 また、気配察知も魔獣独自の生活環境から必要だったのだろう。

 俺は、レベルとスキルに満足していると、氷が魔獣と共に割れて粉々になり幻想的な光を映し出していた。
 暫くは見とれていたが、実は全ての氷が無くなった時の状態を見るのがなぜか怖くて怖くて仕方がなかった。
 <精神耐性:Lv8・・帝級>、しっかり仕事しろ。

 そんな不安?も杞憂だった。
 威力を落としたおかげか、氷が無くなってしばらくすると、溶岩は復活したのだ。
 但し、ドロップアイテムは見ることができない。きっと溶岩の中にあるのだろう。

 こうして俺の、2つ目の層攻略?による自身のLvアップを果たした。

 しかし、1つ目の層攻略と同じように、急激なLvアップによる倦怠感が表れ、またまた、あっという間に制御室に戻り、深い眠りにつくのだった・・・
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