前世も今世も裏切られるが、信頼できる仲間と共に理想の世界を作り上げる

焼納豆

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防衛能力の増強

召喚(2人目)

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 俺が落ち着いた後は、結構な時間を費やしてようやく今後の方針が決まったので、自室で寛ぎながら考えを巡らせていた。

 やはり俺は<神鳥>を攻略し、そこにいるソラと契約する事を優先することにしたのだ。
 辺境北伯管理の<神猫>は、後回しにしてもいつでも行けそうだからね。

 <神猫>にいる神獣のシロ、ごめんな。

 今更だが、4大地下迷宮ダンジョンは、それぞれの特色があり、ドロップが大きく異なっていると言われている。

 辺境東伯管理 <神狼> ドロップは装備系がメイン
 辺境南伯管理 <神龍> ドロップはアイテム系(ポーション等)がメイン
 辺境西伯管理 <神鳥> ドロップは付与系アイテムがメイン
 辺境北伯管理 <神猫> ドロップはあまりなく、討伐時の魔法系統Lvアップがしやすい

 という事だが、しょせんは浅層のデーターをまとめて傾向を出しただけなのだ。

 そもそも、<神狼>と<神龍>は俺が管理者になっているので、設定変え放題だしな。
 いっそのこと、内部の魔獣を外に出して、暴れさせてやるか?

『可能ですが、外に出た瞬間に新たな命令は受け付けなくなりますのでご注意ください』

 おっと、水晶さん。久しぶりに心を読みましたね?

『わかったよ。今のところはやるつもりないから。教えてくれてありがとう』

 しかし、この統計結果が辺境北伯の地位を更に下げる結果になっていたのだ。

 というのも、この<神猫>は、個人の強化はできるがお金にはならないのだ・・

 よって、<神猫>は、他の地下迷宮ダンジョンと比較して初心者などの低いLvの冒険者や騎士が強化のために向かう所であるという認識になってしまっている。

 なかなか腹のたつ評価である。

 最深が何層かも全く把握できていない上辺だけの評価だ。
 今の<シータ王国>の悪い面が全面に出ているといえるだろう。

 で、だ。俺が<神鳥>に向かっている時、モモとトーカは必ずついてくるだろう。

 なので、その3人で<神鳥>を一日かからずに攻略する。

 そして、各近衛兵は、ラムを除きウェインの<転移>で<神狼>に向かいLv上げを<SS:聖級>となるまで実施するが、最大3日までを予定している。魔獣から攻撃されない条件でこの日数内にLvを上げられない者は、残念ながらそこまでだ。

 ラムは防衛に必要な人材でLvも上げる必要がないので、居残り組とした。

 ウェインは近衛兵を<神狼>に送り次第<アルダ>に即帰還し防衛組となる。

 俺は攻略終了後即<アルダ>に戻り、狙撃班や魔道具作成班などのメンバーを<神龍>に転移させ<アルダ>に戻り防衛組。

 こうすることで、高い戦力を持つものがなるべく<アルダ>から不在にならないようにしているのだ。

 そして、各層の進捗については名管理者である水晶さんが見てくれることになっている。
 目的のLvまで達成した者を、順次報告してくれるのだ。

 しかし、用心に用心を重ねたい。
 そこで俺は、ウェインに続く2人目の召喚を実施することとした。

 一気に召喚しないのは、各人の個性が判らないため扱い辛いと困ること、管理が大変なこと、将来的には<テイマー>で契約したいが、契約数には制限があることがあげられるため、少しずつとした。

 そもそも、<神獣>4人全員契約するまでは、俺は<神獣>以外の誰とも契約しないのだ。

 1回目の召喚では、ウェインがあまりにイケメンだったので、用事が済んだら即帰還させようなんて考えていた頃が懐かしい。今は、ウェイン様様だ。

 しかし、ウェインもそうだったが、召喚直後の魔獣は飛びぬけてLvが高い訳ではないので、こちらもLv上げを実施する必要がある。

 このあたりはどのように調整しようか・・・

『水晶さん??どうでしょうか?』

 真剣な検討なので、水晶さんはきっと心を読んでいるだろうと推測し、即結論を求めた。

『随分と説明が少なくなっている気がしますが、何だか慣れてきましたよ。私としては、ジン様が<神鳥>攻略前に<神龍>にて召喚を実施し、そのまま<神龍>でLvを上げさせれば良いかと思います。<神龍>の方が<神狼>と比較して防御型の魔獣を召喚しやすいので、今回のケースではお勧めします。Lvの管理は私の方で実施しますので、その後につきましては変更なしでジン様はそのまま<神鳥>の攻略を開始してください。狙撃班や魔道具作成班とは階層をかぶらないようにしておきますのでご安心ください』

 よし、それで行こう。

 参考までに、近衛たちは<神狼>で隠密系のスキルを多めに取得させる予定だ。

 その他のメンバーを<神龍>としたのは、基本的に防御系統のLvが上がりやすいからだ。

 また、俺は基本的な設定の変更は行わないので、ポーションがドロップし易いはずだ。それを、ついでと言っては何だが、今後の事を考えて集めておこうと思っているのだ。
 
 時間がもったいないので、<神龍>の管理室に転移し、魔獣召喚だけは一人でさっさとやってしまおうかな?

「ご主人様!」「ジン!」

 流石契約済みの<神獣>だ。俺の行動などお見通した。そうですよね、一緒に行くんですよね・・

「トーカは、ずっと外に出られなかった部屋、100年もいた所に、ちょっととはいえ戻るんだぞ?この部屋で少しゆっくりするなり、外を散歩するなりしてもいいんだぞ?」

「やだ。ジンと一緒が良いの」

 ちょっと、いや正直かなり嬉しかったのは秘密だ。

「そっか、まあ出かけるといっても瞬間だし、じゃあみんなで一緒に行くか?」

「「はい(うん)」」

 そして、俺は3人で<神龍>の管理室に転移し、早速召喚を行うこととした。

『水晶さん、管理者権限でおすすめの魔獣を召喚頼むよ!』

『承知しました。今回の魔獣は防御が優れた魔獣となります」

 そして呼び出された2人目の魔獣のステータスはこうだった。

-------------------------------
名前:ユフロ
種族:亀鋼(幻獣)
Lv:61・・A(上級)
HP:800/800
MP:400/400
MT:600/600
【スキル】
 <物理耐性:Lv7・・上級>
 <身体強化:Lv5・・上級>
 <探  索:Lv5・・上級>
 <危険察知:Lv5・・上級>
 <危機回避:Lv4・・中級>
 <精神耐性:Lv4・・中級>
 <魔法耐性:Lv4・・中級>
 <土魔法 :Lv3・・中級>
【称 号】
 ジンの僕
-------------------------------

 かなり強いが、既にLv上げを終わっているラムやウェインと比較してしまうと物足りない。
 スキルは、水晶さんの言う通り防御系統に優れているが、攻撃に使用できそうなスキルは<身体強化>と<土魔法>位か・・・

 少しは攻撃系のスキルも取らせる必要があるな。

『承知しております』

 もはや心を読んでることを突っ込むこともなく、膝まづくユフロにも声をかけておく。

「よろしく頼むよ水晶さん。そして、ユフロ」

「ジン様の仰せのままに」

 お、ユフロの声はハスキーで可愛いな。見かけも可愛いけどね。
 
 そんなことを思っていると、モモとトーカが俺にしがみついてきた。
 目の前に可愛い女の子がいるので、やきもちかな?

 そんなことを思いながら、俺は<念話>でユフロと一度話をして遠隔からも連絡できるようにした上で、モモとトーカを連れて自室に転移した。
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