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防衛能力の増強
<アルダ>の強化(4)・・姉、兄の強化(第三者視点)
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ジンの姉であるソフィアと兄であるロイドは、それぞれ深層の別の階層に転移していた。
この深層が通常では考えられないほど危険な場所だという事は知識として知っている。
そもそも彼らの知識で深層とは50階層程度で、実際は200階層あるのだからその知識も現実とは大きなずれがあるのだが・・・
だが、領主の子供である彼らは、危険であることや、政務を学ぶ必要があることから時間もなく、地下迷宮に入る機会を得ることができなかったのだ。
そんな彼らは、家族、特にジンに対する思いは「スーパーブラコン」である。
ジンが一般的には使えないスキルと言われる<テイマー>を取得した時も、スキルの事などは全く気にならずに、ジンの人間性を見続けていたのだ。
見続けていたが故に、正直に言うとジンの変化・・そう、前世の記憶を取り戻した状態のジンと以前のジンの変化を敏感に感じ取っていたのだが、ジンから話てくれるまでは見守ろうと、2人揃って相談もせずに全く同じことを考え実行していた。
そしてある日、ジンと同行していた他辺境伯の子供の行動や、ジンから前世の記憶があること。前世でも裏切られたことなどを聞かされ、庇護欲が上限いっぱいを振り切れた。
たいして強くもない今の状態では、クズからジンを守ることができないと思い始めていたところに、<アルダ>の戦力強化の話を聞いた。
もちろん彼らは対象になっていなかったが、そこは「スーパーブラコン」略して「スパコン」、強引にダンと交渉しメンバーに入り込んだのだ。
そして案の定、他のメンバーが目標に達し続々と帰還する中、基礎Lvの低い彼らはひたすら魔獣を刈り続けていた。
そもそも彼らは領主の子供であり、このような血生臭い所に来ることなど、よほどのことがない限りないのだ。
そんな彼らはジンへの想いだけを心の支えに、魔獣を見つけては討伐、見つけては討伐をただひたすらに繰り返していた。
ここ<神鳥>の深層も、他の4大地下迷宮と同様に数えるのも馬鹿馬鹿しい程魔獣はいるので、探す時間は必要なかった。
裏から水晶さんがサポートをしているおかげで、それぞれの長所を伸ばし易いように適切な魔獣が配備されている。
189階層にいるソフィアは基本的に魔法主体の攻撃を行っており、スキル自体も魔法を強化する方向で進められていた。この層に来て初めての討伐時に使用した魔法は、ソフィアが使える魔法の中で最も攻撃力が高い<炎魔法Lv4・・中級>を発動した。
目の前の魔獣に炎の固まりが衝突し、魔獣の表面に真赤な炎が表れた。
ソフィアは初討伐完了を確信したが、ここはやはり深層・・闊歩している魔獣もLvが根本から違うため、暫くして炎が消えた後も、魔獣は何事もなかったかのように歩き続けていた。
「そ、そんな。私の最大魔法で全くダメージがないなんで・・」
ソフィアは唖然としていたが、高いLvの魔獣は、他の地下迷宮にいる近衛騎士である<A:上級>の二コラの全力の攻撃でさえしのいでみせるのだ。
そんな怪物と同等Lvの魔獣に、Lv<中級>の魔法が致命傷になる道理はない。
しかし、ソフィアはあきらめずに<炎魔法>を発動し、威力を上昇させるために即<風魔法>も発動した。見るからに前の攻撃よりも炎の威力は上がっていたが、やはり魔獣を倒すことはできていない。
それでもこれしか攻撃方法がないために、MPが枯渇すれすれまでソフィアは魔法を行使し続けた。
気を失いかけた時に、自宅から持って来たMPポーションを飲んでMPを完全回復し、魔法を行使する・・を繰り返したのだ。
MPポーションを飲むとMPを完全回復することができるが、倦怠感、不快感を取り除くことはできない。
しかしソフィアはひたすら魔法を行使し続けた。
こうしてどの程度時間が経ったかわからないが、ついに深層にいる魔獣を完全に討伐することに成功した。その瞬間、体の底から力が湧き上がってきたのだ。
ソフィアの基礎Lvは低く、討伐した魔獣のLvがあまりにも高かったために、ソフィアのLvが急上昇した。この急激な力の増加には体が慣れるまでに時間がかかり、一層の倦怠感や痛みを伴うのが普通だ。
普通なのだが・・ソフィアはそんなことはお構いなしに次なる魔獣に同じ魔法を行使した。
いくらLvが上がったソフィアでも、一匹の魔獣を倒した程度のLvアップでは当然一撃で倒せるわけもなかったが、魔法行使後の魔獣の体の表面が、明らかに焦げていた。そう、若干ではあるが魔獣に明らかなダメージを与えることができたのだ。
そしてついに迎えた3日目。当然ソフィアに時間の感覚はないが、<炎魔法>一発で目の前にいる魔獣を一撃で討伐できるLvにまで達したのだ。
『ソフィア様、おめでとうございます。他の地下迷宮Lvアップ組と同Lvである<SS:聖級>達成しましたので、<アルダ>に帰還していただくこととなります。まもなくジン様がお迎えに来ますので、そこから管理室に転移します』
その声を来た時に、ソフィアは
「これでジンを守ってあげられる・・」
とつぶやいていた。
一方193階層にいるロイド。こちらは幼い時から剣術を習っていたのだが、あまりうまく行かずに、今は護身用としてのみ剣を使っていた。
そのため、剣は常に帯刀しているのだがあまり使う機会はない。
基本彼は直情型なので、体(拳)で語り合うタイプなのだ。
そんなロイドは、魔獣に対して早速攻撃を仕掛けたが、魔獣としては痛くも痒くもないらしく、まるで鬱陶しいハエでも払うかのようにあしらわれてしまった。
魔獣側は、管理者権限での制約を受けておりロイドに攻撃をすることはできない。
しかし、目の前のゴミを軽く払うのは攻撃と規定されていないらしく、ロイドは吹っ飛んでしまった。
魔獣側は軽く、そう、かる~く払っただけなのだが、大ダメージを受けてしまったロイド。こちらもマジックバックからHPポーションを取り出し全回復することができたが、もう少し魔獣の力が強いか、飛ばされた先が芝生のような場所でなければ死んでいたかもしれない。
この時はさすがの水晶さんもあせっていたとかいないとか・・・
だが、この攻撃を受けたことによりロイドのLvが上昇したらしく(おそらく、水晶さんが何かしらの補正を入れたのだろう)、時間はかかるが攻撃が効くようになっていた。
もちろんその後は、ハエを払うような動作すら魔獣はしなかった。軽く動くサンドバック状態だ。
そして時間を忘れて魔獣を討伐し続けていた時に、ソフィアと時を同じくして水晶さんから終了のメッセージが届いたのだ。
---------------------
名前:ソフィア・アルダ
種族:人族
Lv:86・・SS(聖級)
HP:4600/4600
MP:5100/5100
MT:4800/4800
【スキル】
<光魔法 :Lv9・・聖級>
<身体強化:Lv8・・帝級>
<水魔法:Lv8・・帝級>
<炎魔法:Lv8・・帝級>
<風魔法:Lv7・・上級>
<物理耐性:Lv7・・上級>
<精神耐性:Lv7・・上級>
<魔法耐性:Lv7・・上級>
【称 号】
ジン大好きの姉
---------------------
---------------------
名前:ロイド・アルダ
種族:人族
Lv:87・・SS(聖級)
HP:4800/4800
MP:5200/5200
MT:4400/4400
【スキル】
<身体強化:Lv9・・聖級>
<物理耐性:Lv9・・聖級>
<精神耐性:Lv8・・帝級>
<魔法耐性:Lv8・・帝級>
<体 術 :Lv8・・帝級>
<危機回避:Lv8・・帝級>
<危険察知:Lv8・・帝級>
<自然回復:Lv8・・帝級>
【称 号】
ジン大好きの兄
---------------------
ここまでくれば、現時点で世の中に認知されている人族最強である<S:帝級>を超えているので、即致命傷と言う状態にはならないだろう。
しかし、暗殺、毒殺、封印等色々な方法が考えられるため、気を抜いてしまうのは厳禁ではあるが・・
彼らはそんなことは考えず、これでジンを守ることができると心躍らせていた。
己の身よりもジンの安全が一番気になっているのだ。
正直ジンは彼らよりもLvは高く、スキルの数など比べ物にならないため彼らよりも強く、どちらかというと守ってもらう立場なのだが・・
しかしそこは、お姉ちゃんお兄ちゃんフィルターがかかっているため、ジンが強いことは認識しているが、振り切れてしまった庇護欲を抑えられるものは最早なく、守る気満々である。
2人共、今後はジンを守り続けることを誓い<神鳥>を後にした。
この深層が通常では考えられないほど危険な場所だという事は知識として知っている。
そもそも彼らの知識で深層とは50階層程度で、実際は200階層あるのだからその知識も現実とは大きなずれがあるのだが・・・
だが、領主の子供である彼らは、危険であることや、政務を学ぶ必要があることから時間もなく、地下迷宮に入る機会を得ることができなかったのだ。
そんな彼らは、家族、特にジンに対する思いは「スーパーブラコン」である。
ジンが一般的には使えないスキルと言われる<テイマー>を取得した時も、スキルの事などは全く気にならずに、ジンの人間性を見続けていたのだ。
見続けていたが故に、正直に言うとジンの変化・・そう、前世の記憶を取り戻した状態のジンと以前のジンの変化を敏感に感じ取っていたのだが、ジンから話てくれるまでは見守ろうと、2人揃って相談もせずに全く同じことを考え実行していた。
そしてある日、ジンと同行していた他辺境伯の子供の行動や、ジンから前世の記憶があること。前世でも裏切られたことなどを聞かされ、庇護欲が上限いっぱいを振り切れた。
たいして強くもない今の状態では、クズからジンを守ることができないと思い始めていたところに、<アルダ>の戦力強化の話を聞いた。
もちろん彼らは対象になっていなかったが、そこは「スーパーブラコン」略して「スパコン」、強引にダンと交渉しメンバーに入り込んだのだ。
そして案の定、他のメンバーが目標に達し続々と帰還する中、基礎Lvの低い彼らはひたすら魔獣を刈り続けていた。
そもそも彼らは領主の子供であり、このような血生臭い所に来ることなど、よほどのことがない限りないのだ。
そんな彼らはジンへの想いだけを心の支えに、魔獣を見つけては討伐、見つけては討伐をただひたすらに繰り返していた。
ここ<神鳥>の深層も、他の4大地下迷宮と同様に数えるのも馬鹿馬鹿しい程魔獣はいるので、探す時間は必要なかった。
裏から水晶さんがサポートをしているおかげで、それぞれの長所を伸ばし易いように適切な魔獣が配備されている。
189階層にいるソフィアは基本的に魔法主体の攻撃を行っており、スキル自体も魔法を強化する方向で進められていた。この層に来て初めての討伐時に使用した魔法は、ソフィアが使える魔法の中で最も攻撃力が高い<炎魔法Lv4・・中級>を発動した。
目の前の魔獣に炎の固まりが衝突し、魔獣の表面に真赤な炎が表れた。
ソフィアは初討伐完了を確信したが、ここはやはり深層・・闊歩している魔獣もLvが根本から違うため、暫くして炎が消えた後も、魔獣は何事もなかったかのように歩き続けていた。
「そ、そんな。私の最大魔法で全くダメージがないなんで・・」
ソフィアは唖然としていたが、高いLvの魔獣は、他の地下迷宮にいる近衛騎士である<A:上級>の二コラの全力の攻撃でさえしのいでみせるのだ。
そんな怪物と同等Lvの魔獣に、Lv<中級>の魔法が致命傷になる道理はない。
しかし、ソフィアはあきらめずに<炎魔法>を発動し、威力を上昇させるために即<風魔法>も発動した。見るからに前の攻撃よりも炎の威力は上がっていたが、やはり魔獣を倒すことはできていない。
それでもこれしか攻撃方法がないために、MPが枯渇すれすれまでソフィアは魔法を行使し続けた。
気を失いかけた時に、自宅から持って来たMPポーションを飲んでMPを完全回復し、魔法を行使する・・を繰り返したのだ。
MPポーションを飲むとMPを完全回復することができるが、倦怠感、不快感を取り除くことはできない。
しかしソフィアはひたすら魔法を行使し続けた。
こうしてどの程度時間が経ったかわからないが、ついに深層にいる魔獣を完全に討伐することに成功した。その瞬間、体の底から力が湧き上がってきたのだ。
ソフィアの基礎Lvは低く、討伐した魔獣のLvがあまりにも高かったために、ソフィアのLvが急上昇した。この急激な力の増加には体が慣れるまでに時間がかかり、一層の倦怠感や痛みを伴うのが普通だ。
普通なのだが・・ソフィアはそんなことはお構いなしに次なる魔獣に同じ魔法を行使した。
いくらLvが上がったソフィアでも、一匹の魔獣を倒した程度のLvアップでは当然一撃で倒せるわけもなかったが、魔法行使後の魔獣の体の表面が、明らかに焦げていた。そう、若干ではあるが魔獣に明らかなダメージを与えることができたのだ。
そしてついに迎えた3日目。当然ソフィアに時間の感覚はないが、<炎魔法>一発で目の前にいる魔獣を一撃で討伐できるLvにまで達したのだ。
『ソフィア様、おめでとうございます。他の地下迷宮Lvアップ組と同Lvである<SS:聖級>達成しましたので、<アルダ>に帰還していただくこととなります。まもなくジン様がお迎えに来ますので、そこから管理室に転移します』
その声を来た時に、ソフィアは
「これでジンを守ってあげられる・・」
とつぶやいていた。
一方193階層にいるロイド。こちらは幼い時から剣術を習っていたのだが、あまりうまく行かずに、今は護身用としてのみ剣を使っていた。
そのため、剣は常に帯刀しているのだがあまり使う機会はない。
基本彼は直情型なので、体(拳)で語り合うタイプなのだ。
そんなロイドは、魔獣に対して早速攻撃を仕掛けたが、魔獣としては痛くも痒くもないらしく、まるで鬱陶しいハエでも払うかのようにあしらわれてしまった。
魔獣側は、管理者権限での制約を受けておりロイドに攻撃をすることはできない。
しかし、目の前のゴミを軽く払うのは攻撃と規定されていないらしく、ロイドは吹っ飛んでしまった。
魔獣側は軽く、そう、かる~く払っただけなのだが、大ダメージを受けてしまったロイド。こちらもマジックバックからHPポーションを取り出し全回復することができたが、もう少し魔獣の力が強いか、飛ばされた先が芝生のような場所でなければ死んでいたかもしれない。
この時はさすがの水晶さんもあせっていたとかいないとか・・・
だが、この攻撃を受けたことによりロイドのLvが上昇したらしく(おそらく、水晶さんが何かしらの補正を入れたのだろう)、時間はかかるが攻撃が効くようになっていた。
もちろんその後は、ハエを払うような動作すら魔獣はしなかった。軽く動くサンドバック状態だ。
そして時間を忘れて魔獣を討伐し続けていた時に、ソフィアと時を同じくして水晶さんから終了のメッセージが届いたのだ。
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名前:ソフィア・アルダ
種族:人族
Lv:86・・SS(聖級)
HP:4600/4600
MP:5100/5100
MT:4800/4800
【スキル】
<光魔法 :Lv9・・聖級>
<身体強化:Lv8・・帝級>
<水魔法:Lv8・・帝級>
<炎魔法:Lv8・・帝級>
<風魔法:Lv7・・上級>
<物理耐性:Lv7・・上級>
<精神耐性:Lv7・・上級>
<魔法耐性:Lv7・・上級>
【称 号】
ジン大好きの姉
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名前:ロイド・アルダ
種族:人族
Lv:87・・SS(聖級)
HP:4800/4800
MP:5200/5200
MT:4400/4400
【スキル】
<身体強化:Lv9・・聖級>
<物理耐性:Lv9・・聖級>
<精神耐性:Lv8・・帝級>
<魔法耐性:Lv8・・帝級>
<体 術 :Lv8・・帝級>
<危機回避:Lv8・・帝級>
<危険察知:Lv8・・帝級>
<自然回復:Lv8・・帝級>
【称 号】
ジン大好きの兄
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ここまでくれば、現時点で世の中に認知されている人族最強である<S:帝級>を超えているので、即致命傷と言う状態にはならないだろう。
しかし、暗殺、毒殺、封印等色々な方法が考えられるため、気を抜いてしまうのは厳禁ではあるが・・
彼らはそんなことは考えず、これでジンを守ることができると心躍らせていた。
己の身よりもジンの安全が一番気になっているのだ。
正直ジンは彼らよりもLvは高く、スキルの数など比べ物にならないため彼らよりも強く、どちらかというと守ってもらう立場なのだが・・
しかしそこは、お姉ちゃんお兄ちゃんフィルターがかかっているため、ジンが強いことは認識しているが、振り切れてしまった庇護欲を抑えられるものは最早なく、守る気満々である。
2人共、今後はジンを守り続けることを誓い<神鳥>を後にした。
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