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焼納豆

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防衛能力の増強

<アルダ>の強化(3)・・近衛騎士の強化

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 私は、<アルダ>領主ダン・アルダ様の近衛騎士である二コラだ。

 まずは私のステータスを見て貰おう。

----------------
名前:二コラ
種族:エルフ
Lv:57・・A(上級)
HP:420/420
MP:330/330
MT:400/400
【スキル】
 <精霊術:Lv8・・帝級>
 <剣 術:Lv7・・上級>  
 <身体強化:Lv6・・上級>
【称 号】
 アルダの近衛騎士
----------------

 一般的には中々の強さなのだろうが、ダン様の安心・安全をお約束するにはまだまだ力不足だと思っている。

 これは、ダン様ご家族の近衛騎士をしている他のメンバーとも常に同じ事を話し合っており、互いに研鑽する方法を試したり、相談したりしているのだ。

 我らはダン様に対して返しきれない恩がある。そのためにはこの命を捨てる事も躊躇しない。

 ある時、ジン様の近衛騎士である同僚のラムが、以前は私と同じ<A:上級>であったはずが、いつの間にか<SS:聖級>になっていたのだ。

 とても羨ましい。というのも、我らがお仕えする皆様のために力を得ることができていたからだ。

 私はその力の付け方をラムに聞いた所、ジン様と、なんとジン様と契約をされている<神獣>の皆様の力のおかげだという。

 そして、ダン様の方針として<アルダ>領の護衛や守備隊関連のメンバーは、今後他の辺境伯や、最悪国を相手にすることが想定されるため、Lvの底上げを実施していただけるとのこと。
  
 私を含む近衛騎士のメンバーは待ちきれずに、予定前日の夕方にはジン様の召喚魔獣であるウェイン殿に既に準備万端でいつでも行ける事を伝えた。

 それを聞いたウェイン殿は、ダン様に前倒しのLv上げ実施の許可を取りに一緒に行っていただけるとのことだ。

 ダン様は前倒し実施の許可を出してくださり、我々は<神狼>の深層へ転移した。

 もちろん我々は中層にさえ行けていない状態なので、正直・・少しだけ、少しだけだが腰が引けてしまったが、魔獣はこちらを決して攻撃してこない設定?とやらになっており、罠も解除されているとのこと。

 少々ずるい気もしないでもないが、我らの力不足によるものなので甘んじて受け入れよう。

 ラムを除く近衛騎士である
  ダン様の護衛  私こと 二コラ(エルフ)
  ヤリス様の護衛     オルド(魔族)
  ソフィア様の護衛    ハルド(魔族)
  ロイド様の護衛     ミーナ(猫獣人)

 は全員異なる階層に転移していた。
 
 ウェイン殿曰く、各層にそれぞれのLvアップに最適な魔獣を配置しており、またLv上昇に伴い広範囲の瞬滅ができるようになるので、この広い深層でも、階層を分けた方が効率的であるためそのようにしているとのこと。

 ついでに・・と付け加えられ、誤射を防ぐためでもあるんですよ・・と言われた。

 Lvの高い広範囲瞬滅の魔法や術を行使すると、コントロールが難しいため仲間に攻撃してしまう可能性もあるそうだ。

 それはそれで修行になりそうだが、時間がもったいないので与えて頂いた環境でLvアップに勤しむとしよう。

 私のいる階層は何階層かはわからないが、森のステージだ。

 普通エルフ族は弓を得意とするが、私は魔界森にいたときに弓を一切使用することができなかったので一族から爪弾きにされ、ここ<アルダ>領にいることができている。

 そんな私の得意とするところは<精霊術>と<剣術>だ。

 <精霊術>は各種魔法と同様の効果を得ることができる術で、私は剣に魔法を掛けた状態で<身体強化>を行いつつ<剣術>を使用し敵と戦っていくスタイルをとっている。
 
 しかし、今後の敵の巨大さを考えると、搦め手・・例えば暗闇からの急襲などにも即対応できるように、<気配察知>や<危険察知>、<危機回避>も欲しいところだ。

 そんな事を考えながら、<剣術>にて目の前を歩いていた巨大な三つ目の人型魔獣に攻撃をした。
 こんな深層にいるような魔獣の情報など持っているわけもなく、ただひたすらに切り続けた。
 
 私の全力の攻撃にもかかわらず、この魔獣はかなり長い時間行動を止めることがなかった。
 一瞬反撃されるか不安になったが、ウェイン殿がおっしゃったとおり、一切反撃されることはなかった。

 もし反撃されていたら私はここにいないだろう。というよりも、いた痕跡さえも残らないだろう。
 その位強さに差があるのは理解できた。

 おかげで、私の愛用の刀の刃は既にボロボロ・・これが使えなければ<精霊術>一本で行くしかない。
 初めての信じられない程の高Lv魔獣を討伐し、息が上がってしまいながらも次の討伐について考えていた。

 ラムもこのLvの魔獣を倒し続けたらあのLvになるのも納得だ。

 と、突然目の前に剣がドロップした。
 漆黒の刃で、柄は金色のなんとも美しい剣だ。
 
 私の初めてのドロップアイテム・・そう、正直運がないかとあきらめていたドロップだ。

 今後も使用させて頂けるかは、ここの管理者であるジン様にお伺いを立てる必要があるが、今はちょうど武器もないため、使用させていただくこととしよう。
 
 今まで使っていた武器は、長く使用して愛着もあるが正直限界であったのも否めない。
 手で木の下の土を掘り返し、長らく私と共に歩んできてくれた愛剣を埋めて感謝の祈りを捧げておいた。

 改めて、一時的かもしれないが新しい剣よ、よろしく頼む。

 私は、今までと同じように<精霊術>を使用して剣に魔法を掛けた。のだが、明らかに私の内側からあふれてくる力があるのが分かった。

 高Lvの魔獣討伐によるものか、このドロップによるものか、両者か・・・わからないが、これなら次の魔獣は少しは楽に倒せそうだ。

 そう思い、次に目の付く・・というよりもそこら中に歩いている魔獣に切りかかった。

 さっきは長時間切り続けてようやく倒した魔獣が、何の抵抗もなく真っ二つになってしまった。更にはその切断面から私が使用している<精霊術>の炎が噴き出し、魔獣を消滅させてしまったのだ。

 これは・・いくらなんでもこれはすごすぎる。たった一匹、いくら高Lvの魔獣を討伐したと言えどもここまでのLvアップはないだろう。という事は、このドロップも相当なものであるという事だ。

 となると、時間がもったいないので、Lvを上げられるだけ上げるべく、ひたすら魔獣を刈りまくった。

 やがて脳内に、

『目標達成しましたので、転移します。討伐を終了してください』

 と連絡が来た。
 これがジン様そしてウェイン殿が言っていた水晶さんなのだろう。

 私は、自身のLvアップが達成できたことを誇りに、改めてダン様、そしてご家族の皆様の盾と剣になることを誓ったのだ。

----------------
名前:二コラ
種族:エルフ
Lv:57・・A(上級)  ➡ Lv90・・SS(聖級)
HP:420/420    ➡ 5900/5900
MP:330/330    ➡ 5800/5800
MT:400/400    ➡ 5000/5000
【スキル】
 <精霊術:Lv9・・聖級>  UP
 <剣 術:Lv9・・聖級>  UP  
 <身体強化:Lv9・・聖級> UP
 <気配察知:Lv6・・上級> NEW
 <危機回避:Lv5・・上級> NEW
 <危険察知:Lv5・・上級> NEW
 <物理耐性:Lv4・・中級> NEW
 <魔法耐性:Lv4・・中級> NEW
【称 号】
 アルダの近衛騎士
【装 備】
 <剣:帝級>
----------------

 私はジン様に、この剣の使用許可をいただくことができ大変満足している。
 これは、ラムの装備と同じく使用者の腕に腕輪の状態で装着して持ち歩くことができるのだ。

 他の近衛騎士である同僚はどうなっただろうか?
 あぁ、心配するまでもなく彼らは当然<SS:聖級>に達しているだろう。

 お互いに報告するのが楽しみだ。
 この新たな力は、ダン様、ご家族、そしてこの<アルダ>領のために全力で使用することを改めて誓おう。
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