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領地アルダ
<シータ王国>との決別
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魔法防壁の上から下を見続けていると、いくらLvの低い連中でもこちらに気が付くらしい。
中には見知った顔もいた。
辺境東伯3男、クズのアレンだ。
あいつらの裏切りのおかげで死ぬような思いをし、前世のつらい過去も思い出した。
あれ?でも神獣とも会えたし、スキルの鍵も解除されたわけだし・・あまり悪いことばかりではなかったか?
MT(精神耐性)が限界突破してるのか、思った程怒りはわいてこないな。
腹立ってるけど・・
少し嫌味でも行ってやろうかと思ったところ、向こうから何かを言ってきた。
「おい、こののろま。さっさと門を開けろ。こっちは国王様の命令でこんな辺鄙なところまで来てやってるんだぞ」
思わず言い返してしまった。
「いやいや、辺鄙だから辺境伯なんだろうが。お前の所も同じだな」
「ふざけんな。こっちは辺境東伯でお前は北だ。男爵レベルでほざくな」
「へ~、だったら壁ごとき問題なく突破できるだろ?さっきから見てるけど、傷一つ付いてないじゃねーか!!」
少々煽って見てやるとするか。と思ったが、俺の背後にドワーフがいることに気が付いてしまった。
あれ?これって俺が煽るよりももっとすごいことになるんじゃないか?と思って父さんの方を見ると、苦笑いしていた。
同じことを思っているらしい。
すると、ドワーフ族長のガジムが言い放った。
「おう、そこでピーチク囀っている若造、この壁は我らが主であるダン様が治める<アルダ>領のために俺たちが作ったものだ。いきなり来て破壊しようとするとは無礼以前に、破壊できると思っている自分の実力すら見極めることができないクズ中のクズだな。良ければ後でクズ王として表彰してやるぞ、ガハハハハハ」
それを聞いたアレンと、その父辺境東伯のザイド、そして一団は顔を真っ赤にして、額に青筋を浮かべてがむしゃらに壁に攻撃しだした。
それを見て、ガジムは、
「ガハハハハ、お前ら俺を笑いで呼吸困難にさせる戦法か、なかなか策士だな。褒めてやる。そこそこ効いているぞ。グフフフフ、フハハハハ。我らが壁の掃除をしてくれているのか?感心感心。ガハハハ・・だめだ、苦しい、グハハハハゲホッ、ハハハゴホッ、オウェ~・・」
「「ギャ~、ふざけんな!!」」
なんてこった、祭りで酔っぱらっていたのか、最終兵器を城壁下に垂れ流しやがった。下の方でなんか騒いでいるがとりあえず無視だ。
しかし、笑い死にしそうな状況は分からなくもない。
実際壁にダメージは一切なく、今までの無駄な攻撃で舞ってしまった埃を取っているような状態なのだ。
ガジムは相当つらかったらしく、魔法防壁から下をのぞくのをやめて座り込み、呼吸を一生懸命整えていた。
「ジン様あいつらなかなかやりますの。ここまで腹にダメージを食らったのは久しぶりですわ。こんな戦略があるとは・・ブハハハハ」
アレンとザイド達は必死になって攻撃をしているが何も変わらず、むしろ防壁の上から聞こえてくるガジムの笑い声に、更にがむしゃらに攻撃するという事を繰り返していた。
やがて彼らと彼らの連れてきた一団は力尽き、皆座り込むか倒れこんでしまった。ちなみにガジムも笑いすぎにより大ダメージを受けてお腹を押さえて座り込んでいる。
この状況になり父さんが動き出した。
魔法防壁の上より、
「辺境東伯であるザイドよ、このダン・アルダが治める<アルダ>領に突然攻撃を仕掛けてくるとは何事だ。事と次第によってはこちらからも反撃せざるを得ないが」
その声を聞いた瞬間、地面にへばりついていた一団が父さんを一斉に見上げた。
見上げたのだが、我らが誇る高Lvの狙撃班が殺気を出しながら弓を構えているのを見て、全員あっという間に委縮してしまったのだ。
これがLvの差である。
更に父さんは続ける。
「各辺境伯には、それぞれ管理を<シータ王国>より任されている地下迷宮があるな。我々はその地下迷宮の侵入に制限を加える方法を確立した。そもそも辺境伯の主な収入源、産業は地下迷宮に依存しており、そこからの納税で王都も潤っているはずだ。この財力の源ともいえる地下迷宮が使い物にならなくなったらどうなるか、足りない頭で考えてみたらどうだ?」
父さんは管理者の話はあえてせずに、制限を加える方法があると伝えた。
そもそも王国上層部は地下迷宮管理者権限を利用した人族最強作成管理者システムを理解しているはずなので、わざわざ一般の兵士にまで情報を与える必要はないと判断したのだろう。
辺境東伯ザイドは、このシステムを理解しているような挙動を示した。
その息子のアレンもだ。
そもそもアレンのLvは俺に申告していたよりも高く、想定ではLv50程度のはずだ。
あの年齢では通常達することができないLvであるため、あいつもきっとどこかの<S:帝級>の管理している地下迷宮で力を付けさせて貰ったのだろう。
そうすると、ダン・アルダが言っていることを実行することは可能ではあるが、もし実行されてしまった場合<アルダ>の誰かが各辺境伯が管理する4大地下迷宮を攻略し管理者になったという事を嫌でも理解させられるのだ。
最悪のケースを考えると、各地下迷宮から魔獣を地上に送り込み、辺境伯領地を攻め落とすこともできてしまう。
そこまでコントロールできる事を彼らが理解しているかは不明だが・・
そんな時、辺境東伯ザイドが、
「ふざけるな。汚物までまき散らしおって。我らは<シータ王国>の王命でここにきている。これ以上の狼藉は<シータ王国>の反逆とみなし、全国民から攻撃を受けることになるぞ。更に、この俺の手にある魔道具は何だと思う?国王様がこの領地を下賎した際に城ごと渡されたのを前の領主から聞いているか?これはな、城を中心とした破壊魔方陣を起動する魔道具だ。このまま反逆し門を開けずとも内部から破壊することもできるのだぞ。ハハハハ、今度はこちらが笑う番だな」
そんなものがあったとは、父さんが以前言っていた王国を侮るなというのはあながち間違いではなかったのだ。
焦りを表に出さないように、あの魔道具を破壊するか、魔方陣側を破壊するかを考えている時に、ドワーフ族の族長であるガジムが再び立ち上がりこう言った。
「いや、お前たち、クズの分際でここまで笑わせてもらって礼をいう。そもそもその魔道具が本物で、魔方陣も本物であるとしよう。だがな、お前はこの壁の外にて、魔方陣は中にある。言いたいことわかるか?クズにもわかるように言いなおそう。その魔道具はいくら起動しようとしても、この魔法防壁で遮断されて防壁内部では何も起動することはできないんだよ」
ガジム!!流石だ。執念深いなんて何回も言い続けてごめんな。酒臭いけど。
実際にザイドは魔道具を起動しようとしていたが、<アルダ>領には何も変化は起こらなかった。一瞬焦ったが、流石ガジムを筆頭としたドワーフ族だ。
父は<念話>にて狙撃班に指示を出した。
『各班、あのクズの魔道具を破壊した後、あいつらの武器も全て破壊しろ。ただし腹立つだろうがクズ共を傷つけるなよ。そしてウェインを始めとするジンの契約魔獣よ、やつらの言う破壊魔方陣の有無を確認し、見つけ次第破壊しろ』
『はっ』
返事と共に、地面に座り込んでる連中の武器、ザイドの魔道具全てが一瞬のうちに全て破壊された。
彼らは何が起きたか理解できていないようだ。
ここで父は宣言した。
「今回は昔のよしみで命は助けてやる。だが、お前ら含め<シータ王国>には愛想が尽きた。よって、今、この瞬間我ら<アルダ>は辺境北伯ではなく、<アルダ王国>として建国を宣言する。領地はこの元辺境北伯領、および魔界森全てとする。さっさと帰ってお前らの国王に伝えろ。建国祝いならいつでも受け付けると言っておけ」
そういって、さっさと城壁から撤収したのだ。
地面に座り込んでいるやつらは、どうすればいいのか暫く呆けていたが、命を見逃されたのは理解しているらしくのそのそと撤収し始めた。
一部の人族が他の門に伝令に行ったため、<アルダ>に来ていた全ての一団は撤収することとなったのだ。
一安心ではある物の、ここからは完全な全面戦争になる。
食糧問題、領地から安易に外に出られなくなる為安全の確保等やるべき課題は多い。
でも、信頼できる強い仲間と共にこの難局を乗り切れる確信があった。
残念ながら、実際に破壊魔方陣は存在し、契約魔獣達が破壊した。
他にも同じような物がないかを、神獣達も一緒に探してくれたが、城を中心とした一つだけだった。
そうそう、もちろん地下迷宮<神狼><神龍><神鳥>については侵入制限したよ・・ざま~みろ。
中には見知った顔もいた。
辺境東伯3男、クズのアレンだ。
あいつらの裏切りのおかげで死ぬような思いをし、前世のつらい過去も思い出した。
あれ?でも神獣とも会えたし、スキルの鍵も解除されたわけだし・・あまり悪いことばかりではなかったか?
MT(精神耐性)が限界突破してるのか、思った程怒りはわいてこないな。
腹立ってるけど・・
少し嫌味でも行ってやろうかと思ったところ、向こうから何かを言ってきた。
「おい、こののろま。さっさと門を開けろ。こっちは国王様の命令でこんな辺鄙なところまで来てやってるんだぞ」
思わず言い返してしまった。
「いやいや、辺鄙だから辺境伯なんだろうが。お前の所も同じだな」
「ふざけんな。こっちは辺境東伯でお前は北だ。男爵レベルでほざくな」
「へ~、だったら壁ごとき問題なく突破できるだろ?さっきから見てるけど、傷一つ付いてないじゃねーか!!」
少々煽って見てやるとするか。と思ったが、俺の背後にドワーフがいることに気が付いてしまった。
あれ?これって俺が煽るよりももっとすごいことになるんじゃないか?と思って父さんの方を見ると、苦笑いしていた。
同じことを思っているらしい。
すると、ドワーフ族長のガジムが言い放った。
「おう、そこでピーチク囀っている若造、この壁は我らが主であるダン様が治める<アルダ>領のために俺たちが作ったものだ。いきなり来て破壊しようとするとは無礼以前に、破壊できると思っている自分の実力すら見極めることができないクズ中のクズだな。良ければ後でクズ王として表彰してやるぞ、ガハハハハハ」
それを聞いたアレンと、その父辺境東伯のザイド、そして一団は顔を真っ赤にして、額に青筋を浮かべてがむしゃらに壁に攻撃しだした。
それを見て、ガジムは、
「ガハハハハ、お前ら俺を笑いで呼吸困難にさせる戦法か、なかなか策士だな。褒めてやる。そこそこ効いているぞ。グフフフフ、フハハハハ。我らが壁の掃除をしてくれているのか?感心感心。ガハハハ・・だめだ、苦しい、グハハハハゲホッ、ハハハゴホッ、オウェ~・・」
「「ギャ~、ふざけんな!!」」
なんてこった、祭りで酔っぱらっていたのか、最終兵器を城壁下に垂れ流しやがった。下の方でなんか騒いでいるがとりあえず無視だ。
しかし、笑い死にしそうな状況は分からなくもない。
実際壁にダメージは一切なく、今までの無駄な攻撃で舞ってしまった埃を取っているような状態なのだ。
ガジムは相当つらかったらしく、魔法防壁から下をのぞくのをやめて座り込み、呼吸を一生懸命整えていた。
「ジン様あいつらなかなかやりますの。ここまで腹にダメージを食らったのは久しぶりですわ。こんな戦略があるとは・・ブハハハハ」
アレンとザイド達は必死になって攻撃をしているが何も変わらず、むしろ防壁の上から聞こえてくるガジムの笑い声に、更にがむしゃらに攻撃するという事を繰り返していた。
やがて彼らと彼らの連れてきた一団は力尽き、皆座り込むか倒れこんでしまった。ちなみにガジムも笑いすぎにより大ダメージを受けてお腹を押さえて座り込んでいる。
この状況になり父さんが動き出した。
魔法防壁の上より、
「辺境東伯であるザイドよ、このダン・アルダが治める<アルダ>領に突然攻撃を仕掛けてくるとは何事だ。事と次第によってはこちらからも反撃せざるを得ないが」
その声を聞いた瞬間、地面にへばりついていた一団が父さんを一斉に見上げた。
見上げたのだが、我らが誇る高Lvの狙撃班が殺気を出しながら弓を構えているのを見て、全員あっという間に委縮してしまったのだ。
これがLvの差である。
更に父さんは続ける。
「各辺境伯には、それぞれ管理を<シータ王国>より任されている地下迷宮があるな。我々はその地下迷宮の侵入に制限を加える方法を確立した。そもそも辺境伯の主な収入源、産業は地下迷宮に依存しており、そこからの納税で王都も潤っているはずだ。この財力の源ともいえる地下迷宮が使い物にならなくなったらどうなるか、足りない頭で考えてみたらどうだ?」
父さんは管理者の話はあえてせずに、制限を加える方法があると伝えた。
そもそも王国上層部は地下迷宮管理者権限を利用した人族最強作成管理者システムを理解しているはずなので、わざわざ一般の兵士にまで情報を与える必要はないと判断したのだろう。
辺境東伯ザイドは、このシステムを理解しているような挙動を示した。
その息子のアレンもだ。
そもそもアレンのLvは俺に申告していたよりも高く、想定ではLv50程度のはずだ。
あの年齢では通常達することができないLvであるため、あいつもきっとどこかの<S:帝級>の管理している地下迷宮で力を付けさせて貰ったのだろう。
そうすると、ダン・アルダが言っていることを実行することは可能ではあるが、もし実行されてしまった場合<アルダ>の誰かが各辺境伯が管理する4大地下迷宮を攻略し管理者になったという事を嫌でも理解させられるのだ。
最悪のケースを考えると、各地下迷宮から魔獣を地上に送り込み、辺境伯領地を攻め落とすこともできてしまう。
そこまでコントロールできる事を彼らが理解しているかは不明だが・・
そんな時、辺境東伯ザイドが、
「ふざけるな。汚物までまき散らしおって。我らは<シータ王国>の王命でここにきている。これ以上の狼藉は<シータ王国>の反逆とみなし、全国民から攻撃を受けることになるぞ。更に、この俺の手にある魔道具は何だと思う?国王様がこの領地を下賎した際に城ごと渡されたのを前の領主から聞いているか?これはな、城を中心とした破壊魔方陣を起動する魔道具だ。このまま反逆し門を開けずとも内部から破壊することもできるのだぞ。ハハハハ、今度はこちらが笑う番だな」
そんなものがあったとは、父さんが以前言っていた王国を侮るなというのはあながち間違いではなかったのだ。
焦りを表に出さないように、あの魔道具を破壊するか、魔方陣側を破壊するかを考えている時に、ドワーフ族の族長であるガジムが再び立ち上がりこう言った。
「いや、お前たち、クズの分際でここまで笑わせてもらって礼をいう。そもそもその魔道具が本物で、魔方陣も本物であるとしよう。だがな、お前はこの壁の外にて、魔方陣は中にある。言いたいことわかるか?クズにもわかるように言いなおそう。その魔道具はいくら起動しようとしても、この魔法防壁で遮断されて防壁内部では何も起動することはできないんだよ」
ガジム!!流石だ。執念深いなんて何回も言い続けてごめんな。酒臭いけど。
実際にザイドは魔道具を起動しようとしていたが、<アルダ>領には何も変化は起こらなかった。一瞬焦ったが、流石ガジムを筆頭としたドワーフ族だ。
父は<念話>にて狙撃班に指示を出した。
『各班、あのクズの魔道具を破壊した後、あいつらの武器も全て破壊しろ。ただし腹立つだろうがクズ共を傷つけるなよ。そしてウェインを始めとするジンの契約魔獣よ、やつらの言う破壊魔方陣の有無を確認し、見つけ次第破壊しろ』
『はっ』
返事と共に、地面に座り込んでる連中の武器、ザイドの魔道具全てが一瞬のうちに全て破壊された。
彼らは何が起きたか理解できていないようだ。
ここで父は宣言した。
「今回は昔のよしみで命は助けてやる。だが、お前ら含め<シータ王国>には愛想が尽きた。よって、今、この瞬間我ら<アルダ>は辺境北伯ではなく、<アルダ王国>として建国を宣言する。領地はこの元辺境北伯領、および魔界森全てとする。さっさと帰ってお前らの国王に伝えろ。建国祝いならいつでも受け付けると言っておけ」
そういって、さっさと城壁から撤収したのだ。
地面に座り込んでいるやつらは、どうすればいいのか暫く呆けていたが、命を見逃されたのは理解しているらしくのそのそと撤収し始めた。
一部の人族が他の門に伝令に行ったため、<アルダ>に来ていた全ての一団は撤収することとなったのだ。
一安心ではある物の、ここからは完全な全面戦争になる。
食糧問題、領地から安易に外に出られなくなる為安全の確保等やるべき課題は多い。
でも、信頼できる強い仲間と共にこの難局を乗り切れる確信があった。
残念ながら、実際に破壊魔方陣は存在し、契約魔獣達が破壊した。
他にも同じような物がないかを、神獣達も一緒に探してくれたが、城を中心とした一つだけだった。
そうそう、もちろん地下迷宮<神狼><神龍><神鳥>については侵入制限したよ・・ざま~みろ。
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