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焼納豆

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領地アルダ

<アルダ>建国へ向けて・・俺はアレン

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 俺は名高い辺境東伯三男のアレンだ。

 一部の名前が同じ辺境伯の名を持つが、そもそも我が辺境東伯とは雲泥の差がある変更北伯なるしょせん男爵レベルの三男であるジン、そしてその他の辺境南伯次男ブゴウ、辺境西伯次女ショリーと、俺の合計4人で、我が辺境東伯にある<神狼>の攻略を父上を通して王命として受けた。

 というのは名目上で、国王様からの命令はあったのだが、実際の所は違う。

 この<シータ王国>では、辺境北伯なる者は正直目障りでしかない。

 各辺境伯には管理を任されている「神」の名を冠する4大地下迷宮ダンジョンが領地にある。
 いや、各4大地下迷宮ダンジョンのある場所に各辺境伯領地が設定されたのだ。

 そこから生み出される物は価値あるものばかりで、特殊アイテム、装備、ポーション、魔獣の肉、そして装備や魔動議に使用できる魔獣の一部等、正に宝の山だ。

 しかし、変更北伯の管理する<神猫>に関して言えば、魔獣を討伐することによる魔法関係のLvアップがしやすいのみで、初心者育成地下迷宮ダンジョンなのだ。

 地下迷宮ダンジョンからして、辺境北と我らとは隔絶した地位の差が存在する。

 さらに辺境北伯領地においては、我ら誇りある人族以外と共存・共生を謳っているのだ。
 我らにしてみれば、人族以外・・いや辺境北伯の人族もだが・・そもそも下賎の者なので、同じ生活をさせるなどとは考えられない。

 当然国王を始めとして、貴族、そして国民すべてが同じ思想であるため、辺境北伯が目障りでしょうがないのだ。

 こんな目障りな者共に、メリットは少ないとはいえ地下迷宮ダンジョンを管理させることはするべきではなく、何とか現領主であるダン・アルダを領主の座から引きずりおろして我らが管理するか、そもそも領土を搾取するかを考えている<シータ王国>の総意で、先ずはダン・アルダの嫡子であるジン・アルダを行方不明または殺害するというのが本当の王命になっていた。

 そして俺たちは計画通りジン・アルダを<神狼>の中で転移魔方陣に追い込み行方不明とさせたため、やつの命はないだろう。

 その報告を我が父上ザイドに報告し、そのまま辺境北伯領に向かうこととした。

 当然ジンと同行していた俺たちに何かしらの文句を言ってくるだろうから、そこをきっかけに攻撃し領主を殺害、領地も奪ってしまおうとの魂胆だ。
 
 ここまでは知らなかったが、父上を含む他の辺境伯も既に打ち合わせを済ませており、間もなく出立できる体制をとっていたのだ。

 更には国王の宝物庫から使い捨てにはなってしまうが、転移マジックアイテムを複数個頂戴してきたとのこと。

 <神狼>から出るのに少し時間がかかったが、あまり慌てる必要もないので体力回復を待って出立としてくれるそうだ。
 
 ただ、俺以外の辺境伯の子供は今回は同行せず各領地に戻るらしい。

 そして俺の体力が回復し、即転移マジックアイテムで各辺境伯の精鋭の一団と共に辺境北伯にほど近い林に転移した。残念ながらこの人数を一つのマジックアイテムで転移することはできないらしく、2つのマジックアイテムを消費してしまった。

 高いLvの<身体強化>を持つものが、辺境北伯領の城壁、そして、出入り口の門が開かれており人の出入りも確認した。俺の目ではとてもそこまで詳しく見ることはできないが・・。

 よし、いよいよジン・アルダの行方不明という名の死亡について話すことにしよう。
 あいつが勝手な行動をして我らに迷惑をかけ、勝手に行方不明となったことを・・・

 そうして俺たちは目立つように旗を立てて行軍する者と、<隠密>を使用して奇襲をかける一団と分けて進んだ。

 進んだのだが、城壁を目の前に我らは立ち止まざるを得なかった。なぜなら・・・門が閉まっていたからだ。しかも4方向全ての門が!だ。

 ふざけやがって、明らかに俺達が来ていることには気が付いているはずだ。
 城壁の内部からは楽しそうな声が聞こえてくるのがよりイライラを募らせる。

 待つこと暫く、日が傾き始めたころについに父上の限界が肥えたようだ。
 
 「皆、もう何かを話す必要はないだろう。我らの到着を知りつつ会話を拒否している状態と言える。つまりは反逆と言えなくもないのだ。よって、いまより総攻撃を開始しろ」

 よし、これであいつの家族、そして領土も終わりだな。この精鋭一団ならば万が一もないだろう。
 しかも父上には、国王様より奥の手を渡されているらしいしな。

 俺もこの薄汚い壁を軽く破壊するか??



 そう思っていた時があった。

「くっ、どうなっているんだ。どんな攻撃をしても壁に亀裂どころか傷一つ入らない。魔法を最大で使用しても何も起きない。何をしやがった」

 俺だけではなく、精鋭全員が攻撃をしても同じ状態なのだ。明らかに異常な状態で、俺はふと思った。

 この領地には、かなり上質の装備を作るドワーフ族がいたはずだ。俺も直接ではないがここのドワーフ一族が作った装備である剣を持っている。

 そんな奴らがこの城壁に何か細工をしたら、このような状態になるかもしれないが・・・

「父上、まさかとは思いますがこれはこの領地に住むドワーフの手が入っている城壁かもしれません」

「そうだな。これだけ攻撃をして何も変わらないとはそうとしか思えん。だとすると、貴重ではあるが転移マジックアイテムを使用して領内に侵入するか・・」

 そうして俺たちは、辺りにいる精鋭と共に転移マジックアイテムを作動させた・・のだが、一向に転移する気配がない。

 貴重なアイテムだが、起動に失敗したか?残りは1つしかないがしょうがない。
 と再度起動するも、アイテムのみ消費されて転移することはできなかった。

 想定通りに行かないことが多すぎて、俺や父上を含め皆がイライラしていたところに城壁から<アルダ>と民衆の叫び声が聞こえてきた。

 その瞬間、俺たちは怒りを抑えることができずにがむしゃらに城壁を攻撃し始めた。
 しかし変化はなく、やがて皆体力がきれ座り込む者も出始めた。

 一部<身体強化>を持っている者が城壁を登ろうと試みていたが、何故か途中で見えない何かに突き落とされているようで落下してくるのだ。

 そう、結構な速さで壁を登っていくのだが落下してしまう。
 その状態を確認するために、上を見ていると何やら視界に城壁の上にいる人物が入ってきた。

 なんと、行方不明・・いや本来は死亡しているジン・アルダがいるのだ。

 本来は俺たちの裏切りにより行方不明になっており、俺に対して責を負わせることができるのだが、そんなことは関係ない。

「おい、こののろま。さっさと門を開けろ。こっちは国王様の命令でこんな辺鄙へんぴなところまで来てやってるんだぞ」

 というが、あいつらは決して門を開けることはしなかった。
 
 するとそこにドワーフらしき人物が現れ、我らを侮辱したのだ。
 
 我慢の限界を突破した我ら一団は再び全力で攻撃を仕掛けるが、やはり壁はびくともしなかった。

 それを見ていたクソドワーフは、なんと大笑いしやがった。
 挙句の果てには、笑い過ぎでゲ〇吐きやがった。俺達に向かって・・・

 ふざけんな!!

 このゲ〇、酒の匂いもして猛烈に臭いんだよ!!。
 このクソゲ〇ドワーフ!!

 そうこうしている内に、ついに父上は国王様から渡された奥の手・・初めて聞いたが、城の下に隠れた破壊魔方陣が設置されており、その起動魔道具を手渡されていた・・を起動しようとした。
 
 しかしやつらは微動だにもせず、魔道具も起動することができなかったのだ。

 父上の手の中にあったはずの魔道具も、俺があのクソゲ〇ドワーフが作ったであろう高品質の剣も、周りの精鋭たちの武器も気が付いたら粉々になっていた。

 まさか、あの辺境北伯が我らを歯牙にもかけないとは・・・
 更には、<シータ王国>から独立し<アルダ王国>を建国するなどとふざけたことを言い始めた。

 そしてその中には聞き捨てならない言葉があった。
 辺境東伯を含む4大地下迷宮ダンジョンの侵入制限を懸けるというのだ。

 実は、地下迷宮ダンジョンには隠された秘密があり、攻略者は管理者権限が与えられ、管理者権限を使用すれば、その地下迷宮ダンジョンのLvと同じLvまで無傷で強化することができるのだ。
 当然、管理者権限で侵入の制限も行うことができる。

 これは<シータ王国>の最重要機密事項であり、我らば懇意にしている<S:帝級>一族の他の地域にある辺境伯から得た情報なのだ。
 もちろん俺も<S:帝級>一族の地下迷宮ダンジョンで、ある程度のLvアップをさせてもらっているのだが・・

 もはやこれは今の状態の我々では手に負えないと判断し、王国として対応することにし撤収を始めた。
 貴重な転移マジックアイテムは最早手元にはないために、歩いての帰還となるのだ・・

 クソ辺境北伯、そしてクソゲ〇ドワーフ、俺は必ずお前たちを叩き潰してやる。
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