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<アルダ王国>として
<フラウス王国>第一王子・・(3)
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私は改めて話をすることにした。
「国王様、少し話がそれてしまいますが<アルダ王国>からの留学生である<猫獣人>のグリフをご存じでしょうか?」
「もちろん知っておるぞ。他国の留学生は万が一のために情報を全て把握しておかねばならんのでな。貴公とも仲が良いと聞いている。この3日は学園には来ておらず、一時休学しているそうだな。話によると母国<アルダ王国>の為に帰還したのだろう」
流石は王だ。ここまでくればスムーズに話が進むか?
「では国王様、グリフのLvをご存じでしょうか?」
「ああ、スキルLvの詳細はよく覚えていないが、<身体強化>を得意としていたな。そしてLv自体は<C:中級>だったはずだ」
よし、これならば大丈夫だ。きっとうまく行く。
「では話を戻させて頂きます。<アルダ王国>の戦力につきましては、実際に近衛騎士一名と幻獣一名、グリフの迎えに来た者をこの目で見ております。この2名は少なくとも<SS:聖級>はあります。そし「まて・・」」
「少し待て、今貴公は幻獣そして<SS:聖級>と言ったように聞こえたが間違いないか?」
「その通りでございます」
よし、食いついてきた。順調だ。しかしここからが重要だ。焦らず・・緊張のあまり汗が目に入ってくる。親友の為、ここが踏ん張りどころだ。
国王が私の話をさえぎってまで確認するほど幻獣・・そして<SS:聖級>はインパクトが凄まじいのだ。
現在確認できている最高峰が<S:帝級>であり、<S:帝級>が束になったもかなわないのが<SS:聖級>なのだから驚くのもしょうがない。
そして幻獣は基本的には隔絶した力を持っているといわれている。
「言われている」となるのは、ほぼ目にすることができないからだ。
私の推測では、おそらくこの<ゴルデア王国>では最高戦力が<A:上級>のはずだ。
実は各国の王族が集まる会議が一年に一回あるのだが、当然王族が来るので人数指定はある物の、護衛は会議室に入室することができる。そういえばその会議も間もなくだった気がするが・・
そこには自らの身の安全のため、そして他国へのけん制も含めて最高戦力を連れてくるのが一般的であるが、<シータ王国>以外は全て<A:上級>だったのだ。
これは我が<フラウス王国>の魔道具による計測結果なので間違いない。
そのため、<ゴルデア王国>国王は<シータ王国>と事を構えたくないのだろうと判断した。
よし、落ち着いてきた。話を進めよう。
「実は幻獣曰く、<アルダ王国>には6名の幻獣がおり、Lvアップも容易であるようなことを言っていました。とすれば、<シータ王国>の<S:帝級>にも対応できると思慮します」
「・・・なるほどな。戦力については事実を確認したいところだ。特にLvアップも容易であるならば、仮に我が国に矛先が向かっても対応できるはずだ。まあ、<アルダ王国>を良く知る必要はあるがな」
「承知しました。Lvアップについては、どの様な事をするのかまでは幻獣は教えてくれませんでしたが、結果は知ることができます。我が親友グリフのLvは国王様ご指摘の通り<C:中級>でした。彼は<アルダ王国>でこの三日間幻獣が言っていたLvアップを行ったそうです。彼の現在のLvを確認するというのはいかがでしょうか?」
「それは良いが、彼がこの学園を出立したのが三日前だ。なぜこの短い期間に<アルダ王国>にたどり着いてLvアップができるのだ?<ゴルデア王国>付近で実施したのか?そもそもLvはこのような短い期間に上げることは、たとえ低Lvの者でも不可能であるはずだが・・」
「いいえ、そうではありません。彼等は<転移>スキルを持っており、一瞬で<アルダ王国>に帰還しています故。そして既にグリフはこの王宮の外に来ております」
「にわかに信じられんが、ではグリフをここへ連れてくるがいい」
「では少々お待ちください」
私は王宮の外にいるグリフを迎えに行った。
私は祖国の父にこの作戦を伝えて、Lvアップ後のグリフをここに連れて来てもらえるように<アルダ王国>に伝えて貰ったのだ。
たった3日だったが、明らかに強さが違っているのがわかる。どんな方法を使ったのか気になる所だが、今はその時ではない。
同行してくれている幻獣のセリアさんと近衛騎士であるミーナさんも共に謁見してもらう。
再度謁見の間に到着し、4人で入室した。
この時間で、国王はLv測定魔道具・・そう、私が腕につけている物と同等品を準備していた。これは<フラウス王国>が<ゴルデア王国>に譲渡した物なので、性能は折り紙付きだ。
そして、私、グリフ、セリアさん、ミーナさんが入室すると、魔道具を凝視していた国王、そしていつも間にか増えていた<ゴルデア王国>国王側近が目を見開いた。
私・・のLvは恥ずかしいのでここでは秘密としておこう。魔道具が壊れていない事を証明できる役割だ。こういった役割も・・・そう、必要なのだ。決して涙など流していないぞ。
続いて入室したグリフに全員目を見開いた。
たったの三日で<A:上級>になっていたからだ。溢れ出る力からも明らかに強者であることがわかる。親友として誇らしくも羨ましい。
そして、セリアさん・・
彼女のLvはあの魔道具では知ることができない。つまり<SS:聖級>以上が確定するのだ。残念なことに私とグリフのLvがしっかりと表示されているので、魔道具の故障でないことは彼等も理解しているだろう。
最後に、ミーナさん・・
セリアさんと同様、魔道具で計測できない状況に国王とその側近はただひたすら魔道具を凝視していた。
かなり長い時間彼らは魔道具を凝視し続けていたが、最初に我に返ったのはやはり国王だった。
「ハル王子、貴公の言う<アルダ王国>の戦力については、いやという程、理解した、いや、させられた。これであれば<シータ王国>が攻めてきても対処できるだろう・・。まあ、<シータ王国>は今きな臭い動きをしているようだが・・・。しかし、<アルダ王国>を国として認めるには国自体を知る必要がある。そこは分かってもらいたい」
「ありがとうございます。国を知らずに承認などできるはずもありませんので、おっしゃる通りでございます。ただ、今後の動きもありますのであまり時間はかけたくありません。そこで、<転移>を使える方々が来ていますので、一度<アルダ王国>にどなたかが同行されてはいかがでしょうか?」
「ハル王子よ、やけに手際が良いな。よほど<アルダ王国>に肩入れしているか、<シータ王国>が嫌いか・・。我らも<シータ王国>は好きではないが・・まあ良いか。せっかくだからその手際の良さに乗らせてもらうか・・。おい宰相、<ゴルデア王国>の代表として<アルダ王国>を良く見てくれ。肩入れするのではなく、公平に見てくるのだぞ」
よし、今私のできる事はここまでだ。
もしこのままうまく事が進んで<アルダ王国>を承認してもらえたら、父上は私の事を少しでも認めてくれるだろうか?
そう思っていると、国王が、
「そこの帯剣している者は<猫獣人>に見えるので、もう一方が幻獣で間違いないか?」
やはり幻獣についてかなり気になるようだ。
幻獣であるセリアさんが、
「はい、私は幻獣のセリアと申します。<アルダ王国>第二王子であるジン・アルダ様の僕です」
この流れはまずい。幻獣が誰かの僕などあっさり言ってしまうなど・・私もそうだが、容易には受け入れられないだろう。
「そ、そうか。そこのハル王子から貴国には幻獣が6名いると聞いておるが、事実であろうか?」
「はい、私を含めて6名おり全てジン様の僕でございます」
おい!!余計な一言付け加えないでくれ・・6名いる・・で終わりで良いじゃないか・・
・・しまった。少々動揺してしまった。
しかし、流石は国王様だ。動揺はしているが何とか会話を続けることができていた。
他の側近は石造のように固まったままだが・・
「なるほど、貴国の状態は少し理解することができた。して少々不遜な質問になってしまうが、<猫獣人>の者よ、貴公のLvは<SS:聖級>以上であると認識しているが、どうだろうか?いや、これはあまり軽々しく言えるものではないだろうから返答しなくても良いのだが・・」
「問題ないですにゃ。確かに我ら近衛騎士のLvは全員<SS:聖級>にゃよ」
うぉ~い、ミーナさんあなたもですか???
今聞かれたのはあなた!! そう!!あ・な・た・のLvです。近衛騎士全員なんて聞かれてません!!
残念ながら、私の心の叫びなど聞こえるまでもなく、宰相が<アルダ王国>に視察に行ける状態になるまでかなりの時間を要してしまった。
「国王様、少し話がそれてしまいますが<アルダ王国>からの留学生である<猫獣人>のグリフをご存じでしょうか?」
「もちろん知っておるぞ。他国の留学生は万が一のために情報を全て把握しておかねばならんのでな。貴公とも仲が良いと聞いている。この3日は学園には来ておらず、一時休学しているそうだな。話によると母国<アルダ王国>の為に帰還したのだろう」
流石は王だ。ここまでくればスムーズに話が進むか?
「では国王様、グリフのLvをご存じでしょうか?」
「ああ、スキルLvの詳細はよく覚えていないが、<身体強化>を得意としていたな。そしてLv自体は<C:中級>だったはずだ」
よし、これならば大丈夫だ。きっとうまく行く。
「では話を戻させて頂きます。<アルダ王国>の戦力につきましては、実際に近衛騎士一名と幻獣一名、グリフの迎えに来た者をこの目で見ております。この2名は少なくとも<SS:聖級>はあります。そし「まて・・」」
「少し待て、今貴公は幻獣そして<SS:聖級>と言ったように聞こえたが間違いないか?」
「その通りでございます」
よし、食いついてきた。順調だ。しかしここからが重要だ。焦らず・・緊張のあまり汗が目に入ってくる。親友の為、ここが踏ん張りどころだ。
国王が私の話をさえぎってまで確認するほど幻獣・・そして<SS:聖級>はインパクトが凄まじいのだ。
現在確認できている最高峰が<S:帝級>であり、<S:帝級>が束になったもかなわないのが<SS:聖級>なのだから驚くのもしょうがない。
そして幻獣は基本的には隔絶した力を持っているといわれている。
「言われている」となるのは、ほぼ目にすることができないからだ。
私の推測では、おそらくこの<ゴルデア王国>では最高戦力が<A:上級>のはずだ。
実は各国の王族が集まる会議が一年に一回あるのだが、当然王族が来るので人数指定はある物の、護衛は会議室に入室することができる。そういえばその会議も間もなくだった気がするが・・
そこには自らの身の安全のため、そして他国へのけん制も含めて最高戦力を連れてくるのが一般的であるが、<シータ王国>以外は全て<A:上級>だったのだ。
これは我が<フラウス王国>の魔道具による計測結果なので間違いない。
そのため、<ゴルデア王国>国王は<シータ王国>と事を構えたくないのだろうと判断した。
よし、落ち着いてきた。話を進めよう。
「実は幻獣曰く、<アルダ王国>には6名の幻獣がおり、Lvアップも容易であるようなことを言っていました。とすれば、<シータ王国>の<S:帝級>にも対応できると思慮します」
「・・・なるほどな。戦力については事実を確認したいところだ。特にLvアップも容易であるならば、仮に我が国に矛先が向かっても対応できるはずだ。まあ、<アルダ王国>を良く知る必要はあるがな」
「承知しました。Lvアップについては、どの様な事をするのかまでは幻獣は教えてくれませんでしたが、結果は知ることができます。我が親友グリフのLvは国王様ご指摘の通り<C:中級>でした。彼は<アルダ王国>でこの三日間幻獣が言っていたLvアップを行ったそうです。彼の現在のLvを確認するというのはいかがでしょうか?」
「それは良いが、彼がこの学園を出立したのが三日前だ。なぜこの短い期間に<アルダ王国>にたどり着いてLvアップができるのだ?<ゴルデア王国>付近で実施したのか?そもそもLvはこのような短い期間に上げることは、たとえ低Lvの者でも不可能であるはずだが・・」
「いいえ、そうではありません。彼等は<転移>スキルを持っており、一瞬で<アルダ王国>に帰還しています故。そして既にグリフはこの王宮の外に来ております」
「にわかに信じられんが、ではグリフをここへ連れてくるがいい」
「では少々お待ちください」
私は王宮の外にいるグリフを迎えに行った。
私は祖国の父にこの作戦を伝えて、Lvアップ後のグリフをここに連れて来てもらえるように<アルダ王国>に伝えて貰ったのだ。
たった3日だったが、明らかに強さが違っているのがわかる。どんな方法を使ったのか気になる所だが、今はその時ではない。
同行してくれている幻獣のセリアさんと近衛騎士であるミーナさんも共に謁見してもらう。
再度謁見の間に到着し、4人で入室した。
この時間で、国王はLv測定魔道具・・そう、私が腕につけている物と同等品を準備していた。これは<フラウス王国>が<ゴルデア王国>に譲渡した物なので、性能は折り紙付きだ。
そして、私、グリフ、セリアさん、ミーナさんが入室すると、魔道具を凝視していた国王、そしていつも間にか増えていた<ゴルデア王国>国王側近が目を見開いた。
私・・のLvは恥ずかしいのでここでは秘密としておこう。魔道具が壊れていない事を証明できる役割だ。こういった役割も・・・そう、必要なのだ。決して涙など流していないぞ。
続いて入室したグリフに全員目を見開いた。
たったの三日で<A:上級>になっていたからだ。溢れ出る力からも明らかに強者であることがわかる。親友として誇らしくも羨ましい。
そして、セリアさん・・
彼女のLvはあの魔道具では知ることができない。つまり<SS:聖級>以上が確定するのだ。残念なことに私とグリフのLvがしっかりと表示されているので、魔道具の故障でないことは彼等も理解しているだろう。
最後に、ミーナさん・・
セリアさんと同様、魔道具で計測できない状況に国王とその側近はただひたすら魔道具を凝視していた。
かなり長い時間彼らは魔道具を凝視し続けていたが、最初に我に返ったのはやはり国王だった。
「ハル王子、貴公の言う<アルダ王国>の戦力については、いやという程、理解した、いや、させられた。これであれば<シータ王国>が攻めてきても対処できるだろう・・。まあ、<シータ王国>は今きな臭い動きをしているようだが・・・。しかし、<アルダ王国>を国として認めるには国自体を知る必要がある。そこは分かってもらいたい」
「ありがとうございます。国を知らずに承認などできるはずもありませんので、おっしゃる通りでございます。ただ、今後の動きもありますのであまり時間はかけたくありません。そこで、<転移>を使える方々が来ていますので、一度<アルダ王国>にどなたかが同行されてはいかがでしょうか?」
「ハル王子よ、やけに手際が良いな。よほど<アルダ王国>に肩入れしているか、<シータ王国>が嫌いか・・。我らも<シータ王国>は好きではないが・・まあ良いか。せっかくだからその手際の良さに乗らせてもらうか・・。おい宰相、<ゴルデア王国>の代表として<アルダ王国>を良く見てくれ。肩入れするのではなく、公平に見てくるのだぞ」
よし、今私のできる事はここまでだ。
もしこのままうまく事が進んで<アルダ王国>を承認してもらえたら、父上は私の事を少しでも認めてくれるだろうか?
そう思っていると、国王が、
「そこの帯剣している者は<猫獣人>に見えるので、もう一方が幻獣で間違いないか?」
やはり幻獣についてかなり気になるようだ。
幻獣であるセリアさんが、
「はい、私は幻獣のセリアと申します。<アルダ王国>第二王子であるジン・アルダ様の僕です」
この流れはまずい。幻獣が誰かの僕などあっさり言ってしまうなど・・私もそうだが、容易には受け入れられないだろう。
「そ、そうか。そこのハル王子から貴国には幻獣が6名いると聞いておるが、事実であろうか?」
「はい、私を含めて6名おり全てジン様の僕でございます」
おい!!余計な一言付け加えないでくれ・・6名いる・・で終わりで良いじゃないか・・
・・しまった。少々動揺してしまった。
しかし、流石は国王様だ。動揺はしているが何とか会話を続けることができていた。
他の側近は石造のように固まったままだが・・
「なるほど、貴国の状態は少し理解することができた。して少々不遜な質問になってしまうが、<猫獣人>の者よ、貴公のLvは<SS:聖級>以上であると認識しているが、どうだろうか?いや、これはあまり軽々しく言えるものではないだろうから返答しなくても良いのだが・・」
「問題ないですにゃ。確かに我ら近衛騎士のLvは全員<SS:聖級>にゃよ」
うぉ~い、ミーナさんあなたもですか???
今聞かれたのはあなた!! そう!!あ・な・た・のLvです。近衛騎士全員なんて聞かれてません!!
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