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<アルダ王国>として
<フラウス王国>第一王子・・(2)
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私はすぐに親友に今日の夕方に迎えが来ることを伝えた。
正直別れはとても悲しいが、己の力不足を恨み、この気持ちをバネに必死で力を付けてやる。
そうして私たちは、午後の授業はキャンセルし食事をしたり、昔話に花を咲かせたりして友情を深めあい、夕刻に門の前で迎えを待っていた。
やがて一瞬目の前が発光し、その後に現れたのはとても美しい人族のように見える女性と、<猫獣人>の女性の二人が表れた。
きっと<アルダ王国>はグリフと同族の<猫獣人>を迎えにこさせる事で親友の緊張をほぐしたのだろうか?
そして<猫獣人>は挨拶をしてきた。
「初めまして。私は<アルダ王国>近衛騎士のミーナというにゃ。そしてこっちは<幻獣>のセリアにゃ」
「初めまして、ハル様、グリフ様。セリアと申します」
えっ、今幻獣って言ったか?
その名の通り、強大な力を持つ幻の魔獣だぞ!! 幻。わかるか?幻だぞ!!
そんな人が、いや、結果的には人ではなかったが<アルダ王国>にいるのか?これなら父上が私を足手まといと言ったのが良くわかる。
私は少し安心して、親友を任せることにした。
「ミーナさん、セリアさん、私の親友であるグリフを頼みます」
「任せるにゃ」
「お任せください。我々幻獣一同がグリフ様のLvを責任もって上げることでより安全になるようにいたします」
は?? いま幻獣一同て言った?言ったよね??
しかもLvを上げる?まもなく<シータ王国>と戦争のはずだ。そんな短期間にLvを上げる方法があるのか?
もしやハルの気概を無視して戦力として見ていないのか?
「あの、セリアさん?<アルダ王国>には幻獣の皆さんは何名ほどいらっしゃるのでしょうか?あと、ハルのLvを上げるとのことですが、そんなに時間をかけられない状況だと思いますが、大丈夫なのでしょうか?」
「そうですね、先ず幻獣ですが私を含めて6名になります。そし「はぁ~!?」・・・」
はっ、しまった。あまりの事に変な声を出してしまった。
「大変申し訳ありません。少し、いやかなり動揺してしまいました。続きをお願いします」
セリアさんは微笑み続きを話してくれた。良かった、気分を害してはいないようだ。でも美人だな。
「はい、幻獣は私を含めて6名と申し上げました。そしてその後ですが、グリフ様のLvですが、内容は申し上げられませんが我が主の力をもってすれば容易に短期間でLvを上げることができます」
幻獣がここまで言い切るのだ。間違いないのだろう。
そもそも、幻獣は通常の人族とは隔絶した力を持つものが多い。
それが6名・・・<アルダ王国>恐るべし・・・
父上の<アルダ王国>との同盟はやはり英断だったのだ。
私は改めて私の腕についている魔道具を見た。実はこの魔道具、<S:帝級>までは強さを測定できる魔道具なのだが、さっきからあの二人には全く反応していない。
故障はしていないのは分かる。なぜなら私とグリフのLvはこの魔道具から情報を正確に読み取れているからだ。
だとすると、無条件でこの二人は<SS:聖級>以上という事になる。
もはや彼女たちのくしゃみ一つで私など粉々になってしまうようなLvなのだ。
面と向かってまともに話ができているのは、彼女たちが溢れ出る強さを内面に押し留めてくれているからだろう。
これほど信じられない戦力がいるならば、我が親友に危険はないだろう。
「ミーナさん、近衛騎士と先ほどおっしゃっていましたが、何名ほどいらっしゃるのでしょうか?近衛騎士という事は、王族の方々の護衛ですか?だとするとミーナさんを含めて5名ということですか?」
「そうにゃよ。良く知ってるにゃね」
なるほど、他の近衛騎士も同じLv帯域にいるのだろう。正直今ここにいる二人でもちょっと本気を出せば、我が<フラウス王国>を滅ぼすことができるのではないだろうか。
しかし、私がそうであるように、頭脳をもってして攻略する方法もあるため油断することはできない。
私は私でできる事を必死にしよう。
これで暫くは親友ともお別れか。寂しいが決意を新たに活動しよう。
「では、グリフ暫しの別れだ。検討を祈る」
「おう、お前もなハル・・」
互いに拳を軽くぶつけて健闘を誓い、グリフは<アルダ王国>に転移していった。
本当にあっという間の出来事で、しかも想定外の幻獣や彼女たちのLvの高さに驚いてあまり悲しい気持ちは湧いてこなかったのが救いかもしれない。
いつもまでもここにいてもしょうがないだろう。私は私のすべきことがある。
実は父上との通信において一つ気になる点があった。
それは<アルダ王国>との同盟を結んだ旨各国に布告したとのことだが、残念ながらこれだけでは<アルダ王国>はこの世界で国家とは認められたとは決して言えないのだ。
実際にこの世界で公に国家として認められるには、既に国家として認められている2つ以上の国から承認を得る必要がある。
父上の青写真としては、父上の<フラウス王国>、そして<フラウス王国>と友好関係にあり、更には今私がいる<ゴルデア王国>の承認を目指しているのだろう。
父上との魔道具通信で、<アルダ王国>の為に何かできる事がないかと伝えた時、暗に<ゴルデア王国>でできる事を考えろと伝えて来ていたのだ。
つまりはそういう事だろう。
早速私は<フラウス王国>王族の立場を利用して、<ゴルデア王国>の王族へ謁見を申し出た。
いくら王族同士と言っても、こちらはある意味ただの留学生であるため、すぐに謁見することはできない。
予定では3日後になるとのことで、<身体強化>のLv上げに殆どの時間を費やしていた。しかし、今まで手取り足取り教えてくれていたグリフがいなくなると効率は良くないが、そんな泣き言を言っている暇はない。
時間はあっという間に過ぎ、すぐに謁見の時となった。
私は自らに課した激しい鍛錬のおかげで体中が痛いが、親友そして我が祖国、同盟国である<シータ王国>の為になすべきことをするのだ。
謁見の間に入り、跪き<ゴルデア王国>シャプール国王の入室を待つ。
程無くして国王が入室、玉座に座り声がかかる。
「面を上げよ、ハル王子。此度は<フラウス王国>第一王子としての謁見との事。どのような用件か?」
「この度はお時間をいただきましてありがとうございます。既に聞き及んでいるかと思いますが、<シータ王国>と<フラウス王国>の件でございます」
「うむ、やはりその件か。むしろそれしかないわな。<フラウス王国>から<アルダ王国>との同盟に関する布告は突然の事で些か驚いたぞ。今の状況から察するに、我が国にも<アルダ王国>の承認をせよ・・とのことだと思うがどうだ?」
「その通りでございます。我が<フラウス王国>は<シータ王国>と過去の因縁から国交を樹立しておりませんが、<シータ王国>辺境北伯であった<アルダ>領には敬意を抱いておりました。その<アルダ>が<アルダ王国>として独立したのです。既に我が弟も<アルダ王国>におり、強固な同盟を結んでおります故、私としても同盟国である<アルダ王国>の一助となるべく努力しているところでございます」
「そうか。しかし国として認めるという事は当然その国を知る必要がある。貴公の父君は人を見る目があるのでこの短い間でも同盟まで話を進めたのであろうが、我は<アルダ王国>を良く知らないのが現状だ。例えば、<シータ王国>には知っての通り<S:帝級>がおり、戦争の準備をしていると聞くが、<アルダ王国>自体の戦力は把握できておらん。仮に我が国も<アルダ王国>の承認をしたとしよう。その場合この<ゴルデア王国>も攻撃対象になってしまうだろう。我々は領民の安全を守る義務があるのだ。安易に承認するわけにはいかん」
思った通りの回答が来た。国王としては当然の回答だろう。
だからと言って安易にあきらめるわけにはいかない。
当然予想した回答であったため、ある程度はこの3日で手を打っていたのだ。
正直別れはとても悲しいが、己の力不足を恨み、この気持ちをバネに必死で力を付けてやる。
そうして私たちは、午後の授業はキャンセルし食事をしたり、昔話に花を咲かせたりして友情を深めあい、夕刻に門の前で迎えを待っていた。
やがて一瞬目の前が発光し、その後に現れたのはとても美しい人族のように見える女性と、<猫獣人>の女性の二人が表れた。
きっと<アルダ王国>はグリフと同族の<猫獣人>を迎えにこさせる事で親友の緊張をほぐしたのだろうか?
そして<猫獣人>は挨拶をしてきた。
「初めまして。私は<アルダ王国>近衛騎士のミーナというにゃ。そしてこっちは<幻獣>のセリアにゃ」
「初めまして、ハル様、グリフ様。セリアと申します」
えっ、今幻獣って言ったか?
その名の通り、強大な力を持つ幻の魔獣だぞ!! 幻。わかるか?幻だぞ!!
そんな人が、いや、結果的には人ではなかったが<アルダ王国>にいるのか?これなら父上が私を足手まといと言ったのが良くわかる。
私は少し安心して、親友を任せることにした。
「ミーナさん、セリアさん、私の親友であるグリフを頼みます」
「任せるにゃ」
「お任せください。我々幻獣一同がグリフ様のLvを責任もって上げることでより安全になるようにいたします」
は?? いま幻獣一同て言った?言ったよね??
しかもLvを上げる?まもなく<シータ王国>と戦争のはずだ。そんな短期間にLvを上げる方法があるのか?
もしやハルの気概を無視して戦力として見ていないのか?
「あの、セリアさん?<アルダ王国>には幻獣の皆さんは何名ほどいらっしゃるのでしょうか?あと、ハルのLvを上げるとのことですが、そんなに時間をかけられない状況だと思いますが、大丈夫なのでしょうか?」
「そうですね、先ず幻獣ですが私を含めて6名になります。そし「はぁ~!?」・・・」
はっ、しまった。あまりの事に変な声を出してしまった。
「大変申し訳ありません。少し、いやかなり動揺してしまいました。続きをお願いします」
セリアさんは微笑み続きを話してくれた。良かった、気分を害してはいないようだ。でも美人だな。
「はい、幻獣は私を含めて6名と申し上げました。そしてその後ですが、グリフ様のLvですが、内容は申し上げられませんが我が主の力をもってすれば容易に短期間でLvを上げることができます」
幻獣がここまで言い切るのだ。間違いないのだろう。
そもそも、幻獣は通常の人族とは隔絶した力を持つものが多い。
それが6名・・・<アルダ王国>恐るべし・・・
父上の<アルダ王国>との同盟はやはり英断だったのだ。
私は改めて私の腕についている魔道具を見た。実はこの魔道具、<S:帝級>までは強さを測定できる魔道具なのだが、さっきからあの二人には全く反応していない。
故障はしていないのは分かる。なぜなら私とグリフのLvはこの魔道具から情報を正確に読み取れているからだ。
だとすると、無条件でこの二人は<SS:聖級>以上という事になる。
もはや彼女たちのくしゃみ一つで私など粉々になってしまうようなLvなのだ。
面と向かってまともに話ができているのは、彼女たちが溢れ出る強さを内面に押し留めてくれているからだろう。
これほど信じられない戦力がいるならば、我が親友に危険はないだろう。
「ミーナさん、近衛騎士と先ほどおっしゃっていましたが、何名ほどいらっしゃるのでしょうか?近衛騎士という事は、王族の方々の護衛ですか?だとするとミーナさんを含めて5名ということですか?」
「そうにゃよ。良く知ってるにゃね」
なるほど、他の近衛騎士も同じLv帯域にいるのだろう。正直今ここにいる二人でもちょっと本気を出せば、我が<フラウス王国>を滅ぼすことができるのではないだろうか。
しかし、私がそうであるように、頭脳をもってして攻略する方法もあるため油断することはできない。
私は私でできる事を必死にしよう。
これで暫くは親友ともお別れか。寂しいが決意を新たに活動しよう。
「では、グリフ暫しの別れだ。検討を祈る」
「おう、お前もなハル・・」
互いに拳を軽くぶつけて健闘を誓い、グリフは<アルダ王国>に転移していった。
本当にあっという間の出来事で、しかも想定外の幻獣や彼女たちのLvの高さに驚いてあまり悲しい気持ちは湧いてこなかったのが救いかもしれない。
いつもまでもここにいてもしょうがないだろう。私は私のすべきことがある。
実は父上との通信において一つ気になる点があった。
それは<アルダ王国>との同盟を結んだ旨各国に布告したとのことだが、残念ながらこれだけでは<アルダ王国>はこの世界で国家とは認められたとは決して言えないのだ。
実際にこの世界で公に国家として認められるには、既に国家として認められている2つ以上の国から承認を得る必要がある。
父上の青写真としては、父上の<フラウス王国>、そして<フラウス王国>と友好関係にあり、更には今私がいる<ゴルデア王国>の承認を目指しているのだろう。
父上との魔道具通信で、<アルダ王国>の為に何かできる事がないかと伝えた時、暗に<ゴルデア王国>でできる事を考えろと伝えて来ていたのだ。
つまりはそういう事だろう。
早速私は<フラウス王国>王族の立場を利用して、<ゴルデア王国>の王族へ謁見を申し出た。
いくら王族同士と言っても、こちらはある意味ただの留学生であるため、すぐに謁見することはできない。
予定では3日後になるとのことで、<身体強化>のLv上げに殆どの時間を費やしていた。しかし、今まで手取り足取り教えてくれていたグリフがいなくなると効率は良くないが、そんな泣き言を言っている暇はない。
時間はあっという間に過ぎ、すぐに謁見の時となった。
私は自らに課した激しい鍛錬のおかげで体中が痛いが、親友そして我が祖国、同盟国である<シータ王国>の為になすべきことをするのだ。
謁見の間に入り、跪き<ゴルデア王国>シャプール国王の入室を待つ。
程無くして国王が入室、玉座に座り声がかかる。
「面を上げよ、ハル王子。此度は<フラウス王国>第一王子としての謁見との事。どのような用件か?」
「この度はお時間をいただきましてありがとうございます。既に聞き及んでいるかと思いますが、<シータ王国>と<フラウス王国>の件でございます」
「うむ、やはりその件か。むしろそれしかないわな。<フラウス王国>から<アルダ王国>との同盟に関する布告は突然の事で些か驚いたぞ。今の状況から察するに、我が国にも<アルダ王国>の承認をせよ・・とのことだと思うがどうだ?」
「その通りでございます。我が<フラウス王国>は<シータ王国>と過去の因縁から国交を樹立しておりませんが、<シータ王国>辺境北伯であった<アルダ>領には敬意を抱いておりました。その<アルダ>が<アルダ王国>として独立したのです。既に我が弟も<アルダ王国>におり、強固な同盟を結んでおります故、私としても同盟国である<アルダ王国>の一助となるべく努力しているところでございます」
「そうか。しかし国として認めるという事は当然その国を知る必要がある。貴公の父君は人を見る目があるのでこの短い間でも同盟まで話を進めたのであろうが、我は<アルダ王国>を良く知らないのが現状だ。例えば、<シータ王国>には知っての通り<S:帝級>がおり、戦争の準備をしていると聞くが、<アルダ王国>自体の戦力は把握できておらん。仮に我が国も<アルダ王国>の承認をしたとしよう。その場合この<ゴルデア王国>も攻撃対象になってしまうだろう。我々は領民の安全を守る義務があるのだ。安易に承認するわけにはいかん」
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