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<シータ王国>VS<アルダ王国>
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ひとまず<フラウス王国>の魔道具で<フラウス王国>に帰還した俺達は、同行してきた<ゴルデア王国>国王と話をしている。
「ダン王よ、此度は一部面倒くさい事もあったが、予想の範疇を超える事態は起こらず、良い結果になったのではないだろうか?」
「ありがとうございます。リンデム王、リノス王子。<フラウス王国>のお力がなければここまで話を進めることはできなかったでしょう。また、この会議の参加を強く促していただいたシャプール王にもこの場を借りてお礼申し上げます」
「ダン王。あなたは自らの力でこの結果を勝ち取ったのだ。しかし、我らはこれから<シータ王国>と彼らに追随する国との交易はあきらめた方が良いでしょうな。逆にこちらに好意的な態度を示していた・・<シータ王国>に何らかの迫害を受けていた国々とは、彼等を保護する意味でも何かしらの盟約を早急に結んだ方が良いと思いますが」
流石は<ゴルデア王国>国王だ。多国から留学生を受け入れているだけあってこの世界の情勢にはアンテナを張っているので、俺達よりも得ている情報が多いいのだろう。
シャブール王は続けた。
「今回こちら側に好意的だった<ラーム王国><イグイム王国><ミューラ王国><ベネチカット王国><エフソデア王国>ですが、我らと同じく人族至上主義、他種族排他主義ではないのですが、<シータ王国>の圧力で止むを得ず人族以外を差別しているようですな。しかし、他の国と比べると扱いはとても良いといった所でしょうか。私が得ている情報では、これらの主義が理由かはわかりませんが<シータ王国>から無理な交易を強制されておりかなり疲弊しているようなので、早急に保護するべきだと思いますが、如何でしょうか?」
「なるほど、ある意味、我が<アルダ王国>のせいで状況が悪化する可能性が高い国なのですから、地下迷宮から得られる魔獣関連やドロップを融通することにしましょう」
<フラウス王国>のリンデム王は、
「それは良いことですな。シャブール王、既にご存じの通り、我が<フラウス王国>と<アルダ王国>は同盟を結んでおりましてな、貴国とそして今回の5カ国もこの同盟に入ってはいかがだろうか?我らの力が増せば、他の国々もこちら側につくかもしれませんしな」
「願ってもないことですな。ただ5カ国に関してはどの様な条件とするのでしょうか?そもそもあの国は領土の位置が良かったこともあってあの場で我らに対して好意的になっていたはずなので、<シータ王国>から完全に保護する必要があると思います」
そう、あの場で俺達についてくれたのが5カ国だけだったのは、<シータ王国>寄りの国は除いたとしても少ないと感じていた。
その理由は、国々の位置に関係している。
あの5カ国は<シータ王国>そしてそこから独立しているので隣接している<アルダ王国>・・その<アルダ王国>に隣接している<フラウス王国>と更に<フラウス王国>に隣接している<ゴルデア王国>の隣に位置しているため、俺達の庇護下に入れば直接<シータ王国>から攻撃や干渉を受けないと考えているのだ。
領民を守る義務がある国王がその程度考えられないはずもないだろう。
当然この場にいる<アルダ王国><フラウス王国><ゴルデア王国>国王はそんなことは分かっているので、話は進んでいく。
<ゴルデア王国>シャプール王は、俺の予想を上回る事を言ってきた。
「ダン王、そしてリンデム王。貴国に比べて正直我が国はこれと言った特産もなく、技術もない。今の位置が確立できているのも<フラウス王国>の魔道具による保護があるからに他ならない。なので、今回の5カ国と我が国を含めた6カ国は貴国の同盟の庇護下に入る立ち位置で行きたいと思うのだがどうだろうか?」
そう、自国を積極的に売り込むのではなく、表現は悪いが少し下げて売り込んでいるイメージだ。しかし、リンデム王と父さんに接して人柄を理解し、その位置でも問題ないと判断したのだろう。
父さんとリンデム王は互いに顔を見合わせている。
すると、リンデム王も俺の予想を上回ってきた。
「なるほど、シャブール王、貴殿の言い分もわかります。と言うのも我が国<フラウス王国>も魔道具は栄えていますが、実のところ技術の革新が進んでおらず頭打ちの状態であり、打開するべく<アルダ王国>で勉強させて頂いている状態なのです。更に先の護衛の戦い。あまりのLvの高さに正直何もわからないうちに、あろうことか串焼きの串で<シータ王国>の誇る<S:帝級>3人を軽くあしらってしまったあの強さ。そして強いながらも高い忠誠心をもつ・・いや持たせる王族の方々。正直今現在形式上は対等の同盟となっていますが、我が国も<アルダ王国>の庇護下にあるといっても過言ではないのです。そこで私からも提案です。ダン国王を筆頭にした大同盟と言う形はどうでしょうか?」
流石に父さんが待ったをかけた。
「リンデム王、我ら<アルダ王国>は貴国の支えがなければここまで来ることはできませんでした。なので少なくとも貴国との同盟は維持したままでの大同盟と言う形にはできないでしょうか?」
となると、<アルダ-フラウス>大同盟に各国が加わる形だな。
「ダン王のいう事も理解できますぞリンデム王。ここは貴国も筆頭になっていただき、<アルダ王国>と<フラウス王国>の大同盟と言う形でいかがか?」
シャブール王も追随してきたため、リンデム王もそれ以上反論できなかったのか同盟の主軸は決定した。
「わかりました。<アルダ王国>と我が国の大同盟を主軸とした多国の大同盟と致しましょう。冷静に考えれば、<アルダ王国>と我が<フラウス王国>の王族は家族になると思いますしな・・」
そういってリンデム王はチラっとリノス第二王子と傍に寄り添っているソフィア姉さんを見た。
そういえばそうだった・・突然話題に上がり見られた二人は顔を赤くして下を向いてしまったけれど、とても微笑ましい。
とすると今後は各国の防衛体制と交易、特に人々の移動方法について詰める必要があるのだが、<アルダ王国>含めて8カ国全て隣接してつながっている状態なのであまり複雑な話にはならないだろうとは思う。
国王同士が話を詰めて行き、一度8カ国の国王が<アルダ王国>に集結することになった。
<アルダ王国>は<シータ王国>との境界国家なので、そこを境に<シータ王国>派と、<アルダ-フラウス>大同盟派がくっきりと分かれることになる。
そのことを理解するためにも、集合場所は<アルダ王国>となったのだ。
そこまで決まり、一旦俺達は<アルダ王国>へ帰還した。
<フラウス王国>と<ゴルデア王国>で5カ国に対して大同盟の話をし、後日開催日を連絡してくれるらしい。
そうして長く短い1日は終了した。
色々想定していたおかげで、全てうまく対処できたのではないだろうか・・
いや、父さんが怒っちゃってラムの実力の一端を見せてしまったのだけは想定外ではあったが・・
よくよく考えると、俺達の近衛騎士は皆あんな感じなんだよな。
今回の騒動で<アルダ王国>の実力を知った<シータ王国>が、もしこちらに攻めてくるとしたら、よっぽど対策をしてきたと考えるべきで、最悪の事態を考慮した避難体制も確立しておく必要があるだろう。
敵は、<シータ王国>だけではないかもしれないし、国民の安全対策はやりすぎて困ることはないのだかが・・・
どのみち、大同盟の会議もまだ日程が決まっていない為、この間に避難について考えて実践していきたい。
父さんにそのことを伝えて了解を得たので、早速避難について考えてみた。
最悪の事態は防壁を何らかの方法で破られて侵入されたケースだと思う。
とすると、<神猫>か<魔界森>、はたまた同盟国で最も近い<フラウス王国>が避難先となるのだが、<神猫>については地下迷宮であり、<アルダ王国>の管理下にあると知られているはずなので何か対策をしてくると考えられる。
<フラウス王国>までは距離があるので、一般国民が避難している最中に追撃を受ける可能性があるだろう。
<転移>を使えばいいのだが、全員まともに<転移>できるとは思えないし、敵もまとめて<転移>してしまう可能性もあるため、<フラウス王国>も危険に晒してしまうのだ。
とすると必然的に迷宮であると知られていない<魔界森>に避難する方向が残ってくる。
敵は<魔界森>に避難する俺達を見ると、逃げまとって生存不可能な森に逃げているように見えるので追撃もない可能性が高い。
そもそもこの世界では<魔界森>は超常の領域であり人族レベルでは侵入できないと考えられているのだ。
そうして避難についての考えもまとまり、幻獣部隊や神獣達、そして近衛騎士にこのことを伝えた。
近衛騎士から騎士や国民に対してこの情報は伝わり、万が一の事態においての行動が国民全員に知れ渡った。
この行動が、実際被害を最小限に留める事ができたとはこの時は思いもしなかった。
「ダン王よ、此度は一部面倒くさい事もあったが、予想の範疇を超える事態は起こらず、良い結果になったのではないだろうか?」
「ありがとうございます。リンデム王、リノス王子。<フラウス王国>のお力がなければここまで話を進めることはできなかったでしょう。また、この会議の参加を強く促していただいたシャプール王にもこの場を借りてお礼申し上げます」
「ダン王。あなたは自らの力でこの結果を勝ち取ったのだ。しかし、我らはこれから<シータ王国>と彼らに追随する国との交易はあきらめた方が良いでしょうな。逆にこちらに好意的な態度を示していた・・<シータ王国>に何らかの迫害を受けていた国々とは、彼等を保護する意味でも何かしらの盟約を早急に結んだ方が良いと思いますが」
流石は<ゴルデア王国>国王だ。多国から留学生を受け入れているだけあってこの世界の情勢にはアンテナを張っているので、俺達よりも得ている情報が多いいのだろう。
シャブール王は続けた。
「今回こちら側に好意的だった<ラーム王国><イグイム王国><ミューラ王国><ベネチカット王国><エフソデア王国>ですが、我らと同じく人族至上主義、他種族排他主義ではないのですが、<シータ王国>の圧力で止むを得ず人族以外を差別しているようですな。しかし、他の国と比べると扱いはとても良いといった所でしょうか。私が得ている情報では、これらの主義が理由かはわかりませんが<シータ王国>から無理な交易を強制されておりかなり疲弊しているようなので、早急に保護するべきだと思いますが、如何でしょうか?」
「なるほど、ある意味、我が<アルダ王国>のせいで状況が悪化する可能性が高い国なのですから、地下迷宮から得られる魔獣関連やドロップを融通することにしましょう」
<フラウス王国>のリンデム王は、
「それは良いことですな。シャブール王、既にご存じの通り、我が<フラウス王国>と<アルダ王国>は同盟を結んでおりましてな、貴国とそして今回の5カ国もこの同盟に入ってはいかがだろうか?我らの力が増せば、他の国々もこちら側につくかもしれませんしな」
「願ってもないことですな。ただ5カ国に関してはどの様な条件とするのでしょうか?そもそもあの国は領土の位置が良かったこともあってあの場で我らに対して好意的になっていたはずなので、<シータ王国>から完全に保護する必要があると思います」
そう、あの場で俺達についてくれたのが5カ国だけだったのは、<シータ王国>寄りの国は除いたとしても少ないと感じていた。
その理由は、国々の位置に関係している。
あの5カ国は<シータ王国>そしてそこから独立しているので隣接している<アルダ王国>・・その<アルダ王国>に隣接している<フラウス王国>と更に<フラウス王国>に隣接している<ゴルデア王国>の隣に位置しているため、俺達の庇護下に入れば直接<シータ王国>から攻撃や干渉を受けないと考えているのだ。
領民を守る義務がある国王がその程度考えられないはずもないだろう。
当然この場にいる<アルダ王国><フラウス王国><ゴルデア王国>国王はそんなことは分かっているので、話は進んでいく。
<ゴルデア王国>シャプール王は、俺の予想を上回る事を言ってきた。
「ダン王、そしてリンデム王。貴国に比べて正直我が国はこれと言った特産もなく、技術もない。今の位置が確立できているのも<フラウス王国>の魔道具による保護があるからに他ならない。なので、今回の5カ国と我が国を含めた6カ国は貴国の同盟の庇護下に入る立ち位置で行きたいと思うのだがどうだろうか?」
そう、自国を積極的に売り込むのではなく、表現は悪いが少し下げて売り込んでいるイメージだ。しかし、リンデム王と父さんに接して人柄を理解し、その位置でも問題ないと判断したのだろう。
父さんとリンデム王は互いに顔を見合わせている。
すると、リンデム王も俺の予想を上回ってきた。
「なるほど、シャブール王、貴殿の言い分もわかります。と言うのも我が国<フラウス王国>も魔道具は栄えていますが、実のところ技術の革新が進んでおらず頭打ちの状態であり、打開するべく<アルダ王国>で勉強させて頂いている状態なのです。更に先の護衛の戦い。あまりのLvの高さに正直何もわからないうちに、あろうことか串焼きの串で<シータ王国>の誇る<S:帝級>3人を軽くあしらってしまったあの強さ。そして強いながらも高い忠誠心をもつ・・いや持たせる王族の方々。正直今現在形式上は対等の同盟となっていますが、我が国も<アルダ王国>の庇護下にあるといっても過言ではないのです。そこで私からも提案です。ダン国王を筆頭にした大同盟と言う形はどうでしょうか?」
流石に父さんが待ったをかけた。
「リンデム王、我ら<アルダ王国>は貴国の支えがなければここまで来ることはできませんでした。なので少なくとも貴国との同盟は維持したままでの大同盟と言う形にはできないでしょうか?」
となると、<アルダ-フラウス>大同盟に各国が加わる形だな。
「ダン王のいう事も理解できますぞリンデム王。ここは貴国も筆頭になっていただき、<アルダ王国>と<フラウス王国>の大同盟と言う形でいかがか?」
シャブール王も追随してきたため、リンデム王もそれ以上反論できなかったのか同盟の主軸は決定した。
「わかりました。<アルダ王国>と我が国の大同盟を主軸とした多国の大同盟と致しましょう。冷静に考えれば、<アルダ王国>と我が<フラウス王国>の王族は家族になると思いますしな・・」
そういってリンデム王はチラっとリノス第二王子と傍に寄り添っているソフィア姉さんを見た。
そういえばそうだった・・突然話題に上がり見られた二人は顔を赤くして下を向いてしまったけれど、とても微笑ましい。
とすると今後は各国の防衛体制と交易、特に人々の移動方法について詰める必要があるのだが、<アルダ王国>含めて8カ国全て隣接してつながっている状態なのであまり複雑な話にはならないだろうとは思う。
国王同士が話を詰めて行き、一度8カ国の国王が<アルダ王国>に集結することになった。
<アルダ王国>は<シータ王国>との境界国家なので、そこを境に<シータ王国>派と、<アルダ-フラウス>大同盟派がくっきりと分かれることになる。
そのことを理解するためにも、集合場所は<アルダ王国>となったのだ。
そこまで決まり、一旦俺達は<アルダ王国>へ帰還した。
<フラウス王国>と<ゴルデア王国>で5カ国に対して大同盟の話をし、後日開催日を連絡してくれるらしい。
そうして長く短い1日は終了した。
色々想定していたおかげで、全てうまく対処できたのではないだろうか・・
いや、父さんが怒っちゃってラムの実力の一端を見せてしまったのだけは想定外ではあったが・・
よくよく考えると、俺達の近衛騎士は皆あんな感じなんだよな。
今回の騒動で<アルダ王国>の実力を知った<シータ王国>が、もしこちらに攻めてくるとしたら、よっぽど対策をしてきたと考えるべきで、最悪の事態を考慮した避難体制も確立しておく必要があるだろう。
敵は、<シータ王国>だけではないかもしれないし、国民の安全対策はやりすぎて困ることはないのだかが・・・
どのみち、大同盟の会議もまだ日程が決まっていない為、この間に避難について考えて実践していきたい。
父さんにそのことを伝えて了解を得たので、早速避難について考えてみた。
最悪の事態は防壁を何らかの方法で破られて侵入されたケースだと思う。
とすると、<神猫>か<魔界森>、はたまた同盟国で最も近い<フラウス王国>が避難先となるのだが、<神猫>については地下迷宮であり、<アルダ王国>の管理下にあると知られているはずなので何か対策をしてくると考えられる。
<フラウス王国>までは距離があるので、一般国民が避難している最中に追撃を受ける可能性があるだろう。
<転移>を使えばいいのだが、全員まともに<転移>できるとは思えないし、敵もまとめて<転移>してしまう可能性もあるため、<フラウス王国>も危険に晒してしまうのだ。
とすると必然的に迷宮であると知られていない<魔界森>に避難する方向が残ってくる。
敵は<魔界森>に避難する俺達を見ると、逃げまとって生存不可能な森に逃げているように見えるので追撃もない可能性が高い。
そもそもこの世界では<魔界森>は超常の領域であり人族レベルでは侵入できないと考えられているのだ。
そうして避難についての考えもまとまり、幻獣部隊や神獣達、そして近衛騎士にこのことを伝えた。
近衛騎士から騎士や国民に対してこの情報は伝わり、万が一の事態においての行動が国民全員に知れ渡った。
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