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<シータ王国>VS<アルダ王国>
<シータ王国>との戦闘(2)
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そうこうしている内に、広範囲の魔法攻撃が<シータ王国>から繰り出された。
ぱっと見、<上級>の炎魔法なので通常であれば被弾しても何のダメージもないが、今回は全てが想定外の結果となっている為、避ける必要がある。
のだが、俺の位置は良いが最前線にいる高Lvの幻獣部隊と近衛騎士達は全員被弾してしまった。
しかし、ダメージは無さそうでほっとしたのだが、突然今まで避けられている攻撃を受けるようになり、こちらの技が発動されないようだ。
ミーナの動きも明らかに悪くなっている。
圧倒的な力でねじ伏せるはずが、力のある者程<シータ王国>の攻撃によるダメージを受けているし、攻撃が効いていない。
まずい状況になってきた。
『攻撃を受けた者、一旦退却しろ。明らかにお前らの動きは悪くなっている。その間被弾していない者と各部族の遊撃部隊がカバーだ』
と一部撤退させていると、被弾したミーナとちょうど近くに来た重鎮Aが話してきた。
「ジン様、あいつらの攻撃おかしいにゃ、食らった瞬間力が抜けて<手足装甲:聖級>も腕輪に戻ってしまったにゃ。周りの近衛騎士も同じにゃよ」
「ジン殿、我ら<フラウス王国>に伝わる伝承で、<シータ王国>に召喚された先人が<シータ王国>に<S:帝級>以上のLvやスキルを無効化するアイテムを無理やり作らされたので、何かあれば注意するように・・・とあります。これはそのアイテムを使用していると見て間違いないでしょう。申し訳ない、ダン王との会議の場で我らが魔道具のチェックなどどいい退出したため、この情報を伝えられていませんでした」
重鎮A《ノレンド》がいつものマイペースではなく、真面目に伝えてきた。
成程、やはりそういったアイテムだったか。
「とすると、<A:上級>の攻撃は通るのか?」
「おそらく通ると思います。伝承のアイテムで間違いなければですが。ただ使用している者も<A:上級>であることを考えればほぼ間違いないでしょう」
そうか、だから後方部隊の<S:帝級>はこの不思議な装備を使えないのか・・自らのLvや<スキル>が無効化されてしまうから・・だとすると納得だ。
『皆聞け、どうやらあいつらの装備は<S:帝級>以上のLvや<スキル>を無効化する機能がある。なので、こちらも後方に位置している<A:上級>部隊と前線を至急入れ替えろ。今までの攻撃でダメージを受けた者は<A:上級>以下の治癒方法で治せ』
と、こちらが前衛と後衛を入れ替えている内に、既にダメージを負っている高Lvの者を追ってきた<シータ王国>の者と乱戦になってしまい、国土内に侵入を許してしまった。
正直隔絶した力を持った俺達の攻撃が通用しないので、対処ができない。
<シータ王国>と同じ<A:上級>の者が対処に回っているが、同じLv帯てあるために互角の戦いとなり、民家などに損傷がでしまっている。
住民は避難が終了しているために命の心配はないのが良かった。
避難について事前に検討・実施していたことがこれ程助かるとは思わなかったぞ。
そうこうしている内に、<シータ王国>の<S:帝級>部隊が侵入してきた。
こいつらに対抗できるのは<S:帝級>以上となるが、さっきのあいつらの攻撃で<スキル>やLvを無効化されてしまっている。
ドルロイめ、クズのくせに一応頭の回転は良いようだ。
今戦力として残っている対処ができるメンバーは俺と神獣達だけだ。
しかも混戦になっているため、俺達のLvで攻撃したら味方にも大きな被害が出る為一気に旬滅させることもできない。
こんな事なら、もっと力を制御できるように修練しておくんだった。
やつらの<S:帝級>部隊は、殆どがこっちの後方に下がった部隊を狙いに来ているが、一部は混戦の<A:上級>同士の戦いに加わっている。
いくら<アルダ王国>の部隊が<A:上級>の上位に位置するといっても、<S:帝級>には歯が立たない。
『神獣の皆、後方に下がった<S:帝級>以上の部隊に対して<神の権能>で魔法防御を付与してくれ。今、そっちに向かっている<シータ王国>の連中はアイテムを持っていないので俺達の力が無効化されることはないはずだ。念のため4人全員でかけてくれ』
『『『『わかりました』』』』
すぐに退避した高Lvである後方部隊の周りに光り輝く膜が見えた。
よし、これで後方は少しは大丈夫だ。
・・と対処している最中に、混戦している中で<アルダ王国>側の戦士に重傷者が出始めた。
まずい、力を温存などできない!!
「来い!レイラ!!」
カッ!!
光と共に召喚魔獣である幻獣<光鳥>のレイラが表れた。
本来は<魔界森>の塔に俺以外の王族の護衛と言う形でいて貰っていたが、そんな悠長なことは言っていられない。
<SS:聖級>の力で<S:帝級>を押しつぶす必要がある。
契約魔獣であるために俺の意思を確認するまでもなく、即混戦している中の<S:帝級>に対して攻撃した。
契約魔獣の召喚は、俺の意思や必要に応じた記憶も瞬時に理解できるため、このような緊急時には非常に有用だ。
巻き添えがないように、基本的には<土魔法>を使用しつつ、<光魔法>で重傷者の治療を実施している。このあたりの微細な力の制御は流石だ。
ただ・・やつらのアイテムによる攻撃で負った傷は、レイラのLvが高すぎる為アイテムの制約にかかり、治療できていない。
『モモ、シロ、トーカ、ソラ、神獣の姿になりあいつらを威嚇して、一瞬動きが止まったところを俺が始末する方法で良いか?』
『『『『わかりました。タイミングはお任せします』』』』
よし、方針は決まった。混戦の中で動かれたら味方に攻撃が当たる可能性があるが、事前に補足した上でやつらの動きが止まれば、俺でも狙うことができる。
俺達は空中に浮かび状況を確認した。
神獣は俺を中心に4方に少しだけ離れた位置に位置取り俺の指示を待っている。
俺はと言うと、即攻撃ができるようにあいつらの位置を把握しておく必要があり、少し時間がかかるので人化を解くのは待ってもらった。
よし全員補足できたぞ。
『皆、今だ!!』
俺と一緒に空中に浮いている神獣達は強く光り輝き、地上で乱戦になっている者達もあまりの光の強さにこちらを見ている・・と言うよりもこっちを見ても見えないのだが・・
だが、流石<シータ王国>の手練れはその中でも少し移動し王城の方へ向かっている。
光が収まり、俺の前世からの家族が人化を解いた姿で現れた。
そこには強い風と共に神々しい姿の神獣達がいる。
神狼モモ:白銀の毛に覆われた狼
神鳥ソラ:赤い炎に覆われた鳥
神龍トーカ:漆黒の鱗に覆われた龍
神猫シロ:紫の毛に覆われた猫
4匹の神獣達。
あまりの神々しさとあふれ出る力の奔流に、<シータ王国>の連中も動きを止めてしまった。
作戦通りだ。
俺は補足していた連中に対して<神氷>を放ち、一気に始末した。
<神雷>だと周りの被害が大きすぎるので、局地的に狙える<神氷>にしておいた。
とすると、残りは<A:上級>のアイテム持ちだけだ。
こちらも種がわかれば対処もしやすい。すべて<A:上級>で対処することにした。
<A:上級>といっても幅があるため、<神>の名を冠する地下迷宮を有する俺達の方が高いLvを持っている。
ので、徐々にではあるが<シータ王国>のやつらは倒されていった。
時間が経ち、最後に残ったのは・・・クズ王・・いや、ドルロイだけとなったが、あいつは神獣の強さに当てられて逃げることもできなかったらしい。
『「皆、完全に<シータ王国>は排除することができた。ここに王が残っているのでこちらも王と対峙させて今後の責任の取り方について決めて行きたいと思う。けが人は出てしまったが、完全勝利だ!良くやった」』
俺は<念話>と口頭で同じことを皆に伝えた。
ウォ~・・ 地響きのような雄たけびが聞こえてくる。
皆、必死にこの<アルダ王国>を守ってくれてありがとう!!
俺は落ち着いた状況になったため、直接父さんに<念話>で勝利したこと、こちらには多少の重傷者は出た物の、完全に治癒できていること、これからドルロイと父さんで話をして欲しいこと、最後に同盟国に今回の騒動はこちらの完全勝利で終わったことを伝えてほしいこと・・を伝達した。
当然避難も解除し、<魔界森>の塔から避難民が続々自国に戻って行く。
オルドも<転移>が使えるため、父さんたちをここ東門近くまで連れて来てもらった。
そして、母さんとレイラは王城に<転移>で帰還した。
今回はレイラを別部隊にしておいて本当に良かった。
そのおかげで、やつらのアイテムの影響を受けずに高Lvと<スキル>を使用できる状態でいられたのだから・・
今後も、戦力の一極集中は止めた方が良いな。
そして父さん、姉さん、リノス王子、兄さんとオルドがこちらに到着し、ドルロイと相対した。
「ドルロイ王よ、随分と過激な訪問だな。お前のせいでそちらの同行者は皆いなくなってしまったようだがな・・。さて、貴様にはこの惨状の責任を取ってもらおうか。過去<フラウス王国>とトラブルになった際に得たアイテムを使ってきたことは知っているぞ。その辺りの話もじっくり聞かせてもらおうか」
その時、リノス王子が、
「ダン王、この件、<フラウス王国>も関係する話になるので、我が父リンデムも同席させてもよろしいでしょうか?」
そうか、<シータ王国>と<フラウス王国>断交の経緯もあるしな。
「承知した。ではこれから王城に移動するのでそこに来ていただこう。大同盟の主軸である国家でもあるし、当然リンデム王にも同席していただこう。オルドよ、このクズを拘束しておけ!!」
「承知しました」
神人になってから疲れを感じなくなっていたが、流石に敵ではあるが、多くの命を散らせたので何となく疲れてしまった。
こんな時は、やはり既に人化している神獣の4人がそっと俺を包んでくれる。
そうして、<アルダ王国>幹部とその護衛、リノス王子、拘束されたドルロイと共に王城に転移し、拘束したドルロイは床に座らせ、俺達は席に着きクズを見下ろす形となった。
そこにリンデム王が入室してきた。
「ダン王、被害はあまりないと聞きましたが、大丈夫ですか?」
「ありがとうございます。貴国の情報により突破口が開けたと聞いています。助かりました。重傷者は若干いましたが既に治癒させており、敵はこのクズ以外は全滅しました。まあ、建屋や防壁の門などダメージを受けた物がありますが・・結果的には大勝利ですな」
「そうだ!!この野郎、この俺様の魔法防壁を破壊しやがって・・見てろよ、今度はどんなアイテムにも微動だにしない防壁にしてやる!!」
とガジムはドルロイの胸倉をつかんで大声で叫んでいた。
やはりガジムはどこへ行ってもガジムだな・・
ぱっと見、<上級>の炎魔法なので通常であれば被弾しても何のダメージもないが、今回は全てが想定外の結果となっている為、避ける必要がある。
のだが、俺の位置は良いが最前線にいる高Lvの幻獣部隊と近衛騎士達は全員被弾してしまった。
しかし、ダメージは無さそうでほっとしたのだが、突然今まで避けられている攻撃を受けるようになり、こちらの技が発動されないようだ。
ミーナの動きも明らかに悪くなっている。
圧倒的な力でねじ伏せるはずが、力のある者程<シータ王国>の攻撃によるダメージを受けているし、攻撃が効いていない。
まずい状況になってきた。
『攻撃を受けた者、一旦退却しろ。明らかにお前らの動きは悪くなっている。その間被弾していない者と各部族の遊撃部隊がカバーだ』
と一部撤退させていると、被弾したミーナとちょうど近くに来た重鎮Aが話してきた。
「ジン様、あいつらの攻撃おかしいにゃ、食らった瞬間力が抜けて<手足装甲:聖級>も腕輪に戻ってしまったにゃ。周りの近衛騎士も同じにゃよ」
「ジン殿、我ら<フラウス王国>に伝わる伝承で、<シータ王国>に召喚された先人が<シータ王国>に<S:帝級>以上のLvやスキルを無効化するアイテムを無理やり作らされたので、何かあれば注意するように・・・とあります。これはそのアイテムを使用していると見て間違いないでしょう。申し訳ない、ダン王との会議の場で我らが魔道具のチェックなどどいい退出したため、この情報を伝えられていませんでした」
重鎮A《ノレンド》がいつものマイペースではなく、真面目に伝えてきた。
成程、やはりそういったアイテムだったか。
「とすると、<A:上級>の攻撃は通るのか?」
「おそらく通ると思います。伝承のアイテムで間違いなければですが。ただ使用している者も<A:上級>であることを考えればほぼ間違いないでしょう」
そうか、だから後方部隊の<S:帝級>はこの不思議な装備を使えないのか・・自らのLvや<スキル>が無効化されてしまうから・・だとすると納得だ。
『皆聞け、どうやらあいつらの装備は<S:帝級>以上のLvや<スキル>を無効化する機能がある。なので、こちらも後方に位置している<A:上級>部隊と前線を至急入れ替えろ。今までの攻撃でダメージを受けた者は<A:上級>以下の治癒方法で治せ』
と、こちらが前衛と後衛を入れ替えている内に、既にダメージを負っている高Lvの者を追ってきた<シータ王国>の者と乱戦になってしまい、国土内に侵入を許してしまった。
正直隔絶した力を持った俺達の攻撃が通用しないので、対処ができない。
<シータ王国>と同じ<A:上級>の者が対処に回っているが、同じLv帯てあるために互角の戦いとなり、民家などに損傷がでしまっている。
住民は避難が終了しているために命の心配はないのが良かった。
避難について事前に検討・実施していたことがこれ程助かるとは思わなかったぞ。
そうこうしている内に、<シータ王国>の<S:帝級>部隊が侵入してきた。
こいつらに対抗できるのは<S:帝級>以上となるが、さっきのあいつらの攻撃で<スキル>やLvを無効化されてしまっている。
ドルロイめ、クズのくせに一応頭の回転は良いようだ。
今戦力として残っている対処ができるメンバーは俺と神獣達だけだ。
しかも混戦になっているため、俺達のLvで攻撃したら味方にも大きな被害が出る為一気に旬滅させることもできない。
こんな事なら、もっと力を制御できるように修練しておくんだった。
やつらの<S:帝級>部隊は、殆どがこっちの後方に下がった部隊を狙いに来ているが、一部は混戦の<A:上級>同士の戦いに加わっている。
いくら<アルダ王国>の部隊が<A:上級>の上位に位置するといっても、<S:帝級>には歯が立たない。
『神獣の皆、後方に下がった<S:帝級>以上の部隊に対して<神の権能>で魔法防御を付与してくれ。今、そっちに向かっている<シータ王国>の連中はアイテムを持っていないので俺達の力が無効化されることはないはずだ。念のため4人全員でかけてくれ』
『『『『わかりました』』』』
すぐに退避した高Lvである後方部隊の周りに光り輝く膜が見えた。
よし、これで後方は少しは大丈夫だ。
・・と対処している最中に、混戦している中で<アルダ王国>側の戦士に重傷者が出始めた。
まずい、力を温存などできない!!
「来い!レイラ!!」
カッ!!
光と共に召喚魔獣である幻獣<光鳥>のレイラが表れた。
本来は<魔界森>の塔に俺以外の王族の護衛と言う形でいて貰っていたが、そんな悠長なことは言っていられない。
<SS:聖級>の力で<S:帝級>を押しつぶす必要がある。
契約魔獣であるために俺の意思を確認するまでもなく、即混戦している中の<S:帝級>に対して攻撃した。
契約魔獣の召喚は、俺の意思や必要に応じた記憶も瞬時に理解できるため、このような緊急時には非常に有用だ。
巻き添えがないように、基本的には<土魔法>を使用しつつ、<光魔法>で重傷者の治療を実施している。このあたりの微細な力の制御は流石だ。
ただ・・やつらのアイテムによる攻撃で負った傷は、レイラのLvが高すぎる為アイテムの制約にかかり、治療できていない。
『モモ、シロ、トーカ、ソラ、神獣の姿になりあいつらを威嚇して、一瞬動きが止まったところを俺が始末する方法で良いか?』
『『『『わかりました。タイミングはお任せします』』』』
よし、方針は決まった。混戦の中で動かれたら味方に攻撃が当たる可能性があるが、事前に補足した上でやつらの動きが止まれば、俺でも狙うことができる。
俺達は空中に浮かび状況を確認した。
神獣は俺を中心に4方に少しだけ離れた位置に位置取り俺の指示を待っている。
俺はと言うと、即攻撃ができるようにあいつらの位置を把握しておく必要があり、少し時間がかかるので人化を解くのは待ってもらった。
よし全員補足できたぞ。
『皆、今だ!!』
俺と一緒に空中に浮いている神獣達は強く光り輝き、地上で乱戦になっている者達もあまりの光の強さにこちらを見ている・・と言うよりもこっちを見ても見えないのだが・・
だが、流石<シータ王国>の手練れはその中でも少し移動し王城の方へ向かっている。
光が収まり、俺の前世からの家族が人化を解いた姿で現れた。
そこには強い風と共に神々しい姿の神獣達がいる。
神狼モモ:白銀の毛に覆われた狼
神鳥ソラ:赤い炎に覆われた鳥
神龍トーカ:漆黒の鱗に覆われた龍
神猫シロ:紫の毛に覆われた猫
4匹の神獣達。
あまりの神々しさとあふれ出る力の奔流に、<シータ王国>の連中も動きを止めてしまった。
作戦通りだ。
俺は補足していた連中に対して<神氷>を放ち、一気に始末した。
<神雷>だと周りの被害が大きすぎるので、局地的に狙える<神氷>にしておいた。
とすると、残りは<A:上級>のアイテム持ちだけだ。
こちらも種がわかれば対処もしやすい。すべて<A:上級>で対処することにした。
<A:上級>といっても幅があるため、<神>の名を冠する地下迷宮を有する俺達の方が高いLvを持っている。
ので、徐々にではあるが<シータ王国>のやつらは倒されていった。
時間が経ち、最後に残ったのは・・・クズ王・・いや、ドルロイだけとなったが、あいつは神獣の強さに当てられて逃げることもできなかったらしい。
『「皆、完全に<シータ王国>は排除することができた。ここに王が残っているのでこちらも王と対峙させて今後の責任の取り方について決めて行きたいと思う。けが人は出てしまったが、完全勝利だ!良くやった」』
俺は<念話>と口頭で同じことを皆に伝えた。
ウォ~・・ 地響きのような雄たけびが聞こえてくる。
皆、必死にこの<アルダ王国>を守ってくれてありがとう!!
俺は落ち着いた状況になったため、直接父さんに<念話>で勝利したこと、こちらには多少の重傷者は出た物の、完全に治癒できていること、これからドルロイと父さんで話をして欲しいこと、最後に同盟国に今回の騒動はこちらの完全勝利で終わったことを伝えてほしいこと・・を伝達した。
当然避難も解除し、<魔界森>の塔から避難民が続々自国に戻って行く。
オルドも<転移>が使えるため、父さんたちをここ東門近くまで連れて来てもらった。
そして、母さんとレイラは王城に<転移>で帰還した。
今回はレイラを別部隊にしておいて本当に良かった。
そのおかげで、やつらのアイテムの影響を受けずに高Lvと<スキル>を使用できる状態でいられたのだから・・
今後も、戦力の一極集中は止めた方が良いな。
そして父さん、姉さん、リノス王子、兄さんとオルドがこちらに到着し、ドルロイと相対した。
「ドルロイ王よ、随分と過激な訪問だな。お前のせいでそちらの同行者は皆いなくなってしまったようだがな・・。さて、貴様にはこの惨状の責任を取ってもらおうか。過去<フラウス王国>とトラブルになった際に得たアイテムを使ってきたことは知っているぞ。その辺りの話もじっくり聞かせてもらおうか」
その時、リノス王子が、
「ダン王、この件、<フラウス王国>も関係する話になるので、我が父リンデムも同席させてもよろしいでしょうか?」
そうか、<シータ王国>と<フラウス王国>断交の経緯もあるしな。
「承知した。ではこれから王城に移動するのでそこに来ていただこう。大同盟の主軸である国家でもあるし、当然リンデム王にも同席していただこう。オルドよ、このクズを拘束しておけ!!」
「承知しました」
神人になってから疲れを感じなくなっていたが、流石に敵ではあるが、多くの命を散らせたので何となく疲れてしまった。
こんな時は、やはり既に人化している神獣の4人がそっと俺を包んでくれる。
そうして、<アルダ王国>幹部とその護衛、リノス王子、拘束されたドルロイと共に王城に転移し、拘束したドルロイは床に座らせ、俺達は席に着きクズを見下ろす形となった。
そこにリンデム王が入室してきた。
「ダン王、被害はあまりないと聞きましたが、大丈夫ですか?」
「ありがとうございます。貴国の情報により突破口が開けたと聞いています。助かりました。重傷者は若干いましたが既に治癒させており、敵はこのクズ以外は全滅しました。まあ、建屋や防壁の門などダメージを受けた物がありますが・・結果的には大勝利ですな」
「そうだ!!この野郎、この俺様の魔法防壁を破壊しやがって・・見てろよ、今度はどんなアイテムにも微動だにしない防壁にしてやる!!」
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やはりガジムはどこへ行ってもガジムだな・・
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