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<シータ王国>VS<アルダ王国>
<シータ王国>との戦闘(3)・・賠償
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クズであるドルロイを前に、俺達は話を進めていく。
「まずはこちらの被害に対しての賠償の話をさせて貰おうか」
ドルロイは下を向いたままピクリとも動かない。
構わず父さんは続ける。
「突然攻めてきた挙句に門を破壊し、我が国民を恐怖に陥れた。そして無用な避難をさせた上に防衛班に重傷者が発生し、民家も破壊されている。考えただけでも相当な被害だな。そして理不尽で無謀な攻撃に対する反撃に使用した装備の数々。賠償はどう考えているんだ?まさか返り討ちにあうとは思っていなかったから考えていないか?以前串焼きの串でコテンパンにしてやったのにまだわからないようだな。わざわざ高Lvの戦力を抑えるアイテムまで使用してくるとは、こいつをこのままにしておくと碌なことにならないと思わざるを得ないな」
ドルロイは返事はできないが小刻みに震えている。
怒りか、恐怖かは知らないが。
そこにリンデム王が、
「ドルロイよ、我が<フラウス王国>の建国の話は知っているだろう。貴様の国が異世界から強引に召喚した人族によるものであることを。貴様の<シータ王国>は無理やり召喚した者に随分と無理な要求をしていたようだな。嫌気がさして脱走し、我らが<フラウス王国>の基礎を作ってくれたのが我が国の始まりだ。さまざまな伝承が王族に伝わっているが、今回使われたと思われる高Lvの無力化アイテムについても伝承されている。これは貴様がやったことではないが、やはり同じ血を引く者だな。考えが浅はかで強欲で、自分勝手な小さな人間の発想・行動だ。ダン王の言う通り、貴様が生きていても碌なことにはならないな」
なんと、2国から最悪の宣告が実施された。
父さんが、結論をだした。
「ドルロイ、貴様を処罰した後に、この度の貴様の悪行を世界に発信しておいてやる。我が国への賠償は・・そうだな、辺境東、南、西の領地を我が<アルダ王国>国土とすることで手を打ってやろう。戦闘に来ていない貴様の身内は見逃してやるから、潔く最後を飾れ」
成程、<魔界森>に隣接しているあいつらの領地と、<神>の名を冠する地下迷宮全てを国土とするのか。悪くないな。
あれ?今の辺境伯に住んでいる住民はどうなるのかな?と思っていると、
『ジン様、既に地下迷宮進入禁止設定をしてからしばらくたつため、各領地では経済が立ち行かず、全ての領民が<シータ王国>王都または近隣の領土に移住しており、今は誰も住んでおりません』
久しいのう、水晶さん。
情報ありがとう。やっぱりこの世界では地下迷宮は生活基盤になっているんだな。
「待ってくれ、領土は渡す。二度とこのような真似はしないから、命は助けてくれ。何だったら王都にある宝物庫の中身も全て渡す!」
うぉ、びっくりした。突然の大音量で何かを叫ぶ縛られて床に座っているクズ・・
父さんとリンデム王が顔を見合わせている。
『父さん、リンデム王、お互いに<念話>で話せるようにしたから、今ここで結論を出したら?』
『助かるぞジン。してリンデム王はこの件どの様にお考えかな?』
『ジン殿、ありがとう。ダン王、私は正直直接被害にあったわけではないので、ここまで脅しておけばと言うのが落としどころかな・・と思います。宝物庫は空にしますけどね・・』
『なるほど、それもそうですな。このようなクズの命を奪っても何の足しにもなりませんし、今回使用したアイテムに近い物も根こそぎ没収してしまえば、万が一にも次はないでしょうしな。ただし、一つ条件を追加します。やつらは<S:帝級>を育成するシステムを持っており、ここは破壊します』
『なんと、そんなシステムが・・どうりでありえないLvの護衛が常にいるのですな。承知しました。そこで手を打ちましょう』
俺的にはこんなクズはいない方が世の為だが、王同士が決めたことだから口は出さない。
「ドルロイよ、先ず二つ質問だ。今回貴様が使用したドロップ等のアイテムは全て宝物庫にあるのか?そして、今回使用したアイテムによる制限は解除されるのか?」
「一つ目のドロップに関する保管に関しては、全て宝物庫にある。二つ目のアイテムの効果だが、一日程度で効果は消えて元に戻る」
父さんはヤリス母さんの近衛騎士であるオルドを見た。
オルドは意味を理解したのか頷いている。
実はオルドは<魔眼:Lv9・・聖級>を持っていて、真偽がわかるのだ。
「では条件は最終的に5つだ」
あれ?増えてる?五倍!!!どさくさに紛れて流石だな!!
「一つ目、貴様の悪行を世界に布告する。問い合わせに対しては真摯に回答しろ。二つ目、宝物庫の中身は全てこちらで頂く。その際隠し立てした場合は即貴様を処分する。我々には真偽がわかる<魔眼>持ちがいる事を忘れるな。三つ目、貴様の領地にある地下迷宮は破壊する。四つ目、辺境の領地は全て<アルダ王国>の国土とする。そして最後の五つ目、二度と我ら<アルダ-フラウス>大同盟に手を出すな」
「わ、わかった。それで助けてくれるのなら全て条件を飲む」
もう王の威厳などあったもんじゃないな。
なら、宝物庫の中身を隠蔽できないようにさっさと終わらせるか?
父さんも同じ思いだったようで、
「よし、では今からまずは宝物庫の中身と地下迷宮の破壊を実行しに行くか。それが終われば貴様はその場で解放してやる」
と宣告した。
『水晶さん、既に管理者がいる地下迷宮って、破壊できるの?』
『おそらく管理者と管理補助者が登録されているため、2名とも登録から外してジン様が管理者になった状態で機能を停止すれば破壊することができます。登録が外れている状態かは、格下の地下迷宮であれば私の方で確認できます』
格下・・・そもそもウチより格上の地下迷宮って存在するのかな?
『いいえ、しません』
ですよね!!知ってた。
そんな少し気楽ないつも通りの水晶さんとのやり取りをしながら、俺、父さん、神獣、リンデム王、リノス王子、ドルロイと近衛騎士のラム、二コラ、オルドで<シータ王国>の王都である<ジモニ>に<転移>した。
今回幻獣部隊はお留守番だ。
何やらガジムとドワーフ族、重鎮Aと重鎮Bが破壊された門および魔法防壁の強化にやる気をみなぎらせており、その手伝いをさせられるらしいが、まだ彼らは力が戻っていないので、あまり大変な作業はできないと思うが・・
と言うのも、ガジムが<シータ王国>が使用していたアイテムを拾い、その解析を始めているのだ。
こんな非常事態がようやく終わったばかりだというのに、彼らの情熱?には頭が下がる。
王都<ジモニ>についた俺達は早速宝物庫に向かった。
近衛騎士は臨戦態勢を取ってはいるが、今だ<シータ王国>のアイテムによる制限が解除されておらず、影響を受けていないオルドのみ<槍:聖級>を展開しその他の者はいつも帯剣している剣を抜剣している。
宝物庫に行くまでに、何人かの使用人、騎士とすれ違い、一瞬戦闘になりそうになったが、ドルロイが必死に制していた。
いよいよ宝物庫の扉が開けられ、まばゆいばかりの財宝が部屋いっぱいに保管されている。
これも貰うが、先ずは俺達を危機に落とす可能性のあるアイテム類から没収だ。
父さんも同じ考えの様で、
「ドルロイ、先ずは今回のような特殊なアイテムを保管している場所へ行け」
ドルロイは無言で奥に進んでいく。
突当りには中身がからの瓶が置かれており、その近くには一つだけ濁った色の薬品が入った瓶が置いてある。
「この中央の空になっている瓶の中身、既に使用したが、これが今回使用した<S:帝級>以上の力を一時的に不能にする秘薬だ。そして隣の中身が入っているこの薬品は、全ての欠損さえも直し、一度は死の淵からも蘇らせる事ができるといわれている秘薬中の秘薬・・・・の作成途中の物だ。伝承によれば、これを作成させている途中で召喚者は逃げたと聞いている。そして、ドロップの装備については、今回の遠征で全て使ってしまってもうない」
おいっ!!期待させておいて秘薬は作成途中かい!!
父さんんは改めてオルドを見るも、彼は頷いてドルロイの発言に嘘がないことを伝えている。
「当然この薬品も含めて宝物庫の中身は全て頂いていくが、この部屋以外に我らに害をなせるようなアイテム、資料などはあるか?」
「今この部屋の中にある物が全てだ」
オルドはまた頷いた。
「わかった。では全て頂いて行こう」
父さんは俺を見たので、意図を察して全て<神の権能>を使用し異空間に一瞬で収納した。
ドルロイは目を見開いて驚いていたが、何も口にすることはなかった。
「あとは、地下迷宮の破壊だな。4か所あると聞いている。すぐに行くぞ」
「まずはこちらの被害に対しての賠償の話をさせて貰おうか」
ドルロイは下を向いたままピクリとも動かない。
構わず父さんは続ける。
「突然攻めてきた挙句に門を破壊し、我が国民を恐怖に陥れた。そして無用な避難をさせた上に防衛班に重傷者が発生し、民家も破壊されている。考えただけでも相当な被害だな。そして理不尽で無謀な攻撃に対する反撃に使用した装備の数々。賠償はどう考えているんだ?まさか返り討ちにあうとは思っていなかったから考えていないか?以前串焼きの串でコテンパンにしてやったのにまだわからないようだな。わざわざ高Lvの戦力を抑えるアイテムまで使用してくるとは、こいつをこのままにしておくと碌なことにならないと思わざるを得ないな」
ドルロイは返事はできないが小刻みに震えている。
怒りか、恐怖かは知らないが。
そこにリンデム王が、
「ドルロイよ、我が<フラウス王国>の建国の話は知っているだろう。貴様の国が異世界から強引に召喚した人族によるものであることを。貴様の<シータ王国>は無理やり召喚した者に随分と無理な要求をしていたようだな。嫌気がさして脱走し、我らが<フラウス王国>の基礎を作ってくれたのが我が国の始まりだ。さまざまな伝承が王族に伝わっているが、今回使われたと思われる高Lvの無力化アイテムについても伝承されている。これは貴様がやったことではないが、やはり同じ血を引く者だな。考えが浅はかで強欲で、自分勝手な小さな人間の発想・行動だ。ダン王の言う通り、貴様が生きていても碌なことにはならないな」
なんと、2国から最悪の宣告が実施された。
父さんが、結論をだした。
「ドルロイ、貴様を処罰した後に、この度の貴様の悪行を世界に発信しておいてやる。我が国への賠償は・・そうだな、辺境東、南、西の領地を我が<アルダ王国>国土とすることで手を打ってやろう。戦闘に来ていない貴様の身内は見逃してやるから、潔く最後を飾れ」
成程、<魔界森>に隣接しているあいつらの領地と、<神>の名を冠する地下迷宮全てを国土とするのか。悪くないな。
あれ?今の辺境伯に住んでいる住民はどうなるのかな?と思っていると、
『ジン様、既に地下迷宮進入禁止設定をしてからしばらくたつため、各領地では経済が立ち行かず、全ての領民が<シータ王国>王都または近隣の領土に移住しており、今は誰も住んでおりません』
久しいのう、水晶さん。
情報ありがとう。やっぱりこの世界では地下迷宮は生活基盤になっているんだな。
「待ってくれ、領土は渡す。二度とこのような真似はしないから、命は助けてくれ。何だったら王都にある宝物庫の中身も全て渡す!」
うぉ、びっくりした。突然の大音量で何かを叫ぶ縛られて床に座っているクズ・・
父さんとリンデム王が顔を見合わせている。
『父さん、リンデム王、お互いに<念話>で話せるようにしたから、今ここで結論を出したら?』
『助かるぞジン。してリンデム王はこの件どの様にお考えかな?』
『ジン殿、ありがとう。ダン王、私は正直直接被害にあったわけではないので、ここまで脅しておけばと言うのが落としどころかな・・と思います。宝物庫は空にしますけどね・・』
『なるほど、それもそうですな。このようなクズの命を奪っても何の足しにもなりませんし、今回使用したアイテムに近い物も根こそぎ没収してしまえば、万が一にも次はないでしょうしな。ただし、一つ条件を追加します。やつらは<S:帝級>を育成するシステムを持っており、ここは破壊します』
『なんと、そんなシステムが・・どうりでありえないLvの護衛が常にいるのですな。承知しました。そこで手を打ちましょう』
俺的にはこんなクズはいない方が世の為だが、王同士が決めたことだから口は出さない。
「ドルロイよ、先ず二つ質問だ。今回貴様が使用したドロップ等のアイテムは全て宝物庫にあるのか?そして、今回使用したアイテムによる制限は解除されるのか?」
「一つ目のドロップに関する保管に関しては、全て宝物庫にある。二つ目のアイテムの効果だが、一日程度で効果は消えて元に戻る」
父さんはヤリス母さんの近衛騎士であるオルドを見た。
オルドは意味を理解したのか頷いている。
実はオルドは<魔眼:Lv9・・聖級>を持っていて、真偽がわかるのだ。
「では条件は最終的に5つだ」
あれ?増えてる?五倍!!!どさくさに紛れて流石だな!!
「一つ目、貴様の悪行を世界に布告する。問い合わせに対しては真摯に回答しろ。二つ目、宝物庫の中身は全てこちらで頂く。その際隠し立てした場合は即貴様を処分する。我々には真偽がわかる<魔眼>持ちがいる事を忘れるな。三つ目、貴様の領地にある地下迷宮は破壊する。四つ目、辺境の領地は全て<アルダ王国>の国土とする。そして最後の五つ目、二度と我ら<アルダ-フラウス>大同盟に手を出すな」
「わ、わかった。それで助けてくれるのなら全て条件を飲む」
もう王の威厳などあったもんじゃないな。
なら、宝物庫の中身を隠蔽できないようにさっさと終わらせるか?
父さんも同じ思いだったようで、
「よし、では今からまずは宝物庫の中身と地下迷宮の破壊を実行しに行くか。それが終われば貴様はその場で解放してやる」
と宣告した。
『水晶さん、既に管理者がいる地下迷宮って、破壊できるの?』
『おそらく管理者と管理補助者が登録されているため、2名とも登録から外してジン様が管理者になった状態で機能を停止すれば破壊することができます。登録が外れている状態かは、格下の地下迷宮であれば私の方で確認できます』
格下・・・そもそもウチより格上の地下迷宮って存在するのかな?
『いいえ、しません』
ですよね!!知ってた。
そんな少し気楽ないつも通りの水晶さんとのやり取りをしながら、俺、父さん、神獣、リンデム王、リノス王子、ドルロイと近衛騎士のラム、二コラ、オルドで<シータ王国>の王都である<ジモニ>に<転移>した。
今回幻獣部隊はお留守番だ。
何やらガジムとドワーフ族、重鎮Aと重鎮Bが破壊された門および魔法防壁の強化にやる気をみなぎらせており、その手伝いをさせられるらしいが、まだ彼らは力が戻っていないので、あまり大変な作業はできないと思うが・・
と言うのも、ガジムが<シータ王国>が使用していたアイテムを拾い、その解析を始めているのだ。
こんな非常事態がようやく終わったばかりだというのに、彼らの情熱?には頭が下がる。
王都<ジモニ>についた俺達は早速宝物庫に向かった。
近衛騎士は臨戦態勢を取ってはいるが、今だ<シータ王国>のアイテムによる制限が解除されておらず、影響を受けていないオルドのみ<槍:聖級>を展開しその他の者はいつも帯剣している剣を抜剣している。
宝物庫に行くまでに、何人かの使用人、騎士とすれ違い、一瞬戦闘になりそうになったが、ドルロイが必死に制していた。
いよいよ宝物庫の扉が開けられ、まばゆいばかりの財宝が部屋いっぱいに保管されている。
これも貰うが、先ずは俺達を危機に落とす可能性のあるアイテム類から没収だ。
父さんも同じ考えの様で、
「ドルロイ、先ずは今回のような特殊なアイテムを保管している場所へ行け」
ドルロイは無言で奥に進んでいく。
突当りには中身がからの瓶が置かれており、その近くには一つだけ濁った色の薬品が入った瓶が置いてある。
「この中央の空になっている瓶の中身、既に使用したが、これが今回使用した<S:帝級>以上の力を一時的に不能にする秘薬だ。そして隣の中身が入っているこの薬品は、全ての欠損さえも直し、一度は死の淵からも蘇らせる事ができるといわれている秘薬中の秘薬・・・・の作成途中の物だ。伝承によれば、これを作成させている途中で召喚者は逃げたと聞いている。そして、ドロップの装備については、今回の遠征で全て使ってしまってもうない」
おいっ!!期待させておいて秘薬は作成途中かい!!
父さんんは改めてオルドを見るも、彼は頷いてドルロイの発言に嘘がないことを伝えている。
「当然この薬品も含めて宝物庫の中身は全て頂いていくが、この部屋以外に我らに害をなせるようなアイテム、資料などはあるか?」
「今この部屋の中にある物が全てだ」
オルドはまた頷いた。
「わかった。では全て頂いて行こう」
父さんは俺を見たので、意図を察して全て<神の権能>を使用し異空間に一瞬で収納した。
ドルロイは目を見開いて驚いていたが、何も口にすることはなかった。
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