75 / 170
<シータ王国>VS<アルダ王国>
<シータ王国>との戦闘(4)・・ドルロイの足掻き
しおりを挟む
ドルロイに場所を教えてもらい、全員で地下迷宮前に移動した。
結果的にはどの地下迷宮も管理者および管理補助者は死亡扱いで不在となっていたのだ。
どうやら今回の遠征で管理者自体も駆り出されたらしい。
これならば話は早い。俺と神獣であっという間に攻略して新たな管理者となり、地下迷宮の機能を停止させて、<神の権能>を使用し、完全に地下迷宮を破壊した。
これを4回繰り返したのだが、あまりの速さにドルロイは宝物庫に続き目を大きく見開いていた。
そして、<シータ王国>での作業は終了し、俺達はドルロイを放置して皆でとりあえず<アルダ王国>に帰還した。
俺はこの時あのクズ・・ドルロイが頭の回転が良かった事に注意を払うのを忘れていた。
急な襲撃だが統率の取れた部隊、そしてとんでもないアイテムを利用して圧倒的な力の差を埋めてきたあいつの頭脳を・・・
初めての戦いが無事終わり、気が緩んでいたのもあるだろうが・・・
俺は、<アルダ王国>王城にて宝物庫の中身を全て出した。
それを見てリンデム王は、
「ダン王、今回我々は何もせず、何も被害にあっておりません。よって、これらの戦利品は貴国が全て納めて下さい」
「いや、わざわざご足労頂いたのもそうだが、貴国の情報により敵の使用しているアイテムの性能を特定できて勝利への突破口になったと聞いているので、全て我々と言うわけにはいきませんな」
「でしたら、ノレンドとランドルの<アルダ王国>での勉強期間を伸ばしていただけませんか?」
え”~・・・俺はやだな。それだったら宝物庫の中身を全部、一切合切、差し上げた方が良い!!
「わかりました。お引き受けします」
と、父さ~ん・・・俺の願いは虚しくも却下された・・・
「では、この宝物庫の財産を利用して大同盟の活性化、交流を深めるための催し等を行いましょう。そうすれば恩恵を同盟国で少しは共有できるでしょう」
「ご配慮感謝します。では、終戦の連絡は私の方から各国へ入れておきますので、その後の話は落ち着きましたらダン王が招集お願いします」
そう言って、リンデム王は<フラウス王国>に帰還して行った。
終戦の翌日、<アルダ-フラウス>大同盟の詳細と、今回の<シータ王国>の騒動については、<アルダ王国><フラウス王国>連名にて俺達が国家と認識している40カ国に布告された。
何れはこの40カ国以外の国とも交流を持ってみたいものだが、距離もあるし、文化もどのような物か全くわからない。
そもそもどこにあるかもわからない国もある上、その国が地上にあるかすらも知らない。
前世の記憶から考えると全て地上で生活しているのだが、その常識はこの世界では当てはまらないのだ。
そう考えると、いつかは世界中を家族と観て回りたいな。
おっと、そうだ。万能薬の作りかけ・・・これどうするのかな?
「父さん、この薬の作りかけ・・どうするの?」
「ガジムに調べさせて、手の打ちようがなければ放置だな」
勘ではあるが、きっと今のガジムのLvでもこの薬の詳細は分からないだろう。
何せ異世界召喚者が作った物・・いや作り途中だが・・次元が違うような気がする。
今の俺でも鑑定できないため、少し諦めの気持ちがあるのだが、あのガジムと、きっとおまけで重鎮Aと重鎮Bがいるので、訳のわからない熱意によって解決してくれるかもしれない。
まぁ様子見だな。
「じゃあ、今日は少し疲れたから先に休ませてもらうね!<魔界森>にいるから」
「ああ。ジン、そして皆、今日は本当に助かった。ありがとう。リンデム王に言った大同盟間での交流については、後日相談しよう」
そうして俺は神獣と一緒に<魔界森>の塔5階層にやってきた。
最近は休む時は王城の部屋よりこっちにいることの方が多い。ここからは階段が4つあり、それぞれの階段が4階層のソラ、トーカ、シロ、モモの部屋につながっているんだ。
寝る時は皆5階層の俺の大きなベットに潜り込んでくるのだが、今までもそうだったので、それを見越してかなり大きなベットにした。
なので、寝心地は悪くない。
本来睡眠をしなくとも問題ない俺だが、今日は少々疲れたのでベットに入ると即眠りについてしまった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
正直、確実に息の根を止められるかと思った。
まさか、王族に伝わる秘薬を使用したアイテムを以てしても大敗するなどとは、思ってもみなかったからだ。
この<シータ王国>国王である我がここまで死を覚悟したのは初めてだ。
やつらの戦力は、軽く<S:帝級>を超えてくるだろうと言う所までは問題なかった。我らはアイテムを使用し<アルダ王国>の戦力を無効にした後、こちらの<S:帝級>で蹂躙する計画だったからだ。
そもそも作戦開始時にやつらの外壁にある門も何かしらの効果が高Lvで付与されているのであろうと踏んでいたので、アイテムを使用して無効化してから投石で破壊できた。
そしてアイテム持ちが侵入してやつらの高Lvの者を無効化した。ここまでは順調だった。
その後、こちらの<S:帝級>が侵入して蹂躙が開始される予定だった。いや、実際に大ダメージを与え始めていたのだが、程なくして空が発光したかと思うと、Lvの高い・・種族は分からないが・・人族ではなさそうな強者の雰囲気がある者が表れた。
そして、あっという間に我らの<S:帝級>部隊が倒されたのだ。
こちらのアイテム部隊は<アルダ王国>と混戦になっており、あの高Lvの者を無効化できる状態ではない。
非常にまずい。ただ、混戦部隊の持っているアイテムの効果もまだ残っているので、何人かが混戦から抜け出せば対処は可能だ。
そう考えていた時、また空が発光した・・と言うよりもあまりの光の強さに一瞬目を覆ってしまった。
そしてその後荒れ狂う風が吹き、上空を見ると・・・明らかに次元の違う・・そう、正に神と言っても良い・・神々しい魔獣が4匹も表れた。
あれはまずい。我が支配していた国家群の総戦力でも、1匹すら倒すこと・・いや傷すらつけることができずに全滅するだろう。
唖然としていると、4匹の中央にいた人族・・見たことがある。<アルダ王国>の次男・・ジン・アルダが何やら魔法を発動し、我が<シータ王国>の<S:帝級>部隊は一瞬で全滅した。
まさに悪夢だ・・・
そして、我はやつらに辺境伯領地と宝物庫の中身を根こそぎ持っていかれることになり、二度と<アルダ王国>そして、その同盟国に手を出さないと誓わされた。
死を覚悟した後に、耐えがたい屈辱的な事態になったのだ。
当然やつらは今回の我の策略に使用した秘薬について聞いてきた。
今後の心配をしたのだろう。同様のアイテム等がないかも聞いてきたのだ。
我でもそうするだろう・・・
やつらはこう聞いてきたのだ。
「この部屋以外に我らに害をなせるようなアイテム、資料などはあるか?」
そして我はこう答えた。
「今この部屋の中にある物が全てだ」
事前にやつらは、「我の言葉の真偽がわかる」という事を言っていた。
なので、決して嘘はついていない。これは神が我に復讐の機会を与えて下さったのだ。
やつらが言葉の真偽がわかるという情報を我に伝えた事、そして質問の仕方が我に有利な聞き方であった事、全てが偶然ではあるが合致したのだ。
我が<シータ王国>は、召喚に関する5つの伝承がある。
一つ目は、召喚した異世界の人族は隔絶した力を持つが、送還は不可能
二つ目は、その召喚の方法と注意点
三つ目は、一度だけ召喚を実施し、その者に有効なアイテムを2つ作らせた
四つ目は、召喚者は、1つのアイテムは未完成の状態で逃亡し<フラウス王国>を建国した
五つ目は、召喚者が地下迷宮でいくつか有用なアイテムを入手した
である。
当然、作らせたアイテムの内1つは今回使用した物だ。
そして残りの1つも宝物庫の他の財宝と共にやつらに根こそぎ奪われた。
更に、有用なアイテムとは杖と<剣:上級>だ。もうないがな・・
だが、召喚方法については奪われていない。
なぜなら、方法は我の頭に入っており、王族に口伝でのみ伝承されるからだ。これはあまりにも残虐な方法であるから故だが、今回はこれが功を奏した。
その召喚に使用するアイテムは、我が肌身離さず持っている。
つまり、あの質問をされた時に我も部屋にいたのだから、全てあの時、あの瞬間は、あの部屋の中に全てがあったのだ。
しかし、今回の事態で我の権威は失墜し資金もないのだが、この城にはまだ騎士が残っており、<シータ王国>に逆らえない国々もある。
そして、既にある程度は地下迷宮でLvを上げてある各辺境伯の子供、辺境東伯の三男アレン、辺境南伯次男ブゴウ、辺境西伯次女ショリーも今はこの城にいる。
この状況を考えると、我が再起を図るには最後の手を使う他ないだろう。
あまりにも非道な方法であるため、本来は決して実行しないと決めていたのだが・・あの神々しい魔獣を上回る戦力を必要とするならば、そうも言っていられない。
だが、我の足場はもろくも崩れ去っているので、暫くは動けん。
その間、暫しの平和を楽しんでおくと良い!!
そう、つかの間の平和をな・・
結果的にはどの地下迷宮も管理者および管理補助者は死亡扱いで不在となっていたのだ。
どうやら今回の遠征で管理者自体も駆り出されたらしい。
これならば話は早い。俺と神獣であっという間に攻略して新たな管理者となり、地下迷宮の機能を停止させて、<神の権能>を使用し、完全に地下迷宮を破壊した。
これを4回繰り返したのだが、あまりの速さにドルロイは宝物庫に続き目を大きく見開いていた。
そして、<シータ王国>での作業は終了し、俺達はドルロイを放置して皆でとりあえず<アルダ王国>に帰還した。
俺はこの時あのクズ・・ドルロイが頭の回転が良かった事に注意を払うのを忘れていた。
急な襲撃だが統率の取れた部隊、そしてとんでもないアイテムを利用して圧倒的な力の差を埋めてきたあいつの頭脳を・・・
初めての戦いが無事終わり、気が緩んでいたのもあるだろうが・・・
俺は、<アルダ王国>王城にて宝物庫の中身を全て出した。
それを見てリンデム王は、
「ダン王、今回我々は何もせず、何も被害にあっておりません。よって、これらの戦利品は貴国が全て納めて下さい」
「いや、わざわざご足労頂いたのもそうだが、貴国の情報により敵の使用しているアイテムの性能を特定できて勝利への突破口になったと聞いているので、全て我々と言うわけにはいきませんな」
「でしたら、ノレンドとランドルの<アルダ王国>での勉強期間を伸ばしていただけませんか?」
え”~・・・俺はやだな。それだったら宝物庫の中身を全部、一切合切、差し上げた方が良い!!
「わかりました。お引き受けします」
と、父さ~ん・・・俺の願いは虚しくも却下された・・・
「では、この宝物庫の財産を利用して大同盟の活性化、交流を深めるための催し等を行いましょう。そうすれば恩恵を同盟国で少しは共有できるでしょう」
「ご配慮感謝します。では、終戦の連絡は私の方から各国へ入れておきますので、その後の話は落ち着きましたらダン王が招集お願いします」
そう言って、リンデム王は<フラウス王国>に帰還して行った。
終戦の翌日、<アルダ-フラウス>大同盟の詳細と、今回の<シータ王国>の騒動については、<アルダ王国><フラウス王国>連名にて俺達が国家と認識している40カ国に布告された。
何れはこの40カ国以外の国とも交流を持ってみたいものだが、距離もあるし、文化もどのような物か全くわからない。
そもそもどこにあるかもわからない国もある上、その国が地上にあるかすらも知らない。
前世の記憶から考えると全て地上で生活しているのだが、その常識はこの世界では当てはまらないのだ。
そう考えると、いつかは世界中を家族と観て回りたいな。
おっと、そうだ。万能薬の作りかけ・・・これどうするのかな?
「父さん、この薬の作りかけ・・どうするの?」
「ガジムに調べさせて、手の打ちようがなければ放置だな」
勘ではあるが、きっと今のガジムのLvでもこの薬の詳細は分からないだろう。
何せ異世界召喚者が作った物・・いや作り途中だが・・次元が違うような気がする。
今の俺でも鑑定できないため、少し諦めの気持ちがあるのだが、あのガジムと、きっとおまけで重鎮Aと重鎮Bがいるので、訳のわからない熱意によって解決してくれるかもしれない。
まぁ様子見だな。
「じゃあ、今日は少し疲れたから先に休ませてもらうね!<魔界森>にいるから」
「ああ。ジン、そして皆、今日は本当に助かった。ありがとう。リンデム王に言った大同盟間での交流については、後日相談しよう」
そうして俺は神獣と一緒に<魔界森>の塔5階層にやってきた。
最近は休む時は王城の部屋よりこっちにいることの方が多い。ここからは階段が4つあり、それぞれの階段が4階層のソラ、トーカ、シロ、モモの部屋につながっているんだ。
寝る時は皆5階層の俺の大きなベットに潜り込んでくるのだが、今までもそうだったので、それを見越してかなり大きなベットにした。
なので、寝心地は悪くない。
本来睡眠をしなくとも問題ない俺だが、今日は少々疲れたのでベットに入ると即眠りについてしまった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
正直、確実に息の根を止められるかと思った。
まさか、王族に伝わる秘薬を使用したアイテムを以てしても大敗するなどとは、思ってもみなかったからだ。
この<シータ王国>国王である我がここまで死を覚悟したのは初めてだ。
やつらの戦力は、軽く<S:帝級>を超えてくるだろうと言う所までは問題なかった。我らはアイテムを使用し<アルダ王国>の戦力を無効にした後、こちらの<S:帝級>で蹂躙する計画だったからだ。
そもそも作戦開始時にやつらの外壁にある門も何かしらの効果が高Lvで付与されているのであろうと踏んでいたので、アイテムを使用して無効化してから投石で破壊できた。
そしてアイテム持ちが侵入してやつらの高Lvの者を無効化した。ここまでは順調だった。
その後、こちらの<S:帝級>が侵入して蹂躙が開始される予定だった。いや、実際に大ダメージを与え始めていたのだが、程なくして空が発光したかと思うと、Lvの高い・・種族は分からないが・・人族ではなさそうな強者の雰囲気がある者が表れた。
そして、あっという間に我らの<S:帝級>部隊が倒されたのだ。
こちらのアイテム部隊は<アルダ王国>と混戦になっており、あの高Lvの者を無効化できる状態ではない。
非常にまずい。ただ、混戦部隊の持っているアイテムの効果もまだ残っているので、何人かが混戦から抜け出せば対処は可能だ。
そう考えていた時、また空が発光した・・と言うよりもあまりの光の強さに一瞬目を覆ってしまった。
そしてその後荒れ狂う風が吹き、上空を見ると・・・明らかに次元の違う・・そう、正に神と言っても良い・・神々しい魔獣が4匹も表れた。
あれはまずい。我が支配していた国家群の総戦力でも、1匹すら倒すこと・・いや傷すらつけることができずに全滅するだろう。
唖然としていると、4匹の中央にいた人族・・見たことがある。<アルダ王国>の次男・・ジン・アルダが何やら魔法を発動し、我が<シータ王国>の<S:帝級>部隊は一瞬で全滅した。
まさに悪夢だ・・・
そして、我はやつらに辺境伯領地と宝物庫の中身を根こそぎ持っていかれることになり、二度と<アルダ王国>そして、その同盟国に手を出さないと誓わされた。
死を覚悟した後に、耐えがたい屈辱的な事態になったのだ。
当然やつらは今回の我の策略に使用した秘薬について聞いてきた。
今後の心配をしたのだろう。同様のアイテム等がないかも聞いてきたのだ。
我でもそうするだろう・・・
やつらはこう聞いてきたのだ。
「この部屋以外に我らに害をなせるようなアイテム、資料などはあるか?」
そして我はこう答えた。
「今この部屋の中にある物が全てだ」
事前にやつらは、「我の言葉の真偽がわかる」という事を言っていた。
なので、決して嘘はついていない。これは神が我に復讐の機会を与えて下さったのだ。
やつらが言葉の真偽がわかるという情報を我に伝えた事、そして質問の仕方が我に有利な聞き方であった事、全てが偶然ではあるが合致したのだ。
我が<シータ王国>は、召喚に関する5つの伝承がある。
一つ目は、召喚した異世界の人族は隔絶した力を持つが、送還は不可能
二つ目は、その召喚の方法と注意点
三つ目は、一度だけ召喚を実施し、その者に有効なアイテムを2つ作らせた
四つ目は、召喚者は、1つのアイテムは未完成の状態で逃亡し<フラウス王国>を建国した
五つ目は、召喚者が地下迷宮でいくつか有用なアイテムを入手した
である。
当然、作らせたアイテムの内1つは今回使用した物だ。
そして残りの1つも宝物庫の他の財宝と共にやつらに根こそぎ奪われた。
更に、有用なアイテムとは杖と<剣:上級>だ。もうないがな・・
だが、召喚方法については奪われていない。
なぜなら、方法は我の頭に入っており、王族に口伝でのみ伝承されるからだ。これはあまりにも残虐な方法であるから故だが、今回はこれが功を奏した。
その召喚に使用するアイテムは、我が肌身離さず持っている。
つまり、あの質問をされた時に我も部屋にいたのだから、全てあの時、あの瞬間は、あの部屋の中に全てがあったのだ。
しかし、今回の事態で我の権威は失墜し資金もないのだが、この城にはまだ騎士が残っており、<シータ王国>に逆らえない国々もある。
そして、既にある程度は地下迷宮でLvを上げてある各辺境伯の子供、辺境東伯の三男アレン、辺境南伯次男ブゴウ、辺境西伯次女ショリーも今はこの城にいる。
この状況を考えると、我が再起を図るには最後の手を使う他ないだろう。
あまりにも非道な方法であるため、本来は決して実行しないと決めていたのだが・・あの神々しい魔獣を上回る戦力を必要とするならば、そうも言っていられない。
だが、我の足場はもろくも崩れ去っているので、暫くは動けん。
その間、暫しの平和を楽しんでおくと良い!!
そう、つかの間の平和をな・・
0
あなたにおすすめの小説
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。
帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。
しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。
自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。
※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。
※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
・クリス(男・エルフ・570歳)
チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが……
・アキラ(男・人間・29歳)
杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が……
・ジャック(男・人間・34歳)
怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが……
・ランラン(女・人間・25歳)
優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は……
・シエナ(女・人間・28歳)
絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……
最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる